日々の恐怖 9月1日 40男の夏(1)
日々の恐怖9月1日40男の夏(1)40男の夏は妙に熱い。もう100年は前のことだ。父方の祖母には2歳離れた兄(俺の大伯父)がいた。その大伯父が山一つ越えた集落にいる親戚の家に、両親に頼まれ届け物をしに行った。山一つと言っても、子供の脚で朝一に出発すれば夜には帰って来られる位の距離だ。歩き馴れた山道で、大伯父はいつも朝一に出て、夕方ちょっと過ぎには帰って来ていた。しかしその日は、夜を過ぎても大伯父は戻らなかった。向こうの親戚の家に厄介になっているのだろうと、両親はあまり心配もしていなかったが、2日経ち3日経ったところで、そろそろ畑仕事も手伝ってもらいたいからと、親戚の家に大伯父を迎えに行った。が、大伯父は親戚の家に居なかった。居ないどころか、来てもいなかった。慌てた両親は、自分の村と親戚の集落の人に頼んで、...日々の恐怖9月1日40男の夏(1)
2024/09/02 15:40