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月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)74までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)74までアップしました。花びらながれ(工藤×良太)21までアップしました。 花びらの囁き、ラストまでアップしました。
どうやってアパートの部屋に帰りついたのか覚えていない。ほんとうにそんなことがあるんだ、と思った。 気がつけば優羽は自分の部屋のベッドに仰向けに横になり、なにをするでもなくスマートフォンのニュースサイトを眺めていた。現実からはじき出された心が、いつも通りの行動をとることで、現実に戻ろうとしているみたいだった。 我に返って、目を閉じる。「泣くなんてずるい」と言っただれかの声がよみがえる。そうだ、あれ...
月夜の猫-BL小説です 花さそう74 BL小説 汐留にあるスタジオを出ると、森村は環二通りから六本木通りへとすっかり慣れたショートワゴンのハンドルを切った。 「今日は豪勢でしたね~。お陰で撮影も着々と進んだし」 真夜中を超えるだろうと思われた撮影は何と、十一時を過ぎるか過ぎないかのところで終わったのだ。 坂口や
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ21 BL小説 「市川さん!!!」 倒れている市川に駆け寄った良太が、ふと見上げると白髪交じりの年配の男が見おろしている。 「あんた上田?!」 幸い段数が多くなかったせいか、市川はすぐ良太に気づいて身体を起こした。 「広瀬さん!!」 良太にしがみつく市川を見おろしていた上田は
最悪の、最悪の、最悪の一日。店に入るまでのふわふわと高揚した気持ちはいったいどこへ消し飛んでしまったのだろう。 男性店員の「ありがとうございました!」を無防備に背中に受けて、優羽はぼんやりと空を仰ぐ。晩秋の、透き通った夜空に星がまばらに散っている。「優羽」 智伸の気づかわしげな声が聞こえた。声にむきなおり、小刻みに震える声で優羽は智伸に言う。「悪い夢だって言って。お願いだから、ぜんぶ冗談だって言...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ20 BL小説 有吉のことも気がかりなのはわかっているが、とりあえずやることは山積みだ。 工藤がコートを手に立ちあがると、良太も慌てて工藤を送るためにキーを持って工藤のあとに続いた。 赤坂五丁目辺りまで来たところで、ハンズフリーにしている良太の携帯が鳴った。 「広瀬さん、
ガチムチ受けのアダルトなBL小説を四作収録。ボディーガード、ヌードモデル、新人社員、格ゲーのキャラのガチムチ男たちが鳴いて悶えて乱れる短編集。R18。【ボディーガードの夜伽】格闘家からボディーガードに転身した男。なかなか性格のわるい若手CEOに日々、いじめられな
#59011;紙書籍 #58946;電子書籍 #59020;CD・DVD (#59101;=購入時、発売から1ヶ月未満の新刊) 色字は感想記事へのリンクです。 (文頭の数字は購入日) 01#59011;#59101;囀る鳥は羽ばたかない⑧/ヨネダコウ 02#58946;#59101;52ヘルツの共振/早寝電灯 06#58946;#59101;月夜の獣とシナモンロール/ヤスエイ 07#59011;#59101;囀る鳥は羽ばたかない⑧/ヨネダコウ #59011;#59101;人生はバラ色か①/山本小鉄子 #59011;なつめさんは開発かれたい/マミタ 09#58946;#59101;さよなら共犯者 短編集 -その後のふたり-/あがた愛 12#58946;ちょっと待とうよ、春虎くん/あめきり 13#58946;おはようからおやすみまで/梶ヶ谷ミチル 15#58946;#59101;その恋、自販機で買えますか?16話 /吉井ハルアキ 16#58946;#59101;愛想が尽きない/ばせう 18#58946;私たちが恋する理由③/ma2 #58946;#59101;やさぐれ男は恋に惑う/赤根晴 #58946;#59101;くさっ..
2023-03-31更新==2023.3.22購入(コミックシーモア)== #59128;夜啼鶯は愛を紡ぐ/小中大豆 3/30まで40%off(Canna vol.88配信記念) +ラノベ・小説クーポン(10%OFF) +3/17~24最大30%ポイントバックキャンペーン対象 +水曜ポイ活 作品購入で3pt還元 「夜啼鶯は愛を紡ぐ」 BL小説における我が師匠で指針である ritsukoさんの感想記事を読んで以来 購入候補に入れていた作品。 シーモアのお気に入りの新機能で セール表示されるようになったおかげで 本作がこのお得なタイミングで セール価格になっていることに気づけました。 ありがたいよう、ほんと。 今月はコミックは散々買ったけど 小説はこれしか買わなかったね・・・(^▽^;) でも珍しく即読みしたので 感想書けたら書きたい・・・..
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ19 BL小説 「え、あれ撮ったの、有吉さん?! どういうつもりであんな!」 良太はカッとなって有吉に詰め寄った。 いくら何でも市川をあんな形で世間に晒すなんて、と良太は憤る。 「さすが工藤さん、よくわかったな。あん時、写真撮ってる俺とあいつ目が合って、あとで怒鳴りつけてきた
↑電子書籍のサンプル【ボディーガードの夜伽】体を壊し、プロの格闘家を引退した俺はボディーガードに転身。ほんとうは業界にのこりたかったが、協会と揉めてしまい追放されてしまい。それでも、元先輩の口利きで、経験を活かせる職業につけたのは幸運。業界にはもどれない
BLss「失恋した俺は桜の木の下で彼に慰められ搾りとられる」R18
失恋のショックを引きずったまま、丘のてっぺんに咲き誇る桜の元へ。花びらが舞うなか、女物の着物をまとい男が佇み、ふりかえると・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。長年友人だった重雄に告白をしてフられた。「おまえを人として好きだけど
いくら考えても、どんな思いかたをしても、理不尽だとしか思えなかった。こんなのってない。こんなのってないよ。 どれだけ優羽が智伸を好きでも、智伸とはいずれどうしようもなく枝分かれした道を行くはずで。でも、それはこんなにはやくないはずで。こんなに突然のことでもないはずで。 つらいのは俺じゃないだろうが、と優羽は自分の心を抑えつけようとした。けれど、ひび割れのすきまから水が漏れてくるように、ひんやりと...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ18 BL小説 「口を閉ざしていないとどうなるかわからないぞ、って書面で届いたそうなんです。それ、持ってくるって言ってました」 「何でそいつ、もっと早く証言しないんだ、あの男は」 イライラと渋谷は口にした。 手持無沙汰のまま二十分ほどが過ぎた頃、表にタクシーが止まり、やが
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ17 BL小説 オフィスに戻るとソファに来客がいて、その男はドアが開いたのを振り返った。 「どうもすみません、お忙しい時に、広瀬さん」 立ち上がった大柄な男はちょっと頭を下げた。 「え、渋谷さん、………どうも」 警視庁捜査一課の渋谷である。 工藤とは昔から何かと因縁があ
入院先は?という問いに、近くの基幹病院の名を挙げる智伸の目を覗きこんで優羽は問うた。「どのくらいのあいだ?」 智伸がこんどこそ言い淀んだ。優羽の背中にぞわっと鳥肌が立つ。知らないだれかのつめたい手が、ひたりと張り付いたみたいだった。よくない返答がある、そう確信する。海老を口に運びながら、智伸は「すこし良くない病気が見つかってな」と返答になっていない言葉をごく軽い口調で並べてみせた。「……がん、とか...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ16 BL小説 悪いけど沢村、とても佐々木さん、ここで俺が何か話しかけるって、ムリ。 しかも仕事以外のこととかで。 撮影が始まるとスタジオ全体に緊張が走る。 小笠原も古木も問題はなかったが、三度のリテイクとなって、休憩に入った。 リテイクの原因は、主にワイマラナーのトムの
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き18 BL小説 「う……るさい……なんだよ、………藤堂、人を子ども扱いして」 悠は涙をこぼしながら悪態をつく。 「子どもにはこんなことできないよ」 「…う……ああ………っ………」 突き上げる藤堂の与える刺激に耐え切れず、悠は甘く声を上げる。 藤堂に抱えられたまま美術館から屋
麻婆茄子とエビチリが運ばれてくると、急に空腹を覚えた。おなかすいた、とこんなふうに思うのは何か月ぶりだろう。智伸が取り分けてくれた皿を受け取り、「いただきます」と手を合わせて笑いあう。とても和やかな気持ちだった。 優羽は智伸の好みの食べものも、きれいな箸の持ちかたもよく知っている。それとおなじくらい、智伸が自分のことを知っていればいいと思う。ちょうど、ぴったり真ん中でつりあった天秤みたいに。 け...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ15 BL小説 良太が再び目が覚めた時は既に八時を回っていた。 毎度のパターンで、良太は工藤にしがみついて眠っていたらしい自分に赤面しながら慌ててベッドを降りると、チェストからパンツやシャツを出して慌てて身づくろいする。 「……まだ八時だぞ」 「撮影、小笠原の、フジタ自動車
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き17 BL小説 「だが、悲劇が二人を引き裂いた。パッツィ家によるメディチ家の暗殺というね。ジュリアーノも逃れられなかった。のちに捉えられたパッツィ家の暗殺者の処刑シーンをレオナルドがスケッチしたというのは有名な話だよね」 「藤堂さん、うちの美術史のセンセよりかわかりやすい解
BLss「恋愛ゲームでモブですらなく犬になった俺の憎き男への復讐劇」R18
熱中してプレイしていた恋愛ゲームで大失恋。推しの彼女を奪った男の、よりによって飼い犬になって、なんとかルールの制限をかわし復讐しようとするが・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。高校にいく以外に時間を費やしてきた恋愛シュミレーシ
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ14 BL小説 「いや、そんな気がするってだけで」 慌てて良太は言葉を濁す。 「食事は?」 「あ、まだだった……」 そうだ、コンビニで弁当でも買ってこようと思ってたら沢村が来ちまったんだ。 「この時間だと…、ま、いいか。行くぞ、良太」 「あ、はい」 何となく良太がごまかしてい
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き16 BL小説 「まさか買うわけないだろ。借りたんだよ。選んだのは俺だけど」 アウトストラーダを制限速度百三十キロギリギリのスピードで走りながら、高津の質問に藤堂は答える。 「そうっすよね、いくら藤堂さんでもこんな車すんなりと……」 「河崎のやつ、車とかファッション、芸術とか
「優羽、なに食いたい?」 スマートフォンで周辺の飲食店を検索しているのであろう智伸の横顔が、人工のあかりに仄青くぼんやり浮かんで見えた。肉?魚?というせわしない問いかけに、智伸とだったらなんでもいいよ、と答えたいのを飲み込む。「中華料理って選択肢はあり?」「ありありのあり!」 優羽にむけて屈託なく笑う優しげな顔を留めておきたいと思う。心のなかにしか、この恋は留めておくことができないから。想う気持ち...
伝説の剣をぬいたはいいけど、オネエしか寄りつかない哀れな勇者。一人寂しく慰めようとしたら、危険な目にあい、伝説の剣が勇者に牙をむき・・・?2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。自分でもひどいタイトルだと思うR18。魔王がこの世を支配をしようとし
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ13 BL小説 ことあるごとに資産家の御曹司のように言われるが、沢村自身は実家とは折り合いが悪く縁を切っている、というのも良太は再三聞いている。 「それが不動産屋から佐々木さんにそのことがバレて、以来、携帯も切られた」 「ってか何で、そもそも佐々木さんに内緒でやったんだよ?」
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き15 BL小説 「何で、携帯つながらねんだよ」 悠が言うと、高津はバツの悪そうな顔で、 「ハハハ……夕べ充電してたつもりが、コード抜けててさ、途中でバッテリー切れ」 「なんだと?」 悠はフォークを握りしめて高津を睨む。 「それより、何で、あんたがいるんすか?」 あらかた食べ終
「優羽、どうしたの?背中が疲れてる」 あかるい声がすこし曇って、怪訝そうな色合いを帯びる。振り返って見遣ると、ブレーキ音の主はやはり、高校時代からの友人、仙田智伸(せんだしのぶ)だった。お互い25歳になるから、もう10年来のつきあいになる。 スーツ姿でかばんを前かごに突っ込み、自転車に乗っているところを見ると、どうやら勤務している中学校からの帰路だろう。優羽の頬が軽く緩む。ほんのわずかに。決して悟...
エログロのホラー映画を観ながら興奮して迫るおまえの神経を疑う
ホラー映画を愛してやまない大学生同士。趣味が合うということで、毎週、鑑賞会をしていたのだが、エログロシーンに突入して彼の化けの皮が剥がれて・・・?2000事前のエッチでやおいなBLショートショートです。エログロな描写があるR18なので、ご注意を。芝崎は大学で知りあ
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ12 BL小説 実際、工藤は帰ってきたが、良太が有吉のことを相談しようかどうしようか迷っているうちに、落ち着く間もなく、最近関わっているアイドル主演のドラマの撮影現場へと向かった。 アイドルというのは今人気上昇中の某有名プロダクション所属タレント本谷和正のことだ。 イケメンだ
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き14 BL小説 「もちょっと待って、こなかったら、帰るからな!」 とはいえ、高津に連れてこられたようなところで、タクシーに乗るにもホテルをどうやって説明したらいいかわからない。 日は傾き、人の波も少しおさまってくる。 何度かかけているのだが、状況はまったく変わらず、高津の携帯
最悪の、最悪の一日だった。 残された最後の気力をぞうきんみたいにぎゅうぎゅうに振り絞って「お疲れさまです。お先に失礼します」と全方位的に退勤のあいさつをし、バックヤードと外気とを隔てる扉を閉めた。とたん、優羽(ゆうは)は重く、長いため息をつく。反動で身体がぺちゃんこになりそうだ。 ほんとうに心底ついていない一日だった。勤務中、優羽が接客したテーブルに最低値でも三組、こまごまとしたクレームをつけて...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ11 BL小説 「でも奏ちゃん、絶対俺の部屋にいたことは言うな、写真週刊誌にかぎつけられるぞって。何だか私怖くって、奏ちゃんにタクシーでマンションまで送ってもらったんだけど」 有吉からそう念を押されたのだが、有吉がまだ釈放されていないのをやきもきして、どうしようか迷った末
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き13 BL小説 「ああ?」 酔っぱらった顔で高津はそれでも怪訝な目を向けた。 「明日は別行動だ!」 「お前、何言ってんだよ」 チーズをぱくつきながら、高津は笑う。 「俺のおもりにきたわけじゃねーっつんだろ? 見たいものも違うし。明日、バチカン行ったら、お互い好きなもの見れ
憑りつかれたように18禁のゲームに課金していた男。まさか、そのゲームのキャラ、課金される立場になって、とんでもない目に・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。まさにR18。18禁のゲームは課金しないと、肝心のエロシーンが見られない。とあって、
そろりと生絹の背中に腕をまわして抱きしめかえした。黒いコートの背中をぎゅっと握る。生地が碧生の手のなかでやわらかにたわむ。生絹の心を丸ごと手で握ってしまったような気がした。「愛してるよ、碧生。愛してる。俺のそばにいてくれてありがとう。あのころも、いまも」 ほろほろと生絹にかけられた傷の呪いが解けていくのを手のなかで感じながら、碧生は何度もうなずいた。碧生がほしいという熱を帯びた生絹に抱きしめられ...
BL短編「鬼退治のゲームオーバーは屈辱的で死よりも救いようがない」R18
難易度が高いながら、ゲーマー以外にも知られているアクションゲーム「鬼退治」。ゲームオーバーになったときの映像の謎が話題となり、プレイヤーの男も興味津々だったのが、まさか身を持ってその謎を知ることに・・・。ゲーム転生をテーマにしたアダルトなBL短編です。R18。
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ10 BL小説 「市川さん!」 良太はオフィスに入ってきた女性を見て驚いた。 「広瀬さん、どうしよう……私……」 今にも泣きそうな市川を、良太はソファへと促した。 「さてっと、じゃ、行こっか、秋山さん」 アスカが意味ありげな目を良太に向けて立ち上がる。 秋山とアスカが出て行く
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き12 BL小説 「ビッグになってから……か」 ビッグになんかなれなくてもいいけど、とりあえずいっぱしのもんになったら、若い頃お世話になりました、とか、言うわけ? 高津の言うとおり、藤堂にとって俺なんか、プロジェクトの一環、くらいなもんなのかもしれない。 このプロジェクトが終わ
夕方まで箱根をぶらぶら散策して、さて帰ろうかとコインパーキングで車に乗り込もうとしていたときだった。 碧生、ととてもやわらかに名前を呼ばれてドアから手を離した。どこかほかに行きたいところでもあったのかな、と振り返って生絹を見あげるとなんの前触れもなく抱きしめられた。 背中にまわる生絹の腕。生絹のにおい。五感のぜんぶで驚いて思わず身じろぐと、ますます腕に力がこもる。夕暮れの光のなかできつく抱きすく...
中学のころカミングアウトしても、変らず親しくしてくれる友人。だんだん惹かれていったものを、一歩を踏みだせないまま、ある日、友人が頼みごとがあると・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。中学のころ、俺の恋愛対象が男であることを友人の
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ9 BL小説 有吉を信じないわけではないが、もし何かあったら、番組に大いに差しさわりがあることになる。 とにかく真犯人がいるなら早いとこ捕まえてほしい。 「ちょっと、良太、何? せっかくオフにはさ、温泉とか行きたいって思ってたのに」 ドアが開いたと思ったら、文句と一緒にアスカと
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き11 BL小説 「村松幸蔵。こーんな確かな後ろ盾があるってのに……」 「高津!」 ここがパリだからなのか、酒に酔っているからなのか、高津は常日頃の状況把握ができなくなっているらしい。 村松幸蔵が悠の父親だということを知っているのは、高津とそれに藤堂の二人だけなのだ。 「え、
月夜の猫-BL小説です 花さそう73 BL小説 フン、と鼻で笑い、工藤はグラスを傾ける。 「それで? いつから撮る?」 「佐々木さんのスケジュールさえ押さえられれば、来月末辺りからと考えている。近いうちにミーティングだから、空けとけよ」 「俺のことはまあ、今ならどうにでもなるが、佐々木さんって、あの麗しの?」
箱根旅行に出かける当日は、よく晴れた朝を迎えた。生絹と出かけるときはたいてい晴れている。ひょっとして晴れ男なのかな、などとつらつら思いながら早朝の駅前で生絹の車を待っていた。首に巻いた濃い灰色のマフラーは生絹が以前くれたものだ。 なめらかに駅前ロータリーに滑り込んできた車の助手席に乗ると、車内はいつものように清潔に整えられている。そう、こういう几帳面なところも知った。 いろいろなことがあったよね...
あるトラウマを抱えつつ、注意深く旅をする魔導士。薬草を摘むのに夢中になっていたら、六本の手が襲いかかってきて、トラウマが再発?2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。今は冒険者の一人であり、魔導師として世に名を馳せている俺だが、ある重いト
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ8 BL小説 急を要するとはいえ制作サイドなら今までの経験上何とかなるのだが、良太には今すぐにキャスティングができるようなデータがどうしても不足していた。 もっとタレントについて情報収集する必要はあると反省はしたものの、それらを鑑みれば、この際自ずと答えは出てくるというものだ
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き10 BL小説 着いてみれば、ここがフランスのパリなんだ、と感慨を深める余裕もないまま、安ホテルにチェックインし、その夜はルーブルのチェックをして食べて寝るだけだった。 翌朝早く、悠は高津に叩き起こされ、時間がないからとあたふたとルーブルに向かう。 確かに藤堂の言うとおり、
月に一度か二度、生絹と予定をすり合わせて外出するようになった。 生絹は碧生を車で迎えに来る過程がよほどうれしいらしく、たいてい碧生の部屋の最寄りの駅まで黒いヴィッツを走らせてやってくる。いろいろなところに出かけた。夏の緑あふれる自然公園や、マイナスイオンが目に見えそうなほど涼しい谷底の渓流、色鮮やかに燃え立つような木々を眺めた紅葉狩り。 生絹はどこへ行っても楽しそうにしている。それは碧生もおなじ...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ7 BL小説 「あ、ヤギちゃん元気? この仕事ヤギちゃんとやってるんだって?」 水野が思い出したように聞いた。 「はい……、すごく元気ですよ。ヤギさんと、それからカメラマンの有吉さんに今回のプロジェクトに参加して頂いています」 「ヤギちゃんってさ、見かけはジジくさいくせに、
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き9 BL小説 「十日も悠ちゃんの顔を見られないと、アイちゃんが寂しがるだろうな」 そのまま悠に唇を寄せた藤堂だが、やんわり押し戻される。 「……どうして?」 だが、しっかと唇を引き結び、悠は藤堂の手からすり抜けて部屋に入ってしまう。 なんだよ、それ! 悠はベッドに突っ伏した。
栄養不足に見える人を見ると放っておけない男子高生。入学式に痩せ細った同級生を見つけ、それからせっせと食べさせたのだが、その結果、体と心に異常が・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。高校に入学して、同じクラスになった佐竹は、一見、
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ6 BL小説 「それで今回参りましたのは、『レッドデータアニマルズ 自然からの警告』の音楽全般を今回ぜひ『ドラゴンテイル』の皆さんにお願いしたいと思いまして、番組のご説明をさせていただきたいんですが」 「いいよ、どうぞ」 気難しいどころか、気さくに対応してくれているのは、
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き8 BL小説 河崎が自分を嫌ってるのは知っている。 そんなことはどうでもいい。 だがそれ以上に藤堂をよくわかっているだろうことも知ってる。 そう所詮は金のある人間の遊びなんだ。 いつか高津が言った通り、真剣になったらバカみるのは俺。 わかっているつもりなんだけどな。 あまやか
「うちに……うちに泊まればいい」 ゆっくりと、しごくゆっくりとそう言う声が、それでも振り払えないかすかな迷いを帯びていて、申し出を断ればひどく生絹を傷つけてしまうだろうことがわかった。碧生自身もきっと傷つくことも。だから碧生はスマートフォンをかばんにしまい、生絹に微笑んでみせた。「じゃあ、お言葉に甘えようかな」 生絹の頬のこわばりがかすかに緩んだ。 俺がソファーで寝るから碧生はちゃんとベッドで寝て、...
男性専用のジムで人気のインストラクター。彼がマシーンを使って指導をするたび、まわりの男たちが落ちつかなくなり、その一人の俺はとうとう個人レッスンを・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。俺が通うジムには人気のインストラクター、岩見
先に温泉に入り、まったりする。「ふー……。ああ、いい気持ちだ。いい汗かいたなあ」温泉から出ると俊平からLINEが入っていた。見ると、チェックアウトするぞと入っている。「もう出るの?」なのでLINEで返す。“もう出るの? 俺、温泉入っていたのに”即答で返ってくる。“17時チェックインでツインを取っているんだ。だからシングルはチェックアウトする”おぉ、さすが俊平だ。“準備するから待ってて”と返すと、自分の部屋へ戻りチェ...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ5 BL小説 「はじめてお目にかかります、私、青山プロダクションの……」 パソコンの前にこちらに背を向けて座っている女性が一人いたので、良太は名刺入れから名刺を取り出しながら声をかけた。 「ああ、君が良太ちゃん? なるほどねぇ」 自己紹介し終わらないうちに振り返って立ち上が
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き7 BL小説 それでもその時その時、臨機応変に完璧に仕事を遂行していく二人には圧倒されることもしばしばだ。 ただ、きっちりとスケジュールを組んで動く性格の三浦としては、ちょっと待てよ、と思うことも少なくないわけだ。 まあ、何が起きても驚かないというスタンスの浩輔にはまだ及ばない
「ごめんな」という生絹のその言葉を潮に、碧生の目から涙があふれた。感情の波に揺られたというよりは、謝らせたことが情けなかった。 滲んだ視界のなかで、涙がほとほととソファーに落ちていく。迷うように握ったり開いたりしていた生絹の手のふるえる指が碧生の頬に触れる。すっと涙をぬぐわれると、悲しいのにうれしかった。 ごちゃ混ぜになった気持ちのまま、生絹の肩に顔をうずめた。碧生の涙が生絹のシャツをすこしずつ...
BLss「乙女ゲーに勝ったらヤれるはずが、悪役王子にヤられてしまった俺の話」R18
乙女ゲームで勝負をした俺と彼女。あと一歩というところで、意識がとんで、ゲームのキャラの悪役王子が目のまえに?2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。熱烈なアプローチをして交際に至った彼女だが、なかなかエッチをさせてくれず。奥ゆかしいのでは
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ4 BL小説 MBCテレビで制作中のドキュメンタリー番組『レッドデータアニマルズ‐自然からの警告』の音楽は人気ミュージシャンに依頼している。 良太もいくつか好きな曲がある『ドラゴンテイル』は、ボーカル担当の水野あきらがほとんどの曲を作っているのだが、この独身美女と噂の水野は
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き6 BL小説 「これは何の冗談だ? 義行!」 コーヒーをすすりながらデスクを見た河崎が、数枚の書類を手に言った。 CF撮影のために翌日の日曜も返上で労働を終えたプラグインの面々は、夕方オフィスに戻ってきて一息ついていたところだ。 「見りゃわかるだろ? 企画書兼出張届け」
「……これ、なんで『E.T.』?」「俺、この映画好きなんだよ。小5のとき、父親と最後に観た映画だからかな」 言いながら、生絹は画面から碧生のほうに視線を移した。「碧生とは、はじめて一緒に観る映画だな。いつか、俺んちで碧生と映画を観てみたかった、ずっと。夢がかなったよ。わがままにつきあってくれてありがとう」 ひと言ひと言刻むような言いかたに、碧生ははっと身じろぎした。 夢をかなえること。わがままを言うこと...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ3 BL小説 竹野紗英は最近急速に伸びていると評判の人気女優ではあるが、業界では超わがままでスタッフ泣かせという評判の方が先に立っている。 元来人気女優やアイドルといえば、どちらかというと周りがちやほやしつくして、おだてて女王様に仕立て上げるので、それが自分の事務所の人間だけ
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き5 BL小説 「いや、実際留学したければした方がいいんだ。そのくらいできるだけのものはほんとはあるのにな」 無論、悠が留学なんかしてしまったら、きっとあの部屋は火が消えたようになるだろうな。 藤堂にもその寂しさは想像がつかない。 「悠、まだ受け取らないんですか? 絵の代金」 浩輔は
新しくパーティーに加入をしたはいいものを、リーダーの剣士から不可解な忠告を。気にしつつ、白魔導士と二人になったら、まさかのまさかなできごとが・・・?2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。新しく加入したパーティーの剣士にしてリーダーに、ま
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ2 BL小説 これまで何だかだと沢村のトラブルに巻き込まれてきた良太としては、できればこのくそ忙しい時に何もあってほしくはないと頭の中から沢村のことをシャットアウトする。 「良太ちゃん、坂口様からお電話です」 社長の工藤がドラマの撮影でギリシア辺りをうろついている間に、やら
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き4 BL小説 「ま、なあ、ロダンのヒヒジジイの作ったお約束なシロモノより数段マシ、かな」 「悠にかかっちゃ、ロダンもかたなしだな」 藤堂はくっくっと笑う。 「俺にとっちゃ無用のもんってことだ。ロダンを崇拝するヤツに喧嘩売る気はないさ」 「なるほど。しかし過密スケジュールだな」
生絹に告げるべき言葉を探して碧生が考え込んでいると、ふいに生絹が口を開いた。「なぁ、碧生。いまから俺んち来るか?」「えっ!?」 素っ頓狂な碧生の声に、生絹が肩をふるわせて笑った。ひどい、と碧生は冗談半分、もう残りの半分は本気で抗議する。生絹はしばらく笑ったあと、一転してひどくまじめな顔で碧生を見て、口をひらいた。ふたりのあいだを、すこし強い春の夜風が抜けていった。「俺は、がんばって碧生に触れられ...
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ1 BL小説 近年の日本のスポーツ界といえば、レベルの高い闘いが続くフィギュア、テニスの上坂の世界ランキングの動向が気になるところだ。 サッカー界では海外で活躍する選手の移籍問題が注目されている。 MLBでは大宮選手の活躍で持ち切りだが、プロ野球はと言えば三月も半ばを過ぎる
月夜の猫-BL小説です 花びらながれ(工藤×良太) BL小説 やらなくてはならないことが山積みな良太のところに、脚本家の坂口から電話が入り、ドラマのキャスティングで問題があったと言ってきた。結局良太がその穴埋めをすることになった。しかもそんな良太に悪友の沢村から相談事が舞い込んだり。そろそろお花見かななんて思
BLss「大型犬のように愛くるしい男に食い散らかされました」R18
大学の友人のやりチンで人たらしな桜庭。大型犬のような愛嬌を武器に人生を舐めた生き方をしていたが、あることをきっかけに、化けの皮を剥がして・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。大学の友人の桜庭は、見境がないやりチンだ。気にいった女
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き3 BL小説 「高津はしゃべれるのか? フランス語とかイタリア語とか」 「しゃべれるかよ、んなもん」 悠は、と藤堂が聞かないところが悠は癪に障るのだが。 「特訓するにも三日しかないしな。ちなみに英語は?」 「だから、しゃべれるわきゃねーって」 悠はしれっと断言する。
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き2 BL小説 「そう、お金、あるのか? 念のために多めに持っていった方がいい。今度こそ絵の代金、ちゃんと使いなさい」 そうである。 藤堂が買った、はずの今このリビングのひとつの壁一面を飾っている絵は悠が個展に出品したものだ。 だが、その代金を悠はどうしても受け取ってくれないの
月夜の猫-BL小説です 花さそう(工藤×良太)72までアップしました BL小説 花さそう(工藤×良太)72までアップしました。 時節柄、花にちなんだエピソードをアップしております。 花の宴(工藤×良太)9(ラスト) 故あって桜を敬遠している工藤を、良太らが会社の裏庭で始まった夜桜の宴に引っ張り出します。
東京で5度目に生絹と会ったのは、桜のつぼみがやわらかくほころびだすころの土曜日のことだった。 夕方から少し早い花見をふたりで楽しんだあと、碧生が予約した桜並木を望む居酒屋でのんびり飲んだ。 居酒屋を出て生絹がちいさく歌う鼻歌が、ご機嫌に酔ったときの癖なのだと碧生はもう知っている。なんという歌なのかは教えてもらえなかったけれど、碧生ももうおなじメロディーをなぞることができる。 あてどなく並んで歩き...
BLss「グラビアアイドルの俺はエロカメラマンに弄ばれる」R18
秘密の副業で男向け雑誌専属のグラビアアイドルをしている社会人。編集者にすすめられて、業界で有名なカメラマンの元に勉強をしに行ったのだが・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。世の中には想像もつかない趣味趣向の人がいる。女物の水着を
月夜の猫-BL小説です 花びらの囁き1 BL小説 「ヨーロッパに旅行? いつ? 誰と?」 声がひっくり返りそうになるのを、藤堂はすんでのところで堪えた。 「高津と。今度の月曜日から次の週の火曜、って二十二日? パリからローマ経由してフィレンツェ回るんだ」 夜の十時。 三月に入ったばかりの金曜日である。 昼のうち
それからも生絹は碧生にちょこちょこと連絡をよこした。他愛もないやりとりがうれしくて仕事の合間にスマートフォンを確認するのが癖になった。 きょう昼ご飯を食べた蕎麦屋がめちゃくちゃおいしかったから今度いっしょに行こうな。あしたは雪が降るんだって、楽しみなような、嫌なような複雑な気持ちだな。けさ、ひさしぶりに野良猫を見たんだけど、猫さま効果かな、仕事を定時であがれたんだ。 日々のなんということもない文...
月夜の猫-BL小説です 花の宴9 BL小説 「何が?」 アスカはパイを頬張ったまま振り返った。 「あの二人、工藤さんと山内ひとみ」 「どうにも。昔からの悪友みたいよ」 「良太とのことは?」 「知ってるわよ、彼女、良太を可愛がってるし」 「そうか……」 千雪はなるほどとうなずいた。 「それより、工藤さんじゃない?
寮住まいの俺の部屋に夜這いにやってきた男。てっきり恋人かと思いきや、知らない男で、それから思いがけない展開に・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。エッチがマンネリ化していたので恋人のナオキと「夜這いごっこ」とすることに。俺は寮暮
透明にきらきらと光る水面でしずかに波は寄せて返している。後悔が繰り返し胸のなかで行きつ戻りつするように。いつか潮が引いたとき、その向こうへとわたることはできるだろうか。その先にはなにがあるんだろう。「腹が減ったな」 物思いに耽りながらぼんやり海を眺めていると、ふいに生絹が言った。時計を見るとお昼どきを過ぎている。急に空腹を覚えた。 昼めし食いに行くか、という生絹にうなずいて立ちあがり、護岸ブロッ...
デビューを迎えた若き暗殺者。複雑な思いを抱えながらターゲットのもとに行ったら、その顔を見て動けなくなって・・・。2000字前後のエッチでやおいなBLショートショートです。R18。幼いころから英才教育を受け、今日、いよいよ俺は暗殺者のデビューを。仕事にむかうまえ、伝
月夜の猫-BL小説です 花の宴8 BL小説 「はあ、ガキの頃から女みたいや言うて、からかわれよりまして、じゃまくそうて、大学デビューで変身したったんです」 千雪はしれっと言った。 「はああ、いろいろ苦労があったわけやね」 「いや、これがまた周囲の反応がおもろいのなんの、ちょっとやそっとではやめられへん」 千雪は
「きれいだな」 ふっと洩れたような生絹の言葉に碧生はうなずいた。「大人になっても、きれいなものをきれいと言える人でいたかったんだ」 かすかに肩を揺らした生絹がぽつんと言葉を落とす。碧生から視線を外して、海を見遣った。俺、さんざん汚いことしたけどな、と言って軽く笑う。 碧生はちらりと海を映すその目を見た。すこし苦しそうな灰色がかった瞳がきれいだと思う。 まっすぐ海を見たままの生絹に碧生は問うた。「……...