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月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった50 BL小説 元気は鮎をつつきながら、「パーティは俺の店でやるんだが」と付け加えた。 「元気の店でか? またライブやる?」 井原は俄然目を輝かせた。 「お前は! まあ、やる予定だけどまだ詳細は未定だ。今度みんなで話すことになってる」 「わかった、俺も混ぜろ
月夜の猫-BL小説です 夢見月31 BL小説 「真岡が?」 工藤は聞き返した。 「前回の誓約を破らはったいうことですわな」 厳しい顔をしている工藤に、千雪は軽い口調で言った。 「偽のスクープで、沢村とアスカさんのことすっかり信じ込まはったんやな、沢村の父親も真岡弁護士も」 「だからあんなバカげたマネをした
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった49 BL小説 「響さんは何か隠してる」 井原はまた唐突に口にする。 「響さんがどうかしたんですか?」 「おい、お前、響さん、響さんて気安そうに! どういう了見だ?」 何気なく聞いた豪に、井原が突っかかる。 「いや別にどういう了見も何も………」 わけが分か
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった48 BL小説 「なあ、あの人、向こうで付き合ってたとかそういう話、聞いてるか?」 井原は必死な顔で元気に聞いた。 「響さんがそんなこと俺に話すと思うか?」 「だよな……」 元気の冷ややかな口調に井原はまた一つ溜息をついた。 「響さんを訪ねてきた金髪碧眼の色
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった47 BL小説 クラウスが井原にきつい視線を送っていたことで、おそらく響に別れを告げられた男が、井原を見て新しい恋人かと聞いたのだろう構図が井原の頭にくっきり浮かんだ。 Liebhaber、は何となく聞き取れた。 それが恋人という意味だろうことくらいは知っ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった46 BL小説 しかも家までつきとめるとか、いったいどうやって……。 響はクラウスのことなど井原には知られたくなかったのだが、車を家の前に置いているから帰れとも言えない。 家に近づくと、門の中から長身の男が出てきて、響を認めると、「ヒビキ!」と呼んだ。 「何
月夜の猫-BL小説です 夢見月30 BL小説 「加藤が仕掛けといた網にかかりよったらしうて」 千雪が声を落として言った。 「勢い込んでさっき連絡してきよったんですけど、何や、制作プロダクションに所属しとったらしいねんけどそれやめて、闇バイトみたいな形で、ダークウェブでフェイク動画作りまっせいうて、ぼろ儲けし
Chapter 26【淡々とクールとは】パーフェクトステージ ——明けない夜など存在しない——
Chapter 26【淡々とクールとは】 https://ncode.syosetu.com/n9755ki/26/ 更新しました。 読んでくださった方が、良い週末を過ごせますように🌕 元宮ショウジ(大学一年生)👓 黒髪、元バレーボール部、尖った鼻に逆三角形の顔 クール...
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった45 BL小説 祖父がまだ車を運転していた時、車二台分のガレージを作ったので、今は父親のセダンの横に響のヴィッツが入っているが、ちょうど一台分くらいの駐車スペースは玄関の前にあり、ピアノのレッスンに来る生徒の親が停めている。 二人はのんびり歩いて元気の店に向
月夜の猫-BL小説です 夢見月29 BL小説 アスカには幾分気を使ったようだが、工藤は既に自分のデスクで、電話の向こうの誰かに怒鳴りつけていた。 あーあ、誰だか知らないが気の毒に。 間が悪かったな。 しかし実際、工藤の機嫌だけでなく、このオフィスも良太がいないとなると火が消えたようになるだろうな。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった44 BL小説 「いやあ、もう何年振りかだから、どこへでも」 そう言った井原は、車に乗り込むと北アルプスへと続く道を上っていく。 「おい、この車、スタッドレス履いてるのか?」 「そりゃもちろん。まだまだ上の方は雪があったりしますからね」 さらに上がると、断崖
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった43 BL小説 それから不動産屋に戻ると、井原はたったか契約金を支払った。 「さてと、ランチ行きましょう! お礼に奢ります!」 大家に簡易ガレージ設置のことを確認してもらい、OKが出たところで、井原の提案に響も、「そういえば、腹減った」と頷いた。 「やっぱ土
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった42 BL小説 「いい車って言うなら、元気のランドクルーザーじゃないすか」 井原は不動産屋への道を軽くハンドルを切りながら車を走らせる。 「ああ、でかいよな。でも器材積むし、あの黒、元気に似合ってる感じ」 「まあ、そうっすね」 ちょっと拗ねたような口調の井原
月夜の猫-BL小説です 夢見月28 BL小説 「知り合いの雑誌編集者のまた知り合いの女の子が務めてるスナックに坂本がたまに来てて、明日からシンガポールだから今夜は飲むぞとかって騒いでたらしい。えらく羽振りがよかったから覚えてたって」 「それ、夕べの話ですか?」 「残念ながら一昨日の話」 「ってことはもう、坂本
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった41 BL小説 「からかわないでくださいよ、それより十時くらいで大丈夫? 土曜日」 井原は真剣な目を向けてくる。 「ああ、いいよ」 「じゃあ、十時に迎えに行きますから、よろしく」 響の返事をもらい、慌てて美術室を出たと思うと、また井原は戻ってきた。 「あのさ
月夜の猫-BL小説です 夢見月27 BL小説 「ほんとに助かった。ご自宅の方はクリーニング業者を入れて、きれいにしてもらったから、くれぐれも万里子さんにお礼を言っておいてくれよ」 アスカがマスコミの手から逃れるために、自宅を提供してくれた万里子や井上には良太も感謝しかなかった。 お陰で、一番マスコミがうる
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった40 BL小説 それが功を奏したか、生徒たちには割と早く顔を覚えてもらえたと、一年生クラスの二回目の授業を終えた昼休み、響は美術室を訪ねた。 「ああ、音楽っていいですよね~、そういう手段っていうか、もちろん、響先生の手腕があってこそだけど。俺なんか、キュビズム
月夜の猫-BL小説です 夢見月26 BL小説 江藤とアスカの人気俳優同士の不倫騒動は、不倫動画の日時にアスカにはしっかりしたアリバイがあったことで、俄然動画がフェイクであることが取り沙汰されて間もなく、週刊文化芸能編集部編集長並びに文化芸能社社長が緊急記者会見を開き、編集部の担当記者がネタ元をきちんと調べ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった39 BL小説 「彼女ができないって叫ぶ前に、ちっとは引き締めろよ。身も心も。紀ちゃんを見返してやれって気になんないのかよ」 元気にきっちり言われた東は、「わかった! 明日から俺はポテチを断つ!」と一人喚く。 「明日と言わず、今日からにすれば? 響さんは、
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった38 BL小説 「何か、ドイツ語っぽい言葉で怒ってなかった?」 席に戻った響に心配顔の井原が尋ねた。 「嫌なやつから。何でこの番号わかったのか。うちに電話して聞いたのかも。クソ!」 腹立ちまぎれに響は言い放つ。 「嫌なヤツって、大丈夫? 何ならボコってやるけど
月夜の猫-BL小説です 夢見月25 BL小説 「江藤が前に関係したらしいってモデル、昔江藤が共演したっていう番組から見当つけて、同じ事務所のモデルに近づいて聞き出したら、まあ簡単に詳細まで話してくれたぜ」 一見優し気なイケメンの山倉はやたら女子に受けがいい。 「今話題の不倫動画も、あれ、絶対リーナだよね、
ヒロは頭を優しくポンポンと叩いてくれると、ハグしてくれる。だから、この言葉を添えてハグをし返す。「ありがとう」ヒロにハグをされたまま聞いていた。「ねえ、ヒロ」「ん?」「あのね、僕、ずっと考えていたのだけど分からなくて。聞いても良いかな?」「何? 言ってごらん」その優しい口調と言葉に勇気を貰い、聞いていた。「男同士でキスするのは、気持ちいいの?」すると、ヒロは黙ってしまった。優しく頭や肩を叩いてくれ...
ジュンの言葉。「男同士でキスするのは、気持ちいいの?」あまりにもストレートな言葉にショックで言葉が出なかった。やっと頭が動き、言葉が出てくる。「よくテレビで見るハグして頬にする、あれは挨拶だよ」「ほっぺたでなく、ここだよ。口なの」そう言って、自分の口に指を置く。その仕草に、これはどこかで男同士のを見たなと気が付くと言っていた。「ジュンは男相手に、そこにキスをしたいのか?」「え? い、いや、どんなも...
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった37 BL小説 「俺は好きな子からしかもらわないって決めてるから悪いって断った」 井原が断言すると、東が、「くっそ、俺もそんな科白はいてみたいよ」と自棄っぱちに言い放つ。 「響さんも実は女の子に色々もらってたでしょ?」 元気が響に振ってきた。 「俺はないよ。と
月夜の猫-BL小説です 夢見月24 BL小説 「内輪だけだったから、親しい方ばっかだったな。原さんご夫婦とか、九条さんとか、五所乃尾さんとか、あ、今の家元のパパね。あとは理香さんや速水さん、親戚の綾小路さんとか、そんなところ?」 アスカの言うそんなところ、はやはり著名人やセレブばかりである。 だからと言
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった36 BL小説 以前祖父がヨーロッパ旅行のついでに響を訪ねて来てくれた時に、響はたまたまクラウスがいたので紹介したが、二人になった時、クラウスと付き合っていることを祖父には告げた。 祖父は案の定、それをきちんと受け入れてくれた。 しかし、父親にも話してくれ
月夜の猫-BL小説です 夢見月23 BL小説 「一月二十五日の、二十二時前だな。わかった。スケジュールを調べてみる」 早速良太から秋山にも連絡が入った。 手帳やタブレットをチェックした秋山だが、その日はアスカの数少ないオフの日だった。 「アスカさん、一月二十五日のこと、覚えてるか?」 テレビの前に陣取っ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった35 BL小説 「俺も勝手に誰か振り込んでくれねーかな! そしたら部屋借りて、自信もって女の子ゲットに全力を尽くす!」 東が拳を上げて宣言した。 「お前のアーティスト魂はちっせえんじゃないの?」 元気はスタッフを呼んで、生ビールを追加した。 「俺、じゃあ、久
「あぁぁ、あ!もっとぉ…!ひびきさ、もっと、」 もっともっとと強請る陽詩の声はとろけるような艶を帯び、後孔の内壁は激しくうねって収縮し響生を貪ろうとする。こたえるように蠢くなかを穿たれ、シンクについた陽詩の手がぶるぶる震え、水滴をなすった。いいところをさんざんこすられて、性器はみなぎって先端から粘液をあふれさせている。 響生の手が腰から腹にまわり、胸へとのばされる。触れられもしないでぎゅっと凝って...
月夜の猫-BL小説です 夢見月22 BL小説 「千雪さん風に言えば、こっちはフェイクだってわかってるわけですからね。それに、江藤さんって、ひとみさんに言わせると叩けば埃がでるらしいですし、あの動画も元は江藤さんとアスカさんじゃない誰かと一緒のものだったのかもしれない」 良太は江藤についてももう少し突っ込んで
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった34 BL小説 「ということで、とにかく、響さんの都合に合わせますから」 にこにこしているからそうは見えないかもだが、結構井原が押しが強いのは変わらないようだ。 「まあ、俺は土曜日か祝日しか空いてないぞ」 不承不承な顔で響は言った。 「大丈夫です!」 井原は
月夜の猫-BL小説です 夢見月21 BL小説 「でもさ、事実かどうかじゃなくて、疑惑ってだけでもう決まっちゃうようなもんじゃない」 アスカの言うことに秋山もはっきり否定ができなかった。 しかも江藤とアスカが親し気に歩いている動画などが出回ったからには、誰しもクロ確定とするだろうと思われた。 「事実じゃな
挑戦するのに年齢は関係ない #120 肥満になる理由、それは―
ダディはこんなことを言ってくる。「一人分も二人分も変わらんからな」「ダディはどうする?」 「作れ」「は~い」朝の楽しみが増えたと思っていたら、ダディはこんなことも言ってくる。「今日の夕食は私が作るからゆっくりしてろ」「嬉しい。なら、昼寝するね」「それはダメ」「なんで? ダディだって」「食べて、すぐ寝るのは太る元だぞ」「太ってないけど?」「いいか、食べてすぐ横になったり、寝るのはダメだ。食べたものが...
挑戦するのに年齢は関係ない #121 Happy Birthday
夕食は豪華にケーキ付きだ。しかも、Happy Birthday to Jun!と付けてある。「ダディ……」「遅くなったけど」「ううん、嬉しい」「で、誕生日プレゼントだよ」「ありがと!」開けて見ると、セーターとジャンバーだ。「カッコいい」着てみると手障り良くて暖かい。「あったかいや」「少し大きいな。でも、そのほうが長く着れる」「ダディ、ありがとう」ヒロは、これだ。「トモが編んだ物だ」「いつ?」「博人さん!」「何が良いのか...
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった33 BL小説 「でも響さん、あんまし変わんないですね。高校の時も女子どもが超クールビューティとか騒いでた。超超クールって」 井原の盛大な響賛美に、「今も女子どもが言ってる」と、響の前に座る東がちょっと上目遣いに響を見て笑う。 「俺? 何それ」 響はまともに聞
月夜の猫-BL小説です 夢見月20 BL小説 そんな江藤と、ドラマや映画で主演を張る、美人だが悪を許さない的なはっきりしたキャラが人気のアスカとのスキャンダルだからこそ、マスコミが騒いでいるのだ。 だが、優柔不断なヤツ、とひとみは江藤を一刀両断、どちらかというと嫌っていた。 「あいつ、コソコソ共演者つま
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった32 BL小説 放課後、井原は毎日のように音楽室に顔を出すのだが、なんのかのと言いつつも、いつの間にか井原が来るのを待っている自分がいる。 今頃井原は何年生を教えているんだろうなどと、響は授業中もふと考えてしまうこともある。 ただ、このままそんな付き合いが
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった31 BL小説 「朱莉みたいな能天気にはわからねぇ、いろいろがあるの」 「誰が能天気よ!」 いつもの言い争いを始めた姉弟を見て、響は「じゃ、また寄ります」と袋を抱えて店を出た。 可愛い猫たちが思い思いに遊んでいるのが外からも見えるが、猫はただ見ていた時より飼