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月夜の猫-BL小説です 寒に入り29 BL小説 子供の頃は、差別的な言葉でからかわれたとも言っていたが、本人の陽気な性格や笑うと目がなくなり、厚めの唇がにっと笑うとカワイイ! とSNSでのお茶目なショットやオフシーズンには芸人顔負けのしゃべりでバラエティなどに出たりしているせいで、中高女子から大人女子まで、
一瞬、あまりにも大きすぎる言葉の意味をとらえきれなかった。おなじことを思うって?それはつまり、響生さんが、僕を。「いつから……」 あいまいな問いだけが、喉からあふれた。いったいいつから?あの四年前の夜、あたらしい扉に手を伸ばした。暗闇へと続く扉とわかっていてあけた、あのつめたいドア。のしかかる闇を覆す光など、ないと思っていたのに。響生が「んー」とうなった。「ぶっちゃけ、ああやって抱いてみてから。触...
「BL ファンタジー 魔法の国へ」仕事帰りの夜、主人公・桜井悠真(さくらい ゆうま)は、ふらつきながら駅の階段を降りていた。疲れ果てた身体が思うように動かず、…
戦国の世は、常に刃と血が支配する混沌の時代だった。だが、その中にも美しくも儚い絆が生まれることがあった。 天下統一を目指し、日夜戦い続ける若き将軍・浅井直隆(…
第一章: 出会いの風戦国時代、天下統一を目指して多くの武将が争う中、北国にその名を轟かせる将軍がいた。その名は片桐真之介(かたぎり しんのすけ)。力強い眼光と…
戦国時代の嵐のような戦場を背景に、ある将軍と彼の美しい部下が紡ぐラブストーリーが始まる。その物語は、血と鉄の香りが漂う世の中で、一筋の光のように輝く絆の物語で…
高校の屋上は風が気持ちいい。昼休み、いつも人気のないこの場所で、俺は一人で過ごしていた。人付き合いが苦手な俺にとって、ここは唯一の安らぎの場所だった。そんな俺…
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には11 BL小説 「明日はニセコだ。撮影予定は一日だけだから、あとは羽伸ばしていいぞ、みんな」 ワンボックスカーの中で、下柳が言うなり、おおおーーーっとみんなの口から雄たけびが上がる。 「せっかくだから、良太ちゃんも、スキーでもスノボでもやりまくっていけばいい」 「え、はあ」
月夜の猫-BL小説です 寒に入り28 BL小説 そんなことを考えている良太もまた、翌日は忙しかった。 携わっているスポーツ番組『パワスポ』の特集で、レッドスターズの新鋭、八木沼大輔を取り上げることになり、午前中はMホテルでその取材が入っていた。 慰労会二日目は、エステや観劇、買い物など手配だけしてそれぞ
2025-01-27更新豪華作家陣によるBLでSFなアンソロジー 「恋する星屑 BLSFアンソロジー」の感想です。 2024年10月23日発売 (早川書房 ハヤカワ文庫JA) (コミックシーモア) BLとSFから、第一線の作家たちが集結! ふたつのジャンルを架橋しながらその未来を創造する、唯一無二のアンソロジーが誕生。 作品内容より ~収録作品~ 聖域(サンクチュアリ) 榎田尤利 二人しかいない! 小川一水 ナイトフォールと悪魔さん 0話 高河ゆん 運命のセミあるいはまなざしの帝国 おにぎり1000米 ラブラブ☆ラフトーク 竹田人造 風が吹く日を待っている 琴柱 遥 テセウスを殺す 尾上与一 HabitableにしてCongnizableな領域で 吟鳥子 聖歌隊 吉上 亮 断 木原音瀬 一億年先にきみがいても..
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には10 BL小説 「はい、俺の方はヤギさんいるし。俺、初めてヤギさんの本領見た気がします。何か迫力違うし、すごいですね」 工藤は笑った。 「ああ、そっちは寒いだろう?」 「ええ、すっげー寒いんですけど、最高気温もマイナスだし、でも、これが本物の自然かって感じで、白鳥とか大
月夜の猫-BL小説です 寒に入り27 BL小説 「前に良太に送ってくださったブランデーケーキ、頂いたんですけどすんごく美味しかったです!」 「あら、嬉しいわ。また焼いて送りますね」 口を挟んだアスカにも百合子はにこにこと笑顔を向ける。 「ケーキと言えば杉田さんもプロ並み。何せ、うちの社長の子どもの頃からケーキ
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には9 BL小説 白鳥が声高に鳴いた。 大きく羽を広げ、羽音さえ、空気を伝わって耳に残る。 空に一点の曇りが宿った、と思いきや、舞い降りたのは大鷲だ。 風蓮湖。 海水が混ざる汽水湖だという。 今でも手つかずの自然が残り、約三百種の野鳥が去来する。 良太は、下柳たち
月夜の猫-BL小説です 寒に入り26 BL小説 しらっちゃけた会にならないようにと気を配った良太の考えより遥かに賑やかなものとなったのは、主に女性陣のお陰だ。 というより、女性陣はほぼ明るくておしゃべりで賑やかで美味しい物が好きな人が集まった感じで、あっという間にあちこちで笑い声が上がっている。 杉田さ
交わりのあとの緩慢な充足のなかで、響生がシャワーを使う音を聞く。その音がドライヤーの音に変わったあたりで、ゆるやかに眠気が這い上ってきた。とぎれとぎれに、温風を吐きだす機械の音のむこうで響生の声がする。聞き取れないので、「なんですか?」とすこし声を張った。ぶおん、と音が止まる。寝室に、響生が戻ってくる。「あした、予定がなかったらいっしょに出かけないか」 寝巻きに着替えた響生に覗き込まれ、陽詩はゆ...
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には8 BL小説 「良太、俺のことなんか、かまってらんないみたいだし」 「すねたような言い方すんな。俺には俺の仕事があんの。ほら、着いたぞ」 小笠原が自分に懐いてくれるのはいいのだが、実際問題として、良太が小笠原のマネージメントを全面的に引き受けるとすれば、今の仕事を全てほっぽ
月夜の猫-BL小説です 寒に入り25 BL小説 ドアが閉まるなり、工藤は良太の腕を引くとその後ろ頭を持ち上げるようにして唇を重ねてくる。 執拗でエロいキスに酸欠になりそうで喘ぎながら工藤のコートを掴む良太だが、そのうち夢中にさせられて身体から力がふっと抜けていく。 唇が離れると、良太は思い切り息を吸い
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には7 BL小説 日本では午後五時を回ったところだから、ニューヨークは真夜中の三時頃のはずだ。 「あ、はい、明後日から根室のヤギさんに合流します。はあ、そうですか。わかりました。極力本人にも自覚させますから。はい、気をつけて。おやすみなさい」 携帯を切ると、そこはかとない寂
月夜の猫-BL小説です 寒に入り24 BL小説 最近は生意気に俺に指図なんかしやがって。 工藤の宴会嫌いとか、年齢が上の女性にはあまり強く出られないところなどを良太は把握して、うまく立ち回っている。 竹野に関しては他の共演者とうまくやって行けるかどうかが問題だとは思っていたが、誰かが上から目線でそんなこ
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には6 BL小説 「だから、言っただろ? お前、結構イイセンいってたから、覚えてるやつが多いんだよ」 後部座席の小笠原が、シートの間から身を乗り出さんばかりに断言する。 「何がイイセンなもんか。とにかく、俺は今、お前のマネージャーなんだから」 「ちぇ、頑固なんだからよ、見か
月夜の猫-BL小説です 寒に入り23 BL小説 バタバタと動いていたので寒さもどこぞへ消えて汗だくになった良太は、七時まで十五分となったところでバスルームに飛び込んでシャワーを浴びた。 五分で出てくるとざっと髪にドライヤーを当て、セーターを被ってジーンズを履く。 時間がなくて手近にあったダッフルコートを
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には5 BL小説 「…っせーんだよ」 良太はさっさとスタジオのドアを開けた。 「なんだよ」 小笠原は怪訝そうに良太を見た。 「工藤はヤクザなんかじゃねー!」 「へ?」 「今度、ふざけたことをぬかしたら、ただじゃおかねーからな」 ぽかんと口を開けたまま、しばし突っ立っていた
月夜の猫-BL小説です 寒に入り22 BL小説 お土産などもいっそ宅配してしまうのがいいかも知れない。 「そういえば、奈々ちゃんとこご両親が参加されるってことです」 「ほう?」 奈々と言えば良太にとっては曰くありありで、何しろ、奈々が親に黙って映画のオーディションを受けたことがわかって、良太は当初、激怒し
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には4 BL小説 ニューヨークで初舞台を踏む志村嘉人に、小杉と工藤も同行して現地にいる。 世界で既にその名を知らしめている演出家筒井明彦演出の『ハムレット』の舞台出演だ。 過去のシェークスピア劇にとらわれない、斬新な演出が話題になっている。 その筒井と組んでプロデュース
月夜の猫-BL小説です 寒に入り21 BL小説 「みんなの希望日時をまとめると来週末ってことでAホテルは確保しました。二泊三日で、アスカさん、志村さんは撮影で一泊になりますが、親睦会は社員は全員OKです。ご家族の方がまだお返事保留の方がいますけど」 「そうか」 「一応、宴会場を借りて食事はホテルのメインレスト
超オススメしたい❣️ 小説『息子のボーイフレンド』秋吉理香子[著]
もうね〜 オッサン涙腺弱いんだからって。 昨日はこの小説を読んで号泣。 恥ずかしくてトイレで嗚咽。 もうね〜 読んでほしい‼️ 専業主婦の杉山莉緒は、高校2年生の息子・聖将からカミングアウトされ、慌てふためく。 意を決して交際相手を自宅に招
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には3 BL小説 二月も終わりに差し掛かり、たまに春めいた風が流れる日はあるものの、まだまだ身震いするような寒さが日本列島上空に居座っている。 「何やってんだよ! 五時にはきっかりスタジオに行かなくちゃなんないんだぞ」 広瀬良太は、ぐずぐずとまだコーヒーなんかを飲もうとして
月夜の猫-BL小説です 寒に入り20 BL小説 東洋グループ側からは、紫紀を始め、中平広報室次長、岡林広報室長、宮下東洋商事営業第一部本部長、渡辺東洋フィナンシャル営業第一部本部長など、主要幹部が列席すると言われて、良太は心の中で溜息をつく。 何? その顔触れ。 紫紀が直々に沢村にオファーしたことからも
響生が指で陽詩の唇に触れた。優しくなぞる。自分の唇の輪郭というものを、とたんに意識した。「抱かせて、陽詩くん。いいだろ?」 問いかけの声がかすかにふるえて聞こえた。陽詩だってこの状況で拒めようはずもないのだが、なにかにとてもおびえているような声だった。陽詩は目を開けた。視線で響生をとらえる。またひとつ、と思う。またひとつ、この人を好きになってしまった。「……僕も、響生さんとしたいです」 響生がそっ...
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には1 BL小説 我侭なタレントに振り回されるのはテレビやラジオ業界だけではない。 情報を先取りして旬の話題を追いかける週刊誌はもとより、流行を創り出す一端を担う女性誌もその忙しさは並大抵ではない。 我侭タレントがスケジュールを散々変更させた上、やっと撮影にこぎつけた
月夜の猫-BL小説です 寒に入り19 BL小説 「こういう席なので無粋な話は極力控えたいところですが、今回、CMの件、佐々木さんにも快諾頂いてありがとうございます」 「あ、はあ」 沢村は思わず仏頂面で紫紀を見た。 「あ、藤堂さん、良太ちゃんも、よろしくお願いいたします」 「はい、こちらこそぜひ、いいものにな
月夜の猫-BL小説です 静かな夜には2 BL小説 石川が受話器を置くと、ややあって電話が鳴り、女子社員が出た。 「編集長、広瀬さんって小笠原さんのマネージャーから」 「はい、石川です」 受話器を取る石川に目をやりながら、女子社員が山野に向き直る。 「でもさ、仕方ないよ、今、一番人気だもん、彼」 「まーね
月夜の猫-BL小説です 寒に入り18 BL小説 淑子に言葉をかけられて神妙に頷いている工藤を見て、良太はまた一人、工藤の苦手な相手を見つけた気がして、笑みを禁じ得ない。 この場合の苦手は、決して嫌いじゃないが、という前提だ。 クソババア、なんて自分の祖母のことを詰っていた工藤だが、案外、本人を目の前にし
月夜の猫-BL小説です 寒に入り17 BL小説 俄かに沢村の周りが賑やかになった。 沢村は煩わしくて仕方ないながらも、佐々木のことが気になって目で探していた。 佐々木は母の淑子と一緒に小夜子や義母佐保子、浜村会長らと話しているところだった。 そこに兄の宗一郎がいるのを見て、沢村は眉を顰めた。 思わ
月夜の猫-BL小説です 寒に入り16 BL小説 すると由樹も名刺を差し出した。 「まあ、よろしく。智ちゃんの従姉の大河内由樹です」 名刺には三友産業グループ、三友ホールディングス、専務取締役という肩書があった。 「プロデューサーさん、カッコいいわね」 「いえ、まだてんで駆け出しなので」 「パワスポとかやっ
照明を絞った部屋は暗みががったオレンジに沈んでいて、響生の表情はよくうかがえなかった。それでも、陽詩の身体を撫ぜる手がやさしいので怖くはない。肩から腰までをそっと撫でおろされるとあまい痺れが走る。性的な意図よりは慈しむような手のひらの温度に戸惑った。「響生さん?」 優しさを示されるはずはないのだ。愛されているわけではないのだから。こんなふうに触れられるのはつらい。もしかしたらと期待してしまうから...
月夜の猫-BL小説です 寒に入り15 BL小説 亭主の小夜子が正客である淑子に銚子と引き盃を渡し、盃が最初のグループ内に順に渡ったところで、酒を注いでいく。 次のグループからは、直子と洋子も亭主側の手伝いとして同じように銚子と引き盃を持って回った。 全員に行き渡ると、直子と洋子も末席の自分の席に着き、そ
月夜の猫-BL小説です 寒に入り14 BL小説 「ちょっと、良太、もう二度目でしょ? 今頃から根を上げてどうすんのよ」 「アスカさん、案外正座も平気なんだ?」 顔を顰める良太の足はまだジンジンする。 「これでも一応、お茶もかじってるし」 ツン、とアスカは自慢げな表情を見せる。 「そうなんだ?」 ふと良
月夜の猫-BL小説です Summer Break ようやくラストです BL小説 年が明けて世の中寒波が襲来のこのシーズン、 お正月も終わりですが、 Summer Breakようやくラスト、です。 すみません、唐突に充電切れすることがあり、 そうすると、次が出てこなくなることがあって。 というか、
周りのざわつく気配に意識が浮上する。「あ、起きたぞ」「マジかよどーすんだ」 目を開けたらそのざわつきが大きく
アパートの最寄り駅の雑踏のなかで声を聞き取ったのはイヤホンの調子が悪かったからだった。耳から引っこ抜いて接続を確認していたら、義兄になるはずだった人の声が耳に滑り込んできた。「……陽詩くん?陽詩くんだろ」 のろのろと数回まばたきするあいだにも、声は名前をなぞる。軋む首を動かして見遣れば、コートを羽織った響生が立っていた。陽詩が取引を持ち掛けた夜から四年が経ち、獣医学部の三年目にさしかかっていたのに...
月夜の猫-BL小説です 寒に入り13 BL小説 どうやら良太と工藤、沢村は金髪碧眼にフレームレスの眼鏡をかけた男と一緒のグループのようで、先頭に研二が座り、良太、沢村、金髪男、工藤という順に席入りした。 「沢村、お前、英語しゃべれるんだろ? 隣の人何者だよ」 「英語人種じゃねぇみたいだぜ? フランス語っぽ