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月夜の猫-BL小説です 月鏡27 BL小説 何かの時にはまた、お願いしてみよう。 良太は頭の中にメモる。 「あと一応、警備員室とかもお願いしますけど、とりあえず腹ごしらえしてください」 「そういえば腹が減ったな」 加藤が顔を上げた。 いつの間にか八時を過ぎていた。 オフィスに戻ると、千雪が手持無沙
月夜の猫-BL小説です 月鏡26 BL小説 忍び込むってのはまず難しいよな。 プロじゃないと。 俺のデスクまでくらいなら、沢村と小田先生の話は聞かれなかったと思うけど。 良太の頭に不安材料が一つ増える。 『千雪さんが戻ったら、他の階へ』 良太もメモに書いて加藤に見せる。 加藤はその間に、盗聴器の
月夜の猫-BL小説です 月鏡25 BL小説 「ああ、髭? 何や、今度のクライアントがきっちりしたとこやからて。あいつ、フリーのプログラマーやねん、一応」 鈴木さんも帰っていたので、自由にどこでもどうぞと良太が言うと、加藤は早速探知機で隅から調べ始めた。 「一応って何ですか」 「まあ、その手の業界では名の知れ
月夜の猫-BL小説です 月鏡24 BL小説 波多野はふうっと大きく息を吐いた。 「あなたとの打ち合わせには、一応音楽も聴けるように防音になっている部屋を選んで正解ですね」 「ふざけるな!」 工藤はまた激昂する。 「ふざけてませんよ、本当のことです」 「あのババアに一言言ってやらないと気が済まない!」
月夜の猫-BL小説です 月鏡23 BL小説 「一段落ついたから、お弁当買いに出るけど、良太ちゃんどうする?」 鈴木さんが立ち上がりながら良太に聞いた。 「あ、お願いしていいですか? 鈴木さんにお任せしますから」 「わかった。行ってきます」 鈴木さんがオフィスを出ると、良太はまたキーボードを叩き始めたが、そ
月夜の猫-BL小説です 月鏡22 BL小説 案の定、NTVのプロデューサーとの打ち合わせは短時間で終わり、十時半過ぎにはオフィスに戻ると、良太は昨日のパーティのお陰でできなかったデスクワークにしばし没頭していた。 新たな問題が勃発したのはそれから間もなくのことだった。 「何だ、一体これは!」 平和そうな
月夜の猫-BL小説です 月鏡21 BL小説 「携帯、電源切ってないよな……」 時々、電話に出たくない時、千雪はよく電源を切っているのだ。 「……なんや……はようから………」 ややあって、起き抜けという声が携帯の向こうから聞こえてきた。 「おはようございます。実は折り入ってご相談が」 するとあくびをする様
月夜の猫-BL小説です 月鏡20 BL小説 伯父も工藤の母親のさぎりも生まれた家の犠牲になったようなものだ。 自分がやらなければ関わり合っているものの均衡が危うくなると、その地位を何とか維持しているというところらしい。 波多野によれば。 先代は豪放磊落な男で、対立する者を殺めたこともいくらもあるという
月夜の猫-BL小説です 月鏡19 BL小説 「波多野さんはあんたの影のSPみたいなもんだから、知っててもらわないとだしさ………」 工藤は振り返って良太を抱きしめた。 「あ、え…………」 「すまなかった」 一瞬良太は耳にした言葉を聞き間違えたかと思う。 「な……に、言ってんだよっ! 何であんたがそんなこと言
月夜の猫-BL小説です 月鏡18 BL小説 「えと、だから、その、パーティが終わって帰ろうとしたら、エレベーターホールで出くわしたんですよ、そのおばあさん、ハハハ………ほんとに鼻が魔女っぽくて、鼻緒が切れて足を挫いたから部屋まで連れてってくれないかとかって………」 上目遣いに工藤を見やると、工藤は増々険しい
月夜の猫-BL小説です 月鏡17 BL小説 カリカリを新しい皿に入れてご飯スタンドの上に置くと、ウエットフードを二つに分けてこれもカリカリの横に置く。 はぐはぐと猫たちが懸命に食べるのをしばし眺めて癒しをもらってから、良太はようやくスーツを脱いでバスルームに飛び込んだ。 バスタブに湯をためるうちにシャワ
月夜の猫-BL小説です 月鏡16 BL小説 「そうだよ、何で俺に近づいてきたりしたんだよ、あの魔女オバサン! ちゃんと言っとけよな、工藤との関りがちょっとでもあるとか既成事実作ったら、警察が鵜の目鷹の目なんだし」 良太は勢い込んで言った。 「残念ながら、私はあの魔女オバサンとは仲良しこよししていません。私は
月夜の猫-BL小説です 月鏡15 BL小説 多佳子が平造を旦那の身代わりに刑務所に入れたという話を良太は思い出したのだ。 「ほんっとに、にくったらしいこと言うじゃないの。でもまあ、そういうことよ」 多佳子ははっきりと肯定した。 つまり、多佳子は京都にいることになっているのなら、ここにいるのはただの魔女で
月夜の猫-BL小説です 月鏡14 BL小説 「可愛くない子だね! 可愛い顔して」 今度は吐き捨てるように魔女がのたまった。 「ネットの動画を見せられて、おやと思ったのよ。何ごとにも動じないはずの高広が尋常じゃない形相だったからね、倒れてる部下を抱きかかえて。一体何ごとかって」 波多野が言っていたように、工
月夜の猫-BL小説です 月鏡13 BL小説 夏には千雪から工藤家のお嬢さんの話を聞いたし、先月は波多野から多佳子の名前を聞いたのを良太は思い出した。 「何しろ駆け落ちまでして組長と一緒になった人ですからね。豪胆で度胸のすわった多佳子さんは旦那の組長を鼓舞させることで組を仕切らせた。平造さんを組長の身代わりに
月夜の猫-BL小説です 月鏡12 BL小説 エレベーターが三十六階で停まると、良太は老婦人に肩を貸しながら部屋のドアの前に立った。 「ごめんなさいね、ソファまで連れて行ってくださるかしら」 「あ、はい……」 良太は見ず知らずの自分が入っていいのだろうかと逡巡したが、老婦人はバッグからカードキーを取り出
ビジネス映像制作プロデューサーは、限られた予算内で最大限の効果を持つ映像を生み出す専門家です。単なるコスト管理者ではなく、予算制約の中で制作体制と品質の可能性を追求し、クライアントの期待を超える成果を実現する役割を担います。
月夜の猫-BL小説です 月鏡11 BL小説 スポーツ紙へのタレコミも前もって藤堂が人を使ってやらせたことで、案の定、しっかり写真は撮られたようだ。 「明日の新聞に大々的に取り上げてくれるといいんだけどね」 「まあ、リーグ優勝した関西タイガースの立役者ですし、CMでもかなりまた顔を売りましたからね、ゴシップネタ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡10 BL小説 「何企んでるんや?」 振り返ると金田一耕助が立っていた。 「や、だなあ、千雪さん、何も企んだりしてませんよ」 さすが名探偵とでも言いたいところを、良太は適当にごまかした。 「そうか? 何か怪しいで」 推理作家で、青山プロダクションで
2024年11月3日 クインシー・ジョーンズさん 91歳が死去 アメリカの音楽プロデューサー・作曲家のクインシーが亡くなったとメディアで今朝知りました 有名な…
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡9 BL小説 「どうも、すみません、準備手伝えなくて」 良太は申し訳なさげに浩輔を見た。 「全然、大丈夫です。秋山さんがいろいろ手配して下さったので、お土産運ぶくらいで」 「あれ! 良太、あたしがやった衣装、どうしたのよ!」 良太を見つけて早速文
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡8 BL小説 すると彼女たちの声が届いたかのように、男がサングラスを取った。 「うっそ、あれ、沢村じゃない?」 二人を注目したのはラウンジにいた客だけではなかった。 明らかにプロ仕様のカメラを構えた連中が二人をしっかり撮っていた。 しばらくして
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡7 BL小説 ところがそんな時、マネージャーの秋山を伴ったアスカが現れ、「どうしちゃったの? 沢村、小田先生なんかと」と良太に聞いてくる。 おまけに小田が帰ると、「おい、良太、お前、T大法学部なんか出てるくせに、何で弁護士じゃねーんだよ!」などと沢
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡6 BL小説 無論沢村は佐々木の名前を出すようなことはしなかったものの、数日前、スポーツ紙には、関西タイガース沢村選手が大手企業社長令嬢といよいよ結婚か、という文字が踊り、慈善パーティの晩の二人を捉えた写真が大きくスクープされ、写真週刊誌やネットニュ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡(工藤×良太42)、秋も深まります BL小説 酷暑がようやく去り、秋がふかまりつつあります。月鏡(工藤×良太42)、秋のエピソードです。良太は沢村からまた難題を持ち込まれ、仕事に追われ頭を抱えつつも歳末へと突き進んでいきます。
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡5 BL小説 「それやね。車はええ加減ボロやけど、タイヤだけはええもん履かんと」 佐々木はひとり頷いた。 「ですよね! てか、佐々木さんの車、カッコいいっすよ? 安定感あるし」 佐々木の車はボルボのステーションワゴンで、二月に軽井沢でスキー合宿をや
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡4 BL小説 以前、仕事で東洋商事に出向いた時に、佐々木や藤堂とともに良太も同行したのが、音楽を担当するミュージシャンで、人気バンドドラゴンテイルのボーカル、水野あきらは、知らない相手には不愛想と聞いていたが、佐々木には最初からフレンドリーな感じだ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡3 BL小説 「でも、来年の大和屋のイベント、去年ほど大掛かりじゃないから、まだよかったわ」 直子は本当に佐々木のことを心配しているのだ。 「そうだね。でも、佐々木さんの仕事は、クリエイターだけにとどまらないから、大変だよね、茶の湯の方もだから」
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡2 BL小説 ったく、ちょっとくらい減らしたって、また元の木阿弥じゃないかよ。 少しは年も考えろよな。 とは、良太の心の声なのだが。 工藤が休みをまともに取ったのは八月にタレントが風邪を理由にスケジュールに穴を開けた二日ほどと、今となってはま
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です 月鏡1 BL小説 朝から冷たい風がビルの間を吹き抜け、太陽は分厚い灰色の雲の後ろにずっと隠れていて、今日は日中も気温が上がらなそうだ。 円安、物価高に加えて、殺伐とした世界情勢がじわりと、この重だる気に空を覆う雲のようにすぐそこまで歩み寄っているようだ
月夜の猫-BL小説です 月鏡(工藤×良太42) BL小説 「残月」の後、沢村と佐々木の「好きだから」と同時期でリンクします。 工藤も良太も相変わらず忙しい毎日を送っているが、沢村に問題が起こり、佐々木も無論、青山プロダクションの面々も巻き込んで、由々しき事態に。それと同時に、良太はハロウインパーティの夜、意外な人物と出くわして
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light28(ラスト) BL小説 ドラマの撮影は全て終了した。 長田プロの一件は、小田が間に入って和解という形で、青山プロダクションとしては不本意ながら落ち着いた。 しばし経ってから、どこからか一連の青山プロダクションに関する記事は他社の
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light27 BL小説 「やっと病院に駆けつけた時は、佐古は頭を打って意識がまだ戻ってないし、俺は携帯を落としたことにも気づかなかった」 工藤は帰国してから誰にも話していなかったようなことを、良太に吐露している自分を嗤う。 「工藤さん……」
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light26 BL小説 「良太、服は?」 落ちていたズボンだけ拾って良太に差し出すと、千雪はきいた。 「あのやろう、俺の服、ごみ箱に捨てやがった!」 慌ててズボンをはきながら、良太は頷いた。 すると工藤が上着を脱いで良太に引っ掛けた。
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light25 BL小説 スタジオを飛び出した工藤は、鴻池に直接会いに行こうとしていた矢先、ちょうど千雪から連絡が入り、車を飛ばしてここに来てみると、京助と千雪は既に到着して工藤を待っていた。 「長田プロの社長、奥さんに愛人のことばらすぞ、言う
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light24 BL小説 「だが、これで工藤も、お前みたいな薄汚いガキには愛想をつかすだろう。阿部とやっているところでも見せられればね。こう見えてもプロデューサーとしては一流だったんだよ。カメラもそうそうヘタじゃない」 鴻池の手にはハンディカ
企業は多様なステークホルダーとの関係を構築し、維持していくことが求められます。広報活動は組織が社会との健全な関係を築き、持続的な成長を実現するための不可欠な要素であり、映像プロデューサーが活躍できる分野です。
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light23 BL小説 どこだろ、ここ…… 頭が重いしガンガンする。 何だっけ、俺、どうしたんだっけ…? 目を開けると、外はまだ明るいようだが、分厚いカーテンが覆っていて部屋の中は薄暗い。 家具調度を見ると、半端でなく豪華な代物のよう
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light22 BL小説 俳優だけでなく、スタッフも文句を言っている。 ディレクターも怒り始めた。 「一体どうしたんだ、広瀬くんは?」 「あの、広瀬くんからメールが入ってます。何か、自分にはもうできない、とかって」 その時、唐突に阿部が言っ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light21 BL小説 「部類のコーヒー好きなんだよ。私は。しかも入れ方にはうるさい」 鴻池は言い訳のように言う。 「いただきます」 阿部が飲むのを見て、良太も紙コップに口をつけた。 「実は、君たち二人に、いい話がある」 ややあって徐に鴻
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light20 BL小説 千雪は着信履歴を調べ、鴻池がシャワーを終えるまでにできる限り自分の携帯に画像で保存すると、バスルームのガチャという音とともに携帯をポケットに滑り込ませた。 ところが鴻池と入れ替わりにバスルームに行こうとした千雪の腕
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light19 BL小説 一方、鴻池が執拗に良太にドラマ出演を促したというところに何か引っかかりを覚えた千雪は、鴻池のことをいろいろと調べていた。 そして妙な情報も入手した。 「言い忘れたんだが、鴻池はバイで特にきれいな少年が好きだから、千雪
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Summer Break35 BL小説 「やっぱ、お迎えの車って、サイレン付きだったんですか?」 良太はつい、思っていたことを口にした。 「サイレンは鳴らさんと帰ってもろたけどな」 「詳しいことはまた後で話す。腹が減った」 動きたくないという顔の千雪
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light18 BL小説 「室井はしたたかな女で、それこそ自分の地位をステップアップするために、鴻池と関係を持ったとかある筋では言われているらしいが」 下柳はそう言って鼻で笑う。 「鴻池さんと…」 「だから、良太ちゃん、あんまり世間の噂、気にす
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light17 BL小説 「へえへえ。それにしても工藤のやつ、ケツの穴の小ぃせーこと言ってねーで、俳優でも何でもやらせてやればいいだろーが、良太によ」 京助が言うと、「とか何とか、ユキがテレビに出るのだって文句言ってたくせに」とアスカが応酬する。
Summer Break(工藤×良太)34 2024Automneでアップしております、 Moon Light
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Summer Break34 BL小説 「ったく、これだからイケメンってやつは嫌いなんだ! 売れっ子女優が簡単に連れられて行くし」 耳の中でも加藤が地団太を踏んでいるように喚いた。 あーあ、お迎えの車って、サイレンのついてるやつだったりして。 良太が
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light16 BL小説 残っているあとワンカットは、他の俳優の都合上、翌週にならないと撮影できない。 そのシーンのセリフを思い出しながら、良太はパソコンの前に座っていた。 阿部とは二度ほど飲みに行ったが、それを知ったアスカに、あの男はゲイ
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light15 BL小説 九月も中旬を過ぎ、燦燦と降り注ぐ太陽の光がその威力を落とし始めた頃。 ニューヨークテロ事件の余波もあってか、世情不安は募るばかりだ。 加えてたまに連絡が入るくらいの工藤と良太はそれこそずっと冷戦状態である。 良太
お立寄り有難うございます。お気楽ハピエンBL小説です Moon Light14 BL小説 その日、二人の出番はとりあえず終わり、傷心の良太は阿部に飲みに誘われた。 申し訳なさから良太はつき合うことにした。 「すみません、俺の役は、もともと阿部さんの役だったのに」 「お前が謝ることじゃないさ。俺はどんな役で