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※えっと、今回はお話っていうか…うーん、なんだろ?あっ、そうそう!結婚指輪💍原作の彼は新婚旅行の時まではつけてたんだけど、いつのまにか外しちゃっててまあ、職業…
深夜2時を過ぎたころ、ひとりの女性が店の扉をそっと開けた。外は冷たい風が吹いていたが、彼女の顔には、それとは別の静かな寒さが滲んでいた。カウンターの席に腰を下ろすと、私は黙ってグラスを磨きながら、彼女の方へゆっくり視線を向けた。 「この店、ずいぶん静かですね」 彼女がそう言って笑う。その笑顔も、どこか“思い出の続き”のようだった。 「昔ね、毎晩のように電話してた人がいたんです。 声だけで、たぶんお互いを支えてた。会ったのは数回だけ。 でも、なんだかあの時間だけは、現実だった気がするんですよね。」 私は黙って一杯のジンを差し出した。彼女はそれを受け取り、小さく礼を言う。 「終わったんです、結局。…
ドキュメンタリー番組の最後は、「とは」に対する答えで締めくくるのがお約束というものだ。だが超一流の投打二刀流日本人メジャーリーガーが登場したこの日の『激熱大陸』は、惜しげもなくその質問から幕を開けたのだった。「あなたにとって、〈野球〉とはなんですか?」 「えっ、いきなりですか……まあ、なんというか、う~ん……〈人生〉、ですかね」 「では、〈人生〉とはなんですか?」 「まあ、そうなるとやっぱり、〈野球〉ってことになりますね」 「では、あなたにとって〈野球〉とは?」 「ああ、まあそうなっちゃいますよね。じゃあもっと具体的に答えたほうがいいんですかね。えーっと、じゃあ〈仕事〉ってことで」 「では、あ…
小説の文字数(掌編・短編・中編・長編)の目安を独自に分類してみた
小説の文字数(掌編・短編・中編・長編)の目安を独自に分類してみました。掌編小説から長編小説まで、各ジャンルの特徴と魅力を解説します。
今日は無性に腹が減った。1時間ほど前から腹が鳴って仕事も手につかなかったが、ようやく昼休み。さぁどこへ行こうか。●安い定食屋●有名ラーメン店●高級ステーキ店【主な登場人物】ボン ∶若白髪のしょぼいリーマンエリー∶ボンが思いを寄せる若手女子社員須東 ∶ボンの上司にあたる課長、自称イケメン番図(ばんず)∶部長。斧を持ち歩くバーサーカー...
その朝、私は学校へは行かなかった。だがそれは、私が学生ではないからではなかった。だからといって会社へ行ったわけでもない。 もちろんそれは、その日出かけなかったという意味でもなかった。とはいえ私は海にも行かなかったし、スキー場にも行かなかった。それは季節がそれぞれふさわしくなかったから、というわけではないし、私は水泳部でもスキー部でもなかった。 だからといって私は、恋人と二人で野球場へ行ったりもしなかった。朝からやっているとしたらプロ野球ということはなく、高校野球や草野球、少年野球ということになるが、私は野球部員ではないし、もちろん監督でもない。そもそも野球をする趣味はないし、子供が少年野球チー…
1200文字の物語が、誰かの心に灯をともすまで。短編小説作家として大切にしていること
1200文字という限られた世界で物語を紡ぐ理由とは?創作の楽しさと向き合う姿勢、そして物語に込めた想いを綴ります。
「ようこそ、ポリクルベリーの町へ!」 初めて足を踏み入れた町で最初にそう話しかけてきたのは、トレンチコートの襟を立てたいかにも怪しげな男であった。その言葉とは裏腹に、笑顔など微塵もない。それどころか男は眉間に深い皺を寄せ、警察手帳らしきものをつきつけながらそう言ってきたのであった。 そうなると旅人でありひとりの冒険者であるわたしも、いったんは立ち止まらざるを得ない。まずは軽く会釈を返し、男からの質問を待った。もちろん悪事を働いた憶えはないが、だからこそ訊かれたことには正直に答える必要がある。近ごろこの町で、なにか事件でもあったのだろうか。 しかし待てど暮らせど、男から続く質問が来ることはなかっ…
今日は朝からエリーの様子がおかしい。顔色は悪いし、目はうつろだし、時々セキもする。どうしちゃったんだ、私のいとしのエリー!●恋わずらい‥‥相手は私か●普通に風邪でしょ...
新米刑事の未村が、コンビニであんパンと牛乳を買ってパトカーへと駆け戻ってきた。しかしそのタイミングは、実に間が抜けていた。それらは彼が影響を受けたテレビドラマによれば、あくまでも張り込み中における定番の食事ということになっている。しかしこのときすでに張り込みは終わっており、容疑者はすでに逮捕されたあとであった。 それでも初めての張り込みの記念にと、その最中には叶えられなかった念願を、遅ればせながら叶えておこうということらしかった。しかしいざ相棒の待つ車に戻ってみると、パトカーの後部座席のドアが全開になっていた。その奥ではベテラン刑事の津森が、座ったまま器用に折りたたんだ新聞を読んでいる。「津森…
今一番好きな作家は青山美智子さんです。本屋大賞にノミネートされた作品を中心に読んでいるのですが、どれも心が温かくなるようなストーリーで、すっかりファンになってしまいました。 短編が中心なので読みやすく、しかも最後には伏線が回収されて「なるほど~!」と感動できるのが魅力です。 私が読んだ本をご紹介します。 赤と青とエスキース (PHP文芸文庫) 2022年本屋大賞2位。一枚の絵画「エスキース」をめぐる5つの短編が、最後に全部つながる感動的な作品。 月の立つ林で 自然豊かな林を舞台にした連作短編集。 リカバリー・カバヒコ 都市伝説「リカバリー・カバヒコ」をテーマにした連作短編集。登場人物たちが自分…
【創作初心者向け】原稿用紙3枚で書ける1200文字小説の魅力と始め方
原稿用紙3枚(約1200文字)ですぐ書ける1200文字小説の魅力と始め方を紹介。初心者でも気軽に挑戦できる超短編小説の世界を楽しんでみませんか?
【概略】 2分で読めるファンタジー読み切り自作小説。 オムニバス形式で書いてる小説「 それは輪廻の輪のように 」の6作目です。 -------------------------------------------------------------------------...
小説家希望のこの男の毎日頭に浮かんだストーリーで物語を書いているのだがここ数週間何も浮かんでこない当初はそのうち何か浮かんでくるさと楽観していたが2週間3週間…
【レビュー】『コンビニ人間』レビュー 「普通」を問う世界的ベストセラー作
2016年芥川賞受賞作、『コンビニ人間』のレビュー。普通とはなんだろうか。その問いの答えが出るわけではないが、読者に考えさせられる印象的1冊だ。
【村上春樹】夏目漱石×村上春樹のスペースを聴いて!!『こころ』『ノルウェイの森』『七番目の男』『蜂蜜パイ』の共通点と相違点。
☆またまたスペースで村上春樹についてのお話を聴きました♪☆ 先日、村上春樹『象の消滅』についてのスペースに参加させて頂きました。 僕が持ちえなかったいろんな角度の意見を聞けて、とても面白かったです!! hiro0706chang.hatenablog.com 先週は、『村上春樹を歩く』『なぜあのキャラは死ななければならなかったのか?』の著者・浦澄彬さんとの対談スペースがやっていて、アーカイブで聴かせて頂きました。 車で運転中にスマホからBluetoothでスペースのアーカイブを聞かせて頂いたのですが、すごいことができる時代になったもんだなーと感動。 初期3部作の僕と鼠の関係性、ダンスの6つの死…
短篇小説「風が吹けば桶屋が儲かるチャレンジ route 2」
(※これはどうすれば風が吹くだけで桶屋が儲かるかという、その道筋を考えるためだけに書かれた実験小説の第二弾である) 一陣の風が、吹いた。 山から降りてきたその風はアスファルトの上を滑り、大量のスギ花粉を運んだ。その花粉をめいっぱい吸い込んだ通学中の小学生男子が、ひとつくしゃみをした。くしゃみをした勢いですでにぐらぐらになっていた少年の乳歯が抜けて、口の外へと飛び出していった。気づいた母親が、すぐにそれを拾って塀の向こうの屋根の上に投げた。なんかそうしたほうが良いという話を聞いたことがあったからだが、何がなぜどう良いのかは知らないままに。 だが母親の投げた乳歯は、もちろん屋根の高さにまでは届かな…
いつのまにやら本数が増えすぎて自分でも把握できなくなってきたので、とりあえずリストを作ってみました。上のほうが新しく、下にいくほど古いものになります。電子書籍にしか掲載していないものもありますが、そちらも一番下のリンクから無料でダウンロードできるので、この機会にぜひ。短篇小説「み覚」 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「モチベーター」 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「オーバーツーリスト」 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「シゴデキな男」 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「あの店は子沢山」 - 泣きながら一気に書きました 短篇小説「浮きっ歯」 - 泣きながら一気に…
あなたはMr.パルプンテと呼ばれる魔法使い。なぜなら、あなたの魔法はいつも想定外の効果を発動するからだ。そんなあなたの前に・・・スライムが あらわれた!何を唱える?●軽い攻撃魔法●渋い防御魔法●微妙な回復魔法...
あなたは平凡なサラリーマンだ。いや、運の良さは平凡じゃないかもしれない。なぜなら、あなたの目の前に座る後輩女性がとんでもなく美人だからだ。大好きだ。付き合いたい。とりあえず、飲みにでも誘いたい。●すぐに飲みに誘う●ちょっと様子を見る...
翌朝、診療所で超蝶々町長が意識を取り戻したとの知らせが入った。「そうか、じゃあ行くか」スタンが重い腰を上げた。はい、行きましょう!いざ向かうは・・・●診療所●風呂●トイレ...
スタンの命令があり、私は診療所に超蝶々、ビチ子、パプリカ、クソ太郎、ジョイを召集した。「おい、急に呼び出して何の用だよ?」皆が口々に不満を上げる。いや、私に言われても・・・●犯人がわかったらしいですよ●これから皆でパーティーです...
大好物のフルーツゼリーが目の前にある。これは最高だ。私はゼリーにかぶりついた!・・・その時、目が覚めた。なんだ夢か。ふと部屋を見回すと、スタンがいない。いつも昼過ぎまで寝ているあいつが。まさか、逃げた!?●急いで部屋を出る●先に部屋を調べる...
【鬼畜執事×悪役令息(一)】その乙女ゲームでヒロインは二人の男に命を狙われるらしい。悪役令息と攻略対象の一人、イケメン侯爵令息に仕える執事に。金髪青目の美青年にして品行方正で性格も家柄もいい悪役令息は、そりゃあ女子にもてはやされ、次男坊とあってその親からも
サディストの一面がある執事は、完璧な猫かぶりで日々の業務をこなしつつ、たまに、いかがわしい店で性的嗜好を発露して発散。でも、どこか物足りなくあり、もやもやしていたところ、ご主人さまの姪を強引に口説こうとする赤髪の令息を見て、みょうに惹かれてしまい・・・。
その日はご主人さまの親戚一同が集まってのパーティーに同行。貴族社会とはそりが合わない破天荒なご主人さまだから、そりゃあ暇そうにしてあくびをしてたものだが、ふと前のめりになって目を爛々と。視線の先を見やれば、姪のクレアさまに赤髪赤目の令息が鼻息荒く迫り、そ
販売している「鬼畜執事×侯爵令息」2作「鬼畜執事×悪役令息」2作、合計4作を収録したBL短編集。R18。それぞれ単体でも販売しています。【鬼畜執事×悪役令息(一)】悪役令息と執事に命が狙われ、処刑台に送られようとするヒロイン。バッドエンドを知っていながら放っておけ
卒業試験のため、篤人は音大の図書館にある楽譜倉庫の扉を開けた。 ひんやりとした冷気が身体中に襲いかかってくる。 まるで冷凍庫のような寒さからは、この部屋で何年も眠り続ける音符たちの「奏でてほしい」という、悲痛な叫びを感じる。 奥の棚の上段に、お目当ての楽譜はあった。 やや背伸びをして引っ張り出すと、埃の煙の中から、一枚の楽譜が舞い降りてきた。 題名はなく、数十小節ほどの音符が手書きで丁寧に書かれていた。 何の曲だろう… 篤人は鼻歌でそのメロディを口ずさむ。 …初めて聴く曲だ。 誰かのオリジナルかもしれないと思いながら裏面を見ると、右下にコメントが書かれていた。 -香奈、今までた
ふと外の様子を眺めると、空は夕焼けに染まり始めていた。 静かに流れるショパンのピアノを聴きながら、昌和はヴァイオリンのチューニングをする。 毎日この時間になると客は来なくなるので、閉店の準備もしながら、昌和は並んでいる楽器たちとの時間を過ごしている。 「もう今日はお客さん来ないんじゃない?コーヒーでも飲む?」 レジの裏にある事務室から、大学生の娘の彩花が顔を出す。今日はアルバイトが休みらしく、早めに帰ってきてくつろいでいたようだ。夕方にコーヒーなんて飲んだら、夜眠れなくなってしまうだろう。 「お父さんって、いつも音楽のことばかり考えているよね。すごいわ。」 小さな楽器屋の娘ではあるが、
「ホットコーヒーお願いします。」 はい、と一言つぶやき、マスターはコーヒーを淹れ始める。 土曜の午後は、このカフェのカウンターで過ごすというのが、圭吾にとっての個人的なルーティンだ。 平日は営業で取引先をまわったり、提案の資料を作成したりと、ほとんど仕事に費やされている圭吾にとって、土曜の朝に家の掃除を片付け、近所にあるこのカフェで午後をゆっくり過ごすのが、至福のひとときだ。 14時になると、カウンターの隣の席に、美咲という同い年くらいの女性が座り、彼女もホットコーヒーを注文する。 マスター曰く、月に2回ほど土曜のこの時間に訪れるらしい。つまり彼女にとってみれば、来れば必ず圭吾がい
「じゃあ行ってくるね。私はミーティングで夜遅くなると思うけど、ママは多分18時までには帰って来るから。パパはどうだろ?ま、ごゆるりと〜」 絵美は手を振りながら家を出た。ご丁寧に、俺がいるのに鍵まで締めて。 俺は暇でも、周りは仕事なんだよなあと、涼は寝転がったまま白い天井を見上げて考える。 システム開発会社に勤務している涼は、担当していたプロジェクトが一段落したものの、スムーズにすぐに次のプロジェクトというわけにはいかなかった。 もちろん、来月1日からは、製造業のお客様のシステム開発プロジェクトに関わることが決定している。 しかし、31日まで担当するはずだったプロジェクトを、一週間早く
はじめまして!オケミンと申します。 2023年2月から「オケミン!」というクラシック音楽の情報サイトを立ち上げ、運営しています。 オケミン! オケミンは、クラシック音楽の情報サイトです。来日公演情報や名盤のご紹介などを行っています。 okemin.com サイトでは、私からの情報発信のみになりがちで、以前から読者の皆様とのコミュニケーションを増やしたいと考えていました。 そこで、これまで更新情報のみを発信していたXで、フォロワー様との交流を増やしたり、こうしてnoteを立ち上げたりして、今後はさまざまな方とのコミュニケーションを増やしていきたいと思ってい
悪役令息と執事に命が狙われ、処刑台に送られようとするヒロイン。バッドエンドを知っていながら放っておけなく、執事から守ろうとするも、その敵意が自分に向けられてしまい「代わりに抱かせてください」と脅迫されて・・・。異世界転生もののBL小説。R18。ハードプレイを強
その乙女ゲームでヒロインは二人の男に命を狙われるらしい。悪役令息と攻略対象の一人、イケメン侯爵令息に仕える執事に。金髪青目の美青年にして品行方正で性格も家柄もいい悪役令息は、そりゃあ女子にもてはやされ、次男坊とあってその親からも「ぜひ婿に!」と引く手あま
圧倒的な人徳を持つ侯爵令息を尊敬しながら、真心をもって仕える執事。だが、あることをきっかけに別人のようになってしまった彼に「課金されたら、おしまいだ!」と突き放され、訳が分からないまま自分も別人のようになって坊っちゃまに魔の手を・・・。異世界転生もののBL
わたしが仕える侯爵家には執事が二人いる。当主に仕える執事長と、次期当主に仕える副執事。貴族の家で執事が二人いるのは珍しいことだが、それは主人との運命的な絆があってのこと。侯爵家に次期当主に当たるお方がこの世に生を受けると、同じ年にわたしの一族でも男児が生