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目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。 第12話 ピザと世界システムの管理者
ピザはおいしい。 でも食べ過ぎると太るわけで。 「はふぅ。もっちもち。おいしいですね」 さくらがとろけたような顔をしながらピザを頬張っている。 もちもちほっぺはぷっくり膨れて一生懸命口をもごもと動かしている。 「主様お手製ピザ久しぶりです~。材料あまりないので酪農も考えないといけませんね~」 あまり材料がないのか、雛はそんなことを言いながらさくら同様もちもちぽっぺを膨らませていた。 「詠くんのピザおいしい」 鈴は相変わらず乏しい表情で可もなく不可もなくといった感じでピザを食べる。 まぁ感想はおいしいの一言なわけだが。 「ず~っと食べていませんでした。懐かしいです」 雛菊に食べさせたのは何回だっ…
目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。 第11話 建築作業とこれからのこと
今日も今日とてピッピ―とホイッスルの音が聞こえる。 フェアリーノームたちが建築作業を行っているのだ。 ガンガン、ズドンズドン、ザックザック色んな音が鳴り響いている。 そんな中、狐たちはじゃれあったり私の尻尾に潜り込んだり、女神テューズに襲い掛かって遊んだりしていた。 「主様~、建築作業は順調です~。フェアリーノームちゃんたちは本当にすごいですね~」 近くにやってきた雛の頭には安全ヘルメットが乗っており、手には数枚の紙束が握られていた。 完全に建築現場の監督スタイルだ。 コンクリートを打って建築はしないものの、洞窟奥から石を切り出したり木を伐採しては柱を立てたりといった作業を繰り返していく。 ち…
ちなみに昨日記事の下描きはこんな感じです。 「クリスタ」のシャープペンでブラシサイズを0.3にしていつも描いています。 手が描きにくい時は指の関節あたりに線を入れて円柱の積み木を繋げる感じを意識して描いてみてます。 和風テイストで、蓮の花も描く予定! 今まで気にしたことな...
目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。 第10話 夜の焼肉
陽がすっかり傾き月が顔を現し始めたころ、家の中から寝起きの雛がのそのそと出てきた。 まだまだ眠そうな顔をしているけど、頑張ってくれたのであとはのんびりしてもらうとしよう。 というわけで早速手作りの竈に石のプレートを設置する。 この石のプレートは近くを流れていた河原で見つけた良さそうな平べったい石だ。 きれいに洗った後、焼き肉用のプレートにするために乾かしておいたのだ。 「さてと、まずは石を熱して水分が出ないことを確認っと」 赤く燃える薪の上に鎮座する平べったい石のプレート。 しばらく熱しても水が出てこなかったので水を垂らして温度を確認してみる。 すると、じゅーっという音と共に水が石プレートの上…
目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。 第9話 建築とフェアリーノーム
「それで雛はどんな手伝いを求めてるのかな?」 早速雛の求めているお手伝いについて考えてみる。 雛は現在建物の建築の前段階、場所と範囲をあらかた決めた状態のようだ。 ということは、資材運搬とか配置をしてくれる子を求めてる感じかな? 「はい。え~っと、資材はシアちゃんのおかげでだいぶ揃っているので~、あとは建築に取り掛かるだけです~。なので~、建築のお手伝いをしてくれる子がいればいいんですけど~」 これはまた珍しいこと。 いつもなら一人でやってしまうのにお手伝いが必要ということは、寝る場所だけサクサク確保してあとはお手伝いさんに任せるつもりだな? 現に雛は先ほどからとても眠たそうにしている。 「眠…
目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。 第8話 それぞれの役割
従者たちと女神テューズ、シアを連れて地上へと戻ってきた。 一部権限しか取得できない状態ではあの場所に残っても意味はない。 というわけで、さっそく今後のことを考える。 「マスター、この島を覆う結界ですが、しばらくはこのままがいいと思います」 廃屋に戻って来て早々さくらがそのような提案をしてくる。 まぁ分からなくはないかなと思う。 「はい。さくら姉様の言う通りがいいかと思います。この結界を張ったのは眠る前のわたくしですが、結界内は今の第五紀人類にはまだ早い技術になります」 結局この島に眠る技術が発掘された結果、同じ歴史を繰り返してきたのだからその提案は当然だろう。 私としても、無意味に人類を滅亡さ…
目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。 第7話 協力関係
結論から言おう。『アレ』の残滓は全くと言っていいほど残っていなかった。 正確には逃げた痕跡が女神テューズの周辺の空間に残されていた。 どうやら『アレ』は私のことを覚えているらしい。 でもなぜ逃げたのだろうか。 その気になれば、今の私を襲うことも可能だったのではないのか。 「女神テューズ、今のあなたには残滓は残っていません。少し静養すれば元通り仕事もできるでしょう」 私は結論だけ伝えると、一言も話さない従者たちのほうを見る。 さくらは困った顔をしているし雛はあわあわとした表情をしている。 うん、これはつまり……。 私は二人の表情の意味を考えた。 それから意を決して、鈴のほうを向く。 「……」 見…
ペンを入れる順番はいつも顔→目→鼻口→瞳、の順番で描いていってます。 描きやすいように向きをグルグルと変えながら描いていきます。 顔部分ができたら髪を描きます。 それが終わったら手や身体、服をペン入れしていきます。
目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。 第6話 女神の異変、世界の異変
戦闘が終わったメディカルルーム内には微妙な空気が流れ始めていた。 一つは様子のおかしかった女神テューズが大人しくなったこと。 そしてもう一つは私に抱き着く雛菊とそれをじっと見るさくら、雛、鈴の間に流れる無言の空気だ。 この場の空気は少し耐えられそうにないので、女神テューズのことを確認するとしよう。 そもそも、女神なのにまるでバンシーのような状態だったのはなぜなのだろう。 「ええと、テューズ……さん、だっけ? なんであんな状態になっていたのか少し聞いてもいいかな」 最初の確認は女神テューズの異様な状態についてだ。 通常、神族がああいう風に狂うなんて考えられないからだ。 もし簡単に狂ってしまうよう…
さぁ、手術予定が延びたことで考えたら短篇漫画以外にイラストも描けるんじゃない?ってことで、同人用のイラスト原稿に着手することにしました。 お絵描き三昧の毎日です。いや、ゲームも好きでやっていますが…。 下描きを描き描き…。(↓)大きめ画像は こちら 。 うーん、髪型をもう...
目が覚めたら洞窟の中にいました。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指そうと思います。第1話 目覚めるとそこは洞窟だった
ふと眠りから覚める感覚を味わう。いつの間に寝ていたのだろうか。 ここ最近、夜更かしをして遊んでいたのは事実だが、寝落ちすることなどほとんどなかった。 久々に寝落ちをしてしまったのだろうか。 何やら顔の周りがごわごわした物が触れている。 気になったので確認のため、薄目を開け、手を伸ばして触ってみる。 「毛?」 手に触れたもの。 それは妙に暖かく、ごわごわしている。 というかごわもふ? 何の毛だろう? 確認のためにもぞもぞと体を動かし、身を起こしてあたりを見回す。 私の周りには、黄色い毛並みの狐が集まって寝ているのが見えた。 これは一体……。 考え込んでいると、つんつんと腕を突っつかれたのでその方…
目が覚めたら洞窟の中にいました。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指そうと思います。第2話 お供を呼び出しましょう
いつの間にかまた寝てしまっていたようだ。 今回も狐たちが私の周りに集まって寝ているし、子狐たちは子狐たちで私の上で丸くなって眠っている。 どうやら彼らは私の周りに集まることで安心感を覚えているようだ。 さながら母親か父親のようなものだろう。 私が起き上がると同時に狐たちも顔を上げる。 子狐たちはまだ寝ているので落とさないようにそっと体の上から降ろす。 身軽になったところで立ち上がると、狐たちが頭をこすりつけてくる。 もはやこれは挨拶だな。 「みんなおはよう」 それだけ言うと、私は洞窟の外へ向かった。 ついでにその途中にある小さな社の手入れをしておく。 埃を取り除くと壊れた個所を見つけたが、修理…
4月の満月は「ピンクムーン」といわれ 「月を眺めると願い事が叶う」 という言い伝えがあるそうです もともとは ネイティブアメリカンが毎月の満月に 名前をつけていたことに由来するようですが おそらく 月の満ち欠けとともに 生活していた彼らが 豊作と幸せを願って そんな名前をつけたのでしょう 「ピンクムーン」といっても 月がピンク色に染まる訳ではなく アメリカでこの時期に咲く シバザクラやキキョウナデ...
エリザベスは頭が痛かった。 王妃として、ウィンザー公爵家の跡取りが結婚したことはめでたく思うが、その経緯と相手のことを考えると手放しで喜んではいられない。国王たる夫も一枚噛んでいるというのだからなおのこと——。「そんなことより用件をおっしゃってください」 そう言い放ったのは、件のウィンザー公爵家の跡取りであるリチャードだ。 近況を尋ねたのだが答える気もないということだろう。侍女が淹れた紅茶にも軽く...
「伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい」番外編 妃殿下は公爵家の新妻をかわいがりたい
エリザベスは頭が痛かった。王妃として、ウィンザー公爵家の跡取りが結婚したことはめでたく思うが、その経緯と相手のことを考えると手放しで喜んではいられない。国王たる夫も一枚噛んでいるというのだからなおのこと——。「そんなことより用件をおっしゃってください」そう言い放ったのは、件のウィンザー公爵家の跡取りであるリチャードだ。近況を尋ねたのだが答える気もないということだろう。侍女が淹れた紅茶にも軽く口をつけただけで、もう見向きもしない。さっさと用事を終わらせて帰りたがっていることは明白だ。「おまえ、不敬罪で投獄されたいのか?」「グッ……」王妃であるエリザベスに敬意を欠いた言動をすれば、当然、不敬罪になる。もっともこの程度のことで本当に罰しようなどとは考えていない。子供のころから交流のある知人となればなおさらだ。しかしな...「伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい」番外編妃殿下は公爵家の新妻をかわいがりたい
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