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feat. Crowded House そして、久々に5人揃ったバンドは思い切り演奏を楽しんだ。 ――ああ、これ、この音と一体感なんだ、求めていたのは! メンバー全員がそれを噛み締めていると確信した。許されるならマークには本当に早く戻って来て欲しい。 「待ってるよ、マーク」 笑顔を見せる皆んなの姿が強く胸に残った。 ◇ ◇ ◇ マークがウォルターを連れカナダへ帰国して数日後、僕等はスティーブンのオフィスに集まっていた。 「もちろんジェム、君が無実なのは分かっている。しかし知っての通り今ノーマンレーベルの内情は非常に厳しく、イメージダウンやスキャンダルになる事は極力避けたいと、非常にナーバスな状…
feat. Big Country 「仕方ねーだろ」 マークはビッグバーガーを頬張った。 『シャバの旨い飯でも食いに行こうぜ! 社会人のオレちゃんが、奢ってやるよ』 そうドヤ顔で言われて入った店は世界中どこでも安定供給のファストフード……美味い飯? 「フィッシュ&チップスより断然、旨いだろうが⁉︎」 「やっぱハンバーガーは、最高のご馳走だよな!」 アメリカ(トニィ)とカナダ(マーク)の2大『ビッグ・カントリー』に徒労を組まれちゃ適わないよ? [Big Country『In a Big Country』Released:20 May 1983] でも、2人と一緒に食べれば不思議とご馳走になる。 …
feat. Tears for Fears 「動くな! 全員止まれ!」 心配したジョージが、警官を連れて様子を見に来てくれたんだ。 男は裏口から逃げ去り僕はヤスが伸ばした手を掴むと必死に叫んだ。 「病院に早く! フレッドが――」 ◇ ◇ ◇ それから1時間、僕は取調室でイラつきを抑えられずにいた。 「だから、何度説明すれば分かるんですか⁉︎」 「あれはジェムの物じゃない。あの場に落ちてたのを拾っただけだ!」 ヤスの必死の説明も真面目なロンドンのお巡りさんは聞いてくれなかった。 あのとき拾ったドラッグの小袋を持っていたせいで、疑いをかけられてしまったんだ。 もちろん、僕がドラッグをやっていないこ…
パッと見カッコイイジャケですが・→☆♪ 意識高い系か! グループ分裂しとるのに、帯の文句が矛盾しとるような気もするが…🤫 音🎵とジャケがナイスなので、まぁいいか! ポップ・グループなのに、ポップ
DEXYS MIDNIGHT RUNNERS / TOO‐RAY‐AY
名盤中の名盤・・・ 自分の中ではですが・・・ 英国かどーか知りませんが、ケルト音楽というのが、このアルバムで垣間見れていいですね! ホントに捨て曲なし。 TVでもよく耳にしています。
pick out: Bronski Beat 僕等はセント・ブライアンズの1階入り口までやって来た。 店の看板は外されていたけど外側からは、何ら変わった様子は見受けられない。 扉に鍵は掛かってなかったのでゆっくり寂れた暗い階段を下り地下入口のドアを開けると、甘い異臭を感じた。 元々ライブハウスやクラブではアルコールや煙草と同じようにマリファナ程度のドラッグは珍しいものではないけれど、今のこの状況はそんな類の物だけではないと容易に察せた。 ぼんやりとしたフットライトを頼りにそのまま受付、そしてスタッフルームの前を進むも人の気配は無い。 不意にヤスが足元の感触に気付きそれを拾い上げ、僕に手渡した。…
feat. The Stranglers 「君達こそ希望の光だ。君達なら世界を手に入れることができると、そう信じている――」 そのままウォルターは静かな寝息を立てた。 僕等はそっと病室を後にするとドクターが待ち受けていた。 「彼は警察が保護してきたんだ。失礼だが君達とは、どういう関係だろうか? 家族の方と連絡を取りたいんだが――」 僕は皆んなと視線を合わせると、躊躇いつつ答えた。 「僕等は、彼のライブハウスでお世話になってました。最近は店に行ってなかったから、彼がこんな状態だなんて知らなかったんです」 「ウォルターがジャンキーだなんて、信じられない!」 「ドラッグに溺れるような人じゃ、ないと思…
Back to the 80s!マイク&ザ・メカニックス「All I Need Is a Miracle」
こんにちは。夢中図書館へようこそ! 館長のふゆきです。 今日の夢中は、Back to the 80s!マイク&ザ・メカニックスのヒット曲「ミラクル」(All I Need Is a Miracle)を
feat. Depeche Mode 「実は色々あって、デビューが伸びちゃったんだ」 僕等は事の流れを説明した。 「そうだったのか……まあレーベル側の思惑はともかく、こっちとしては〝Depeche Mode〟じゃないが、掴めるものは掴んでおきたいね。何事にもタイミングというものはある」 「『全てのことに意味がある』 よね? きっと、もっと良いタイミングで、デビューできるはずよ」 [Depeche Mode『Everything Counts』Released:11 July 1983] 励ましてくれる2人に感謝し、トニィが本題を切り出した。 「ジョージ、去年会ったとき話してたよな? セント・ブ…
feat. Everything But the Girl 「どうぞ入って」 2人はドアを開け僕等をフラットに招き入れるとジョージは、うとうとしているベビーをそっとバスケットに寝かせた。トニィが中を覗き込む。 「可愛いね、男の子? 女の子?」 「男だよ、名前はエリック」 「ギターの神様と同じだね⁉︎ 将来はジョージパパを超える、名ギタリストになるかな?」 僕の台詞に、ジョージは軽く微笑んだ。 「できればコイツには、真っ当な道を進んでもらいたいけど」 「あら、私達は真っ当じゃないって言うの?」 アンは呆れながらティーポットとカップのセットをテーブルに置いた。 僕からすれば、2人は〝Eurythm…
pick out: G.I. Orange そら面白い! って皆んなで一生懸命木の箱を振っている姿が笑えるな。外国人観光客が多い京都はおみくじも、ちゃんと英語で書いてあるんだ。 「見ろよこれ?『大吉』だってさ!」マークは引いたおみくじを得意気にヒラヒラさせる。 「僕は『中吉』、北の方角がラッキーだって」フレッドも嬉しそうだ。 「私は『末吉』だ。これは、どのぐらい良い結果なんだい?」とスティーブン。 「オレは『吉』だった。ジェムは?」 「トニィと同じ『吉』だよ。悔しいな『大吉』狙いだったのに」 そして皆んなの視線はおみくじを紐に結ぼうとしているヤスに注がれた。 「あのさー、こんなのはお遊びなんだ…
物語に入れられなかった アーティスト・楽曲シリーズ〔第7弾〕 クリスマスは当日より イブの方がメインって印象なのは 1980年代後半のバブル時期、 恋人達が主役に躍り出てから……? シャンパンで乾杯の豪華ディナー 夜景の美しいシティホテル プレゼントはブランド品の数々―― そんなトレンディーな方々の様子を TVや雑誌で垣間見つつ クリスマスは本来、家族で過ごすもの と鼻息荒くした英国かぶれの自分が 一番好きなクリスマス・ソングは クリス・レアの 『ドライビング・フォー・クリスマス』 一見、恋人達がイチャラブしながら ゲレンデに向かう(←色々混ざったw) ドライブ・ソング? と思ったけど 原題は…
feat. The Cure ゲートに向かって歩き出した2人にフレッドは手を振りながらほっこりとして呟いた。 「なんだかルイス、綺麗になったみたい。穏やかで満たされてる感じ……? きっと好きな人と一緒にいるからだね」 「欲求不満、解消されただけだろ」 鼻で笑うヤスの前に不意にルイスが踵を返して舞い戻って来た。ギクッとなる一同。 ルイスはヤスの正面で立ち止まると 「今度会う時までに、少しはレディへの接し方を学んでおきなさいね?」 そう言って、ヤスの頬にキスしたんだ! 「それはあんたの方が、先ずレディにならないと――痛っ!」 ヤスの腕を軽く小突いてルイスはクスクス笑いながらトニィの後ろに隠れた。 …
feat. Deniece Williams 甘くキスを交わす2人にいつの間に集まっていたのかギャラリーが〈ヒューヒュー♩〉と口笛を鳴らし、拍手を送っていた。 誰かが 『男の子に声援を送ってあげて!』 [Deniece Williams『Let’s Hear It For The Boy』Released:February 14, 1984] と大きな声を出すと口々に2人に応援の声がかかり一斉に歌い出したんだ! そういえば、このホテルアメリカ人観光客の御用達だっけ。そりゃ『フットルース』で盛り上がるわけだ。 その様子に背中を押されたのかルイスは恥じらいながらトニィの耳元で囁いた。 「今日こそ、…
11/23はブルース・ホーンズビーの誕生日!名曲「ザ・ウェイ・イット・イズ」を聴こう
こんにちは。夢中図書館へようこそ! 館長のふゆきです。 今日の夢中は、11/23はブルース・ホーンズビーの誕生日!名曲「ザ・ウェイ・イット・イズ」を聴こう…です。 「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名
feat. Eighth Wonder 「でも、デビューがどうなるか分からないし……」 トニィはルイスを抱き寄せるも一人前になる見通しが立たないのに軽はずみなことはできないと、頑なだ。 それに関しては僕も気が気じゃなくて気休めも言えずにいたけれど。 「オレが待たせてる間に、君に相応しい人が現れたら――」 「相応しいって、何⁉︎」 ルイスは鋭い視線を送った。 「だったら私の方こそ、バンドマンの彼女として失格よね? 音楽の事なんか全然わかんないし、嫉妬深いし我慢も足りない。トニィの彼女に相応しくないでしょ!?」 「そんなこと、関係ないよ!」 「そうよ、関係ないのよ!」 ピシャリと言い放つとルイスは…
ジョジョの奇妙な冒険 アニメ 3部エジプト編 エンディングテーマ曲 「エジプシャン」 ウェーオー ウェーオー オーウェーオー それだけで最高ですね! 荒木先生の意向か、アニメ側の意向かわ
リチャード・マークス JAPAN TOUR 2023@ZEPP DIVERCITY TOKYO
リチャード・マークスのライブへ行ってきました。今回は指定席ではなく、スタンディングでしたがたっぷりと楽しんで帰ってきた。まぁ指定でも立つこともあるしだけど、昔と違ってステージ前で見たいとかこだわりがなくなってきた。スタンディングのスペースに余裕があったので、ライブ中は元居た場所からかなり前に出てハジけてた。■RICHARD MARX JAPAN TOUR 20232023年10月3日(火) Zepp DiverCity (TOKYO)18:00開場 19:00...
feat. Samantha Fox カクカク揺れる僕を尻目にフレッドがクスッと笑う。 「大丈夫だと思うよ? ルイスの方も〝その気〟なんじゃないかな!? あのスーツケースの中の高級そうなランジェリー、セクシーなドレスにブランド物の化粧品なんて、気合い十分――」 「見ないでよ⁉︎」 振り向くと、真っ赤な顔したルイスが立っていた。 「化粧品は、お姉ちゃんの会社のサンプル品だから」 別に気張ってるわけじゃないと憤慨するルイスの後ろに棒立ち状態のヤスもいたのは驚いた。 安堵のトニィが立ち上がり「良かった、心配したよ」とルイスを抱き締める。 そんな2人にフレッドは 「だって、スーツケースをあんな風におっ…
武道館と名がついた名盤の1つですね。 パワーポップと今では言われているらしいが、POPです。 このライブ盤はスタジオ版と違い、ゴリゴリの音がブットいです。 いいです! 女性ファンの声がすごーいのも特徴
今回は5部のブローノ・ブチャラティのスタンド、スティッキーフィンガーズです。 ブチャラティーは、スタイリッシュでMODですね、カッチョヨイですわ。 で、スティッキーフィンガーズですが・
俺たちがロックの街を創った!スターシップ「We Built This City」
こんにちは。夢中図書館へようこそ! 館長のふゆきです。 今日の夢中は、俺たちがロックの街を創った!スターシップ「We Built This City」です。 「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新
pick out: Japan ヤスはルイスを睨み声を荒げた。 「うるせーな! 俺達はプロとして色々考えてるんだから、邪魔すんな」 「なーにがプロよ? まだデビューしてないクセに」 「ドシロウトに一々、口出しされたくないね! 単純にその音を入れるだけじゃ駄目なんだ、バランスの問題なんだから」 「バランスを調整するのが、プロの仕事なんじゃないの⁉︎ プロならやってみなさいよ、チャイニーズボーイ」 「ジャパニーズだって言ったろ⁉︎ もう老化現象かよ!」 僕とトニィは、お互いの幼馴染同士のバトルに唖然となり手が付けられず、2人のバトルは続く。 「あんたみたいな頭の固いガキに、言われたくないわ! ジャ…
【Apple Musicプレイリスト】氷河期世代が若かりし頃を思い出す洋楽
こんにちは!atchk(@atchk)です。 今回はApple Musicで「氷河期世代が若かりし頃を思い出す洋楽」をプレイリストにまとめてみましたのでご紹介します。 おおよそ中学時代から20代後半ないし30代前半くらいの曲になるでしょうか
大ヒット曲 『ジャンプ』 、大ヒットアルバム 『1984』 で知られる、米ロックバンド ヴァン・ヘイレン の エドワード・ヴァン・ヘイレン さんが10月6日、癌のため亡くなりました。 65歳という若さでした。 謹んでお悔やみ申し上げます。Van Halen - Jump (Official Music Video) (YouTube 動画)誰もが狂喜した 「ライトハンド奏法」(タッピング奏法) 、衝撃の 「速弾きプレイ」 で、ギターの革命児と謡われま...
feat. Thompson Twins 「ルイス、いつまで居られる? 両親にOKはもらってるよね?」 「来週末ギリギリまで居るつもりよ。トニィに会いに行くって言ったら、パパもママもお姉ちゃん達も喜んで見送ってくれたわ。Ohトニィ! 感動の対面を、やり直しましょう⁉︎ 会いたかったのよ」 と、いきなり抱き付くルイス。 「オレだって会いたかったよ!」トニィもしっかり抱き返した。 さっきまでの緊迫感は、どこへやら?突然の甘い空気に面食らってると 「ちょっとあんた達、気を利かせなさいよ⁉︎」 ルイスに睨まれてしまった。 「あ、ごめん、ごめん」 僕等はトニィにウィンク一つ残し、慌ててフラットを後にした…
今回はノルウェー出身のバンドa-haのTake On Meを日本語に訳していきます。この曲は1985年にリリースされ、当時のビルボードトップ10にランクインするなど人気の曲でした。またTik Tokでの楽曲の使用などで今でも人気の曲です。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle []).push({}); www.youtube.com [Talking away] ずっとおしゃべりしてるけどさ [I don't know what I'm to say] 何を言えばいいかわからないんだけど [I'll say it anyway] まぁとにかく言うんだけどね…
Back to the 80s!トンプソン・ツインズ「ホールド・ミー・ナウ」
こんにちは。夢中図書館へようこそ! 館長のふゆきです。 今日の夢中は、Back to the 80s!トンプソン・ツインズ「ホールド・ミー・ナウ」です。 「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、
Billy Joel/An Innocent Man(1983)
以前にもブログに書いたが再登場のBilly Joel/An Innocent Man。中学生だった自分が洋楽にハマることになった1983年はマイケル・ジャクソ…
pick out: Pretty in Pink 「そんなブス、私の方が全然キレイだし、スタイルもいいっつーの!」鼻息を荒くするルイス。 思わず彼女のヌードが脳裏に浮かび納得して顔を赤らめる僕の背中を、フレッドが気の毒そうにポンポン叩く。 その様子を見たルイスはさっきまでの勢いはどこへやら、躊躇うように呟いた。 「じゃあ、この2人ってことよね⁉︎ トニィがロンドンに留まっている理由は……バンド、デビューするんでしょう?」 「この2人だけじゃないよ⁉︎ 後ヤスと、今はカナダだけどマークもいるし、スゲェいいバンドなんだ!」 トニィは嬉々として言ってるけどそういうハナシじゃないと思うよ。 「……もう…
feat. Bananarama 「私が悪いって言うの?」 ルイスのひと睨みで大きく首を横に振るトニィ。 「いや……何でわざわざ……急にこっちに来てくれたのかと……も、もしかして――」 しどろもどろな様子にルイスはイラつき遮った。 「もしかして『もうオレのこと好きじゃない』とか『オレに別れを言いに来た』とか、言うんじゃないでしょうね?」 どうやら図星みたいだ。顔を引きつらせるトニィにルイスは凄い迫力で詰め寄る。 「私が! ただトニィに会うためだけに! わざわざロンドンに来ちゃ、いけないって言うの⁉︎ っていうか別れ話なんかで、わざわざロンドンまで来ないっつーの!!」 「ご、ごめん。でも電話して…
1981年にリリースされたPOCOの15枚目のアルバム「Blue and Gray」は、『南北戦争』をテーマとしたコンセプトにしたアルバムになっている。タイト…
Boys Town Gang/Disc Charge(1982)
先日、特価レコードコーナーで発見して救出!なつかしい・・・なんか、元気が出るなぁwアメリカ、サンフランシスコで結成されたディスコバンド、ボーイズ・タウン・ギャ…
The Honeydrippers/Volume One(1984)
ロバート・プラントがツェッペリン解散後に結成したバンド『ハニードリッパーズ』が1984年にリリースしたミニ・アルバム『The Honeydrippers Vo…
先日、中古レコード・ショップにてジャケ買いしたChinaの唯一のアルバム。カナダで結成された3ピースバンドで正直あまり知らなかったがこのアルバムが唯一の作品と…
Kenny Loggins/High Adventure(1982)
1982年にリリースされたケニー・ロギンスの4枚目のスタジオ・アルバムロックとAORが半々といった構成でデヴィッド・フォスターのプロデュース。参加メンバーはス…
J.D. Souther/Home by Dawn(1984)
ウェスト・コースト・サウンドの重要なアーティストJ. D. Southerの4枚目のスタジオ・アルバムHome by Dawn(邦題ロマンティック・ナイト)を…
Bobby Caldwell/August Moon(1983)
ボビー・コールドウェルの4枚目のオリジナル・アルバム「August Moon」は今までの作品よりロック寄りの仕上がり。のちにアメリカでも発売されたが1983年…
Christopher Cross/Every Turn Of the World(1985)
そういえば、クリストファー・クロスが来日公演するなと思い、ビルボード・ライブ横浜のページを見てみたらまだチケットが購入できるので急遽、今度の日曜日に行くことに…
feat. Culture Club - Time(Clock Of The Heart) フレッドの方もかなり気が立っていた。 「ロバートのやることに、疑問を感じないの!? 彼の作る音を気に入ってるの?」 「別に、そういうわけじゃないけど……良い時も悪い時もある、そういうもんだろう」 そう、あっさり答えると彼は怒鳴ってきたよ。 「僕達のデビューアルバムなんだよ⁉︎ 最高のモノを作りたいって言ったじゃないか! 良くも悪くもあるだなんて、良いモノしか認められない……100%じゃない、200%の力を出すつもりじゃなきゃ駄目なんだよ!」 こうなると、熱血少年にはウンザリしてくる。 「だけどこれ以上、…
Nile Rodgers/B-MOVIE MATINEE(1985)
Chicのソングライター&ギタリスト、ナイル・ロジャースの1985年リリースのセカンド・ソロ・アルバム。赤と青の眼鏡で見ると写真が立体に見える3Dジャケットが…
Marvin Gaye/Motown Remembers Marvin Gaye(1986)
マーヴィンのアルバムといえばLet's Get It OnやWhat's Going Onあたりなんだろうけど、こちらは先日、中古レコード店でレコード掘りをし…
feat. XTC - Dear God 「だからロバート! この詩の持つ意味を分かってるって言うなら、どうしてここに、そんな音を入れるの⁉︎」 「分かってないのは、君の方だよフレッド。ここは、もっと早いテンポで左右に振り分けないと、新鮮さが失われるだろう⁉︎ 君の音に対する考えは少々古いようだな。まだ若いのに残念だ」 「あー、また始まった……」 僕もトニィもウンザリしていた。休日も返上になってしまいヘンリー達スタッフも逃げ出すレベルだよ。ヤスだけは、2人のバトルを無視してサッサと次のサックスパートを進めているけどね。 僕はトニィの隣に座ると大きな溜め息を吐いた。 「まるで〝XTC〟並じゃない…
フランス出身で現在は、ベルギーで活躍する歌手ヴィクター・ラズロの1987年リリースのセカンド・アルバム(邦題:ブレスレス)。このアルバムハ高校生の頃によく通っ…
feat. Echo & The Bunnymen - The Killing Moon 少なくとも、昨日マークに追い立てられなければ鍵を閉め忘れることもなく今ここで、トニィに会うことは無かっただろう。 「じゃあバンド名は、スターライト・ルームにする?」と僕。 しかし、ヤスが少し考えてから口を開いた。 「いや、なんていうか……スターライト・ルームって一種の象徴だろ? それよりも俺は今日この日の、この夜の神秘性を感じるんだ」 「スターライト・ナイトだ!」僕は声を上げた。 「スターライト・ナイトか……うん、なかなかロマンチック! 女の子に受けそうじゃん?」〈ヒュー♩〉っとマークは口笛を吹いた。 「…
feat. The Smiths - This Charming Man 「ジェム、落ち着きなよ⁉︎ 物に当たるのは良くない!」慌てるフレッド。ヤスも呆れている。 「僕は落ち着いてるよ⁉︎ 君らに八つ当たらないだけ、十分落ち着いてるっ!」 そんな僕にフレッドは溜め息を吐いた。 「ねえジェム、いい加減あの2人のことは、気にせずいようよ? それに僕、意外だなと思って――」 「何がー⁉︎」僕は勢いよく振り返った。 「ギルだよ。あの人、普段僕達に関心ないみたいなのに、ちゃんとジェムのこと見てるなって……」 「俺も思った。仕事できる人なんだって、分かる気がする」ヤスも頷く。 「はぁーっ⁉︎ 2人とも何言…
feat. Kate Bush 僕等はマークに引っ張られステージの正面を陣取った。 先ず、パンクっぽいバンドの演奏からスタート。シンプルながらも激しいビートで掴みはOKだ。 次は女性ヴォーカル。幼げなルックスの割に独自の世界観で歌い上げる様は〝ケイト・ブッシュ〟を彷彿とさせる。 気が付くと、次から次へと入れ替わり立ち替わり常連達で盛り上がっていた。 フロアにいる何人かが、慣れたようにステージに上がっている。もちろんマークも、その一人だ。 もう、どこまでが客だか演奏者だか分からない。ハードロックから弾き語りまでまるで音の洪水だ。 かつて僕が BAD MOUTH で演っていた空間とは、全然違う。こ…
Daryl Hall/3 Hearts in the Happy Ending Machine
今日の1枚目は、ダリル・ホールのソロアルバム「ドリームタイム(原題:Three Hearts in the Happy Ending Machine)」を。1…