No.6-009 Blue Dreaming
feat.Wang Chung ケイトの提案で木漏れ日が揺れるセント・ジェームズ・パークを歩くことにした。 「きれいなところ……池も大きいのね」 「ここはロンドンの数ある公園の中でも、一番優雅で人気があるんだ。色々な人が来てるでしょ?」 サラリーマン、犬を連れた老紳士、並んでベビーカーを押すご婦人方に団体で賑やかに歩く観光客。ベンチで肩を寄せ合う学生らしきカップルを見て、ケイトが悪戯っぽく微笑んだ。 「私達も、カップルに見えたりして?」 そんな風に言われるとつい深読みしてしまい、淡い期待が思わず声になる。 「――兄妹とはいえ、血は繋がってないからね」 思い切って彼女の肩に手を回そうとした、その…
2024/07/07 20:37