メインカテゴリーを選択しなおす
シュウの話、第131話。勢力図激変の予兆。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 流石に8世紀最大のフィクサーとうわさされるだけあり、天狐は十重二十重の戦略・作戦によってラコッカ石油の、難民特区における地位と権力を固めさせていた。前述の、天狐にまつわるうわさを流し、盗みを働こうとするならず者たちを殺さず追い払っていたことも、その一環だった。特区内のならず者を退けると共に余計な争いを避けさせ、後に...
VroidStudioでうちの娘を作るシリーズ。今回は虎海さん。 文武両道フィジカルおばけのお嬢様。彼女のすごさは身長176cm、バスト98cmの見た目だけではない。どんな科目も90点以下を取ったことはないし、スポーツをやらせればホームランがガンガン出る。ただ、プライド高くて見栄っ張りなのが玉に瑕。おだてられると図に乗るし、煽られると挑発に乗る。旅岡さんに「タピオカチャレンジいけるん?」と聞かれたら、ドヤ顔でやってくれ...
シュウの話、第129話。創業。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8.《オレの思惑もちゃんと話しておいてやんよ。じゃなきゃフェアじゃねーし、納得しねーだろーしな。率直に言って、オレは白猫党とトラス王国が大っキライだ。どっちにも1世紀単位の因縁があるもんで、な。ましてや他人の油田を奪って軍事転用しよう、アコギに荒稼ぎしようなんてこすい真似、見過ごすワケがねーだろ。だからお前らに肩入れするんだ。 この...
シュウの話、第128話。フィクサー天狐。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. まだどこかとぼけた様子を見せているファミリーに、今度はカニートが、もっと現実的な説明を述べた。「あんたら、このスマホを見てくれ。このスマホの裏面、何が書いてある?」「会社名か? ピクスマニア」「そう。一流電子機器メーカーのピクスマニアだ。その現CEO……まあ、社長みたいなもんだが、そいつとテンコ・カツミ氏には関わりがあ...
シュウの話、第123話。百変化ショー。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2.「本当にケガしてねーのか?」「あんだけ撃たれまくってたじゃん」「ええ、まあ、はい、全然」 王国軍による二度目の襲撃を退けた後、ラックはファミリーに囲まれ、裸の上半身をあちこちからじろじろと見つめられていた。「ってかさっきの筋肉はどこ行ったんだよ」「こーして見るとただのおっさんじゃね?」「そりゃ贅肉的なのはないけどさー、筋...
シュウの話、第121話。無明の中で生きると言うこと。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -9. 日中は授業や何かしらの工作作業、校庭を作り変えた畑での農作業で騒々しかった「学校」も、夕闇が迫るに従って、段々と静かになっていた。「電気通ってないからな。暗くなったら寝る、が基本だ」「発電機があるって言ってなかったですか?」 尋ねたラックに、ロロは肩をすくめて返す。「んなもん、もうブッ壊れちまってるよ。1...
シュウの話、第120話。人生の分岐点。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8. 結局、根が真面目なロロが暴飲暴食したのは――腹を下したこともあって――最初の2日だけで、以降は朝と夕の1日2缶で過ごしていた。昼下がりに多少腹が減る感じはしたものの、今後の先行きがまったく見えない現状を彼なりに考え、節約に努めていたからだ。(今日も……脳天気なニュースばっかだな) ラジオで朝のニュースを聞き、それが終わったら...
シュウの話、第119話。無法を眺める。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. 半日以上のたうち回った後、どうにか回復したロロは――やる必要など微塵もないはずであるが――校内を見回っていた。(……長年やってたせいか、気が落ち着くな。とは言え『じゃあベアリング好きか』って言われたら『見たくもねえ』って答えるけども。ま、あっちはタダ働きみたいなもんだったし) 既に街が、いや、国が崩壊して幾日も経つが、窓から...
シュウの話、第118話。ロロの幸運。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. やはり結果的には、ロロは幸運な男だと言えるのかも知れない。 一向に市民権が得られず、銀行口座も作れない難民のままだったこと。そして24時間交代制の非常勤用務員と言う、薄給かつ過酷な職務にしか就けなかったことが、結局はすべてロロに味方したのである。街が暴徒であふれかえっていた時も、そして統一トラス王国が軍を派遣した時も、非...
シュウの話、第117話。国家崩壊の3日間。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. ありがたいことに段ボール箱の中には新品の電池も入っており、ロロは何の問題もなくラジオを聴くことができた。 問題だったのは、ラジオで流れていた内容だった。《……繰り返します。WTNB、西トラス国営放送は、すべての業務を停止しました。繰り返します……》「……は?」 そのまま1分ほど聴き続けていたが、同じ内容がただひたすら繰り...
シュウの話、第116話。静かすぎる朝。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. その日、ロロはそれまでの7年間ずっと続けてきたように、朝の7時半きっかりに小学校に出勤した。いつもなら既に鍵は開けられ、校門が全開となっているはずだったが――。「あれ?」 校門は固く閉ざされたままであり、鍵もかかっている。(なんだよ……? ハミルのやつ、珍しく寝坊したのか?) とは言えロロも用務員なので、校門の鍵は持参して...
シュウの話、第115話。罪と罰と、そして因果と。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. 雨が小ぶりになったためか、ようやくおんぼろセダンの空調が効き始め、車内は暖かくなり始めた。「ま、繰り返すようだが到着までは時間がかかる。俺にしても無言で前だけじーっと見てるってのは退屈でたまらん。ラジオ付けたところで、聞こえてくんのは白猫党の流すうぜえ時報とウソだらけのニュースばっかりじゃ、聞く気にならん。だ...
シュウの話、第114話。亡命の秋。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 普段のラックであればああしてパニック状態になった時、そのまま四半日ほどうずくまってどうにか平静を取り戻せると言った程度なのだが、ロロに食堂へ連れて行かれ、「おーい、こっちにキャベツと唐辛子のパスタ2つな!」と勝手に注文され、そのまま届けられた料理を夢中で平らげ、ふう、と一息ついて食後のお茶を口に運んだところで、自分の調子が...
シュウの話、第113話。ファミリーと、ラックの日常。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. ともかくロロの元に身を寄せることとなり、ラックは「ファミリー」の暮らしに、形から入ることにした。「そんじゃ始めるぞー」 まず、朝の9時――荒廃した難民特区であっても、時計とチョークくらいはあるらしく――ロロが教壇に立ち、「ファミリー」たちを集めて授業を行う。出席しているのは子供だけではなく、10代後半、20代...
シュウの話、第112話。安息の地を守るために。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. 貧しさと混沌のるつぼであるはずの難民特区の中であるにもかかわらず、「ファミリー」の食卓は豊かなものであった。「はふ、はふっ……」「んぐ、うぐ、……ぷはーっ!」 場に並んだ料理はラックの目から見ても、まともな食堂に並んでいても何らおかしくない、食欲を大いに刺激される出来だった。「どうした? 食べないのか、ラック」「あ...
シュウの話、第111話。パパ・ラコッカ。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. 結論から言うと――あの胸を撃たれたはずのリーダーは、しっかり生きていた。「ふぅー……思ったより胸にずしんと来たぜ。もうちょっと薄かったらヤバかったかもな」 銃撃されることをあらかじめ予想していたため、胸に鉄板を仕込んでいたのである。「マジで死んだかと思って、流石にビビったっスよ」「アタマ狙われないようにヘルメット被ってた...
シュウの話、第110話。石油を巡る確執。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 油田に到着した兵隊たちを待っていたのは、武器を手にした荒くれ者たちだった。「一応確認するがよ」 と、その中の一人、明らかにリーダー格の熊獣人が角材を手に、兵隊らに質問する。「あんたらはどこの誰だ? この油田をどうするつもりだい?」 兵隊らの先頭に立っていた将校が、それに答えた。「我々はトラス王国陸軍第16大隊の者だ。...
お久。FF14したりFF16したりしています。FF16はクリアしました。めっちゃよかった。絵もいくらか描いてたけどよその子だったり誰デザだったりで(まだ)出せないのが多くて更新するタイミングがなかった。とまぁ、こうして更新しているという事は載せられる絵を描いたので持ってきました。海の日に合わせてアロハシャツ氷玄。パリピ感。一応去年のガルムくんとテイスト合わせた…と思います。多分。つまり5年前のゼロとも合わせたこと...
VroidStudioでうちの娘を作るシリーズ。今回は円さん。 作中屈指の美貌と毛並みを持つものの、超不器用でそそっかしい。狐の女神とえらい違い。でも商才は確からしい。「ご飯作ってー」「洗濯しに来てー」と言うような、大人にあるまじき発言を旅岡さんにぶつけまくることはあっても、旅岡さんは一度としておねだりを断られたことはないし、おカネに困っている様子を見たこともない。あと、不器用とは言ったものの、クルマの運転...
動画用の、自分の自画像を制作。あくまで動画用に用意したものであり、リアルの僕本人とは似ても似つきませんが、かわいいからこれで行きます。 とりあえずの使用予定としては、現在更新中の動画シリーズ、「はじまるA列車のシナリオ作ってみる」で現在、シナリオ「楽園は海の向こうにあるか?」制作の様子を公開しているところですが、これが完結し次第、現在使用している顔アイコンから全面差し替えを考えています。首尾よく...
たまーにチャイナデザインの服が描きたくなる。と言うわけで描きました。今回着てもらったのは小鈴と天狐ちゃん。天狐「なんでオレまで着なきゃなんねーんだよ」小鈴「いーじゃん。面白そーなコトには乗っかるのが吉ってもんでしょ」天狐「オレにコスプレ趣味ねーのにアレやコレや着させんなっての」小鈴「年がら年中狩衣着てるコが言うセリフじゃないわね」...
ボチボチイラスト描こうかなーと思って筆を執ったものの、まったく筆が乗りませんでした。まさか襟だけ描いて筆が止まってしまうとは。……しかし週一更新だけは維持したいので、旅岡さんたち(3DCG)の夏服を作ることにしました。 ちなみに旅岡さんと猫藤さんは暑さ・寒さにやたら強い。冬でも室内ならTシャツ1枚で余裕。虎海お嬢様は言うまでもなく頑丈。大江さんと夜狼さんは普通くらい。そしてめちゃめちゃ季節の変化に弱いのが...
VroidStudioでうちの娘を作るシリーズ。今回はランニャ。 元絵の時点からこの娘はデコ出し・眉薄でしたが、3Dに落とし込んでみると目つきとジャージ姿も相まって、ヤンキーお姉ちゃん感がすごい。一応いいトコのお嬢様のはずですが、……お母さんも相当だったっけか。3DCGの勉強をしようしようと言いながら、結局GWでもできませんでした。色々忙しくて……。でも意欲がないわけではないので、そのうち一気にやるつもりです。...
前回の小鈴に続いて、シュウの顔アイコンも更新。 こちらも前回と比べて頭身が上がり、すっきりした印象になりました。服装のおしゃれ度もちょっと上がったかも。「わたしも! わたしもいます!」「ソコんトコどーなんですか?」「ソコはいつものアレやって下さいよー」...
世の中には三種類の人間がいる。猫に好かれる人、猫に嫌われる人、そして猫は好きだし何なら向こうから寄ってくるけど、アレルギーのせいで逃げざるを得ない人である。いつものようにふらりと学内にやって来たねこ車掌を抱き上げてる旅岡さんは一番目。そして「いいなぁ」とうらやましそうに遠くから眺めてる富士見さんは三番目である。と、ねこ車掌が旅岡さんの懐を離れ、ヨチヨチとした足取りで富士見さんの方に寄っていく。ねこ...
次のゲーム実況動画に使う素材として作った、天狐ちゃんアイコン。……が、制作中にとんでもないミスをやらかしてしまいました。元画像としてシュウの編集用ファイルを使用していたんですが、うっかりそれに上書き保存してしまい、シュウの修正が不可能になってしまいました。もう猫耳とメガネがいじれない……。仕方ないので今後ゆっくり時間をかけて、考察班全員の新しい顔アイコンを作ることにします。何だかんだ2年も使い続けてま...
せっかく今日はイベントがあるので、便乗してみました。クリスマスカラーの二人。旅岡さんがプロ顔負けの料理スキルを持っていることはご周知の通り。そのためクリスマスなどの、美味しいご飯が山ほど出ることが確定しているイベントは、彼女の友人たちはひときわ心待ちにしているのである。大江「……言葉を失うって、マジでこれだわ」富士見「ほんっっっとそれ」猫藤「ぶちうめぇ」下手なレストランよりはるかにクオリティの高いク...
そう言えば後ろ姿って描いてないなぁ。……と思い立ち、描いてみました。今回はランニャがモデル。狐と狼の描き分けは私、黄輪にとって永遠の課題です。ただ、長年の探究の過程で、「狐はふんわり系」「狼はがっしり系」と言う差別化ができたこともあり、近年は描く時の指針がはっきりしてきました。前回のエリザと今回のランニャにも、その違いは現れているかな、と。エリザ「腰も太ももさんもぎゅーっと引き締まっとるなぁ。さっす...
前回に引き続き、Vroidstudio正式版を色々いじってみました。今回バージョンから僕にはとっても嬉しい機能、「ネコミミ」が追加できるようになり、嬉々としてモデリングしています。そんなわけで今回はうちの猫耳キャラ、猫藤さん。 「今日の旅岡さん」シリーズは日常的、現実にかなり近い世界観なので、普段着でのモデリングが考えやすい。とはいえ最近は考察メンバーも近代的服装でいることが多いので、そのうち彼女たちも制作...
イラスト;エリザ(琥珀暁、8回目) / なんや分からんけどアメちゃんあげるで~
時節柄のイベントに参加したくて、ハロウィンイラストを制作。うちの魔女枠筆頭のエリザに着せてみました。「魔女が魔女のコスプレですかー。なんかシュールですねー」「なんでもシュールって言っとけばまとまると思ってない、アンタ?」町が何となく賑わっていることを察し、周りに尋ねたところ、どうやら「はろうぃんぱーてぃ」と言うお祭りの準備中らしいことが分かり、お祭りごと大好きのエリザは即応した。「なんや知らんけど...
「緑綺星」第3部のキャラ紹介。謎のサムライ少年と、前回紹介できなかった人たち。名前橘海斗 / たちばな かいと / Kaito Tachibana性別・種族・生年身体的特徴男性 / 長耳 / 703年髪:赤、瞳:緑小柄、中肉職業「サイレンス・サムライ」普段は無口なダウナー系ゲーマーですけど、お母さんとお姉ちゃんの話題になるとすごい早口でしゃべるんですよね。マザコン&シスコンさん?イマドキ古風オブ古風な刀の使い手ですが、現代兵器...
シュウの話、第107話。メイスンリポート#44;世界が震える巨大ニュース! 後編- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. ハイこんにちは、シュウ・メイスンですー。 激熱の前後編動画、いよいよ後編の始まりです! 前編でお話ししました謎の武力組織、コレが一体ドコの誰なのかについてですが、もう前編からずーっとずーっと引っ張ってきちゃってますので、いよいよ明かすコトにしましょう! ……と言いたいトコなんですけ...
ブログ開設13周年イラスト、完成しました。記念イラストと言うことで、うちの色んな世界のキャラを詰め込んでみました。最近ほぼ週1で動画に出演している小鈴。そして旅岡さんと円さんと、あとねこ車掌。……DWはなかなかクロスオーバーが難しいので割愛。以下、いつものSS。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -...
左目の調子も問題なく回復してきているので、そろそろイラストも頑張ろうかと思います。と言うわけで、小鈴とエリザに続いてシュウのアイコンも制作。 「こんにちは、シュウ・メイスンですー」「色々質問させて下さいよー」「ひぅー」...
「緑綺星」第1部が終了したので、キャラ紹介。今作の傍観者系主人公シュウと、「スチール・フォックス」ことジャンニくん。名前シュウ・メイスン / Shiu Mason性別・種族・生年身体的特徴女性 / 猫獣人 / 696年髪:桃、瞳:金、耳・尻尾:黒地、先端に白小柄、貧乳職業フリーライター / インフルエンサーわたしがわたしのコトお話するのって、結構困っちゃいますよねー。だってわたし、そんなに特徴とか特技とかないですし。あ、で...
シュウの話、第106話。メイスンリポート#43;世界が震える巨大ニュース! 前編- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. こんにちは、シュウ・メイスンですー。 今回は大増刊号! なんかもうホントに色々色々話さなくちゃならないコトがいっぱいできちゃいましたので、前後編二回にわたってお送りするコトにします! 名付けて「世界が震える巨大ニュース」です! いやーホント、わたしも聞いてビックリするコトばっかり...
シュウの話、第37話。スチール・フォックス;その正義のために。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7.「で、これからどないしよ?」 早めの夕食を終えたところで、ジャンニがそんな質問を投げかけた。「オレの意見は一つだ」 一聖が答える。「オレにケンカ売ったヤツは、ただじゃ済まさねー。今回の件の裏にいるヤツが白猫党であれ、他の誰であれ、ソイツにはきっちり仕返ししてやらねえと気が済まねー」「お前ソレで昔...
シュウの話、第36話。これまでか、これからか。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. 鈴林が作ってくれた鱒とキノコのリゾットを食べている間に、テレビでは市国のニュースが報じられていた。《……本日午後2時半頃、市国にミサイルと思われる飛翔体が多数飛来・着弾し、市街地では大規模な被害が発生した模様です。市国入出国管理局からは『市国の安全が大きく脅かされたこと、そして数多くの人命が失われたことに、遺憾...
シュウの話、第35話。双子よりもっとちかしい姉妹。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5.「よお、天狐。元気してたか?」「あぁん?」 対面するなり、その金毛九尾の狐獣人は口をへの字に曲げた。「誰かと思ったら一聖かよ。この80年音沙汰ナシかと思ったら、いきなりだな」「ま、色々あってな」「単刀直入に聞くけどよ」 天狐はタブレット状の金属板を、一聖に向ける。「ココ最近、お前『目録』に色々書き込んでただ...
シュウの話、第34話。報復。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4.「おっ?」 店主が店に備え付けていたテレビを見上げ、驚いた声を上げる。「爆発騒ぎだってさ。ガスか何かかな」「……!」 シュウとジャンニは同時に振り返り、テレビ画面を確認した。「……シュウさん」「みたい、ですよ」 画面にはジャンニのアジトが――いや、正確にはアジト「だった」ものが映されていた。「燃えとる……」「……出ないです、カズちゃん」 ...
シュウの話、第33話。白くて深い闇の向こうから。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「6世紀後半にですねー、白猫党って言う政治結社が侵略と戦争を繰り返して、央北の西半分を手に入れたんです。ソレだけに留まらず、央中とか央南とかにも攻め込んだりして、一時期は世界の3分の1を手中に収めるくらいに勢力を拡大したんです。だけどなんか途中から内輪もめしちゃって、党は南北に分裂したんですよ。 で、再統一し...
シュウの話、第32話。「ネオクラウン」とは。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. シュウに2杯目を注いでもらいながら、アルトは話を続ける。「そんで、お二人さんよ。スチール・フォックスの宣伝動画でこう言ってたな? 『ネオクラウンが自分の最大の敵だ』『ネオクラウンを倒すことが最大の目的だ』って」「まあ、うん」「そう言う趣旨の内容ですねー」 そう答えた二人の顔を、アルトはニヤニヤ笑いながら眺めてい...
シュウの話、第31話。老いた「パスポーター」。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1.「ジャンニくん……!?」 シュウもジャンニの背後に誰かが佇んでいることに気付いたらしく、血相を変える。だが、その人物――数日前スチール・フォックスを素手で叩きのめしたあの老兎「パスポーター」は、ニヤッと笑って拳を離した。「最初に言っとくが、お前さんを今ここでどうこうしようってつもりはねえよ。俺にお前さんの始末を依頼...
シュウの話、第105話。サイレンス・サムライ;その未来のために。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「アンタの話する前に言っとくけどさ――ママとも色々相談したんだけど、やっぱ帰るわ、あたしたち」「そう」 ただ一人、シュウの提案に答えていなかった海斗はその晩、七瀬と美園が帰郷する旨を伝えられた。「こっちにも学校あるけどさ、あたし央中語全然知らないもん。央中語勉強しながら他の勉強もってなると、あたし...
シュウの話、第30話。夜明けは近い、……か?- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -9. 自警団が壊滅したことは、ネオクラウンにとっては結果的に、致命的な痛手となった。 これまで自身への追及が行われる直前に、彼らにゲリラ活動を行わせることにより、公安の行動を制止・制限させることができていた。これにより自警団員が公安に逮捕・拘束されたとしても、末端の人間は自警団とネオクラウンがつながっている事実すら知ら...
シュウの話、第29話。自警団の正体。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8. スチール・フォックスが自警団を襲撃した翌日、市国の朝刊各紙は、その前日のクレメント事件を超える賑わいを見せていた。「自警団団長 公安局に投降」「自警団 ネオクラウンとの関与認める」「司法取引要求か 公安局長『検討の余地あり』」「……ってわけで、今も取り調べの最中だが、それでも結構な事実が明らかになった」 その2日後、ふた...
シュウの話、第25話。揺れる自警団。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. 自警団の告発動画をアップロードした翌日、シュウのメールアドレスには、何通ものメールが送られて来ていた。「自警団の構成員らしき人たちからですね」「中身は?」「自警団の本拠地の現在位置です。よっぽどショックだったんでしょうね、自分たちの中に裏切り者がいたってコトが」「全部一緒なのか?」 横からメール内容を覗くカズに、シュウ...
シュウの話、第24話。メイスンリポート#42;正義を騙るあの団体の真実とは!?- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「ま、それにだ」 警部はフライドチキンの箱から手羽を取り、かぶりつく。「もぐ……、タチの悪いことに、自警団を正義の味方だと吹聴してるアホ共も少なからずいやがるからな。それを公安局が自ら動いて取り潰したとなりゃ……」「抗議するでしょうねー。ネットでも新聞でも何でも、ありとあらゆる通信手段を...
シュウの話、第104話。パトロン天狐。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. エヴァと七瀬だけでなく、大野博士やラモンにも根掘り葉掘り話を聞き、一通りの取材を終えたシュウは、早速天狐のPCを借りて動画編集を行っていた。「んー……やっぱ基地の話はオミットかなー。こっちの主張にあんまり関係ないし」「しれっと隠しやがったな。ジャーナリストが聞いて呆れるぜ」 後ろでその作業を眺めていた天狐に突っ込まれるが...
シュウの話、第103話。天狐屋敷の女子会。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1.「おっ」 ご自慢のハイスペックPCで央南の新聞を読んでいた天狐が、愉快そうな声を上げる。「『大月市郊外に大量の身元不明者現る 地元警察はパンク状態』だってよ。ま、そりゃそうなるわな。あそこの兵隊全員ほっぽって来たもんなー」「姐さんもなかなかヒドいよねっ」 部屋の掃除をしていた鈴林に突っ込まれたが、天狐はフンと鼻で笑っ...