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ラモンの話、最終話。明日へ向かう者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -27. SOTC第1戦は、波乱の展開の末に決着した。 予選6位通過の伏兵、ラモン・ミリアンがスタート直後からハイペースで他の選手を引っ張る展開に、昨年度SOSSの覇者たちは軒並み翻弄され、次々に優勝圏内から脱落。地元勢では唯一、昨年のSOSS優勝者であったワフィカ・ジブリルが最後まで懸命な攻めを続け、3位に食い込んだ。そし...
ラモンの話、第26話。ラスト1周の駆け引き。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -26.(無茶苦茶だ!) その走り方を見て、ラモンは――抜き去られる、順位が下がると言った次元ではない――恐怖を覚えた。(レーサーの走りじゃない。あれはマジで人を山ほど轢いてる、人殺しの走りだ) そして慌てた様子の一聖の声が、その恐怖を加速させる。《ラモン! ジジイが後ろに迫ってる! 絶対に逃げ切れッ!》「はぁ!? さっき人...
ラモンの話、第25話。ラスト1周の駆け引き。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -25.《今、2位まで来たぞ。だが前にいるヤツもピットイン済だから、順調に行けばもうペースダウンするコトはないだろう。1秒差だ》 一聖からの無線を受け、ラモンは冷静に応答する。「残り4周でしょう? このままペースを維持して、ラストで抜きます」《大丈夫か?》「無理に今抜いてもタイヤがタレますし、相手もムキになります。余裕持...
ラモンの話、第24話。強豪たちとの会敵。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -24. かつてはATモータースのクルマでモータースポーツに臨んでいた身であるため、ラモンもこのメーカーには浅からぬ因縁を感じている。(キャバリエに限らず、ATのクルマって加速がいいんだよな。ターボの製造技術だけは長年の経験と実績ってやつで、コロモやミナトより断然性能がいい。後付けのターボキットだけ販売してるくらいだし。 ...
ラモンの話、第23話。ロケットスタート。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -23.《さあスタートしまし……ああっと!? ナンバー4、ミリアン選手! いきなり前に出た!?》 実況が叫んだ通り――まだ様子見半分で半開走行気味だった他の車輌を尻目に、ラモンは勢い良く前に飛び出し、いち早く第1コーナーに飛び込んだ。《攻めますね! ですが茫然自失の逸走ではありません。第1コーナーへの進入に迷いが見られないです...
ラモンの話、第22話。不安と緊張の開幕戦。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -22. 意気揚々とセコンドブースに戻ってきたラモンを、一聖とメカニックの一人、ジャンニが出迎える。「どうだった?」 一聖にそれだけ聞かれ、ラモンは小さくうなずく。「いいクルマです。クセのない、素直な乗り心地って感じでしたね。ちょっと足回りが柔らかいですけど、その分コーナリングには強い印象があります。このコースにはかなり...
ラモンの話、第21話。ヴォルペRSⅡの真価。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -21. やはりと言うべきか、克天狐は一切の掛け値なしの大物だった。「あの、これ、……AP28ヴォルペじゃないですか! しかもRS……Ⅱって!?」 依頼を請けるなりすぐ南海まで連れて来られたラモンの前に、天狐はとんでもない「戦闘機」を提示したのである。「お、流石に詳しいな」 唖然としているラモンにニヤッと笑いかけ、監督兼チーフ...
ラモンの話、第20話。ライアン時代のトラウマ。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -20. 天狐の唐突な依頼に対し、ラモンの口から出てきたのは――。「嫌です」 自分でも耳を疑うような、否定の言葉だった。そして天狐にとってもこのラモンの反応は意外だったらしく、彼女の薄い三白眼が、珍しく大きめに開く。「なんでだ? 何が気にいらない? 報酬はもちろん払うぜ? まず勝敗に関わらず前金で500万エル、実際に勝...
ラモンの話、第19話。色褪せた者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -19. 鈴林たちに言った通り、ラモンはミッドランド市国に連れて来られて以降、一度も市国のある島の外に出なかった。島内で何の不足も無く生活することができたし、天狐に頼んでタクシー免許を手に入れたことで、カネにも事欠かなかったからである。(破格だよなぁ) 生活に、そして将来にも、何の憂いも無かったが――時折、客を乗せずにブラブラと島...
ラモンの話、第18話。一聖と天狐。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -18. 一聖によって央南から央中ミッドランド市国までバンごと魔術で運ばれた後、彼女の妹として紹介された金毛九尾の狐獣人――ICT業界を牛耳り、世界の政治・経済に絶大な影響を及ぼすあの超大物、克天狐に引き合わされ、ラモンは戦慄・緊張していた。何しろ裏街道をひた走ってきたラモンでさえ、この世界において「克」の名が持つ意味と、その権能...
ラモンの話、第17話。邂逅。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -17. エヴァが公園に向かって5分ほどしたところで、ラモンのスマホに彼女からの連絡が入った。《やはりウラの奴だったよ。博士を殺そうとしてた》「マジですか」《すまないがラモン、さっき言ってた『虎』のところに行ってくれないか? 慌ててる様子なら間違いなく仲間だろうから、バンまで連れて来てくれ。私も暗殺犯を連れて来る。……と言うか、担いでく...
ラモンの話、第16話。回りくどい接触。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -16. オーノ博士を訪ねるべく央南へと飛んだラモンとエヴァだったが、すぐに博士と接触するようなことはしなかった。「白猫党に目を付けられてしまってるからな。私も、おそらくは博士も」「マークされてる二人が出くわしたことを白猫党が知ったら、何してくるか分かったもんじゃないですもんね」「MPS(量産兵士)計画のことは知っているから...
ラモンの話、第15話。謎の極秘資料。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -15. アルトと別れて以降、エヴァはラモンと行動を共にしつつ、白猫党以外から依頼された裏稼業をこなす傍ら、装備と情報を集めつつ、白猫党領への侵入と破壊工作を繰り返した。その過程で――。「……むう」 その潜入工作から戻ってきたエヴァが何かの書類をにらみつけているのを見て、ラモンは首をかしげた。「どうしたんですか、エヴァさん? 確定...
ラモンの話、第14話。結ぶ腐れ縁。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -14. アルトが前もって忠告した通り、エヴァには次々と、闇の仕事が舞い込んだ。「白猫党からの依頼だ。西方、スカラ共和国の社会党党首、トレバー・デメル、男・兎耳。こいつ消してこい。期限は2ヶ月以内だ」「承知した」 依頼理由も聞かず即答するエヴァに、エヴァより長い間ウラの世界にいるはずのラモンが面食らう。が、様子を横目で見ていたら...
ラモンの話、第13話。眩いダークナイト。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -13. リモード共和国での一件の後、ラモンとエヴァはアルトを通じてヘリを横流しし、エヴァが予想していた通りの額を入手することができた。その金を3人で山分けしたところで、エヴァがとんでもない頼みを切り出した。「あぁん? 俺に訓練付けてくれだぁ? お前さん、正気か?」「頼む。授業料はもちろん支払う」 アルトだけでなく、ラモン...
ラモンの話、第12話。お人好しの大決断。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -12. リモード共和国首都に向かう途中にも、無線からは男の声が聞こえ続けていた。《やあ。君は誰かな?》 ラモンは一瞬、自分のことを尋ねられているのかと思い戦慄したが、どうやら無線の声の主は、別の誰かに話しているようだった。(部隊との無線は切ってないみたいだな。全滅したっぽいし、付けてようが消してようが一緒って思って、その...
ラモンの話、第11話。クーデターの傍受。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -11.(まあ、白猫党のヘリだもんな。多分、あいつらの無線だろう) 無関係の自分が聞いていても仕方無いため、ラモンは無線を切ろうとしたが――。《やっぱり来た? ふふ、予想通りだ》 感情が全くこもっていない、あまりに淡々とした無線連絡が繰り返される中、あからさまに嬉しそうな男の声が混じる。それを耳にした途端、ラモンの手が止まっ...
ラモンの話、第10話。無法地帯の儲け話。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -10. ラモンがにらんだ通り――いや、それ以上に――エヴァの任務遂行能力はズバ抜けていた。「待たせたな。見ての通り、制圧した」 潜入してから5分と経たない内に白猫党の拠点を制圧したエヴァに案内され、ラモンは内心ほくそ笑んでいた。(この軍事物資売りさばいたら、ざっと100万、200万コノンくらいにはなるかな? いやぁ、儲けた儲...
今年のハロウィンイラスト。旅岡さんとこないだ登場したばかりのクラスメイト、山峰(雷)さん。今年も虎海お嬢様のハロウィンパーティに参加した旅岡さん。もちろん他のクラスメイトも誘われており、旅岡さんは会場に着いてほどなく、山峰さん姉妹の姿を見つけた。旅岡「お、雷ちゃんと銀ちゃんやん。こんばんはー」雷子「こんばんは~」銀子「ハッピーハロウィン! 紅ちゃんもノリノリみたいね」そう言って銀子さんは、旅岡さん...
ライアン……改め、ラモンの話、第9話。闇を走る者、闇に飛び込む者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -9. ウラの世界に身を投じたラモンの未来は、たちまち闇に沈んだ。法外なカネはちょくちょく稼げるものの、そのカネで「安心」を買うことができなかったのである。 ウラの世界で飛び回るような人間に家は買えないし、そもそも売ってくれる者がいない。となれば定住してまともな公共サービスを受けることもできないし、...
ライアンの話、第8話。家族との訣別。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8.「ってわけで山分けだ。ほい、250万」「へ……へへへ」 無職の身でいきなり250万エルと言うとんでもない大金を手に入れたライアンはこの瞬間、あっさりと悪の道に堕ちた。「あ……あのー、アルトさん」「ん?」「もし……良かったら、また何かご一緒に、仕事なんかできたらいいなーって……」「ああん? ……いや、待てよ」 一瞬うっとうしそうな顔...
ライアンの話、第7話。「パスポーター」との出会い。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. ライアンに隣に座るよう促しつつ、兎獣人は質問してきた。「お兄ちゃん、こーゆー仕事初めてだろ?」「未経験です。一度もやったことないって言ったら大歓迎って言われまして」「ま、未経験じゃあ気付かねえやな」 兎獣人はポケットからくしゃくしゃになった煙草を取り出し、火を点ける。「まず第一にな、配達票は3枚一組だ。送...
ライアンの話、第6話。すべてを失って。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. ライアンが目を覚ましたのは、暴行を受けてから3ヶ月後のことだった。「奇跡としか言いようがありません。普通なら即死するような大ケガです。生きているどころか、目を覚ますとは。恐らくは暴行を受けた際、ヘルメットを装着していた状態だったことが幸いしたようですね」 医師の話にクルトも、彼ら兄弟の母親も、涙を流して喜んだ。「あの...
ライアンの話、第5話。狂人の訴えとクルトの転身。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. 大会運営と警察による諸々の調査の結果、ライアンが乗っていたドラグーンについて、以下のことが判明した。 前日、確かに彼の言う通りLSDとターボに不具合があったが、これはその日のうちにメカニックが破損した部品を交換してくれていた。ところが回収された車輌を検査したところ、なぜか破損した部品に戻されていたことが発覚...
ライアンの話、第4話。雨中の事故。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. 712年度CCMR最終日は第20ステージから最終となる第24ステージまでが予定通りに開催された。ライアンも土砂降りの雨の中、ATモータースのマシン、712年式ドラグーン・スペックRXを駆り、ステージ踏破に乗り出した。(監督から……『今日取れなきゃ死んで詫びろ』って言われちゃったな……はぁ) 心の中がざわついたまま、ライアンは...
ライアンの話、第3話。欠陥と故障。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. 名選手は必ずしも名監督たり得ないものではあるが――オリバーはその典型と言えた。「ふざけるなッ! なんだあの走りは!?」 CCMR第19ステージを終えたその日の晩、ライアンはオリバーに――ヘルメット越しではあるが――ぶん殴られた。「うぐっ……!?」「お前ナメてるんじゃないのかッ!? えぇ!? どうしてあそこで攻めない!? 俺なら難...
ライアンの話、第2話。理想と現実の乖離。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 710年度CCMRは全24ステージで構成されていたが、その内オリバーチームが表彰台に上ったのはたった5回であり、さらに言えばその内4回がライアンだった。このことはシーズン終了後、チーム全体に暗い影を落とした。「ちょっ……ちょっと待てよ!? いきなりそんな……」 シーズン終了の翌月、オリバー監督はドライバーの一人から、脱...
シュウの話、からのスピンオフ。夢を見る者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. 夢は、人に力を与える。夢を抱いた人間は、それを叶えるべく努力を積み重ね、苦難や逆境にも耐え抜き、克服さえさせてしまう。夢には人をより高みへ導く力があるのだ。 しかし一方で、夢は人の目を曇らせてしまう。他の、あったかも知れない可能性や未来から目を背けさせ、谷底に導いてしまうこともある。 例えば猫獣人のライアン・グ...
10月6日は当ブログ「黄輪雑貨本店 新館」の開設記念日でした。と言うわけで、記念イラストを制作。4年ほど続けているゲーム実況動画シリーズより小鈴とシュウと、あと僕みたいなの。小鈴「だから勝手にゲームであたしのキャラ作るなっつの」僕「~♪」シュウ「いつもの流れですねwww」...
ブログ開設記念イラストを何とか作ろうとはしていたんですが、目に異常があったこと(3年前の症状に類似)、腰を痛めたことが尾を引き、完成に至りませんでした。なんとか調子を戻して、次週には完成させたいと思います。...
ここ最近描いてきたGT-Rの横に添えていた大きさ見本用どうぶつ(約170cm)がどれもかなり可愛く描けたので、改めてイラストに起こしてみました。そしてモノ書きの性、描いている内に設定がムクムクとふくらんできたので、ざっと紹介。・名前……左から順に「山峰銀子(やまみね ぎんこ)」、「山峰千瑠(やまみね ちる)」、「山峰雷子(やまみね らいこ)」。・銀子さんと雷子さんは千瑠さんの娘さんで、双子の姉妹。・山峰さん...
シュウの話、第224話。深まる闇。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7.「よっと」 天井裏から飛び出し、音もなく降り立ったアルトは、ニタニタとした笑みをアテナ総統に向けた。「思い切っちまいましたなぁ、総統閣下。まさかいよいよ領民まで覇道の糧にしなさるとは」「大義のため。多少の犠牲はやむを得ない」「こいつが『多少』とは、なかなかスケールの大きなお方だ。まあいい。世間話しに来たわけじゃありやせん。あ...
シュウの話、第222話。孤立する白猫党。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. 話は前後するが――結局、テスト勉強で忙しくしていたジャンニの代わりにシュウの手伝いをしてくれたのは、たまたま予定が空いていた一聖だった。「テスト問題はもう作ってあるから明日出すだけだし、SOTCの予選とかインタビューとかも無いしな」「ラモンさんは大丈夫なんですか? 向こうで白猫党に誘拐されたりとか……」「外を出歩く時はオ...
昨日(7/14)の朝、足の小指を強打した結果打ちどころが悪くてガッツリザックリ切って、でも強打したな~ぐらいで出血に一切気付かずに台所の床を血まみれにしました。数時間後に気付いた。ゲームしたりサイト作ったりしてて相変わらず絵は殆ど描いてません🥳 黄金のレガシーよかった!サイト作るのも創作活動ということでここはひとつ…… でも更新しに来たってことは~~?なんかある~~!!!海の日的なゼロさん。6年前に描いた...
シュウの話、第221話。「存在理由」とは。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4.「……どう言う意味?」「オレには誰も期待してなかったし、何なら産まれた時に捨てられてた。親父とマコトさんが方々探して拾ってくれたけど、正直持て余してたんだろーな。ちっさい時は親父に親父らしいコト、してもらった記憶があんまりない。 その代わりに父親みたいなのずーっとやってくれたのが、マコトさんだった」 聞いたことのない名...
シュウの話、第220話。苦い夢。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. シラクゾ以外にも世界各国の要人たちと話す機会を得ていたシュウは、彼らがそれぞれの国に戻るまでのわずかな間に次々と取材を行い、動画のネタを大量に仕入れることに成功していた。「とは言え政治ネタは水物ですから、早いトコ消化していかないといけませんけどねー」 そうつぶやきつつ、シュウはパソコンをいじっている。「ジャンニくんも手伝えた...
シュウの話、第219話。慰労会と進退伺い。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. シュウの動画がアップロードされたその日の晩、一聖が約束していた通り、天狐主催によるKMIS開発メンバーの慰労会が催された。「本当に地獄みてーな進行だったが、よくあの短期間で完成させてくれた。オレと、そして世界中がお前らに感謝してるぜ。……おっと、白猫党以外はだけど、な」 クスクスと笑いが漏れる中、天狐はニヤニヤ笑いを...
シュウの話、第218話。メイスンリポート#67;超々々々ビッグゲストを紹介します!- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. こんにちは、シュウ・メイスンですー。 皆さんは昨日、世界に突然配信された白猫党からの動画をご存知でしょうか? いきなり「24時間以内に我々に従属せよ。抵抗は無意味だ」なんて超々々々ハラ立つ感じで世界中に降伏を勧告した、あの動画です。あ、ワイプでこの辺りに出しときますねー。ソレで...
シュウの話、第217話。二つの結末。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7.「……ほんでも2年前から、君の活躍でネオクラウンが潰れ、黒幕の白猫党も悪事を世界中に知らされて身動き取れへんようになった。ようやく自由になれたんやろかとほっとしたし、これで自分の思い通りに財団と市国の改革がでけるかと思とった。何はともあれ総帥になれたんやし、今、市国で起こっとる、どうしても見過ごせへん問題を全部解決したかった...
シュウの話、第216話。シラクゾの独白。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. 執務室の中に入ってきた「スチール・フォックス」の姿を目にし、シラクゾは面食らった顔をしていた。「な、何の御用です?」 目を丸くしているシラクゾを見て、ジャンニはヘルメットを外し、自分の素顔を見せた。「俺のこと……覚えてますか? 分かりますか……?」「……いや……ごめん。正直分からへん。一族の者やんなとは分かるねんけど」 頭を...
シュウの話、第215話。英雄の資格試験。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. フォコ屋敷に侵入する頃にはジャンニの心も落ち着き、どうにかいつも通りの声が出せるようになった。「屋敷ん中入った。引き続き、こっそり進むわ」《はーい》 こちらでもミサイル攻撃が予見されているのか、屋敷の中は騒然としていた。「屋敷内の者は全員、地下シェルターに避難せえ! 自分の身の安全が最優先や!」「旦那様がまだ……!」「...
シュウの話、第214話。スーパーヒーロー「みたいなの」。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4.「……」 ジャンニはシュウに背を向け、黙り込んでしまった。それでもシュウは、言葉を途切れさせない。「わたしのご先祖様のコト、ちょっとお話しましょうか。わたしの6代前のご先祖様、央南のものっすごく偉い人だったらしいんですよ。央南連合の首席で、しかも新聞社の社長だったとか。でもウラでいっぱい悪いコトしてて、ソ...
シュウの話、第213話。極秘迅速救出作戦。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「またミサイル攻撃を行うと?」 緊張をにじませた顔のロマーノに、天狐は深くうなずいてこう続けた。「標的となる可能性が高いのは、市国かミッドランドだろう。前者は元々の関係を切られた報復措置もあるだろうし、攻撃されれば全世界に衝撃が走る。後者は言うまでもねー。CCPO長官がいる国だからだ」「つまり私、いや、このラーガ邸が...
シュウの話、第212話。総統閣下の降伏勧告動画。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 会議室を飛び出した天狐は、そのままロマーノの執務室に飛び込んだ。「ロロからは何か言ってきたか?」「弱気な発言がいくらかありましたが、奥方……いやいや、まだでしたな。大統領秘書の方がその場で叱咤して、どうにか持ち直した模様です」「アイツら早くくっつきゃいいのにな」「全くもって同感ですな」 二人してクスクス笑ったと...
シュウの話、第211話。緊急システム開発会議。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. 白猫党のミサイル攻撃に対抗すべく、天狐と一聖は緊急対策チームを密かに結成し、ラーガ邸に招集していた。「今ココに集まってるのはICT大国ミッドランドが誇る魔術学・工学と情報のプロたちだ。その実力を見込んで、即刻作って欲しいモノがある。HSBM迎撃システムだ」 これを聞いて、全員が顔をこわばらせる。「やっぱり、あの...
4年前に描いた傘持ちシュウをリメイク。梅雨の時期に間に合わそう……と考えていたら致命的なPCトラブルのために予定が伸びに伸びてしまい、気付けばもう梅雨明けしちゃいました。と言うわけでこれは日傘と言うことにしておいて下さい。そして伸びてしまった分、描き足しておきました。天狐ちゃんとねこ車掌。シュウ「あれあれ? あのねこちゃん帽子かぶってますよ~? ねこちゃんなのに変わってますねぇ」天狐「あっちにすりゃお...
シュウの話、第210話。国家的策略。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. 前述した懸念を伝えた上で、天狐は密かに「セブンス・マグ」をカプリ共和国国境、白猫軍の前線基地に派遣した。「今回の作戦はあくまで非公式援助の上で行うものだ。くれぐれも存在を知られるな」「隠密行動に向かない人が若干2名いるけどね」 海斗にいじられ、まだヘルメットを着けていないジャンニが苦い顔をする。「顔見られへんかったら大丈...
シュウの話、第209話。八百長事件の真相。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6.「そりゃそうだろ」と嘲り気味に返しかけたが、一聖は首をひねる。「……いや、あのメチャクチャな走行からすると、確かに怪しいもんだな。仮に1位通過したとしても、反則で降着するだろーし」「本当に白猫党がアルトさんを『勝たせるために』雇ってたとしたら、あまりにも不安な人選じゃないですか? ……わたし、思うんですよ。白猫党は元から...