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僕たちは、なぜか牢屋の中に閉じ込められている。室内は暗く、ジメジメとしているが、そこには一筋の光があった。光があるということは、どこかに切れ目があるということ。僕たちはそれを探し出し、その切れ目から脱出することになった。閉じ込められたメンバーは、蛇くん、本さん、スライムちゃん、そして僕。まず、蛇くんが挑戦。蛇くんはなんの問題もなく、にゅるりと外へ出られた。そして、本さん。真正面から出ようとしていた...
僕は今、すごく考えている。この、「彼岸ぐも」という、赤い糸を出すくもの特殊な巣から、どうやって脱出するかを。どうやら、何かに頭をぶつけて気を失い、目覚めたら彼岸ぐもの巣の中にいたらしい。このままでは食べられてしまう。そこで僕はいくつかの選択肢を作った。選択肢1:この巣をなんとか破り、脱出する。選択肢2:この巣の主人になんとか許しを得て、ここから出してもらう。選択肢3:このまま食べられる。作っておいて...
SS231124 閲覧注意と言われても・・・📘ある時、僕は『魔法の本』と書かれた本を道端で見つけた。何とはなしに拾ったのは、その本の表紙に小さく『閲覧注意』と書かれていたからだ。そう書かれていると余計に僕は見たくなった。僕はその本を開いた。最初のページには左端上に3と書かれていた。よく見ると、見開きの真ン中に小さな丸い黒点が一つあった。・・・・・・僕は次のページを開いた。同じく前のページと同じ左端上に2と...
11/22、光文社より、赤川次郎さんの『観覧車 赤川次郎ショートショート王国』が発売されます。 観覧車~赤川次郎ショートショート王国~Amazon(アマゾン)…
不思議なことが大好きな僕は、伝説の聖地にやってきた。ここには一人の妖精が住んでいるという。早速僕は聖地の隅から隅まで、妖精を探すことにした。途中には、みたことのないキノコや、透き通る花を咲かせた植物。それからピンク色の池など、あちこちに不思議なものがいっぱいあった。それだけでもう満足と言えば満足なのだが、自分は妖精にどうしても会いたくてここまできたんだ。ここで諦めては踏ん切りがつかない。日暮れまで...
万城目学さんの描くエッセイは、なんとも不思議な出来事ばかり。現実と虚像が日常と非日常が入り混じっています。 不思議で面白い小説を書く人は、やはりエッセイも不思議で面白いのです。 一言感想 エッセイというより、もはやショートショート 風が吹け
僕はスラミツミミツバチ。お花から聞こえてくる、素敵な音色の中で、自分の一番気に入った音色のお花だけから蜜を集めるんだ。だけど前、僕、あんまり美しい花があったから、メロディーをあまり聞かずに、蜜を集めてしまったんだ。たくさん集めて、もともと採ってあった蜜と混ざった頃に、その音色の醜さに気づいてしまった。でもそのあと、がっかりしながら一応、自分が集めた蜜の塊を、ペロっと舐めてみたんだ。ーーそしたら、普...
なけなしの10円パンを「頂き女子」へと配給する新しい戦前の時代に誕生した新しい学校のリーダーズには、様々な裏稼業を請け負う「別班」――ここであえて「VIVANT(ヴィヴァン)」と発音してお洒落国フランスに憧れるのをやめましょう――と呼ばれる闇の組織が存在している。これはいわば公然の秘密である。 本家の首振りダンスに対して、別班は首狩り任務ばかりおこなっていると揶揄されることもあるが、彼女らは表舞台に立つアイドルを守るための必要悪として、業界内では黙認されている。さらに名称をぼかして、別班のことを「アレ(A.R.E)」と呼ぶ者がなぜか関西方面に多い。またアメリカの大富豪が別班を買い取って「X(エ…
SS231103 たまごおじさん(後編)・・・🥚 家事の分担に不満を持った、 妻のゆりこが実家に帰った日。 怪しいセールスマンから家事をしてくれるという 『たまごおじさん』という小人の種を 一粒もらった俺。 不思議なことに、姿は見えないが 確かに何もしていないのに翌日の夜家に帰ると、 台所がピカピカにキレイになっていたのだった。 それが嬉しくて、妻のゆりこにキレイになった 台所の写メを送ったとこ...
SS231027 たまごおじさん(中編)・・・🥚妻のゆりこが家事の分担に不満を持って実家に帰ってしまった日。怪しいセールスマンが、にこやかな笑みを浮かべて「この種を小皿に張る位の水につけまして一晩放置しますと、小人の『たまごおじさん』が翌日から掃除をして家がぴかぴかになります」と言ったのだった。「・・・そうですか。ですが間に合ってますのでお引き取りください」「ですが焦げ臭い匂いがしますよ」俺はそう言われて...
僕はヘビを飼っている。それもただのヘビではない。シロマダラという、とても珍しいヘビなのだ。いつも僕は、餌にヘビを与えている。小さいのから中くらいまで。それをシロマダラは一瞬で丸呑みにしてしまう。その後のなんとも満足そうに舌なめずりをする姿が、毎日楽しみになっていた。「今日はシマヘビだぞ。」今日はシロマダラの誕生日なので、特別大きい蛇をごちそうだ。そしてそれをケージの中に置き、さあ、食べるところを見...
SS231020 たまごおじさん(前編)・・・🥚「ゆりこ!待ってくれっ」「総司、あんたには愛想が尽きたの。とりあえず実家に帰るわ」バタン。玄関のドアが鼻先で閉まる。「うう、何もそんなに怒らなくても」俺は玄関のたたきに座り込んだ。そう、ゆりことは付き合って5年、結婚して2年が経つ。結婚してすぐにマイホームを購入。中古の木造一戸建てだ。(確かに共働きなのに家事の負担がゆりこの方が多かったのは認めるけれど)「だか...
ある、今話題のYouTuber「ぶれーくKAITO」そのテーマは、「物を壊す」ことだ。時計やスマホ、電球をかち割り、パソコンを叩き潰す。いつも大切に、壊れないように扱っているものを一発で壊すのがなんとも言えぬ爽快さで、チャンネル登録者はぐんと上がっている。昔売れなかった頃、間違えてスマホが机から落ちて壊れてしまった時、視聴率が一気に上がったことがある。そこから、ずっとこのスタイルでやってきている。「久しぶり!...
大学の先輩で、ちょっと気になってる人がいる。沢村理恵。野菜作りがとても上手で、明るい女の子だ。「り、理恵さん!」先輩を見かけてしどろもどろになる。「あ、古田くん!」「えと・・えーー、・・・・最近、野菜作りの方は・・どうですか。」「ううん・・そうね。小豆を作ってみたいんだけど・・」「どうしたんですか?」「ん、私に育てられるかな、と思って。」まさか!理恵さんに育てられない野菜はないと思ってたけど小豆っ...
SS231006 冷たい・・・🍨私はある晩、行きつけのバーのカウンターで独りモスコミュールを楽しんでいた。どの位時間が経っただろう。私の隣に既にほろ酔い加減の若い男が座った。男はジン・トニックを頼むと私に話しかけてきた。「聞いて下さいよ。俺は今、家に帰るのが辛いんです」ははぁ、細君か恋人とうまくいっていないのだろうか。男は話を続ける。「最初は良かったんです。彼女も遠慮がちに夜食は何がいいのか聞いてくれて。...
「ゴシュジンサマ、アサゴハンノヨウイガデキマシタ。」「ああ・・どうも。」私は一人暮らしのOL。いや、正確には、二人暮らしかな。お手伝いロボットがこの前来てから、身の回りのことや家事は、全部ロボット任せ。「ふぁあーあ。」最近、仕事が忙しく、寝不足でふらふらだ。「ゴシュジンサマ・・ギ、ギー・・ハ、よーぐるとニシマスカ、ふるー・・ガガ・・マスカ。」そして、最近このロボットも、疲れているのか、雑音が入るよう...
「俺さ、あいつにめちゃくちゃ今まで騙されてきたんだよ。」「ひどいよな」俺は今、愚痴を言いに親友の家に来ている。「もうさ、そいつに行っちゃえば?それで、相手がなんか言い訳しようとしたら、有無を言わせずに論破すりゃあ良い」こうして俺は、今まで上手い話があると言われて、話に乗ったら詐欺で金取られたとか、会う約束をしたのに、こなくって悪びれもしなかったり。もう俺は決めた。あいつを絶対に論破してやる!有無を...
ある笹羅木山という高い山に住んでいる神様がいた。その神様に、子供が産まれ、すくすくと育った。健康で、明るいのは良いのだが、少しやんちゃなところがあるのが難点だ。いつも勢いよく走りすぎて家の壁を突き破ったり、ウリ坊を拾ってきて、畑の野菜を食わせてしまったり。そんなある日、神様夫妻が大事な用事で出かけることになった。「歌蘭、留守の間は、何もしないで待ってるんだぞ。木に登るなんて、絶対にダメだからな。」...
迷惑系ユーチューバーのひろしが、今日も他人様にしっかり迷惑をかけている。他人に迷惑をかけているからこそ、彼はそう呼ばれているのだ。だがその肩書きが、本当に現在の彼にふさわしいのかどうかは誰にもわからない。そもそもそんな「系」など、つい最近までこの世に存在していなかったのだから。少なくとも、我が銀河系には。 そんな迷惑系ユーチューバーひろしのもとへ、ある日一通のメールが届いた。 《迷惑を、かけてほしい人がいるんです》 件名にはそう書かれており、差出人のアカウント名には〈毒殺系フードコーディネーター〉と書いてあった。 人は会ってみないことにはわからない。それはいつもネット社会を主戦場にしているから…
消防隊の俺のところへ、電話がかかってきた。「助けて・・助けてください!!底無し沼にハマって、動けないんです。早く!ああ、どんどん沈んでゆく!」俺はすぐに出発した。「これが、底無し沼・・・」確かにうすきみが悪い沼だ。いやいや、それより電話の人はどこだ。あたりを見回しても、見当たらない。「まさか、沈んでしまった・・!?」焦っていると、不意に目眩がして、ボシャンと沼に落ちてしまった。「うああああ!アップ...
僕はK君の家に遊びにきた。何日か前、レアなヒメオオクワガタを捕まえたのを、K君に見せたかったんだ。「なあなあ!すごいだろ!なかなかこんなの手に入らないぜ! これは、めっちゃレアで・・・」「・・こんな狭いところに閉じ込めておいて可哀想」はあ!?それは暗黙のルールなんじゃないのか。僕は腹が立って、ついこう言ってやった。「じゃあ、お前の庭にいるそこのバッタを捕まえてみろよ!どんなケースに入れるか楽しみだな...
いつも人間が普通に食べているクルミ。でも実は、あのクルミの中に入っている実は、罠であり目隠しなのです。本当は・・・あのもっともっと奥に、クルミ星人が住んでいるんです。クルミ星人は、今まで必死に人間や動物から逃げてきました。クルミ星人は、普通のクルミの何倍も美味しかったからです。でも、もう見つかってしまいましたからね。語り手である私に・・・ファッファッファ・・...
今から3万8千年前・・・俺は母ちゃんに言われて、何か食い物を探しにきた。最近は芋とネズミしか食ってねえから、食い物探しにも熱が入って、気づいたらもう山を二つも超えてた。ここは見たことないとこでなあ、心細くなって帰ろうかと思ったけども、見るといろんな野菜やらキノコやらがどっさり生えとった。だけども、味を確認するために一応食べてみたら、まずいのなんのって。全部食ってみたけど、うまいのはひとっつもなかった...
がんばるぞ・・ああ・・・くじけるかも・・だめだ・・!くじ・・けるな!眠気に・・打ち勝つんだ!僕ならいける・・向きを・・変えるんだ・・・・反対側に!クルッやった!ほらできたじゃないか!僕ならできるんだ!ざまあみろ!僕はやり遂げた!はっはっは!は・・・はっは・・・は・・・コテッ...
僕は久しぶりに親戚の家に行った。親戚は優しく出迎えてくれ、一日3食、豪華で美味しい料理を食べさせてくれた。「このアジの干物は、うちで作ったんだ。」「へえ。そうなんですね。なんか独特の味がして美味しいです!」食後には、デザートが出てきた。「ん、美味しい!このゼリー、人生で一番美味しいかも。」「そうかそうか。じゃあ、明日いいものを見せてやろう」なんだろう?秘伝の作り方とかかな。何気に期待しながら、明日...
どうして!どうしてですか!あんなに綺麗な星なのに!私、何も悪いことしてないのに!どんどん炙られていく私。もうだめだと思ったとき、男が現れたの。私はもうこの生き物を信用していなかったから、なんとも思わなかったけれど、男が何か指図すると、私の縄はスルスルと解かれ、私は解放されたわ。そして、その男からはとても優しい気配がして、安心した私はその場で眠ってしまった。「・・君、妖精?」そう言われて私は目覚めた...
どうも。青山スケ郎です!僕、カゲロウの研究を、ここ50年続けて来ました!あの、僕、人からは、変人だ、とかよく言われるんですけど、一緒にカゲロウの研究をやっている兄弟の倍、ノーベル賞を取ってるんですよ!すごいでしょ!・・ああ!まずいまずい。カゲロウの一生は6時間なのに、あと10分しかないぞ!こんにちは。わしが青山佐下郎じゃよ。わしも、カゲロウの研究をここ38年やって来たのじゃ。じゃが、最近目がよう見えんな...
あるところに、もう輝きをほとんど失った、年老いた惑星があった。その惑星は、どこか寂しそうに、遠くに見える青い星を見つめ、ため息をついていた。惑星は隣の惑星に語りかけた。ねえ、そこのお若い方。あなたには、私の姿が見えるかしら。・・もう、あの方は私のことを忘れてしまっているかもしれないわね。・・・・ねえ、聞いてくださる。そこの若くてお綺麗な人。あれは何十年にも前になるかしら・・・私がまだ若かった頃、生...
一人の男が、ある男を殺そうとしていた。「この薬を使えば、あいつはコロリだ。」しかし、それはあまりにも強い猛毒なので、特殊な加工をし、固めて、30℃以上になると溶けるようにした。夏になる頃には、溶け出すことだろう。それから、念のためを考えて、自分は宇宙へ避難した。宇宙で何ヶ月かたち、何年か経ち、男は頃合いを見計らって、地球に帰ってきた。久しぶりの地球は、とてつもなく寒かった。おかしいな、と男は思った。...
「ねえ〜、あんたなんていうのォ。」「ぼ、僕は、林、光宗と申しまして・・」「あらそう〜。好きな食べ物は?」「え!えっと・・ところてん。」「ファサッ・・」...
俺は泥棒。今日はこの家にやってきたが、車がないのを確認してから入ったはずなのに、中には主人と見られる男。「チッ!しょうがねえ。とりあえずこの物置ん中隠れるか」と、うまい具合に物置の壁に穴が空いている。「こりゃいいや」俺は男の様子を観察し出した。あたし、泥棒。今日、この家に目をつけたんだけど、何やら盗ってる途中に、物音がしたの。きっとこの家の主人が帰ってきたんだわ。「あれ、あそこの物置にちょうどいい...
後が続くか分からないがとりあえず、、、 ~プロローグ~ ある日の帰り道、道端に黒い人影を見た。時刻は丁度昼の3時頃。そこは住宅が立ち並ぶ片側1車線の道路。私は向かって右側の歩道を歩いていた。若い頃は真っ直ぐ顔を上げて潑剌と歩いていたものだったが、いつの間にやら俯き加減に歩くようになっている。時折それに気付き、ハッとして前方を見るのだが、この時もそんな具合だった。何か人の気配がしたわけではなく、パッと顔を上げて前を見ると、3メートル位先のところに真っ黒な服を着て、グレーの長い縮れた口髭と顎髭を生やした男の人が、角の縁石に座っているではないか。眉太くギロリとした目が合った。それはあたかもそこだけモ…
「どなたかいらっしゃいませんか」 「…」 「お荷物のお届けです」 「…」 「お時間指定なんですがね」 「…ゴソゴソ…」 「あ!お願いします」 「…」 「チッなんだよ…」 「…そこ置いてって」 「出来れば手渡しで…」 「お願いします…お願いします…!」 「え?なんですか?」 「…なんでもない」 「は?」 「そこ置いといて…」 「…わかりました」 「帰ったか」 「はい…」 「ダメだここは。先客がいる…
「あのね、僕・・ミミズアレルギーなので、餌のミミズが食べられないんです。 だけど、母さんは分かってくれなくて、「わがままな子!」 というんです。悲しくて・・うっうっ」「・・大丈夫だよ!母さんが我が子を嫌いになったりはしないから!」「大丈夫だよ!僕なんかハトアレルギーだから!」・・・・ゲホゲホ...
SS230825 白紙28・・・🖊あれはどこぞの港だっただろうか。父も若く、吾輩も幼いあの頃。父に肩車をねだって見た、あの水平線の上部を白い入道雲がもくもくと盛り上がっていくそれを。幼き吾輩はキャキャと喜んだものである。翻って今。吾輩はあの入道雲のごとく白い原稿用紙を目の前にして呻吟の限りを尽くしている・・・。コンコン、カチャ。「あなた、入りますよ」そう言いながら既に吾輩の書斎に入ってきたのは吾輩の愚妻であ...
目を覚ます直前に口の中全体がすごくダルいような感覚に見舞われ、同時に強い苦味を感じたような気がした。頭の後ろ側に言いようのないような怠さを感じる。 寝ぼけ眼で辺りを見回すと、足元からカワウソが匍匐前進してきた。愛嬌のある思わずニッコリしてしまうような顔つきで首を少し傾けて近づいてくる。 ふと自分の右側に目をやる。猫が寝ている。首をちょっとすくめるような姿勢で実に気持ちよさそうだ。 遠くから…
蚊って、痒くて羽音がうるさい、というイメージですよね。ですが、そう思われていることに気付いた蚊は、時代とともにアップグレードしていきました。そして、10年後、蚊は、羽音を美しい音楽に変えたのです。どこから仕入れてきたのか、世界中の綺麗な音楽を奏で、血を吸われる人間も、「この美しい音楽が聴けるなら、少しくらい我慢してやろう」と思い、吸われる痒さおも忘れ、音楽に聞き惚れました・・・・ーーその後残ったのは...
ウォーキング。暑くて死ぬ。 ちゃんとウォーキングしてはる人はえらいなぁと思います。 暑いときにはゾッとする怪談はいかがでしょう。短い話ばかりなのでサク…
「今日は、俺が奢ってやるぜ。」「いいかい。じゃあ、お言葉に甘えて。」「お待たせしました。「フナムシ定食」です。」「ありがとう。あのさ、「フナムシ定食」って、何でそんな変な名前なのかねえ。」「・・・じゃあ・・」「ん?・・とりあえず美味しそうだからいただきます!ご飯もゴマがかかってて美味しそう。」「・・じゃあ、もしそのゴマが、フナムシの大群だったとしたら・・」...
「なあなあ、デパートへ行くエスカレーター、呪いがかかっているんだ。」「はあ!?バカもほどほどにしろよ。」「ほんとなんだって!奇妙なんだよ。そこにはエスカレーターが2つあるのに、デパートに行く人はみんな左側のしか使わないんだ。」「じゃあ、お前はどうなんだよ。」「それが、俺もどうしても左側しか使えないんだ。不思議だろう?」「ふーん・・・」少し興味が出てきた俺は、自分こそ、初めて右側のエスカレーターを使...
「いつまでもこんな話し続けてたって意味ないぜ」 「だから言ってんじゃん、もう解散でいいって」 「そんな急に言われたってこっちだって色々あるから、困るよ」 「困るのはこのまま続けるこ…
「皆のもの!聞くが良い。あそこの丘の上までいって、 そこにある穴にこのリンゴを一番早く入れたやつを、うちの娘と結婚させてやろう。」「何だって!?」「おおし!がんばるぜ!」「では、始め!!」「あれ?この丘、全くの平面じゃないか!」それでも進んでいくと、穴が見えました。「あそこに入れるんだな。よおし!」みんなが穴の周りに集まってきました。そして、あたりはシーンとなりました。「この穴も・・平面だ・・」「...
吹雪の中、僕は歩いていた。どこが前でどこが後ろでなんてわからなかった。何も見えるものがなくなった僕は、何かをどうしようもなく見たくなって、自分の手を穴のあくほど見つめた。辛うじて手がぼんやり見えた。手の真ん中にある、大きなホクロ。なぜだかそれが僕の友達のように思えてきて、苦笑する。ふと前に視線を移すと、人影がこっちに向かってくるように見える。おーいおーいと言いそうになって、体がぞくっとなる。突然こ...
「閲覧室」の「オリジナル小説書架」で、「星新一っぽいショートショート 夢の食料」をUPしました。作業BGMに、↓こちらの朗読動画を聴いていたところ、なんか指がワキワキとしてきちゃいまして(笑)■【朗読..
音楽が好きな友人が遊びに来た。「久美!久しぶり!」私は気を利かせて、音楽をかけた。流れた曲をきいて、友人は「この曲〇〇さんの曲じゃん!この曲の雰囲気、絶対〇〇さんだ!」といった。私は、「確かに〇〇さんだ。・・・でも、これ、作曲、違う人がやってる!▽▽さんとコラボしたんだ!」「へえ。〇〇さん、コラボなんて、したことあるんだね。 やっぱいい曲♪」〜この話の真相〜友人は、曲の雰囲気が、〇〇さんだと思いまし...
「こちらが、ノーベル賞を獲得した、清水さんでございます。」「どうぞよろしく。」「清水さんは、何を発見されたのか、詳しくお聞かせください。」「私が発見したのは、世界一長ーい寄生虫です。」「・・・なるほど。これが生き物の体へ入るのですね。」「いいえ、実は違うのです。この寄生虫、最初は、一応生き物の腹の中で、卵からかえりました。 そして、肉を食い荒らそうとしたのですが、自分が長すぎて、体が絡まってしまい...
煙突のある家。 真夏の真昼のこんな炎天下に目隠しをしてじっとしてろなんて。親の命令じゃなけりゃ絶対やらない。 ふと気づくとそれほど暑くはない。いくらか涼しいくらいだ。 目隠…