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熱を出して寝込んでいたクリアーだったが、体調はすっかり回復し、みんなの前に元気な姿を現した。「おはよう!」 開けていた部屋のドアから、顔を覗かせたクリアーに、フィックスが心配そうに駆け寄った。「クリアー、もう大丈夫か?」「うん! ごめんね心...
ラノベ小説『千の希望』は7月7日で連載開始から1周年を迎えました。いつもお読みいただき、SNSの反応など、ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。
令和だけど個人の創作サイト作りました! 2000年代、今で言うSNSとかpixivなどの投稿サイトも無かった時代の創作界隈では、それぞれが自分の作品をネットにアップするために個人サイトを作って活動していました。 けれどもその個人サイトも徐々
✝ 残 ✝ 076話 ヴィーダの灯火(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残076話 ヴィーダの灯火(1)✚ ねえ、神様。 私はどうして生きているの? 私はどうして生かされているの? そんなセリフを夜な夜な神の前で呟いていた日々があった。 こんな世の中にあって、どうして人は生きているのだろう、どうして自
【再編集版】小説 TIME〈〈 -第四章- リハビリはじめの一歩 作、吉村 仁志。
・ ・ Time<< 吉村 仁志よしむら さとし ・ 👇👇第一章、第二章、前話第三章はこちら👇👇 ・ **第四…
『犬のかたちをした記憶』第二十八章「そのままでいいよ」。変われない自分を誰かが愛してくれる──紬と沙梨、高志の優しい対話が、桜吹雪の中で描かれます。孤独と希望が交差する感動のシーンをぜひお読みください。
ある朝のことだった。スモッグで霞んだ空には、はっきりとしない色の雲がまばらに浮かび、太陽はそれらをこき使う癖の悪い女主人のように、己の力をこれ見よがしに顕示して、ふんぞり返りながら照り付けていた。まだ9時前だというのに、女主人のごとく横柄に振る舞う太陽により大地はじりじりと熱を帯び始めていた。太陽の熱を直に受け、アスファルトの上に無様な姿を晒している蛙の死体がチリチリと音を立てていた。僕は気怠く舌...
✚残075話 反逆のヴィーダ(3)✚ 「ねぇ……どうするの? ロイズ。ここまで言ってるんだから連れて行っても……」 エルフェリスとロイズハルトの間で困ったように眉尻を下げたレイフィールが、この場の空気に堪たまりかねてそう口を開くも、ロイズ
Dream37.キラとクライス その日の夜は、マイラック賢者とおばあちゃんのご厚意もあり一晩泊めてもらうことになった。 おばあちゃんのお料理は素朴でとても優しくて、なんだか郷愁きょうしゅうを誘う味。 急に心細くなって一人外に出て夜空を仰あ
【再編集版】小説 TIME〈〈 -第三章- ベッドの上の夏休み 作、吉村 仁志。
・ ・ Time<< 吉村 仁志よしむら さとし ・ 👇👇第一章、前話第二章はこちら👇👇 ・ **第三章** …
✚残074話 反逆のヴィーダ(2)✚ 「あの……さ……」「ん?」 いまいち歯切れの悪いエルフェリスに、レイフィールはきょとんとしたまま首を傾かしげていたが、ロイズハルトは何かを見抜くような眼差しを逸そらそうとはしなかった。 言いたい事が
仲間を失った高志が見つけた最後の手がかりとは?紬が握りしめていた小さなものに隠された、父と娘の永遠の絆。愛のかたちを発見する感動の第20章をご覧ください。
未練組解散の日、それぞれの想いが交錯する。砂漠に隠された世界の真実とは?過去と現在のあいだで揺れる心と、静かに進行する裏切りを描いた感動の第19章をお読みください。
✚残073話 反逆のヴィーダ(1)✚ その行為を反逆と呼ぶのか、それとも革命と呼ぶのか。その判断はいつでもしばしの時を要する。史実を顧かえりみた時、そのほとんどが勝者を正義とし、敗者を逆賊ぎゃくぞくと捉とらえるからだ。 そこにどのような
キドの未来観測で絶望に沈む高志、亮司、修の三人。そんな彼らを救ったのは謎めいた少女・沙梨だった。手こぎトロッコで記憶の海を渡り、存在平面の境界を越える幻想的な旅。しかし沙梨には隠された秘密が…連載小説『犬のかたちをした記憶』第十七章。
Dream36.らくだとステテコの賢者2 「サキュバス……せくしーぎゃるか! みみみ見せてくれ!」 急に熱量の上がった賢者様に冷ややかな視線を浴びせながらも、その右手にサキュバスの封印された珠を載せてやる。 マイラック賢者は大事そうにその珠
「おばあさんを助けて生き延びた保育士・修。しかし彼を待っていたのは、職場からの排除と絶望的な未来予測だった。純粋な優しさが罪とされる現代で、修が失ったものとは。SF小説『犬のかたちをした記憶』第十五章」
忠義か、母の命か。葛藤の末に徐庶が選んだ道とは? もうひとの三国志を描く。運命を変える選択が、蜀と魏の未来を揺るがす。新たな三国志を描き出した、史実と演義の狭間を旅する創作ストーリーです。
私とAIが描いた創作歴史小説「黒い宰相のいた桶狭間 回帰する歴史」
永禄三年(一五六〇)五月十九日。この日は日本史上最も劇的な「番狂わせ」が起こった日として記録されている。弱小大名織田信長が、東海道の雄・今川義元を討ち取った桶狭間の戦い。しかし。今川陣営には、黒い宰相こと太原雪斎の姿が。運命の歯車が、静かに回り始める。
✚残072話 影はいつでもすぐそこに(6)✚ 思い掛けない告白には、さすがのエルフェリスも口を開けたまま唖然あぜんとするしかない。 「過去に何度もって……」 村を訪れたというのだろうか。聖職者とハンターで溢れ返ったあの村に。 「ああ、エ
【再編集版】小説 TIME〈〈 -第一章- 小さな町の大きな一日 作、吉村 仁志。
・ ・ Time<< 吉村 仁志よしむら さとし ・ **第一章** ① あの朝は、別にさみしくもなかったし、…
私とAIが描いた「もうひとつの三国志」第二弾 天命の風、策謀の河を翔ける
乱世に生まれ、乱世に逝く。郭嘉、字は奉孝。後漢末期の動乱の中、天才軍師として歴史に名を刻んだ。その才気とは裏腹に、奔放な生き様を貫き、短い命を燃やし尽くした。「もし奉孝が生きていたら...」そう思うのは曹操だけではない。郭嘉が生き続けた世界線の物語が始まる。
私とAIが描いた創作小説「夜明けに鳴る鼓 -豊臣秀長異伝-」
名補佐役として兄・秀吉を支え続け、豊臣政権の調整役としての役目を担った豊臣秀長は、豊臣政権の行く末を案じながら、1591年に病没してしまう。秀長を失った豊臣政権は、崩壊への道を辿ることに。もし、秀長が生きていたら、どのような歴史になっただろうか?
軍師のいなかった劉備は、ふたりの天才軍師を傘下に入れた。荊州南部を手中に収めた劉備軍団であったが、蜀平定戦で鳳雛を失ってしまう。鳳雛とは、龐統、字は士元のことで、214年に雒県攻囲戦で流矢に当たり、戦死した。もし龐統が戦死しなかったら、どんな歴史になっていただろうか?そんな歴史の「if」を描いていきます。
✚残071話 影はいつでもすぐそこに(5)✚ 懐かしく響く司祭の名前に、心の底から郷愁きょうしゅうの念が湧き出すのを感じた。 「……司祭からの!」 同時に驚いて目を見開いたままエルフェリスはすぐに手紙に手を伸ばすと、白い封筒から白い便箋
タイムリープ能力に目覚めた田中進次郎。使い方、限界、発動条件…試行錯誤の末に辿り着いた“仮説”とは?中年サラリーマンが掴んだ不思議な力の真実に迫る。
「未練心理学」の授業中、死後の世界で娘を“観測”した男・高志。引きこもる娘、沙梨の言葉、そして“境界実験”──本当の選択はどこにあるのか。
Dream35.らくだとステテコの賢者 「やあやあ、良くぞ訪ねてくださった」 改めて自分の席に座り直した賢者様は、ニコニコ微笑んだまま私たちを見回すと、小さくほほっと頷うなずいた。「わしはマイラック。南の賢者じゃ」 七福神の恵比寿さまに良く
✚残070話 影はいつでもすぐそこに(4)✚ 「すぐに明かりを点つけるからそこで待ってろ」 それだけを言うと、ロイズハルトは一人暗闇の中へと消えていった。 ヴァンパイアは闇に属する生き物ゆえに夜目よめが利きく。だから普段は明かりを点ける
小説の文字数(掌編・短編・中編・長編)の目安を独自に分類してみた
小説の文字数(掌編・短編・中編・長編)の目安を独自に分類してみました。掌編小説から長編小説まで、各ジャンルの特徴と魅力を解説します。
Dream34.すみません、賢者さんちはどこですか2 ✶★✶✶★★✶★✶✶ 早朝から行動したかいあって、日暮れ前に南の首都にたどり着くことができた私たちは、適当なところに宿を取ってから、賢者を探しに街へと繰り出した。 狭い村なら二手に別れ
1200文字の物語が、誰かの心に灯をともすまで。短編小説作家として大切にしていること
1200文字という限られた世界で物語を紡ぐ理由とは?創作の楽しさと向き合う姿勢、そして物語に込めた想いを綴ります。
✚残069話 影はいつでもすぐそこに(3)✚ そして慌てて彼から目を逸そらす。 激しく動く心臓が身体を突き破りそうだった。 しかし当のロイズハルトは何がおかしいんだと言わんばかりの表情できょとんとしている。 「何って……着替えてんだよ
Dream33.すみません、賢者さんちはどこですか 翌朝早く、私達はいつもよりも手早く出立しゅったつの準備を整えた。 ミルさんはリュイが私達に付いて再び旅立つのを快こころよく了承し、送り出すために、まだ夜も暗いうちから起き出して、馬が潰れ
✚残068話 影はいつでもすぐそこに(2)✚ 「くくっ、エル。そんな反応されたらこっちがびっくりするだろう?」 色白く細身の身体を揺らしながら、ロイズハルトはそう言うとエルフェリスの方に歩を進め、背後からぬっと覗き込んできた。 突然視界
小説を読む上で有益な文学理論はいくつかあります。以下にいくつか例を挙げます: 1. **形式主義**: 形式主義は、文学作品をその形式や構造に着目して分析する理論です。プロットの構造、キャラクターの発展、言語の使用などが重視されます。形式主義のアプローチは、作品の内部メカニズムや構造を理解するのに役立ちます。 2. **構造主義**: 構造主義は、文学作品を社会や文化のシステムと関連付けて分析する理論です。構…
季節の変わり目。身を切る寒さが緩み始め、次第に暖かさが混じり始める時期。日中の暖かさと、夜の冷え込みが両極端な二面性を出している、そんな季節。僕はいつものようにコタツに寝転んで、何をやるでもなくスマホを眺めていた。無為に過ぎていく日々の内に、冬が去り、春が訪れ、夏が来る。季節は変わり、四季は移ろうというのに、僕の生活は変わらない。1日の大半をスマホを眺めて過ごし、時折、居眠りをして、夜が来て眠りに...
Dream32.愛情たっぷり地獄の晩餐 「みなさま、本当にありがとうございました。お陰でミルもこの通り、元気に戻ってくることができました。本当に感謝いたします」 素朴だけど、二人暮らしにしてはかなり大きな一枚板のテーブルを囲んで、私たちはミ
✚残067話 影はいつでもすぐそこに(1)✚ 夜が明けた。 あれほど激しく降り注いだ雨も明け方には勢いを弱め、日の昇る時分にはもうすっかりと上がっていた。 青く茂る葉からは一粒、また一粒と雨露あまつゆが零れ、鳥たちのさえずりがしんと静まる
卒業試験のため、篤人は音大の図書館にある楽譜倉庫の扉を開けた。 ひんやりとした冷気が身体中に襲いかかってくる。 まるで冷凍庫のような寒さからは、この部屋で何年も眠り続ける音符たちの「奏でてほしい」という、悲痛な叫びを感じる。 奥の棚の上段に、お目当ての楽譜はあった。 やや背伸びをして引っ張り出すと、埃の煙の中から、一枚の楽譜が舞い降りてきた。 題名はなく、数十小節ほどの音符が手書きで丁寧に書かれていた。 何の曲だろう… 篤人は鼻歌でそのメロディを口ずさむ。 …初めて聴く曲だ。 誰かのオリジナルかもしれないと思いながら裏面を見ると、右下にコメントが書かれていた。 -香奈、今までた
ふと外の様子を眺めると、空は夕焼けに染まり始めていた。 静かに流れるショパンのピアノを聴きながら、昌和はヴァイオリンのチューニングをする。 毎日この時間になると客は来なくなるので、閉店の準備もしながら、昌和は並んでいる楽器たちとの時間を過ごしている。 「もう今日はお客さん来ないんじゃない?コーヒーでも飲む?」 レジの裏にある事務室から、大学生の娘の彩花が顔を出す。今日はアルバイトが休みらしく、早めに帰ってきてくつろいでいたようだ。夕方にコーヒーなんて飲んだら、夜眠れなくなってしまうだろう。 「お父さんって、いつも音楽のことばかり考えているよね。すごいわ。」 小さな楽器屋の娘ではあるが、
「ホットコーヒーお願いします。」 はい、と一言つぶやき、マスターはコーヒーを淹れ始める。 土曜の午後は、このカフェのカウンターで過ごすというのが、圭吾にとっての個人的なルーティンだ。 平日は営業で取引先をまわったり、提案の資料を作成したりと、ほとんど仕事に費やされている圭吾にとって、土曜の朝に家の掃除を片付け、近所にあるこのカフェで午後をゆっくり過ごすのが、至福のひとときだ。 14時になると、カウンターの隣の席に、美咲という同い年くらいの女性が座り、彼女もホットコーヒーを注文する。 マスター曰く、月に2回ほど土曜のこの時間に訪れるらしい。つまり彼女にとってみれば、来れば必ず圭吾がい
「じゃあ行ってくるね。私はミーティングで夜遅くなると思うけど、ママは多分18時までには帰って来るから。パパはどうだろ?ま、ごゆるりと〜」 絵美は手を振りながら家を出た。ご丁寧に、俺がいるのに鍵まで締めて。 俺は暇でも、周りは仕事なんだよなあと、涼は寝転がったまま白い天井を見上げて考える。 システム開発会社に勤務している涼は、担当していたプロジェクトが一段落したものの、スムーズにすぐに次のプロジェクトというわけにはいかなかった。 もちろん、来月1日からは、製造業のお客様のシステム開発プロジェクトに関わることが決定している。 しかし、31日まで担当するはずだったプロジェクトを、一週間早く
Dream31.セルフ封印を編み出した!2 「え、ちょっと待って、ホントに良いの?」 封印か消滅かを迫っている側にもかかわらず、夢魔の真意が掴めなくて動揺してしまう。 けれど夢魔は、もう迷いのない瞳で私を見上げた。「良いんです。自分で分から
2025年1月を無職で迎えた私。適応障害を患い、療養しながらAIや量子力学を学んでいた。フリーランスとして活動していくことを決め、準備しているところに現れた壮年の男性。声を掛けられ、不思議な親近感と違和感を感じた。彼は一体、何者なのだろうか?
✚残066話 雨の夜の再会(5)✚ 「エルっ?」 背後から二つの声がエルフェリスの名を呼んでいる。 けれどもその声はもはやエルフェリスの耳には届いていなかった。 ただただ、回廊かいろうの向こうに消えた影だけを追っていたエルフェリスには
Dream30.セルフ封印を編み出した! 私の不用意な一言で夢魔が泣いてしまったが、なんとか一生懸命みんな(主にリュイ)で宥なだめて泣き止ませることに成功した。 はぁ……めんどくさい。 心の底からそう思ったが、それを口にするとまた泣いてし
私は絶対に捜さなくてはならない。彼を。絶対に。5月 東鏡都巨土区(とうきょうと おおたく) マンション一室—–「…それで…あなたたちが…」「異能者、蛇尾川(さ…
✚残065話 雨の夜の再会(4)✚ 赤くなったり蒼あおくなったり、今夜は本当に忙しい。 心底疲れ果てた体を少し休めようと、エルフェリスもソファに深く身を沈めた。しかしそこでふと気付いたことがあった。 「……てかなんで私たち並んで座ってん