メインカテゴリーを選択しなおす
人生初の御朱印を頂きました。並ばず頂けたのが幸いしました。バスツアーに便乗し源氏物語由来の石山寺、大河ドラマ館〜源氏物語ミュージアム〜宇治橋〜平等院へ大満足の…
抹茶&鳳凰堂だけじゃない!宇治で『源氏物語』の世界観に触れよう(京都府宇治市)
京都府宇治市といえば、知らない人はいないお茶の名産地ですが、同時に歴史遺産を多く抱えていることでも知られています。今お手持ちの10円玉を見てください。その裏面にはまさに、宇治が誇る世界遺産「平等院鳳凰堂」が刻まれています。このように、宇治は国内外から多く観光客が訪れる一大観光地ですが、もう一つ忘れてはいけないことがあります。それが、『源氏物語』終盤の舞台だということです。今も昔も多くの人を惹きつけて...
――こんにちは。典局、またの名を源典侍。大変ご無沙汰しております。 侍「うひゃーーーー!お久しぶりでっす!」 王「あらまあ、珍しいですわねタブレットでのご登場とは」 少「私、お会いするの初めてかも……少納言です、こんにちは」 ――そうね、少納言さんは初めましてだわ。皆さんお揃いで...
薫は比叡山に行き、いつものように経本や仏像などを供養させると、翌日は横川に出向いた。僧都は突然の訪問に驚き、畏まって迎えた。 長年、祈祷などの依頼くらいで特に懇意というわけでもなかった。この度の女一の宮の病いにおいてすぐれた効験をしめし、尊い高僧としての名声がさらに上がったこ...
薫は、文を持たせた童を (このまま小野の庵に遣わそうか) と思ったものの、人目が多すぎてどうにもならない。 ひとまず三条宮邸に帰り、翌日改めて出立させることにした。 特に親しい家来ばかり仰々しくない程度に二、三人を付け、昔から宇治への使者として使っていた随身も加える。 ...
「……はっ?!」 「なあに侍従ちゃん。変な声出して」 「右近ちゃん!!!完、て何?!これで終わりなの?!ええええー!!!」 「やあねえ侍従ちゃん。最初からわかってたことじゃない、出家した浮舟ちゃんの居所を薫くんが知って、お手紙出すけど断られるってとこでハイおしまいって。色んな人が...
いくつかお知らせ。 1.BOOTHでショップ開きました。 「みくまり庵」 といいます。 ただ今「ひかるのきみ」壱と弐は無料ダウンロード中です。 よろしかったらお試しください(縦書き・EPUB3)。 中断してる「しゃぼんだまによせて」とか、他の長編とかも、順次上げていこうかなと思っ...
【再掲】「ひかるのきみ」目次つくりました!※紅葉賀以降の巻頭リンク張りました
とあるフォロワーさんに「ひかるのきみ」を図々しくお勧めしたものの、 ブログで最初から読むのが超絶メンドクサイ というか、順番が全然わからん超絶不親切な並び だと一昨日気づきました……(遅 特に最初の辺りはテンションがアレでしたし間違いも多くて、電子書籍版ではかなり改変したのです...
そのころ薫が何をしていたかというと―――。 母の入道の宮が体調を崩したので、石山寺に籠り誦経や祈祷の最中であった。浮舟の事は常に気にしてはいたものの、誰も知らせるものはいない。 宇治の山荘を警備していた内舎人とその一党は、 「さすがにこの一大事に、京から使者の一人も来ないと...
ColBase:伊勢物語 鳥の子図 新しい年が明けた。 まだ春のきざしは見えず、川はすっかり凍って水の音すらしない。あまりの心細さに、 「貴女に心惑わされたが、道には迷わなかった」 という匂宮の言葉を思い出す浮舟。恋心は枯れ果てたが、その時の場面だけは心に焼きついている。...
右近です。 匂宮さまの使者に引き続き、薫さまも直々に宇治にいらっしゃいました。やはり同じように詳細を知りたいとの思いです。道中で過去の記憶を一つ一つ拾われて、 (いったいどういった宿縁で、あの八の宮親王のもとに来ることになったんだろう。こんな……あの頃は存在すら知らなかった人...
「ねえねえ右近ちゃん」 「なあに侍従ちゃん。って、久しぶりねこの冒頭」 「ほんとそれー、怒涛の展開だったもんね。メッチャ若い設定の『侍従』役もいい加減つかれたよーん(ゴローン)」 「大して変わりないじゃん。で、何?何か言おうとしてなかった?」 「あ、そうそう。この間、式部卿宮がお...
浮舟が髪を下ろしたその時。 少将の尼は自室に下がり兄の阿闍梨と談笑、左衛門も知人の応対中であった。久しぶりの僧都一行の訪問につけ、旧交を温めるのに忙しかったのだ。 ただ一人、浮舟の傍で成り行きを見守っていた女童のこもきが、 「こんなことが!」 と告げに走った。慌てて尼たち...
引き続き、三条宮邸より少納言です。よろしくどうぞ。 あれからまもなく、女一の宮さまから二の宮さまへと文が届きました。その手蹟は実に見事なものでしたので、 (期待通りだ。もっと早くにこうしていればよかった) 薫さまは密かに胸を熱くされたようです。 后の宮(明石中宮)さまも美...
琵琶湖から見る比叡山:比叡山延暦寺HPより 小野の尼君の亡き娘の婿はこの時、近衛中将となっていた。その弟・禅師の君は横川の兄僧都の弟子として山籠りしている。中将は他の兄弟とともにたびたび比叡山を登ったが、その前後に小野の庵にも立ち寄ることがあった。 この日、久しぶりに中将一行...
九月に入ると、小野の尼君はまたもや初瀬詣でを思い立った。 亡き娘を諦めきれないまま寂しく心細い山里暮らしを長年続けていたところに、降ってわいたような浮舟という存在―――尼君にはとても赤の他人とは思えなかった。兄僧都には否定されたが、やはりあの時詣でた観音の効験にちがいない、な...
月が変わり、四月十日になった。 (本当なら今日、宇治から浮舟を迎えるはずだったのに) 薫は尽きせぬ悲しみを噛みしめる。 実に物悲しい夕暮れ、庭先の橘がやさしく香る中、ほととぎすが二声ばかり鳴いて渡っていく。「宿に通はば」―――亡き人のところに行くのかと独りごちても物足りない...
こうしてお世話するうち四月、五月と飛ぶように過ぎ去りました。が、一向に良くなりません。わたくしは心配のあまり兄僧都に文を送りました。 「やはり一度山を下りて来ていただけませんか?この人を助けて下さいませ。何にせよ今日まで命がありますのは、死ぬべき運命ではないんですわ……きっと何...
「ねえねえ右近ちゃん」 「なあに侍従ちゃん」 「自分で語っておいてなんだけど、『遊仙窟』ってなんなんコレ。何で皆知ってる前提なの?!」 「七~八世紀ごろの唐の詩人さんが作った短編らしいよ。遣唐使が持ち帰ったんじゃないかと言われてて、万葉集にもよく取り上げられてるから、古典の嗜み的...
相も変わらずの薫と匂宮周辺はさておき、物語は時を少し遡る。 浮舟が姿を消した三月下旬―――。 いったいどういったお導きであったことか。今思い出してみましても、まるで春の夜の夢か幻―――齢五十も過ぎてまいりますと、不思議な巡り合わせのひとつやふたつ経験するものでございますが、...