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「いや、それはちょっと」「約束が違うだろ」 ナイトとルークが、女に向かって渋い顔をする。「ねぇ、なに?」「何をそんなに、もったいぶっているの?」アキとカガリが…
(あ~あ!あんなに大きな声を出して!) ナイトは内心、ヒヤヒヤしている。あんなことを言って、彼女を刺激しないのだろうか…と。 だがナイトのそんな気遣いも、この…
「いきなり、声をかけるからだろ!」 だがナイトは…少しもおびえる様子もなく、堂々とした態度で言い返す。「そうか?それは、悪かったな」その女は、見た目にはそぐわ…
「うーん、目覚めたのかどうかは、わからないが…」 みるみる城壁を覆いつくす幹を見て、ナイトは顔をしかめる。「確かに…急がなくてはな」ボソッとつぶやくと、背後を…
「あらぁ~」 アリスは、その姿を見送る。「だからオレは…ここに来るのが、嫌だったんだ」駄々をこねるように、帽子屋がわめく。「まぁまぁ~ ここは早く終わらせて、…
「何って…それは私には、わからないわよ」 自分よりも、可愛い女の子が現れたせいか、ティンカーベルは気に入らないようだ。「それだったら…見てきてもらえません?」…
「えぇっ?」 ブラブラと揺れるツルを押しのけると、アキは目をこらす。よくは見えないけれど…ナイトとルークが前を向いたまま、何かを話しているようだ。「何があった…
「ケイタ…どこにいるのかなぁ」 ふいに心細くなり、アキがつぶやく。「ケイタ?ケイタは…この辺りにいるみたいだよ」思ってもいないことを、ショータがつぶやく。「ホ…
「まぁ~いいんじゃあない?」 ルークがポツンとそう言うと、「え~っ」「そんないい加減で、いいの?」アキとカガリが、声を張り上げる。「それなら…どうしろっていう…
帽子屋はクルリと首を回すと、コキコキと肩を鳴らす。「さぁ、キミたち!さっさと行こう」キビキビとした態度で、アキやカガリやユウジの肩を、ポンポンと叩く。「調子…
「なに?」「これって、もしかして」 アキはようやく、気が付く。(この城は、途中退場を許さないんだ。 入ったら最後…決着をつけるまでは、逃がさないつもりなんだわ…
ヒュン!緑色の物体の長い根っこが、しなるように伸びる。 ピシン!帽子屋に、襲いかかる。「なんだ?お前たち!ふざけるのは、やめろ」帽子屋は、まだその謎の物体に…
ファークション!大量の金粉を浴びて、帽子屋は大きくクシャミをする。「なんだって!おまえこそ…ピーターの金魚のフンじゃあないかぁ」ティンカーベルをはたき落とそ…
光の玉は、フワフワと揺れながら、アキたちの後をついて来ているようだ。今のところは、攻撃してくる様子もない。なので、あまり気にならなくなってきた。 まったく同…
光の玉は、くっついたり、離れたり、一つになったり、二つになったり、さらに枝分かれして、無数に増えて、アキたちの前を、フワフワと行ったり来たりしている。「もし…
「じゃあ…誰か、住んでいたの?」 思わず、声が大きくなる。こんな声で話していたら、オジサンに聞こえてしまう!カガリはハラハラして、「ちょっと、アキちゃん…」ア…
「何よ、あの猫!」「思わせぶりよね!」 天井に向かって、アキは全力でアッカンベーをする。「ねぇ~シリトリでもしようか? それとも、歌でも歌う?」アキは不安を吹…
「いいことを、教えてあげる」 ノワールは、大きな口をカパッと開けて、ニヤニヤ笑いを浮かべる。「どうせ…ろくでもないことなんだろ!」ピーターが、大きな声を張り上…
「オジサン…何で、ここにいるの?」 それでもアキは、聞かずにはいられない。だがオジサンは、聞こえない様子で、そのままスタスタと歩いている。(なんで、何も話して…
「上の方?上の方って、どこ?」「それって、これから行くところ?」「どんな所なんですか?」 アキとカガリとユウジが、代わる代わるオジサンを問い詰める。少しでも、…
「ねぇ、オジサンは今まで、どこにいたの?」 アキはさり気なく、探るような目付きで、オジサンの背中を追いかける。トントンと階段を上りながら、オジサンは前を向いた…
「あ~ごめん、ごめん」 何食わぬ顔をして、ユウジが帽子屋に向かって、手を振る。「何かあったのか?」ピーターも、アキに向かって尋ねる。「ううん、何だかちょっと……
そんなこととはつゆ知らず、オジサンは機嫌のいい顔をして、笑ってこちらを向いている。「あの人…きっと、操られているのよ。 だって…ここの主とオジサンが、仲良く…
もともとこのオジサンは、地下室に隠れて、この館の主に復讐の機会を狙っていたような人だ。「ちょっと、性格が丸くなったのかなぁ」もっとも、よくわからないけどね……
「上がるの?」 一行は一瞬、ひるむ。もしも上がったら…帰れなくなるのではないのか…と、警戒しているのだ。ポロローンどこかで、ピアノの音が聞こえる。「あっ」「誰…
ゴーン ゴーン ゴーン…大きくて、アンティークな柱時計が、時を刻んでいる。おそるおそる、家の中をのぞき込む。確かに、火事で焼け落ちたはずの部屋が、寸分たがわ…
「あ~っ、さっき気が付いたよ! 驚いたなぁ~ いつの間にか、知らない所にいるんだからなぁ」 あくまでも、オジサンはにこやかに答える。今の所は、不自然な所はなさ…
確かに、おかしいとは思っていたけれども。それでもアキは、認めようとはしない。はぁ~と、ナイトがため息をつく。「それじゃあ…あの人のこと、どのくらい、知ってる…
「えっ」「まさか!」 アキとカガリは、顔を見合わせる。「オジサン?」「ねぇ、オジサンなの?」二人は、声を合わせて叫ぶ。「ちょっと、待って! オジサンは…この屋…
城の入り口には、大きな鉄の取っ手が付いている、ずっしりとした大きな木の扉だ。ナイトはソッと、手を触れる。ギィ~ッと、大きな音を立てて、その扉が開いた。「やは…
一行は横一列に並んで、じぃっと目の前の城を見上げる。「確かに…これは、あの森にあった城だ」ゼペットさんがつぶやく。「あっ、やっぱり、そうですよね?」アキが思…
「そうよね!」 それでこそ、アキちゃんだわ!カガリはポンと、アキの肩を叩く。すると…「私たちも、いるんだけど…」空から舞い降りて来た一軍から、声がする。「あっ…
「ねぇ!」 あわててアキが、声を張り上げる。「あそこに行ったら、何があるの?」何だかよけいに、わからなくなったじゃないのよぉ~モヤモヤとした気持ちで、アキは声…
「そんなもの…何に使うの?」 今さら、必要?だって、もうすでに、入っているのに…アキは、不思議に思う。そんな二人のやり取りを見ると、「やっぱり、これは、仕組ま…
「わかっているくせに!」 フン!とアキが眉をしかめる。「ボクは、何も知らないよ… ただ、キミたちを、見ているだけだし」ノワールは相変わらず、のらりくらりと返す…
「やぁ」 四人に前に、フワッと黒猫が現れる。「あっ」「ノワール!」「何しに来たのよ」アキとカガリが、責めるような口調で言う。「あれぇ~ご挨拶だなぁ」器用に、シ…
「ねぇ、覚えてる?」 アキはカガリに、向き直る。「あそこに来た時…あの屋敷が消えたのを」「そうだっけ?」カガリはまっすぐに、あの古城を見つめる。「そうだよ」「…
「ペガサス?」「えっ?どこ?」 アキの声に、四人は一斉に、空を見上げる。真っ白な霧のすき間から、ゆっくりと穴が開いたように、何かが近付いて来るのが見える。「え…
一生懸命、納得させようとするけれど…それを言ったら、どこも同じように見えてしまう。「あの木の幹だって、見て! あのコブのような所… あのあの大きな木のウロだ…
「ねぇ、ここ、何だか見たことがあると思わない?」 いきなりアキが、カガリに向かって声をかける。「え~っ、森なんて、みんな同じようなものなんじゃあないの?」ユウ…
「アリスの世界が、ここまで続いているのかしら?」 アキもカガリに、話を合わせる。「じゃあ、あのイモムシさんみたいなのも、会えるのかしら?」まるで、ピクニックに…
深い森の中で、ポツンポツンと、光の玉が浮かんでいる。「あれ、なぁに?ホタル?」重苦しい空気を変えようと、カガリがわざと明るい口調で話しかける。「ホタルじゃな…
「だとしたら…かなり、手ごわい相手だろうなぁ」 あくまでも冷静な顔付きで、ショータがボソリと言う。「じゃあ、まさか…」「お化けカボチャに襲われるの?」アキとカ…
「ケイタのがない…」「また?」 ショータの手元を、ユウジがのぞき込む。「ねぇ、それって、どういうこと?」アキもつられて、のぞき込む。「うーん、よくわからないけ…
「何があっても、知らないぞ」 ボソッと、ナイトがつぶやく。「それを守るのが…我々の仕事だろ?」ルークは、クローバーのマークを指し示す。「あ~あ」ナイトはため息…
それは…これまでとは違い、とても古びたアンティーク調の扉だ。「これ?」さっきとは、どこか…雰囲気が違う。かなり年季の入ったしろものだ。「そうだ」トンと、ナイ…
「はっ?何を言っているの?」 思わずアキの声が、大きくなる。「そんなの…答えるまでもないじゃない」アキが、さらに大きな声を上げる。「ちょっと、アキちゃん、落ち…
(もう、ナイトってば!) カガリは、舌打ちをしたい気分になる。せっかく気を取り直したアキも、再び「あぁ~」と頭をかかえる。「じゃあ…ケイタは、あのまんまなの?…
さっきまで、炎に包まれていたのが、ウソみたいだ。ドア一つ隔てた向こうは…どうなっているのだろう? オレンジ色の光に照らし出されて、SFチックな廊下が、まっす…
「でも…」 そんな二人の会話に、アキが割って入ってくる。「私たちだって…クローバーじゃないのに、あそこを出入りしたのよ。 ということは…ほかの人が入るのも、可…