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さっきまで、炎に包まれていたのが、ウソみたいだ。ドア一つ隔てた向こうは…どうなっているのだろう? オレンジ色の光に照らし出されて、SFチックな廊下が、まっす…
「ここは?」 さっきとは一転して、静けさに包まれている。「これって…お城の中?」「まさか!城はどこも…大混乱しているだろ?」アキとカガリに向かって、ナイトは子…
「こっちだ!」 棒を振りまわして、ナイトが部屋に飛び込んで来る。「早く!早くしろ!」ルークの声が響いて…四人は転がるようにして駆け出す。 炎は床をなめつくし…
「えっ」 思わずアキは、ピタッと立ち止まる。「アキちゃん、ダメよ!だまされたら」カガリは、アキの反対側の腕を引っ張る。「えっ、でも…」ケイタは?女王の言うこと…
さらに女王が、トンとつま先で、床をたたく。すると氷の結晶が、床にジワジワと広がっていく。「まずい!」ショータが声を上げた瞬間、ぱぁ~っとオレンジ色の光が、自…
「あぁら、何を怖がっているの? 私はそんなに…おっかなくなるわよ。 どう?優しいでしょ?」 ふふふ…キンと響く声で、女王は笑う。だが、目は笑ってはいない。その…
あの女王に、何をされるか、わからないだろう…そう言われてしまうと、さすがのユウジも「うーん」とうなってしまう。「私たち…一度しか、会っていないけど… やけに…
「えっ?なんで?」「さぁ、わからない」 そもそも発信機って、ついたり消えたりするようなものだろうか?三人には、やはりわからない。「もしかして、何か障害があると…
「ねぇ、この馬は、どうしたの?」 ようやく、ハッと気づいたように、アキが聞く。「ペガサス?」「でも、色が違うわ」アキとカガリが言い合うのを、ショータとユウジは…
「まさか…また、女王に連れて行かれたの?」 そういえば…氷の女王の姿が、どこにも見えない。「しまった!逃げられたかぁ~」油断もすきもあったもんじゃあない。アキ…
「やったぁ~!」 アキがはしゃいで、ピョンピョンと跳ねるのを見ると…カガリも思わず、万歳をしたくなる。鉄格子を、枠ごとゴトッと外す…という暴挙をやり遂げたので…
「あっ」「うそっ」 アキとショータとユウジが、そろって声を張り上げる。「カガリちゃんも、手伝って!」アキは、後ろを振り返る。「いっせぇ~のぉ~せっ!」ドン!二…
ここにはベッドがないので、シーツもない。窓はあるけれど、はめごろしで、カーテンはついてはいない。するといきなりアキが、ガン!と鉄格子を蹴る。「ちょっと、アキ…
「アキちゃん、大丈夫か?」 ショータが駆け寄ると、小さな穴蔵のようなところに、閉じ込められている二人を見つけた。「ショータ!よくわかったねぇ」嬉しそうに、アキ…
「アキちゃん!どこにいるの?大丈夫か?」 今度ははっきりと、ショータの声が聞こえる。「ほら、聞こえる?」カガリの方を振り向く。「ここよ、ここ! 私は、ここにい…
何しろ自分たちは、鉄格子にはばまれている。ケイタは、今は自分たちの味方とは、なり得ない…(ワナにはめられたら、どうしよう?)ケイタに、そんな悪知恵が働くのだ…
「なに?何があったの?」 アキはどうにかして、鉄格子を叩き壊そう…と頑張っているのだが、一旦あきらめる。カガリは愕然として、力が抜けていたけれど、それでもフッ…
「そんなに騒いでいたら、疲れるだけだぞぉ」 冷ややかにそう言うと、ケイタは面倒臭そうに、プィッとソッポを向く。(ケイタ…心まで、女王に乗っ取られたの?)アキは…
(ショータは、あんなことを言うけど、いくらアキでも… それは、ムリだろ) ひそかにユウジは、そう思っている。ケイタならばいざ知らず…さすがにアキに、そんなこと…
いつもよりも強い力で、アキとカガリは引きずられ、薄暗い一角に連れて行かれる。「あなたたちも、ケイタを見習って、おとなしくなったら、ここから 出してあげること…
「さぁ、この子たちを…あの部屋に連れて行くのよ」 さらに氷の女王は、ケイタに向かって命令する。ケイタは無言でうなづくと、アキの手をグッとつかむ。「えっ、なに?…
「いや…それは…」 いつもの威勢のいいケイタは、どこに行ったのだろう?やけにオドオドとして、チラチラとアキとカガリに目を向ける。「なら…わかるわね? あなたが…
「えっ?」 いきなり三人が、自分に注目するので、ケイタは戸惑う。「ねぇ、どうなの?ケイタ! ちょっと、言ってやってよ!」アキはケイタに向かって、声を張り上げる…
「ふぅーん」 ニヤニヤしながら、女王はアキとカガリを見比べている。「最近の女の子は、ずいぶん勇敢なのねぇ」歌うようにそう言うと、すぐにキッとした表情になる。「…
「あら!あなたは、私と一緒に、ここで面白楽しく、過ごすつもり なんじゃぁなかったの?」 いきなり、リンと高く響く声が聞こえてくる。「あっ?」「えっ?」 まさか…
ジワジワと、足元に水が溜まっているのが見える。「えっ?」カガリは、パッと手を放す。ピシッピシッピシッ…何かがきしむ音がする。「なに?これって、まさか…氷が溶…
宴は混沌としてきたようだ。 女性陣は全員未成年なので、我々4人も軽い飲み物を頼んでいたのだが、女性陣のひとりが我々のビールを、小鳥が水飲み場で水を飲むように上品に飲んだのだが、量はごくわずかでも飲みなれていないから、すぐに酔っぱらったような状態になってしまった。 それが引き金になったのか、この頃になると全員の仮面はとれてあちこち笑い声に包まれていた。 8人はほぼペア-毎に分かれ、悠介は知り合いだと勘違いされて例のミサトとかいう「婦人警官」と話すことが多くなった。他のペア-は話がはずんでいるように見える。 一方、悠介たち2人は話すことが多くなったとはいえ、けっして話が弾んでいるという訳では無かっ…
ゴン!鈍い音がした。「アキちゃん!」悲鳴を上げて、カガリはアキに駆け寄る。さすがに、バツが悪くなったのか…ケイタはフンと、ソッポを向く。「この女が、いきなり…
「お前もだ」 ケイタは、カガリの方を向いて言う。アキは怒りのあまり、プルプルと肩を震わせている。カガリは泣きそうな顔をして、アキとケイタを見比べる。「ねぇ~ケ…
「ねぇ、ケイタはここで、何をしているの?」 こんなおとなしいケイタは、見たことがない。何かの間違いよね?気を取り直して、アキはケイタの前にしゃがみ込む。だがケ…
コンコンコン…思い切って、アキはノックする。だが、返事が返ってくるわけではない。チラリと、カガリと目を見合わせると、扉に手をかける。ヒンヤリとした金属の感触…
「そうよねぇ」 また、何が起きるかわからない。「確かに、カガリちゃんの言う通りかも」アキは、ニコッと微笑む。「ありがと、カガリちゃん」 渡り廊下を進み切る…
「えっ?言葉がわかるのかなぁ」 ショータ、適当に言わないで、真面目に答えてくれよぉ~ユウジは、困った顔をする。それでも思い切って、馬に向かってペコリと頭を下げ…
「まさか…ルークか?」 そういえば、どさくさに紛れて、見失ってしまっていた。だが、どうもそれとは、様子が違う。「いや、ペガサスじゃない?」植え込みから、目だけ…
「これ…役に立ったかなぁ?」 ナイトから受け取ったものを、ポケットから取り出す。「なに?」興味津々で、ユウジはのぞき込む。「危ない!」 あわててショータは、ユ…
「そうだ」 思い立って、ショータは懐中時計の蓋をあける。ピコンピコンピコン…赤い点が、点滅しながら移動している。「もしかして…アキたちは、これか?」同じ動きを…
「みんなとはぐれちゃったねぇ」 大丈夫かなぁ?急に心細くなる。「まぁ、とにかく…この塔に行くしかないみたいね」 すっかり回廊は、溶け落ちてしまった。さっきまで…
「うそぉ~」 どうするのよぉ!「もう、後戻りが出来ないじゃない!」思わずアキが叫ぶ。だが、カガリは平然としている。(平気なの?カガリちゃん!)思わずアキは、そ…
アキはグィッと、鳥に向かって、それを向ける。鳥の動きが、ピタッと止まる。アキは鏡をしっかりと握り締めると、さらに光を反射させる。まばゆい光が、氷の鳥にも、光…
何かが、おかしい?思えばここに来てから、ずっとおかしいと言えば、おかしいのだ。「だって、仕方がないでしょ? ユキは、私たちと違って、サッサと歩けるんだから」…
やけにツルツルとすべる階段を、這うようにして、アキとカガリは進む。(なんで、こんな所をわざわざ通るのだろう…)疑問ではあるけれど。どこに行ったら正解なのか、…
カフは軽やかに、ピョンピョンとワラの上に飛び乗ると、無造作に山を崩していく。「おい、真面目に答えろよ!」「ちょっと!きれいに積んであったのに!」ショータとユ…
「おまえ…一体今まで、どこに隠れていたんだよぉ」「さっきの鳥…あれ、何なんだよ」 ショータとユウジは、待ちかねたように、カフに向かって口々に文句を言い立てる。…
「あぁ、そのようだな」「よかったぁ」 5つの赤い点は、別々の場所を移動している。どれが、誰の物だかわからないけれど…「アキたちも、無事だ」ショータは、自分を励…
「アキたちは、大丈夫かなぁ?」 ワラの山から顔を出すと、ユウジはショータに話しかける。「大丈夫なんじゃないか?」 きっと、アキのことだ… うまく、お城にもぐり…
「これで、ケイタがいなかったら…くたびれもうけね!」 アキは文句を言うけれど、案外機嫌はよさそうだ。 「みんな…うまく逃げたのだろうか?」 振り向くと、まだ向…
「足元、気を付けて!すべるわよ」 前を歩く雪子が、二人に声をかける。確かに、やけにツルツルとした階段に、行き当たっている。「ここ、通らないとダメ?」壁に手をつ…
「大丈夫よ、気を使ってくれなくても」 雪子はみるみる大きくなると…カガリたちと、変わらないくらいの大きさになる。「まぁ~氷の女王くらい、詳しくはないけど… あ…
「そんなところで、何をしているの?」 またも声がする。 ヒェッ!思わずアキは、変な声がのどの奥から漏れてくる。 まさか、もう…見つかるなんて!アキは、カガリと…
みんなは、無事なんだろうか?カガリは先ほどから、そのことが気になっている。まさか…鳥に襲われていないか?それとも、ケイタのように…女王につかまってはいないだ…