メインカテゴリーを選択しなおす
【お知らせ】 このブログの小説は、これまでほぼ毎日1話ずつ投稿してきましたが、内容をより充実して継続していけるように、次回投稿を4日か5日後に、その後は投稿間隔を当初考えていた2,3日に1回程度とさせていただきたく考えています。(場合によっては短くなるかもしれませんが。) このところ、スト-リ-に迷いが出てきて、中々話が進んでくれないことがままあるからです。もう少し先を見据えながら、目の前の1話1話を丁寧に紡いでいきたいと思います。 私自身としては、とにかく面白いものを書いていくことを第一に考えていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。 第27話 彼女は魔女? 悠介は自分が何を言われた…
美波の風邪はなかなか治らなかった。 もう3日も寝たままだ。熱があるから起きるのも億劫だし、食欲もほとんどない。熱が39度を超えることも度々で、喉も痛い。きっとそのうち咳も出てくるに違いない。 ちょっと怖かったのだが、あれからあのような怖い夢は見ていない。 このような体が弱っている時にあんな怖い夢を見たら、本当に気絶してしまうわよ。うん、もしかして失神しちゃうのかな? まあどっちでもいいや、そんなこと。 そんなことを考えていたら、またとろとろと眠ってしまったようだ。 不意に目が覚めたら、なんとベッドの横に悠介が立膝を立てているのに気付いて卒倒しそうなくらいにびっくりした。 美波は何か言おうとした…
その夜、美波の帰りが遅くなったのには特にこれと言った理由はなかったのだが、最寄りのメトロの駅を降りたのが9時半をとうに過ぎていた。 メトロの出口は大通りに面しているから車や人の往来は多いが、1本また1本と脇道に入るにつけ人通りがパタッと途絶えてしまい、街灯がポツンポツンと侘しく地面を照らしている坂の多い夜道を歩くのは、何とも言えない薄気味悪さがある。 -毎日通っている道なのに、何故か今夜は感じが違うみたい…。 それに加えて、家までの道のりで最も厄介なのは途中に小さい公園があることだった。昼間の明るい時間であれば、そこを抜けていけば近道なので通ることもあるが、夜しかも9時過ぎであればとてもではな…
悠介の従妹である美波はどうしているであろうか? 今日はゴ-ルデンウィーク明けの月曜で通常通りの授業があったから、美波が帰宅したのは4時過ぎだった。朝からどんよりとした曇り空で、日中でも5月にしては肌寒いと感じるくらいの陰鬱な一日だったこともあり、美里はリビングのソファ―に腰掛けたら、どっと疲れが出たような気分だった。何となく体が怠く感じる。 -連休中に遊び癖がついちゃったからかな? あ-あ、連休が過ぎちゃうとつまんないなぁ。 連休前半は例の向井のことで頭が一杯だったし、昨日までの4連休も夕方からは気を抜けなかったから体より神経が参っているのかもしれない。 一体いつまでこんな生活を続けなければな…
夕食を終えて部屋に戻って来た美波は、ため息をつきながらベッドに寝転がった。 食事中に母が何度となく聞いてくるのが鬱陶しかった。このところあまり元気が無かったから心配してくれているのは分かるけど、ちょっとウンザリする。明日の学校の準備があるから、と言って早めに席を立った。 まあいいや、と呟いて、気持ちを今別れてきた悠介に切り替えた。 -やっぱり彼に話してよかったわ。 向井の件はまだ解決はしていないけれど、悠介に相談してからは今のところ何も起きていない。 -このまま何もなければいいのだけど…。 いつまでも悠介に頼っている訳にもいかない事はわかっている。大学の授業に出なければいけないし、勉強もしなけ…
美波は微動だにしないで僕の目をじっと見つめている。まるで僕の告白が真実かどうかを見極めようとするかのように。緊張しているせいか、顔が蒼白に変わり強張って見える。 彼女は一つ深呼吸をすると、ゆっくりと話し出した。 「驚いちゃった、急にあんなこと言うんだから、本当に驚いちゃったわ。悠介クンがそんな風に私のこと思っていてくれているなんて…」 と戸惑いながらも、笑顔が彼女の顔に戻って来たようだ。それは、はにかんでいるような、戸惑っているような複雑な笑顔にみえた。 「そういう風に思ってくれて嬉しいんだけど… でも何て返事をしたらいいか…」 どうしたらいいの、と訴えるような目を向けてくる。 もうここから悠…
ランキング参加中創作家達の集いの場 あの時、美波ちゃんにあんなこと言われた時は、悠介は心臓が飛び出るほど驚いてしまった。 あの場が一瞬凍りついた、様に感じられた。 凄く嬉しかったけど同時に恥ずかしかったのも事実だ。それに叔母さんが慌てて美波ちゃんをたしなめていたので、彼自身も妙にオドオドしてしまったと思う。何か聞いてはいけないことを聞いてしまったように。僕の母も何とも言えないような顔をしていたと思う。 でも、もっと後になって考えた時に、何故叔母さんはあんなに慌てていたのか、単に思い付きで口走る子供の戯言なのに。いや、だからこそ慌てたのかな。 高校生の時、従兄妹同士の結婚について色々調べてみた。…