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普通なら…玄関一杯に、チラシが散らばっていたり、何かありそうなものだが…「何もない…」 あまりにもきれい過ぎるほど、ゴミ1つ落ちてはいない。「不自然だ…やっ…
「あっ、入った!」 清子が目ざとく、気が付く。「うん」清子と宗太郎は、近くの茂みに移動して、しばらくその場で待機している。「ねぇ、『じいちゃん、ただいま』って…
龍友は…自分の背後を、同級生がついて来ているのに、気付いていた。だがあえて…知らんぷりをして、泳がせることにしたのだ。 それは、ほんの気まぐれだった…もしも…
「ごめんね、嫌なら、いいわ。 私も…焦り過ぎたみたいね」 帰りましょ、と清子が宗太郎の腕を引くと…宗太郎の足が、ピタリと止まる。「どうしたの?」じぃっと宗太郎…
引っ越しの日…「キヨちゃーん!」ちぎれるほど、手を振ったあの日のことも…いきなり父さんが、帰って来なくなったのも、この頃のことだった。すると…ふいに、カタカ…
だが…清子はひどくガッカリした顔をして、「なんだ、ソータロー。覚えていないんだ」ポツンと言う。 ということは…清子は覚えているのか?だが清子は、じぃっと宗太…
あの人影が消えた場所に、もう1度立ってみる。ホコラの裏手には、うっそうとした木の茂みが見える。「もしかしたら、この中に隠れたとしても、おかしくはないなぁ~」…
(あの時と同じだ…) 休憩時間の屋上で、確かに誰かいるような気配がしたのに、姿が消えた。(アイツ…やはりユウレイ?)そんなことが、頭に浮かぶ。あわてて、木の陰…
サクサクサク…砂利を踏みしめて、歩く音がする。『来た!』宗太郎にささやく清子の髪から、ふんわりと柑橘系の、爽やかな香りがする。 こんなこと…宗太郎の今までの…
なんだよ、それ…宗太郎は、憮然として、言葉を失う。あれほど苦労して、探し回った、というのに?「でも、ここって…昨日、来た…」呆然として言うと、「そうみたいね…
「ね、調査の方は、進んでる?」 目をキラキラとさせて、清子が聞くので…「調査?」それって、まるで探偵のようじゃないか…まさか清子がのり気なんだ…と思わず宗太郎…
「あっ、来た来た!」 神社の階段を上っていると、上から声が降って来た。(それにしても…なんで、こんなところに?)そう思うけれど、宗太郎はせっせと足を動かしてい…
「えっ」 あれは…何だ?宗太郎は、足を止める。今まで気づかなかったのだが…反対側に、同じ大きさの建物が見える。おそらくは…女子部の校舎なのだろう。(たしか…来…
この屋上は、普段は人は来ない。だがたまに、授業をサボる生徒がここに来たり、一息入れようとして来るのか、タバコの吸い殻が落ちているのを…用務員さんが時折、掃除…
相変わらず…足音も立てずに、転校生はいなくなる。「転校生を探せ!」「アイツのヒミツを探れ!」 委員長の鶴の一声で、クラス中が蜂の巣をつついたような、騒ぎにな…
委員長が騒げば、騒ぐほど、転校生の謎に、みんなは関心を抱く。なぜあそこまで、目の敵にするのか…全く見当もつかない。だけども、それはまるで集団ヒステリーのよう…
せっかく少し親しく話をしたのだから…もしかしたら、話す機会があるのかもしれない…宗太郎は、淡い期待を抱いていた。 だが…朝礼の始まる前に、教室に入って来た転…
「おまえ…何か聞いたか?」 放課後、帰り支度をしていると…早速委員長が、それを阻止するように、回り込んできた。「何かって…何を?」まるでスッポンのような、しつ…
「はぁっ?」 あまりにも冷たい転校生の口調に、宗太郎は冷や汗を浴びせられたような気がする。「あっ、あのぉ」ためらいつつも、宗太郎はグッと唾を呑み込むと「神林く…
「キミ…古屋敷くんだっけ? 何でボクのこと、探しているんだ?」 ピタリと足を止めると、転校生は宗太郎の方を向く。「えっ」彼が、自分の名前を知っていることに、驚…
誰? そんな勇気のあるやつ、いたっけ?宗太郎は、顔を上げる。すると…委員長含め、宗太郎も探していた当の本人が、こちらを向いて立っている。 「古屋敷くん…だっ…
「清子だって、そうだろ?」 ソータローが言うと「あぁ~」彼女は顔をしかめ「私も…この名前で、散々からかわれているけどね」御手洗なんて…と、初めて思いきり、嫌そ…
「ダメなんだ… アイツ、休憩時間になると、教室からいなくなるし… 授業が終わったら、いつの間にかいないんだ」何しろ、気配もなくいなくなるので…陰で忍者か、と言…
「えっ、まさか それって」 神妙な顔をして、清子は彼を見つめるが…こらえきれなくなったらしく、急にプッと吹き出す。「やだなぁ~何を想像しているの? 噂よ、う…
それから「あっ」と思い出したような顔をすると、「誰も見なかったわよぉ。 見たのは、ソータロー、あんただけ!」 ニコニコしながら、清子は言う。「そうなんだぁ」…
「ね、ところで…誰か、見かけなかった?」 ようやく気を取り直して、本来の目的を思い出して、ソータローは聞く。「あっ、さっき、聞いてたことね」訳知り顔で、清子は…
「あんたねぇ~婚約者の顔を忘れて、どうするのよ」 清子は笑いながら、そう言う。(キヨコって、こんな子だったっけ?)ソータローは、ボーっとしていた。 「あっ、で…
(まさか…こんな所には、いないだろうな?) ソータローは、神社に繋がる道を見つめる。以前ばあちゃんが入院した時に、ここにお参りして、よくなった…という(偶然だ…
さっき帰った…というから、もしかして追いつくのではないか?ソータローはそれを期待して、急いで自転車置き場へと走る。 彼は普段は、チャリ通だ。雨の日は、バスで…
「ほら、転校生だよ!」「あぁ~神林くん?」 そう言われて… そうか、アイツ、神林という名前だったなぁ…今さらながら、ソータローは思い出していた。「そう、その神…
ソータローも1年の時に、転校して来た。もとはといえば…この町は、ソータローの祖母が住んでいた町だが、その時同居することになり…引っ越して来たのだ。 この町は…
「大体、新学期でもないのに、突然転校して来るなんて… アイツ、何か、やらかしたんじゃあないのか?」 顔をゆがめて言う委員長に、取り巻きの1人がうなづく。「わか…
「なぁ、知っているか? アイツ…一人暮らしをしているそうだよ」「へっ、ホントか?」「ホントだ、ホント!」「しかもアイツ…あの幽霊屋敷に住んでいるらしいぞ」「マ…
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