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「もう終わりだ、なんて思うなよ?」ヤスが真剣な表情を向けた。 僕はいつまでも歌っているトニィを遠目に 『例え目の前に壁が立ちはだかっても、僕等は決して負けはしない』 そんな歌の意味を噛み締めた―― ★ ★ ★ 清水の舞台から京都の街を一望しているとマークがサングラスを外し眩しそうに呟いた。 「ウォルターに見せたかったな……」 あれからカナダの更生施設に入ったウォルターは身体はすっかり回復したものの、依存を断ち切るための治療は続いているそうだ。 でも、その施設で出会った10歳も若い看護師さんとステディな仲になり、ボランティア活動に力を入れて充実した日々を過ごしているという。 「その方が、ウォルタ…
「急に連絡よこしてスタジオ貸せって、お陰で予約してたバンドに『機械の調子が悪い』とか何とか誤魔化して、キャンセルさせる羽目になったんだぞ⁉︎」 「サンキュー、ライリー! 分かってんじゃん」 「このクソガキが! 変わらず元気そうじゃねぇか」 スタジオ・オーナーのライリーとマークが、お互い叩き合いながら抱擁を交わしているのをバイトを無断欠勤となってしまった僕は、バツの悪い思いで眺めていた。 するとライリーが 「おめーはよく、警官ボビーの言いなりにならなかったな? 思いのほか気骨があるじゃねーか! 見直しだぞ、頑張ったな」 そう笑いながら大きな手で僕の頭を揺らした。 恥ずかしさと嬉しさで目頭が熱くな…
オリジナル絵本『かなしみさん、君と素敵な絵を描こう』の作画過程を記しています オリジナル絵本『かなしみさん、君と素敵な絵を描こう』の作画過程を記しています
ご依頼者様が自然環境や幼児教育の専門員であることから、忠実な描写も残しつつ、愛着のあるキャラクターとなるよう心がけました。 ハンコで手押ししたときのような、温かく懐かしい、優しい表現も大切にしました。 Illustratorのみで描いているベクター画像のため、拡大縮小や色彩変更等も可能となっています。
「博士は冒険家と言ってるけど、本当は発明が専門なんだ」「そうなんですか」いざない達が見えるくらいの距離を進むジンホウとれいり「自分に必要な物しか作らないから、今みたいに欲しいと意思表示しないと協力してくれないけどね♪」 〈いざない、ペース落とすし!〉〈これくらいついてこい!〉 「へえ~」「いざない君の眼鏡作ったのも…
1月中の仕事 チベットビールラベルと「しかばねの物語」絵画展
■1月中の仕事 2024年明けまして、遅くなりましたが、 皆さま今年もどうぞよろしくお願いいたします。 今年は元旦から悲しい衝撃の出来事が立て続けに起こり…どうか、少しずつ皆さんが平穏な日常を取り戻されますように…。 いつもお世話になっている、 東京・曙橋のチベットレストラン&カフェ タシデレさんの オリジナルクラフトビールのラベルを描かせて頂きました。 絵は私蔵西、デザインは辰砂です。 ビールのお披露目がまだなので、ラベルが公開できないので、 ラベル作成途中のラフと、クリスタでの作成途中の画像を貼ります。 タシデレ オリジナルチベットビール ラベルラフ4点。ここから選んで頂き、本描きをしてい…
「誰かサポートに入ってもらうとか?」トニィはそう言ってフレッドの顔色をうかがった。 曲はともかく、詩の大半を書いているフレッドには気を使ってしまうみたいだ。 「……僕達の曲を、メンバーじゃない人に弄られるのは嫌だよ。アイディアを盗まれたくないしね」 案の定、ムスッとするフレッド。Aレベル[大学入学資格試験]が近いせいか、イラついてるな。 僕は彼の肩を軽くさすってご機嫌を取った。 「オリジナル曲じゃなければ、サポートしてもらってもいいんじゃない? たまには息抜きも必要だよ」 しょんぼりとしていたトニィがパッと顔を輝かせた。 「だったら久々に、セント・ブライアンズで演らないか? ウォルターに頼んで…
菩提樹から「光明」という小冊子が送られ、この中に「仏教童話」があります。「仏教童話」とは、仏教の教えを子どもでも理解しやすいように物語にしたものです。仏教中心の問題が書かれているのですが、平明に書かれており、とても読みやすいです。挿絵もあるので、私は好
清水寺、金閣寺、平安神宮 etc.――一日中オフをもらった僕等は待ちに待った二度目の京都見物にテンションを上げていた。 前回プロモーションで来日した時は番組収録を兼ねていたから観光らしい観光はできなかったけど、今日は自由に回れるってことで皆んな凄く楽しみにしてたんだ! 東京のハイテクな街並みも面白いけどやっぱり京都の、このエキゾチックな雰囲気には魅了されてしまう…… 僕は買ったばかりの日本製カメラでフィルム代のことも忘れあちこちシャッターを切って回った。 好奇心一杯のマークが 「うぉー! すげぇエキサイティング! ヤス、あれは何だ!?」 と、そこら中を駆け回り同行のカメラマンが困ってるよ。マー…
――五日後「うれしいですねぇ」幻獣の森入口では明るく陽気な声が響いていた「まさかこんな早くに又ビイス君達に会えるとは」「…頼むから邪魔だけはすんなよ」「分かってますって〓」いざないは面倒くさそうにジンホウを見ている「…大丈夫かなぁ。十人くらいいるんでしょ…捕まえられるかな私……」マルーの仕事と聞いていた…
■12月中の仕事 東京の出版社で打ち合わせがあり、その準備をしたり、 鶴見大学での講演イベント「内陸アジアの高地文化に触れてみる」に 物販売り子としても参加したり、 その他来年のイベントの打ち合わせをしたり。 師走らしい、来年への準備をした月でした。 そして、3か月かかったリフォーム工事が終わりました。 長かった…。 12月は最後の追い上げで、塗装やクロス工事や新しい畳、襖、障子が入り… と、工事が目に見えてぐいぐい進み、 決めることも多くて、慌ただしかったです。 3か月の工事が進んでいくうちに、 様子が見えるのでアイデアが次々浮かんでしまい、 追加で間接照明を設置して頂いたり、 給湯器やエア…
ここのところ、断続的にPixivに自作の超短編小説を投稿してました。 随分と前に書いたものだったのですけど、「そういえばPixivは絵だけでなく、小説もあげられるんだった」と気づきまして。 で、Pixivの小説投稿機能を見てみたんですが、これが素晴らしい! ルビはつけられ...
「そんな時間あんのか⁉︎ また強引にプロモ入るんじゃねーの?」 「縁起でもないこと言うなよ!」 〈バサッ!〉 マークを小突いたトニィの振動で僕がシートに置いていた手紙の束が落ちてしまった。それをフレッドが拾いつつ 「まだファンレター読んでんの? 車の中で、よく読めるね……僕は気持ち悪くなっちゃうよ」 と呆れながら手渡してくれた。Thank you ! 「だって溜まっちゃってさぁ、昨日読めなかったから」 手紙の山を軽く叩くとマークが覗き込んできた。 「これってファン・レターってよりも、ラブ・レターだよなぁ?」 「オレなんか凄いの貰ったよ!『トニィ、第二夫人でいいから結婚して♡』って、もうルイスの…
本日の体重は、51.9㎏。ポカポカ陽気の中を7.5㎞走ってきました~ 暑いのなんのって、冬じゃなくて秋のような気候ですね~ このまま暖冬で終わってくれるといいのですが…。 今日は、朝から洗濯槽と換気扇のお掃除もしました。そして、息子からのリクエストに応えて大学芋をつくっ...
「泊めるならジェムん家ちの方が、広くて余ってる部屋あんだろ⁉︎」 そう、ルイスはヤスの家で世話になることになったんだ。 「だって僕の家は基本フレッドと僕の男2人だけだから、いつ始まっちゃってもおかしくな――痛っ!」 僕の下品な冗談にトニィの鉄拳が飛んだ。彼は僕を押し退けヤスの両手をガッシリ握ると大きく上下に振り出した。 「すまないなぁ、ヤス。君の家なら超〜安心さ!」 「あ〜らヤスアキ、私が居たら迷惑かしら?」ルイスが横目でヤスを見る。 「恭章、何してるの⁉︎ 寒いんだから、早くリビングに上がってもらって?」奥からユミコの声がして仕方なくルイスを手招きするヤス。 そんな2人を見て、ほくそ笑んでい…
feat. Samantha Fox カクカク揺れる僕を尻目にフレッドがクスッと笑う。 「大丈夫だと思うよ? ルイスの方も〝その気〟なんじゃないかな!? あのスーツケースの中の高級そうなランジェリー、セクシーなドレスにブランド物の化粧品なんて、気合い十分――」 「見ないでよ⁉︎」 振り向くと、真っ赤な顔したルイスが立っていた。 「化粧品は、お姉ちゃんの会社のサンプル品だから」 別に気張ってるわけじゃないと憤慨するルイスの後ろに棒立ち状態のヤスもいたのは驚いた。 安堵のトニィが立ち上がり「良かった、心配したよ」とルイスを抱き締める。 そんな2人にフレッドは 「だって、スーツケースをあんな風におっ…
「お願いね」『キャン!』れいりの装備袋を背中に置いたモコモコは、小さな足を前後に動かし奥へと走って行った 「よし!」 足を肩幅に広げ腕を伸ばしストレッチ。大きく深呼吸すると眼前の森を見据えた わしゃわしゃわしゃ…ボフッ 「…お前等マジでこれ気に入ってんのか!?」 くく…<…
「と、とにかくLAに帰るんだ! オレ達のことは大丈夫だから」 「なんで⁉︎ こんな時こそ側にいたいのに、どうして分かってくれないの?」 2人のやり取りで察した僕は思わず口をついて出てしまった。 「もしかして、まだ⁉︎」 もしかすると僕は、トニィより先にルイスのヌードを見ちゃったのかもしれない……(Oh God !) ◇ ◇ ◇ 次の日の夕方慌てた様子のトニィから電話が掛かってきて、僕とフレッドはトニィが待つルイスの宿泊先ホテルへ向かった。 ロビーには「ルイスと、はぐれた」と青ざめた表情のトニィが立ち竦んでいた。 昨日のことで、デート中に話し合っていたらルイスが怒って駆け出して行き雑踏の中に消え…
僕はヤスの頭を、軽く小突いた。 「まさか学校の女の子にも、あんな態度じゃないだろうね? そんなんじゃ彼女できないよ!?」 「あんなウザイ女に比べたら、クラスのお喋りな女子達の方が、まだマシじゃん」 ヤスの奴、鼻で笑ってるよ。 そして勢いよくドアが開きトニィとルイスが戻って来た。何か揉めてるみたいだ。 「もう知らない、トニィのバカ!」 「とにかく最初の予定通り、明後日の便で帰るんだ!」 珍しくトニィが大声を出し、僕は慌てて2人の側に駆け寄った。 「どうしたんだよトニィ、ルイス泣いてるじゃないか⁉︎ ルイス、両親にOKもらえなかった?」 ルイスは首を横に振る。 「ママは理解してくれたわ。でも私、も…
「分かりました。もうしばらくかかると団長には伝えておきます」「すみません。よろしくお願いします」言伝を受け歩いて行くまいちの背を深々とお辞儀してれいりは見送った (いざない、許すまじ!!) 鬼の形相をしたれいりは握り拳に力を込め怒りに満ちている「やはり血筋か。もう一人のプリセプスと似てる所がある」「!?」
僕等は帰る気にもなれずだからといって何をできるわけでもなくその場に、たたずんでいた。 そんな重々しい空気の中とうとうルイスが口を開いた。 「ちょっと、皆んな元気出しなさいよ?」 しかし、彼女に応える者はいない。 「まさか、デビューできないってわけじゃ、ないんでしょう?」 ルイスはトニィの袖を引っ張っるも、彼は深く考え込んでしまっている。 「……駄目なの? ねえ、どうなの⁉︎」 そんなルイスにヤスの堪忍袋の緒が切れた。 「うるせーなっ、少し黙ってろ!」 「あんたの方が、うるさいっつーの!」 僕は溜め息一つ、なだめるようルイスに説明した。 「仮にデビューできたとしても、それだけで成功できるわけじゃ…
「なんなの、あの態度⁉︎ ちょっとは認めてくれても良くない?」 口を尖らせてトニィに訴えるルイスに反応してヤスは意地悪そうに笑った。 「へえー、俺に認めてもらいたいんだ?」 次の瞬間、ルイスはヤスの足を勢いよく踏んだんだ! 「だ、大丈夫かヤス⁉︎」焦るトニィに 「……別に」と顔色一つ変えないヤス。 だけど休憩時間トニィとイチャついてるルイスを見て彼女には分からない日本語でずっと悪口を言ってたんだ。(ヤスって冷静なのか陰険なのか、分からない) とにかくこの2人は、すっかり犬猿の仲となってしまったみたいだ。 この後も僕等は順調に進めていき全てが上手くいっていると思えたのに突然、予想外のトラブルが起…
「別に。ただ、あの手の女は気に入らない。あの甘えた甲高い声も虫唾が走る」 ヤスにしては、珍しく感情的だ。そこへスティーブンが2人の男を連れてやってきた。 「紹介しよう。彼が米国本社の重役広報部長レッド・レイノルズだ。そしてこちらは、プロデューサーのチャールズ・カーツ君だ」 スティーブンの話では、レッドは先ず僕等の写真に目が止まりデモを聴いて興味を持つと直ぐ英国支社に連絡したそうだ。そして、ロバートとの経緯を知ると新進気鋭のプロデューサーチャールズに白羽の矢を当てた。 僕等が2人の前で演奏するとレッドもチャールズもバンドの才能を確信してくれたんだ。これでロバートは、お払い箱さ! 早速、心機一転ス…
フレッドの学校は共学だからクラスに可愛い子がいるかもしれないしね!? 「好きな子ぐらい、いるんだろう?」 僕の執拗な突っ込みに観念したのか真っ赤になりながらも、話してくれたよ。 「恋……かどうかは分からないけど、忘れられない女の子はいるよ」 「へえ〜どんな子⁉︎ その子、今どうしてる?」 好奇心いっぱいにそう尋ねると 「さあ……どうしてるだろうね。その子はダッドと住んでいた時、仲良くしてたんだ。ほら、前に話したでしょ? 僕にキーボードを教えてくれたガキ大将のサム、あいつの妹なんだ。でも――」 うつむいていた顔を上げ遠い目をして 「僕、彼女を傷つけちゃったんだ。謝る間もなく彼女達は引っ越して行っ…
某製薬会社様三つ折り医療リーフレット用イラストを10点ほど描かせていただきました。表紙イラストと中面挿絵になります。* * *リーフレット・パンフレット…
2018年配信の映画の紹介です監督は、ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン。オムニバスの西部劇映画です。主演・出演は、ジェームズ・フランコ、ブレンダン・グリーソン、ゾーイ・カザン、リーアム・ニーソン、ティム・ブレイク・ネルソン、トム・ウェイツ。(あらすじ)本のページをめくりながら、タイトルと挿絵を紹介します。『バスターのバラード』カウボーイのバスターは、馬のダンに語り掛けながら歌を歌います。バーに入ると禁酒条例が出ていて酒が飲めないものの、無法者は飲んでいる始末です。間もなく無法者がバスターに襲い掛かります。次のバーではバスターは入り口で銃を没収されますが、やはりたてつく男を自殺に追い込むのです。間もなくバスターを探していたという黒ずくめのカウボーイが現れます・・・『アルゴドネス付近』平原に一軒だけ立つ...「バスターのバラード」
pick out: Pretty in Pink 「そんなブス、私の方が全然キレイだし、スタイルもいいっつーの!」鼻息を荒くするルイス。 思わず彼女のヌードが脳裏に浮かび納得して顔を赤らめる僕の背中を、フレッドが気の毒そうにポンポン叩く。 その様子を見たルイスはさっきまでの勢いはどこへやら、躊躇うように呟いた。 「じゃあ、この2人ってことよね⁉︎ トニィがロンドンに留まっている理由は……バンド、デビューするんでしょう?」 「この2人だけじゃないよ⁉︎ 後ヤスと、今はカナダだけどマークもいるし、スゲェいいバンドなんだ!」 トニィは嬉々として言ってるけどそういうハナシじゃないと思うよ。 「……もう…
僕はルイスをなだめなきゃと変に焦ってしまった。 「大丈夫! トニィとあの人は何でもないよ、害はないよ?」 「あったり前でしょ⁉︎」彼女は一睨みして話を続けた。 「それでトニィからの手紙を頼りに、ここに来てみたの。詳しい住所は知らなかったけど、写真を見せたらタクシーの運転手さんが良くしてくれて……」 そういえばトニィがまだロンドンに来たばかりの頃、あちこち写真を撮りまくってたっけ。確かに家の前でも皆んなと写った覚えがある。 「でも、どうやって家に入ったの?」フレッドが怪訝な顔をする。 「チャイムを鳴らしたら女の人が出て……事情を話したら、中で待ってていいって言ってくれたの。彼女急いでいたみたいで…
夏休みの自由研究の挿絵にいかが?邪馬台国の女王「卑弥呼」イラスト
卑弥呼(ひみこ)とは 「卑弥呼」はニ〜三世紀の日本にあった邪馬台国の女王。 当時戦争ばかりが続いていたこの国に難儀した首長たちは、 相談し合って今ま…
「どうしたの⁉︎」 慌てたフレッドがバスルームに顔を出した途端、彼は顔面にシャワーのミサイル攻撃を受け、カーテンの影から見知らぬ若い女性が甲高い声で怒鳴ってきたんだ。 「何よあんた達⁉︎ レディが入浴中にスケベ! チカン! エッチ!」 僕は一瞬(本当に一瞬!)彼女のヌードを見てしまい驚いてよろけて倒れちゃってもう頭の中はクラクラ!何が何だか分からないうちにフレッドが引っ張って起こしてくれた。 びしょ濡れになったフレッドもしどろもどろだ。 「そ、それは悪かったけど、でも君は誰⁉︎」 「あーもう、分かってるから早く出てって! 私が出られないじゃない!」 僕等は慌ててその場を離れると濡れた服を着替え…
スティーブンを連れてきてくれたヤスには感謝するよ。 もし、あの音を聴いた時スティーブンがいなかったら僕等だけでは、対処できなかったに違いない。フレッドも吠えるどころか固まってしまっていたし…… 僕は心底、フレッドに悪いことをしたという気持ちで一杯だった。 暫くすると、ウェイターがやってきてスティーブンに電話だと耳打ちした。 重苦しい空気の中、食事を進めていると電話から戻ってきたスティーブンがさっきまでとは違った明るいトーンで話し始めた。 「皆んな、朗報だ! ノーマンレーベル米国本社が、君達に興味を持ってきたぞ。重役広報のレッド・レイノルズが、君達に目を付けたんだ。レッドとは旧知の仲だ。早急にア…
「オレが思うに、一度ロバートの言う通り演ってみたらどうだろう? 1曲だけでいいから。そうすれば彼のやりたがっていることが分かるし、それが本当にオレ達に合ってるかも、解るんじゃないか⁉︎」 このトニィの意見を聞いて僕とフレッドは顔を見合わせると勢いよく彼に飛びついた。 「なんてグッド・アイディア!」「君は僕等の新たなリーダーだ!」 「おい、2人とも離せよ!? 首しめるなって!」トニィは照れて真っ赤になった。 彼は僕より7ヶ月ほど年下だけど大柄な体格のせいか頼り甲斐がある印象だ。安心できるお兄さんタイプだから誰にでも好かれるアメリカン・ボーイなんだ。 そんな彼が、密かに悩みを抱えていたなんてこの時…
児童書 食べてうれしい 贈ってしあわせ ハピかわ お菓子のレシピ 池田書店様
【掲載のお知らせ】児童書 食べてうれしい 贈ってしあわせ ハピかわ お菓子のレシピ 池田書店様 2022年11月24日発売予定の児童書 食べてうれしい 贈ってしあわせ ハピかわ お菓子のレシピ (池田
「こんなの落ち着いてられないよ! ジェムがそんな奴だったなんて、がっかりだよ」 そう言われて僕も黙ってる筈がない。 「お前こそガキなんだよ。自分の理想ばかりで、周りの状況が見えてない。ロバートの、第三者の意見だって、ちゃんと聞くべきだ」 「聞いてるよ⁉︎ 聞いてて気にくわないから言ってるんだ。ハッキリ言わせてもらえば、ロバートの音は僕達には合わないよ。僕は自信あるんだ。僕達の音じゃなければ、売れっこないってね!」 「2人とも、兄弟ゲンカはやめろって! おいヤス、何とかしてくれ?」 トニィが助けを求めるも 「くだらないね」 そう呟くと、ヤスはスタジオから出て行ってしまった。頭を掻きむしるトニィ。…
軽く痺れる手を押さえ、いざないは何も無い部屋の中を警戒しながら見回している。『カチ』と言う音がしカベのパネルがスライドすると無数の穴が出現した ブシュウウウウ 「!!」穴から大量の煙が噴出しいざないに噴きかかる「ヒャヒャ…」窓で観察してたプロパガショネムは煙で充満した部屋を見て歪んだ笑いをしている「できた…あたしゃ…
「ジョージが言ってたんだ。セント・ブライアンズは、たくさんのミュージシャンをバックアップしていて、金銭的に厳しい状態が続いてる。このままだと経営が危ないって。オーナーとウォルターの間も危ういらしい」 皆んな一瞬、言葉を失いフレッドが戸惑うように呟いた。 「ウォルターには、いっぱいお世話になってるし、何か力になってあげられるといいんだけど……」 「俺達にできることって……なんだろう?」 「……とにかく、先ずは良いアルバムを作ろう」 「そうだな!」 トニィも納得し、僕等は改めて決意を固めた。 ◇ ◇ ◇ それから暫くして、スティーブンがアメリカからロバート・ネルソンというプロデューサーを連れて帰っ…
「電話も早かったし、さては振られたな?」 「何とでも言えよマーク。彼女は長電話するタイプじゃないんだ。なのに『全英No.1おめでとう』って、わざわざ電話をくれたんだよ。優しいだろ?」 今頃〜⁉︎ なんて突っ込みは聞いちゃいない、デレるトニィ。そのパン、何個目? 「でも本当は、一緒に来て欲しかったでしょ?」 フレッドが心配そうにトニィの顔を覗き込むも 「まあ彼女は学生だし、しょうがないよ。それに、日本の次はLAだから」 来週には会えると、嬉しそうだ。 「あ~あ、オレもちゃんと彼女つくろうかなぁ」 マークの奴、今のは本気マジだな。ちょっと探りを入れてみようか。 「それは良い傾向だね。で、君の好みの…
「ポールに相談した結果、この中でオレ達に相応しいと思うのはノーマンレーベルだ。なんたって母体のノーマン・ミュージック・レコードは、アメリカが本社の巨大なレコード会社だしな。ただ、契約金が他所に比べるとイマイチで――」 「君達が私をマネージャーとして雇ってくれたら、ノーマンレーベルの契約金を倍にしてあげよう」 そう言いながらドアを開けて入って来たのはポールの友人、スティーブンだった。 彼の言葉に、皆んな驚きを隠せなかった。 スティーブンは若い頃ポールのいた世界的に有名なバンドのサポート・ミュージシャンとしてポールと共に世界中を駆け巡り、音楽業界のことを知り尽くしていた。 ステージから離れた後は活…
「あー撮影だけは、どうも苦手だ」 ぐったりしているマークを見て、タナベさんがクスッと笑う。 「紙面でしか君達に会われへん、たくさんのファンのために頑張らな!」 「でもインタビューって、どこも同じ様なこと聞かれるし……」 そう溜め息を漏らすヤスの肩を軽く叩きながら僕も頷いた。 「そうだよね。逆に僕等の方から、インタビューしてみたいもんだよ?」 「おっ、それイイじゃん! ねぇ君、電話番号は? 今晩、空いてる?」 すかさず、タナベさんに言い寄るマーク。 取材から逃げようとしたクセに彼女が若くて美人だと知ったらコレだよ、現金なヤツ! トニィは笑ってるけどフレッドも「そんなのインタビューじゃなくて、ただ…
朝食を食べにレストランに向かう途中フロントのお姉さんがトニィを呼び止めた。 「先程ルイス・ミッチェル様から、お電話がございまして――」 「えっ、ルイスから⁉︎ ジェム、キー貸して!」トニィは慌てて、部屋へ戻って行った。 The Starlight Night の中では今のところトニィだけがステディな彼女持ちなんだ。信じられる⁉︎ 別に皆んなモテないわけじゃないのにね!(多分) 僕はブッフェからシリアルとコーヒーをセレクトして 「朝からラブ・コールか、羨ましいね」 とボヤキつつ、席に座った。朝は、あまり入らないんだ。 フレッドは、美しく盛りつけられた皿を両手に持って 「今、LAは何時だろうね? …
ザッ…ン ドバッ 噴き上がる鮮血にいざないは目を見開く。ディック、るうりん達は戦慄した コテッ れいりは風に吹かれた様に軽く倒れた「れいり!!」 だっディックは急いでれいりに近づき状態を把握する「れいり! れいり!!」「…」「血が凄いよ!! どうしようっ…
週末はデーゲームが多いので、ブログの更新にも比較的時間に余裕がある。そこで、この頃は自前の挿絵を入れて遊んでいる。イーグルスの選手の似顔絵が中心だが、意外と特徴を掴んでいるんじゃないか...。自分の隠れた才能に驚いているw。はじめは専用のアプリを使って描いてみようと、ibisPaintの無料版をダウンロードしたのだが、使ってみるとどうもしっくりこない。単に使いこなせていないだけだというのは分かっている。電子ペンの安いやつも入手して試したが、感度が悪くてストレスはたまるばかり。もっと高級なペンだと違うのかなぁ。...とも思うが、買ってまで試す熱意は今のところなしw。指だと感度は良くなるが慣れるま…
ココナラで「イラスト作成のサービス」始めました!イラスト出品サービスを増やしました。窓口は多い方がいいらしいので、効果があるかは分かりませんがこんな感じのサービスになります。4月末まで挿絵・広告・背景イラスト3点商用利用込みで3000円からで引き受けます!キャ
休園となっている植物園の前にれいりは現れる「よし!」キィと軋む鍵の掛かっていない扉を開き、れいりは気合を込め中を進む(いた!!)入り組んだ植物を掻き分け数メートル、さっき見た緑の帽子を発見 「リムさん!!」 驚いて振り向くリム。側にはリムの他数人がリム同様驚いてれいりに視線を向けた