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それは幻の…夢見るホテル 番外編 ゴースト…永遠の幻(その後の物語)…5
「キミは、あそこへ行ってはいけない」 なぜか老人は、強い口調でそう言う。 ピピピピピ…やけに鳥たちが、かしましくさえずる。「あの人が…来たのか?」 目に見えて…
それは幻の…夢見るホテル 番外編 ゴースト…永遠の幻(その後の物語)…4
もう主がいないというのに…ここだけは変わりなく、時が流れている。門から続く植え込みは、さすがによく手入れされていて、まるでどこかの庭園を模したように、プラン…
それは幻の…夢見るホテル 番外編 ゴースト…永遠の幻(その後の物語)…3
「よかったら、こっちへ来るか?」 ふいに老人は、彼に向かって手招きをする。「こっちって?」興味をひかれて、聞き返すと「単なる庭なんだけどな」そう言うと…ついて…
それは幻の…夢見るホテル 番外編ゴースト…永遠の幻(その後の物語)…2
「あの」 思い切って、その老人に彼は話しかける。もしかして、何か知っているのだろうか…彼はひそかに期待する。すると老人の目が、ピカリと光る。「もしかして…アイ…
それは幻の…夢見るホテル 番外編 ゴースト…永遠の幻(その後の物語)…1
カサリ…と足音がした。真っ平になった台地には、雑草が再び覆いつくしている。あれほど整備されて、美しかったこの森は、すっかり様変わりして、ぼうぼうと草のはびこ…
「あぁ~やっぱり、行ったんだな」 空に、一筋の流れ星が、空を駆け抜ける。それを見上げて、老人はつぶやく。 あの日…ホテルが消えた日…2人の男が、姿を消した。…
その時、チリン…とオルゴールが音をたてると、ゆっくりと人形が回り出す。(えっ?)何で…回るんだ?風のしわざか?驚く恭介の耳に…「キョウスケさん…」「キョウス…
橋本は、タオルを首にかけると、備え付けの冷蔵庫をのぞき込む。「あっ、おまえ! ここで飲むより…買ってきた方が、安いんだぞ」思わずたしなめる恭介だ。だが橋本は…
その夜、オルゴールをベッドサイドに置く。「おまえ…持ってきちゃったのか?」呆れ顔で、橋本が言う。「だって、犬井さんが」ややムッとして、恭介が言い返す。「そう…
「さぁ…もう、君の用事は済んだんだろ? 帰りなさい」 どのくらい、眺めていたのだろうか。気が付くと、恭介と橋本と犬井さんの3人だけになっていた。ブルトーザーや…
(そんなバカな) そう思うのに…ネジも巻いていないのに、勝手にオルゴールは音を奏で始める。「危ない」いきなり犬井さんが、恭介の手を引いた。ハッと我に返る。する…
「ソウさん!」 なんで、ここにいるのか? どうして、止めるのか?彼のらしからぬ行動に、恭介は言葉をなくす。「困ったものだ…」だが犬井さんはため息をつくだけで、…
「あの人も…ここが居場所だったからなぁ~」 そうため息をつきながら言うので、「犬井さんは、これからどうするのですか?」トラックが入って行くのを見つめながら、そ…
「えっ?これは…」 その人形は、見覚えのあるものだった。それは…あのホテルの入り口の近くにあった、オルゴールの人形だった。トゥシューズをはいて、足を高く掲げて…
「でも…犬井さんに、頼まれたんだろ?」 恭介が言うと、橋本も真剣な顔つきになり、「そうだな」短く答える。『あのホテルの最後を、見守って欲しい…』犬井さんは、そ…
「これは…ボクにしか、探せないんだ」 なぜだか、恭介たちに顔をそむけて、そう言う。橋本が戸惑っているのが、何となくわかる。ソウさんが、何を探しているのかは、わ…
「ま、とにかく…やるだけ、やってみるさ!」 橋本が、気休めのように言う。2人はすぐに、ソウさんの家へと向かう。 あちこちに、売地と書いた看板が目に付く。それ…
「ソウさんの様子がおかしい。 頼むから…目を離さないでくれ」 犬井さんからの突然の電話に…恭介は戸惑う。どういう意味か?監視しておけってことか?恭介は、橋本に…
道中は、2人とも口が重たく、しゃべってもひと言二言で、すぐに黙り込んでしまう。「大丈夫か?」チラチラと橋本が、ミラー越しに恭介の様子を気にしている。「大丈夫…
ついに、ホテルにブルトーザーが入る日が来た…と聞いたのは、それから2週間後のことだった。「おまえ、行くのか?」心配そうに、橋本が聞く。「当たり前だろ?」当然…
「たのもしいな!」 犬井さんは、ハハハ…と豪快に笑うと、「また、連絡する」クルリと背中を向けた。「あっ…」 犬井さんは、何しに来たんだ?ふいにそう思い、恭介は…
確か管理している…と犬井さんは言っていた。それならば、知っているはずだ…と恭介は思う。 すると先ほどまで、恭介の目をじぃっと見つめていた犬井さんが、ふっと…
「えっ?」 なんで、知ってるの…?「そりゃあ、わかるさぁ~」なぜだか自信満々の顔をして、そう言う。「どうして?」まさか…中身を知ってるのか?(いや、むしろ…手…
「なんだ?」 今さら、見つかっても…と思うけれど、足元に白っぽいものが落ちている。 なんだ?すぐに恭介はしゃがみ込むと…すれはネックレスのように見えた。 なに…
以前のように…不思議な光りが出てきたり、オルゴールが鳴ったり…というような珍現象は怒らなかった。恭介はホッとするものの…何だか物足りなさを感じる。もう2度…
光の加減か?それとも…何かが光ったか?「心当たりは?」橋本が聞くけれど…「いや、ない」恭介は頭を振る。 今まで、心霊スポットと名の付く所に、行ったことは…
階段の手前の、雑草だらけの空き地に…ポツンと見覚えのあるバッグが置いてあるのが、目に入った。「あった…」まさか、本当にあるとは思わなかったので、恭介はホッと…
取り付く島もない…というのは、このことだ。「おい、行くぞ」橋本が突っつくと「わかった」何だかまだ、気になるけれど…恭介は仕方なしに、家に背を向けた。 再び…
「ここがなくなったら…ソウさんは、どうするの?」 恭介の問いにも、彼は頭を振るばかりで、答えてはくれなかった。彼はゆっくりと、椅子から立ち上がると、「何にもな…
「やぁ、調子はどうだ?」 恭介よりも早く、橋本が声をかける。「ん…まぁ…元気だ」そう言うと、ボンヤリとした表情で、恭介の姿をようやくとらえる。「あっ、久しぶり…
「ソウさん…どんな様子だったか?」 そう言えば…自分は、彼の連絡先を知らない…ふと、恭介は気付く。もしかしたら、自分のことを待っている間に、橋本はソウさんと話…
車から降りると、まっすぐにソウさんの家へと向かう。迷うかな、と思いきや…思いのほか、入り口の近くにあるようだった。「犬井さんに家って、どこなんだろうなぁ」ポ…
ここは以前に…犬井さんに指示されて、止めた場所だ。あの時は軽トラに乗っている犬井さんとソウさんに、出会ったのだ。「何だか…ずいぶん、静かだなぁ」恭介と同じこ…
「えっ、そうしたら…もうあのホテルが、なくなるのか?」 恭介の心が、大きく揺れる。「そうだよ」だが橋本は、平然として言う。「だから…これが最後だ。 しっかりと…
「あれから、調子はどうだ?」 恭介のことも気になるのだろう。さり気ない、いつもの軽い調子で、橋本は聞く。「別に…何もないさ」そう言いながらも、何か浮かない顔付…