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梅雨のような空と、とりつかれちゃった?魔法の扉 第5章 ユーレイの傾向と対策について…3
こんばんは!daisysackyです。今日は午後から、雨が 降ったりやんだり。九州四国地方は、梅雨入りしたそうですね。こちらも~時間の問題だと思います。午後か…
怪談 ~寿命~ カウンター席しかないバーでオカルトが好きな常連客の3人がインテリジェンスデザインの真偽について話をしていたが、議論が尽きたのか、みな次第に口数が少なくなってきた。そんな時、常連客の一人、40代くらいで身なりの良いスーツ姿、皆から”先生”と呼ばれる男が、知り合いの男性から不思議な力の話を聞いた、と話を始めた。 その男性の名前は宮下といいます。彼には、人の寿命の残り日数が見えるという不思議な力がありました。相手の顔をじっと見つめると、頭の中に数字が浮かんでくるのです。それが、その人の命が尽きるまでの日数でした。幼い頃、宮下さんはその数字の意味を理解していませんでした。しかし、数字の…
はーちゃん お誕生日おめでとう(ロンロンのお誕生日✙なんでだろ・・・)
今日6月7日は、ハーデル(はーちゃん)の12歳のお誕生日我が家に来てくれてありがとう・・・ 2日から原因不明の体調不良になったけど昨日からご飯が食べられるよう…
梅雨入り間近~とりつかれちゃった?魔法の扉 第5章 ユーレイの傾向と対策について…2
こんばんは!daisysackyです。今日はかなり暑くなる…というので、ネックチューブを首に巻いて、結局体操教室へ!風が吹いていたので、暑いけれども、まだマシ…
怪談 ~再生~ 熱気を孕んだ八月の風が窓から吹き込み、一翔の部屋に散らばる漫画雑誌のページをめくった。高校の夏休み、同級生の一翔、勝、壮真、そして守は、惰性のように一翔の家に集まっていた。蝉時雨が容赦なく降り注ぐ昼下がり、どこか倦怠感を覚える時間を破ったのは、勝の一言だった。「なあ、夜になったらさ、肝試し行かない?」その提案に、一翔と壮真の目が光る。勝はニヤリと笑い、皆の視線が守に集まった。守は、普段から物静かで、刺激を求めるようなタイプではなかった。「肝試し…どこに?」一翔が尋ねた。勝は少し声を潜めた。「この町の外れにあるだろ? あの刑場跡地。」その言葉に、部屋の空気が一瞬にして冷えた気がし…
まるで真夏!とりつかれちゃった?魔法の扉 第5章 ユーレイの傾向と対策について…1
こんばんは!daisysackyです。今日は風が気持ちよいものの…かなり暑くなりました。もう、夏になった?という暑さで。今からこれだと~私は大丈夫だろうか?…
一番古い記憶は~とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…71
こんばんは!daisysackyです。今日は昼前くらいからかな?パラッと雨が降り、その後は降ったりやんだりの天気です。ちょっとムシッとするものの、日射しがない…
新たに現れる扉?とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…70
こんばんは!daisysackyです。今日はとてもいい天気でした。風が強いのですが、暑い1日でした。 もう夏になるのか?という天気です。今年の夏も暑くなりそう…
やっぱり花が好き!とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…69
こんばんは!daisysackyです。今日は曇りの1日でした。降るか?と思っておりましたが…どうやら、これから降りそうです。( まぁ、もってくれて~よかったか…
もうすぐ暑い夏?とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…68
こんばんは!骨無しです。今日は暑くなりましたが、風があって、比較的過ごしやすく感じました。(明日はもっと暑くなるとか?)( ̄▽ ̄;)まぁ、仕方がないですよね?…
コツコツ貯めるのが私流…とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…67
こんばんは!daisysackyです。今日はどんよりとした曇り空でして、一瞬パラッと きたりもしましたが、晴れてきました。それに、今日は涼しい~暑くならなくて…
私は時々、誰かに見られているような感覚になることがあります。「あ~・・・、今、誰かに見られている・・・」と感じる時は、だいたい寝ている時に起こります。夜中に布団で寝ていると、何があったわけでもないのに急にふっと覚醒する時があって、目をつぶっ...
汗もデトックス?とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…66
こんばんは!daisysackyです。今日は昨日よりも、気温が低く、風が吹いていたけれど…やはり暑い1日となりました。明日は大雨が降るかも?ということなのです…
怪談 ~瞼~ 目を閉じると瞼の裏に映る人影。常にではないが、それは現れる。そしてそれは笑いかける、俺に向けて。最初は気のせいかと思った。疲れているだけだと。しかし、その影は日に日に濃くなり、笑みは嘲笑の色を帯び始めた。まるで、俺の心の奥底にある弱さを見透かしているかのように。ある夜、眠ろうと目を閉じた俺は、恐れつつもついにその人影に問いかけた。「お前は、一体何者なんだ」しばらくの沈黙が続いた後に、それはゆっくりと応えた。その声は、まるで壊れたオルゴールの音色のように、耳障りで不快だった。「私は、お前の心の影。お前が目を背けている、真実の姿だ」まさか反応があるとは思わず、俺は絶句し言葉を続けるこ…
怪談 ~日記~ 数年前、私は趣味のカメラを持って、廃墟となった古い洋館を訪れた。蔦が絡まり、窓ガラスは割れ、内部は荒れ放題。それでも、どこか惹かれるものがあり、夢中でシャッターを切っていた。その洋館の一室で、私は古い日記を見つけた。表紙は色褪せ、所々破れている。興味本位でページをめくると、そこには若い女性が書いたと思われる手記が綴られていた。内容は日常的なものだったが、次第に「何か」に怯えるような記述が増えていく。「昨夜も、あの視線を感じた。誰もいないはずなのに…」「誰もいないのに私を呼ぶ声が聞こえてくる...」「お願い、私を見つけないで…」日記の最後は、乱れた文字で「もう、逃げられない…」と…
建設会社で働くSさんは、夜の現場作業を終えた帰り道、唐突にラーメンが食べたくなった。 時計を見ると午前1時をまわっていた。 普段ならまっすぐ帰宅する時間だが、その夜は空腹が勝っていた。 車を運転しながら見慣れぬ路地にハンドルを切った。 住宅街の裏手に入ると急に街灯がまばらになり、あたりは薄暗くひっそりとしていた。 そんな中、一つだけぽつんと明かりのついた古い木造の建物が目に入った。 看板は薄れて文字が読みづらかったが、暖簾には確かにこう書いてあった。 「ととの屋」 昔ながらの雰囲気にひかれて、Sさんは車を停めて店に入った。
怪談 ~自殺の理由~ 夜風が肌を刺す。コンクリートの冷たさが靴底から伝わり、男の焦燥感を増幅させた。百メートル。この高さならば、万が一を考えての躊躇など無用だろう。彼は柵のない屋上の縁に立ち、眼下の街を見下ろした。無数の光が瞬き、まるで遠い星のようだ。その光の一つ一つに、それぞれの生活がある。自分とは無縁の、輝かしい世界。その時、突然に風が強く吹きつけた。ぐらりと体が揺れる。咄嗟に手すりを探したが、当然そこには何もない。バランスを失った体は、重力に従い、無慈悲に落下を始めた。落ちていく。景色が猛烈な速さで迫ってくる。風圧が全身を叩きつけ、息が詰まる。その瞬間、男の脳裏に鮮烈な後悔の念が押し寄せ…
やっぱり兄妹はいいもんだ~とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…60
こんばんは!daisysackyです。今日は暑くなるか…と思いきや、思ったより、ヒンヤリとした1日でした。しかも、3時過ぎからかな?雨が降りだしまして。地味な…
今日は雨~とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…59
こんばんは!daisysackyです。今日は午後から雨…と聞いていたのですが、早くも午前中から降りだしました。昼から、段々激しくなり。今は土砂降りの雨です。今…
怪談 ~サバイバルゲーム~ かつての大戦の際には激戦地だったと言われている太平洋に浮かぶ小島、今では無人島となったその地でのサバイバルゲームは、陽太たちが今まで体験してきたいかなるゲームを超える最高のものになるはずだった。島に向かう船上で仲間たちみな興奮を隠しきれずにいた。 この日のサバイバルゲームはチーム戦ではなく個人戦で行われることになっていたため、島に上陸するとすぐに、仲間は森の中へと散っていった。 陽太も遅れまいと深い森に足を踏み入れた。しかしその瞬間から、楽しい時間は悪夢へと変貌した。木々のざわめきにかき消され、気づけばそこかしこに感じられていた仲間たちの気配はどこにも感じられなかっ…
怪談 ~廃屋~ 一裕は、従業員わずか十数名の小さな解体業者で事務員として働いていた。蒸し暑い夏の朝、現場作業員のリーダーである田中から会社に電話が入った。「今日の現場は社長が直接依頼を受けた仕事だったよな」電話口から、いかにも不機嫌そうな田中の声が響いてきた。「そうですよ」一裕は顔をしかめながら答えた。「社長はいるか?」「今、外出中でいません」電話の向こうで、舌打ちのような音が聞こえた。田中は苛立ちを隠そうともせずに言った。「さっきから社長の携帯に電話してるのに全然繋がらないんだ。一体どうなってんだよ」「何かあったんですか」「何かあったなんてもんじゃない。このままじゃ作業が進められない。とにか…
怪談 ~雑巾~ 夕焼けが校舎を茜色に染める放課後。人気のない小学校の廊下を、小学三年生の修哉は一人、音楽教室に向かってトボトボと歩いていた。修哉のクラスでは掃除当番は男女のペアだったが、今日修哉のペアの女の子は風邪で学校を休んでいたため、音楽教室の掃除当番は彼一人ですることになった。窓の外では、カラスが不気味な声で鳴いている。修哉は少し心細くなりながらも、早く終わらせて帰ろうと、音楽教室に着くと、まずは机を拭くために、ほうき入れの隅に置いてあった古びた雑巾を手に取った。その雑巾は、今まで見た他の雑巾と比べて明らかに異質だった。全体的に灰色にくすみ、所々に黒ずんだ染みがこびり付いている。まるで長…
お疲れ様の空と…とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…55
こんばんは!daisysackyです。今日はとてもいい天気でして、午前中は気持ちのよい青空!ちょっと暑いくらいでしたが…次第に雲ってまいりました。どうやら今晩…
やっぱり藤は青空に似合う~とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…54
こんばんは!daisysackyです。今日は朝から、とてもいい天気で。気温もほどよく。風が心地よい1日でした。藤の花が見たい…と言っていたのですが、今日は珍し…
この話はもう1年くらい前のことになりますが、元仕事仲間だったAさんから相談された話と言いますか、たまりかねて愚痴られていたのを聞いた話になります。今から1年くらい前のある日、私と元仕事仲間であり同期だったAさんとBさんと言う方が数年ぶりに偶...
こんにちはーブログ訪問ありがとうです^-^子供のころから不思議好き(〃ω〃)座敷わらし研究はライフワーク♪ ↓主に座敷わらし研究記事不思議な話カテゴリー …
先日、久しぶりに祖父母が眠っているお墓参りに行きました。父が眠っているお墓参りの際は父の存在を何となく感じたのですが、祖父母の存在は感じられませんでした。 そ…
「もう死なないで準一」という看板の本当の意味を35年経ってやっと知りました
あれは、私が高校を卒業して1年くらい経った頃のことでした。高校3年の時のクラスメイトの数名が早くも車の免許を取得したと言うことで、ありがたいことに私もドライブに誘っていただきました。女子5名(うち1名が免許取得済み)と男子3名(うち2名が免...
怪談 ~冬山~ 俺は友人の佐々木と二人で冬山登山をしていた。山の中腹にある山小屋で一泊し、翌日に頂上を目指す予定だったが、翌日は午後から天候が崩れると予報が出ていたため、佐々木と相談し朝早くから登頂することにした。翌日、まだ夜明け前の薄暗い中を出発し、昼前には頂上に辿り着くことができた。しかし、その頃には予報よりも早く天候は悪化し始めていた。白い雪が渦を巻き、空は鉛色に染まっていた。下山を開始して間もなく、天候は急激に悪化の一途を辿った。猛烈な吹雪が視界を奪い、風は容赦なく身体を叩きつける。足元は雪に覆われ、踏み出す一歩ごとに不安が募った。次第に前に進むことが困難になり、遭難の二文字が頭をよぎ…
怪談 ~音~ 大学入学と同時に引っ越したマンション。築年数はそこそこだが、駅からのアクセスも良く、家賃も手頃だった。しかし、引っ越して数日後から、奇妙な出来事が起こり始めた。夜中、草木も眠る丑三つ時の2時過ぎになると、必ず「コツ、コツ、コツ……」という、何かを堅いものに叩きつけるような音が聞こえてくるのだ。その音は、毎晩決まって5分間だけ続き、その後、嘘のように静寂が訪れる。最初は、上の階の住人が夜中に何か作業でもしているのかと思った。しかし、マンションの管理会社に相談し、他の住人に確認してもらったところ、そのような音を立てている人はいないという。音が聞こえるたびに、音源を突き止めようと試みた…
お題「不思議な話」 20年ほど前、都内で会社勤めをしていました。会社は都心から少し離れた、医療機器を取り扱っている古い会社が集まっている地域にありました。私は昼休みに会社の近くの定食屋で昼食を取った後、昼休みが終わる時間まで散歩をするのを日課にしていました。その頃は長時間労働で夜遅くまで会社にいなければならなかったので、できるだけ会社にいる時間を短くしたかったのもあると思います。 生来の方向音痴な上に当時はスマホでGoogle Mapを見ることもできませんでしたので、よく道に迷いました。会社への帰り道を見失って午後の始業に間に合わなくなりそうなこともしばしばでしたが、道に迷うことを少し楽しいと…
怪談 ~月光~ 男は一人山奥にいた。今日は満月のはずだが、生憎空は厚い雲で覆われ一筋の月の光も見られない。足場の悪い中、男は必死にスコップを使い穴を掘り続けた。やがてポツポツと雨が降り始めたと思ったら、あっという間に大雨となった。ずぶ濡れになりながらも、やっと穴を掘り終えると、近くに止めてあった車のトランクを開いた。中には若い女性の遺体が体を丸めるように収まっている。トランクから女性の遺体を穴の中に移し土の上に寝かせると、さきほど穴を掘った時に出た土を、穴の中の女性を覆うように戻していく。全ての土を穴に戻し終えた男は、スコップを放り出すと力尽きたように倒れ込んだ。荒く息を吐き出しながら、他とは…
去年、桜が満開の頃、とっても珍しい光景に出くわしました。 いつもの散歩道で、角を曲がれば大きな桜の木。「わぁ今日もきれいだね」 次の瞬間、桜の木から、花びらだ…
怪談 ~無限~ 真夏の暑い公園、蝉の鳴き声だけが異様に響き渡る。ベンチに座る男、健太の額には脂汗が滲んでいた。その目の前には、異様な二人の姿があった。一見親子のようにも見えるその二人は髪の長い女と少年。しかし、その女は真夏だというのに黒いコートを纏い、顔色は青白く、生気を感じさせない。少年の瞳は虚ろで、まるで人形のようだった。そのあまりにも異質な雰囲気に、健太は言いようのない不安を感じていた。女は健太を見据え、冷たい声で語り始めた。「あなたが今進んでいる道は、血塗られた不幸な未来へと繋がる道。あなたにとっても、彼女にとっても。」「はっ、なんだいきなり。どういうことだ。」健太は、女の言葉に戸惑い…
怪談 ~時をかける~ 幼い頃、陸生の母はある日突然姿を消した。誰にも理由は分からず、警察にも捜索願を出したが、母が見つかることはなかった。 時は流れ、陸生は40代となっていた。ある日、ふらりと入った喫茶店で店員を見て驚愕した。その女性は失踪した母に瓜二つだったのだ。「母さん…」思わず呟いた陸生の声に、女性が顔を上げた。「陸生なの…」女性は、陸生の名前を呼んだ。間違いなく陸生の母だった。詳しく話を聞くと、母はタイムスリップによって未来の世界へと来ていた。母の中では陸生の前から姿を消してから、まだ2年ほどしか経っていないと言った。そのため、今では陸生の方が母親よりも年上になっていた。普通ならとても…
怪談 ~彼~ 私は、この山奥の村でたった一人の生徒として、小学校に通っていた。四年生になった時から、私は一人だった。寂しい?最初はそう思っていた。でも、すぐに慣れた。だって、私には『彼』がいたから。『彼』は、私にしか見えない友達。いつも一緒に遊んでくれた。授業中も、休み時間も、放課後も。他の人には見えないけれど、私には確かに『彼』がいた。でも、周囲の人たちはいつも一人の私のことを気にかけていた。とくに先生はいつも心配そうな顔で私を見ていた。「有里ちゃん、学校で一人で遊ぶのもいいけど、たまには外に出て遊んだら」と。でも、私には『彼』がいれば十分だった。卒業の日が近づき、小学校が閉鎖されることが決…
怪談 ~事故物件~ 街中にある古びた一軒の不動産屋。その異様な雰囲気に惹きつけられ若い男は入口のガラスの扉を開けた。店の中にいたのは奥の事務机に座っている痩せこけた店長だけだった。「いらっしゃいませ」嗄れた声が、人気のない店内に響く。若い男は席に座ると単刀直入に告げた。「事故物件を借りたいんです」店長の目は、ギョロリと大きく見開かれた。「お断りだね。事故物件なんかに積極的に住みたがるようなのに関わると碌なことにならない。帰ってくれ」そう言い残し、店長は奥の部屋へと消えてしまった。若い男は店を出て、人気のない裏道を歩いていた。そんな若い男の背後から私は声をかけた。若い男が振り返り私を見た。「事故…
怪談 ~悔恨~ カウンター席しかないバーで、オカルト好きの常連客3人がアポカリプティックサウンドの真偽について議論していたが、議論が尽きたのか、次第に口数が少なくなってきた。そんな時、常連客の一人、40代くらいの身なりの良いスーツ姿で、皆から「先生」と呼ばれる男が、店の女性マスターに「今日は元気がないようですが、大丈夫ですか」と訊いた。するとマスターは、今までの人生での後悔が唐突に思い出されて苦しくなり、昨夜はあまり眠れなかったという。今の私は幸せだと思っているはずなのに、なぜなんだろうと途方に暮れたように呟いた。「それは誰にでもあることです。『後悔先に立たず』とも言いますし、あまり気にしない…
怪談 ~応報~ 周囲を見渡すと、無数の同じ顔がひしめき合い、蠢いている。奴らは皆、無表情で目的も分からず、ただひたすらに歩き続けている。その異様な光景に俺は言いようのない嫌悪感を覚えた。「俺は違う。お前らとは違うんだ!」心の奥底から叫びが込み上げるが、声にならない。俺はこの異質な群れに紛れ込んだ異物。奴らとは違う存在であることを、必死に主張したかった。 目の前に男が座っている。その顔は、無機質なほどに整っており、感情が読み取れない。男の瞳は、底なしの闇のように深く、俺をじっと見つめている。「なぜ、こんなことをしたんだ」男の声は静かで冷たい。まるで氷の刃が肌を滑るようなぞっとする感覚を受ける。「…
怪談 ~鏡像~ 夜中、保晴は突然の悪寒に襲われ、目を覚ました。普段は一度眠ると朝まで起きることなどないのに、今夜は異様な気配がまとわりつき、眠気は完全に消え失せていた。喉の渇きを覚え、保晴は重い体を引きずって台所へと向かった。冷蔵庫から冷えたミネラルウォーターを取り出しコップに注ぎ込む。水を飲む音だけが、静まり返った部屋に不気味に響き渡る。「なにかが変だ」漠然とした不安が心の中で膨らんでいく。寝室に戻る前に保晴はトイレに立ち寄った。そして何気なく鏡を見た瞬間に背筋が凍り付いた。鏡に自分の姿が映っていない。代わりに背後の壁だけが虚ろに広がっている。「まさか…」保晴が恐怖に震えながら鏡に手を伸ばし…
我が家のお風呂は音声つきうちのマンションは築35年を優に超えていると思う。 でも、意外と綺麗に見える。 水回りを除いては・・・。 水回りというのは年代がよく分…
怪談 ~シミ~ 大和の働く会社は、築40年を超える古い雑居ビルの中にあった。 時代に取り残されたようなその建物は、昼なお薄暗く、淀んだ空気が漂っている。 会社の中もまた、外観に違わず陰鬱な雰囲気を纏っていた。大和は、そんな会社の中でも特に嫌悪感を抱く場所があった。 それは、薄汚れた蛍光灯が寂しく光る男子トイレだ。 個室が一つと小便器が二つだけの狭い空間は、清掃会社の努力も虚しく、常に湿気と尿の匂いが入り混じった不快な空気に満ちていた。大和がトイレを嫌う理由は、入ってすぐ左手にある古びた洗面台に設置された鏡にあった。 曇った鏡には、やつれた自分の姿と、背後のコンクリート壁が映り込む。 問題は、そ…
怪談 ~予定外~ どこだかわからない、深い霧に包まれた場所。足元はぬかるみ、冷たい空気が肌を刺す。若い男は、自分がなぜここにいるのか、全く理解できなかった。最後に覚えているのは、橋の上から川の流れを見下ろしていた時の目も眩むような景色だけだ。「勝手に死なれたら困るな」低い、それでいてよく響く声が、霧の中から現れた黒いコートの男によって放たれた。男の顔は影になって見えないが、その声には有無を言わせぬ威圧感があった。「別に死にたくて死んだんじゃない」若い男は、苛立ちを隠せずに答えた。そこでハッとした顔になった。橋から川に落ちて死んだことを思い出した。「だって川に身投げしただろう」「違う、橋から川の…
ちょっぴりカフェ気分?とりつかれちゃった?魔法の扉 第4章 戯れに現れることなかれ…30
こんばんは!daisysackyです。今朝は濃い霧に包まれていましたが、昼間はポカポカ陽気となりました。花粉が、かなり飛んでいたらしく(もっとも多い?)鼻の奥…
怪談 ~願い~ 陽の傾きかけたグラウンドに、広夢のバットが乾いた音を響かせた。土埃を上げながら白球が弧を描き、フェンスを越えていく。それを見つめる広夢の瞳は、ダイヤモンドよりも輝いていた。 シングルマザーの貴子にとって、小学四年生の息子広夢はかけがえのない宝物だった。しかし仕事に追われる日々のなかで、広夢と向き合う時間は決して十分とは言えなかった。広夢が少年野球チームに入ってからというもの、貴子は息子の成長を遠くから見守るばかり。そんなある日、貴子は偶然、野球チームの監督から声をかけられた。「広夢くん、最近めきめきと上達していますよ」驚いた貴子が理由を尋ねると、広夢は誰かと特訓をしているらしい…
怪談 ~なんで~ 最近、4歳になった娘がいろんなことに興味を持つようになった。「あれ、なに?」「なんで?」が口癖のように出てくる。そんな子供の成長を母親は微笑ましく思っていた。 ある日、娘と二人で電車に乗った時、後続の急行の通過を待つため駅に止まる電車内で、窓から外を眺めていた娘が母親に訊いた。「なんであの人はあそこにいるの」そう言って指をさした先は反対側ホームの下あたりの線路上だった。母親は困惑の表情を浮かべて言った。「えっと...誰もいないけど...」先ほどと同じ所を指さして再び娘は言った。「えー、いるよ、おんなのひと。でもへんなの、そのおんなのひと、あしがないの」それを聞いて思わず母親は…
怪談 ~トレッキング~ トレッキングが趣味の美雪は、その日も週末の休みを利用して、お気に入りの山へ向かった。いつもは仲間と一緒だが、今回は初めて一人で来ていた。紅葉が終わり、冬の足音が聞こえ始めた山は、昼なお薄暗く、冷たい空気が肌を刺す。午前10時、美雪は登山道に入った。午後1時には山頂に着く予定だった。山頂までの道則は至って順調だった。しかし下山を始めた頃から、美雪は背後からの視線を感じ始めた。誰かが常に一定の間隔で自分を見ている、そう感じた。周囲を見回しても、木々が視界を遮り誰の姿も見つけられない。気のせいだと思おうとしたが、その視線は次第に強まっていくように感じられた。嫌悪感と焦燥感に駆…