【本】小川洋子『偶然の祝福』~また今晩も、遠い森のどこかで、病んだ鳥が一羽枝から落ちる~
1、作品の概要 『偶然の祝福』は、小川洋子の短編小説集。 2000年に角川書店より単行本が刊行されて、2004年に文庫化された。 全7編の連作短編小説。 文庫版で199ページ。 文庫版に川上弘美の解説が掲載されている。 やがて作家になる「私」が、その半生で触れ合った祝福すべき7つの偶然について語られる。 2、あらすじ ①失踪者たちの王国 小説家の「私」は、失踪者たちの物語に惹かれ続けている。 やがて偶然の失踪は、身内の叔母にも降りかかる。 ②盗作 小説のデビュー作が実は「盗作」だったと気付かされた「私」。 そこには弟の死、自身の離職と交通事故、そして病んでしまった元スイマーの弟を持つ親切な女性…
2025/05/04 16:07