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【本】川上未映子『あこがれ』~誰しもが通り過ぎて失ってしまうかけがえのない記憶の残照~
1、作品の概要 『あこがれ』は川上未映子の長編小説。 『ミス・アイスサンドイッチ』『苺ジャムから苺をひけば』の2編が収録されている。 第一回渡辺淳一文学賞受賞。 麦彦とヘガティー、それぞれの視点で思春期直前の揺れ動く気持ちを描いた。 2、あらすじ ①ミス・アイスサンドイッチ 小学4年生の麦彦は、スーパーのサンドイッチ屋の店員、ミス・アイスサンドイッチのことがとても気になっていた。 彼女の大きな目もかっこいいと思っていたが、ある時クラスの女子がミス・アイスサンドイッチのことを整形を失敗した酷い顔と評しているのを聞いてショックを受ける。 仲良しのヘガティーにミス・アイスサンドイッチのことを話すと、…
【本】川上未映子『ウィステリアと3人の女たち』~変質する闇と訪れた光~
1、作品の概要 『ウィステリアと3人の女たち』は川上未映子の短編小説集。 『彼女と彼女の記憶について』『シャンデリア』『マリーの愛の証明』『ウィステリアと3人の女たち』4編からなる。 単行本で177ページ。 2018年3月30日に刊行された。 2、あらすじ ①彼女と彼女の記憶について 東京で女優をしている「わたし」は、引っ越して名前も覚えていないような街で開催された中学校の同窓会に参加する。 彼女が予想していた通り、名前も覚えていない元クラスメイトたちとの時間は退屈なものだった。 小学生の頃の友人・黒沢ごずえが30歳で餓死したことを聞くまでは・・・。 ②シャンデリア デパートで丸一日を過ごすわ…
【読書記録】夏の入り口、模様の出口/川上未映子(新潮社)/大胆な発想と個性的な言い回し
・夏の入り口、模様の出口/川上未映子(新潮社) 【中古】 夏の入り口、模様の出口 / 川上 未映子 / 新潮社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】価格: 328 円楽天で詳細を見る 以下、通販サイトhontoの作品紹介ページより ↓↓ 恋人の浮気を直感ピッコン!で突き止めた日、血まみれタクシー運転手がくれた物とは?襟足から下の方まで「毛」へのこだわり、午前二時の恐怖体験、なぜ冷蔵庫にハムスターの死骸を入れるのは嫌かという哲学的考察など、人気作家の魔訶不思議な頭の中と、世界の魔訶不思議な人間たちの姿が垣間見られる傑作。未体験ゾーンへあなたを誘う、神秘的・哲学的・反日常的エッセイ集。週刊…
☆2024年に読みたい本!!☆ 2023年は村上春樹の新刊発売がビッグニュースで、『街とその不確かな壁』は発売前後で盛り上がりました。 中村文則『列』、川上未映子『黄色い家』など好きな作家の新刊をたくさん楽しめて幸せでしたよ。 好きな作家の新刊はワクワクしますね~。 2024年もまだ見ぬ傑作に期待したいです。 hiro0706chang.hatenablog.com 2023年は海外文学を読みたいと思いつつ、そこまでたくさん読めませんでした。 2024年はカミュ、カフカ、ドストエフスキーなどの古典的傑作も読んでみたいですね。 昔、異邦人、変身、罪と罰なんかは読みましたが、正直若い頃はそこまでよ…
今年はむやみやたらに買いまくったりはしなかったお得なクーポンがあっても無理に使うことは極力回避した💦別に欲しくない本を無理矢理買っても結局ページを開かず埃が被ったまま放置になってしまうクーポンあれど手ぶらで退店とか余裕であったよ(^^♪年内最後のブックの日はどうだったのかというと粘って粘って厳選して(1時間半)4冊を買って帰宅した🚙🏠📚■尾崎世界観/祐介・字慰少し前に千早 茜 と共作の「犬も食わない」を読んでオ...
【2024本屋大賞】ノミネート候補10作品を大予想|選出理由も詳しく語ります!
この記事では、年間200冊読了したブックキュレーターのるきが、2024年本屋大賞にノミネートされそうな候補10作品を予想するとともに、その選出理由も一人インタビュー形式(?)で詳しく語ります。
書名 黄色い家 (単行本) [ 川上未映子 ] 感想 2023/03/17のNHKラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」で紹介されていた本。 さらに御本人も登場されていた(放送の文字起こしはこちらで読めます)。 コロナが
書名 深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集 [ 川上未映子 ] 感想 2011年〜2022年に雑誌「Hanako」に連載されたエッセイ「りぼんにお願い」(連載245回)のうち、80回を収録したもの+書き下
広辞苑を買ったりと8月も結構買ったかな💰あっ!どうでもいいことだけどradikoで課金なしでFM京都が聴けるようになっていたんだな(^^♪全然知らなかった!どうやら今年の春🌸から聴けるようになってたぽい📻滅茶苦茶嬉しい\(^o^)/■大江健三郎/新年の挨拶■rockin'on 2023.6月号音楽雑誌rockin'on🎸📚おそらく同一人物が売り払ったんだろうか大量にバックナンバーが本棚に並んでた📚ちょうど買うのを忘れてたボブディラン特集のrockin'on🎸...
川上未映子さんの作品はどちらかというと苦手だった2作(ヘヴン、すべて真夜中の恋人たち)読んだけど正直 あまり俺好みではなかった・・・。特に「ヘヴン」はあまりにも残酷ないじめの描写が不快過ぎて物語の心底に潜む核に辿り着くことができなかったこの人の本は俺には合わないと思いこんでいたそして少し時間が流れて・・・今年の春 雑誌ダヴィンチ(4月号)📚で川上未映子/黄色い家の特集をなんとなく軽い気持ちでページをめ...
【本】2023年上半期の本ベスト約10冊!!村上春樹、川上未映子のあの1冊もランクイン!!
☆2023年上半期の本ベスト約10冊☆ ツィッターの読書垢で話題になっている、2023年上半期の本ベスト約10冊のハッシュタグ。 みんなやっていたんで、僕もやってみました。 小学生の頃に「クラスのみんな持ってるんだよ!!持ってないのは僕だけだよ!!」って言ったら母親から「みんなって誰よ!!」って言われて「あやちゃんと、すずちゃんと・・・」って答えて、「みんなじゃないじゃない!!」って言われていたことを思い出しました。 みんなっていう単語がどれだけ曖昧なものか・・・。 そんなわけで、2023年上半期読んだ本ベスト10冊いってみよー!! ☆って、そんなにたくさん読んでないけどね(笑)☆ 僕の読書量…
「黄色い家 / 川上未映子」を読んだ感想。【刊行記念サイン会にも参加してきました】
こんにちは。 「黄色い家」と聞くとゴッホを連想してしまう。 キリュウです。 今回は「黄色い家 / 川上未映子」を読んだ感
文藝春秋(2019) 【あらすじ&ひとりごと】 出版されてもう4年近くたつ、川上未映子さんの『夏物語』。今頃になってしまったけど、ゆっくりとじっくり読むことができました。 人が生きていく中で、男性がいて女性がいる、そして仕事、出産、家族との生活などなど、自分らしく生きられる時代。 そんな現代において、さまざまな生き方をしていく中で考えさせられる、チクリと心に刺さる作品でした。 大阪から小説家を目指し上京した主人公・夏目夏子。相手がいないのに、自分の子どもに会いたいという密かな思いが芽生えはじめ、パートナーなしの出産を考え始める。そこに精子提供で生まれた、実の父親を探す逢沢潤と出会う。 冒頭から…
【書評レビュー】川上未映子の『黄色い家』をジャケ買いした結果
「黄色い家」は、圧倒的な力で引き込めれるようなスピード感溢れる作品です。そんな著者のプロフィール紹介とあわせて、作品のレビューをしています。
川上未映子著『黄色い家』どんどん狂う女のゾクゾク感がたまらない
どうも、ハチコ(@hachiko8531)です。今月は読書月間ということで(勝手にw自分だけw)、読んだ本をどんどん記事にしていこうと思っています。川上未映子さんの『黄色い家』を読んだので、一気に感想書いていきます!(function(b,
2023年3月20日(月曜日) 晴れ。暖かい。 あちこちで、桜が咲いている。 いつもどおりの月曜日。 私は、仕事へ。 春の花がたくさん♪ ☆☆☆☆☆ 〈今日のつぶやき〉 いつだったか、川上未映子さんの本を読んでいた時に 『この関わりの始まりが、人を傷つけることに繋がっていく...
読売新聞朝刊に連載されていた、川上未映子さんの「黄色い家」が、最終回を迎えました。主人公花は、インターネットのニュースで、60代の女性が20代の女性を部屋に閉じこめ暴力行為をしたとして逮捕されたことを知る。名前は吉川黄美子。その人は花が20年前に一緒に暮
【本】川上未映子『黄色い家』~人はなぜ金に狂い、罪を犯すのか?~
1、作品の概要 『黄色い家』は、2023年2月20日に刊行された川上未映子の長編小説。 ページ数は、608ページ。 読売新聞で2022年7月24日~2023年10月20日に連載された。 「読書メーター」読みたい本ランキング(2022年11月21日~12月21日)第1位を獲得。 ミステリー要素を持ったノワール小説で、川上未映子の新境地とも言える作品。 2、あらすじ 昔一緒に暮らしていた黄美子が捕まったニュースをネットで見た花は、長らく忘れていた20年前の記憶を思い出していた。 スナックで働くシングルマザーの母親との極貧の生活、窒息しそうな息苦しい毎日から花を救い出してくれたのは黄美子だった。 1…
川上未映子・村上春樹「みみずくは黄昏に飛びたつ」(新潮社)(その1)
川上未映子・村上春樹「みみずくは黄昏に飛びたつ」(新潮社)(その1) 川上未映子さんという人は、「乳と卵」(文春文庫)という作品で芥川賞をかっさらい、「先端で、さすわ さされるわ そらええわ
川上未映子・村上春樹「みみずくは黄昏に飛びたつ(その2)」(新潮社)
川上未映子・村上春樹「みみずくは黄昏に飛びたつ」(新潮社)(その2) さて、いよいよ「地下二階」です。一晩たって、考えたことなんですが、村上春樹さんが、どんな風に考えて、小説を書い
週刊 読書案内 樋口一葉『たけくらべ』川上未映子訳(「池澤夏樹=個人編集日本文学全集13」 河出書房新社)
「100days100bookcovers no52」(52日目) 樋口一葉『たけくらべ』川上未映子訳(「日本文学全集13」 河出書房新社) DEGUTIさん紹介の『世界はもっと美しくなる』(奈良少年刑務所詩集 詩・受刑者
【本】川上 未映子『ヘヴン』~自我の形成と生き方の選択。受け入れるか?それとも我を通すか?~
1、作品の概要 川上未映子3作目の小説で、初の長編小説。 芸術選奨新人賞、紫式部文学賞を受賞。 中学2年生の思春期の時期のいじめを通して、生き方、倫理観の問題を説いた。 2、あらすじ 斜視をからかわれて、二ノ宮たちクラスメイトにいじめを受ける「僕」。 ある日、机の中に「わたしたちは仲間です」と書かれた手紙を見つけ、差し出し主と公園で会うことになる。 手紙の出し主は、同じようにいじめられているクラスの女子、コジマで2人は手紙をやり取りするようになり、次第に距離を縮めていく。 夏休みに2人で出かけて「ヘヴン」の絵を観に行ったり、階段で話すことでコジマは自分たちの弱さの意味を知り、何をされても受け入…
【本】川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』~どうして真夜中には光しかないのですか~
1、作品の概要 川上未映子の4作目の長編。 2011年刊行。 2、あらすじ 入江冬子は、フリーで校閲をして生計を立てている30代の独身女性。 これといった趣味もなく、人と繋がることも苦手でひっそりと日々を暮らしていた。 唯一、友人と呼べそうな人間は、仕事仲間で冬子とは反対に美人で主張が強い聖だけだった。 ほとんど、恋という恋も経験していなかった冬子だったが、偶然出会った三束さんに惹かれて彼との逢瀬の時間をたまらなく大切なものにかんじるようになる。 恋というにはあまりにひそやかな冬子の想いはどこにたどり着くのだろうか。 すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) 作者:川上 未映子 発売日: 201…
【本】川上未映子『夏物語』~生まれてくることのとりかえしのつかなさについて~
1、作品の概要 2019年に刊行された長編小説。 自身の中編『乳と卵』のリメイクと、その後を描いた。 第73回毎日出版文化賞 文学・芸術部門受賞作。 2020年本屋大賞ノミネート。 2、あらすじ 第一部 東京で暮らす夏子のもとに、姉の巻子とその娘の緑子がやって来た。 目的は、巻子の豊胸手術。 巻子と思春期の緑子はその手術のこともあり、関係がギクシャクしていた・・・。 豊胸と生理。 2人の性についての想いと、愛情が交錯する。 第二部 8年後、アルバイトをしていた夏子は小説を出版して、文章を書いて生活することができるようになっていた。 編集者の仙川のはからいで売れっ子小説家・遊佐と出会い、自分の子…
【本】川上未映子『春のこわいもの』~まぼろしのように宵闇に霞む月。新しい生命の蠢きと濃い死の影と~
1、作品の概要 2022年2月に刊行された6篇からなる川上未映子の短編集。 全篇書き下ろし作品。 パンデミック前夜の東京で紡がれる春のまぼろしのような物語たち。 2、あらすじ ①青かける青 21歳のわたしは、入院している病院から手紙を書く。 ーきみに会えたことはわたしの人生に起きた本当に素晴らしいできごとでしたー ②あなたの鼻がもう少し高ければ 地方から上京して大学に入学したトヨは、ファッションや美容のSNSにハマっていた。 その界隈のカリスマのモエシャンが企画する「ギャラ飲み」の面接に応募するトヨ。 彼女は面接会場でインパクトある外見のマリリンと出会う。 ③花瓶 寝たきりの老女が語る、在りし…
作品紹介・あらすじこんなにも世界が変ってしまうまえに、わたしたちが必死で夢みていたものは――。感染症大流行前夜の東京――〈ギャラ飲み〉志願の女性、ベッドで人生を回顧する老女、深夜の学校へ忍び込む高校生、親友を秘かに裏切りつづけた作家……。東京で6人の男女が体験する甘美きわまる地獄巡り。これがただの悪夢ならば、目をさませば済むことなのに。『夏物語』から二年半、世界中が切望していた新作刊行!読書備忘録コロナがこんなに長引くなんてまだまだわからなかった時・・・しかも何だかもよくわからなかったから得体のしれないもので恐怖だった。春のこわいもの・・・「青かける青」そういえば、病院のこの同じベッドではたくさんの人が息を引き取って行ったんだ。「あなたの鼻がもう少し高ければ」お直しありき?感じ悪~い!呼ぶなよ!マスクして...本・川上未映子「春のこわいもの」