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族長の秋 - ガルシア=マルケス 鼓直訳 (集英社:ラテンアメリカの文学13)
新潮文庫の『百年の孤独』では、筒井康隆が解説を書いています。その最後にこの『族長の秋』について触れられています。その箇所を引用します。この「族長の秋」をラテン・アメリカ文学全集の第一回配本として出した集英社がこれを地方の特異な文学として宣伝していたのには腹が立った。本書「百年の孤独」を読まれたかたは引き続きこの「族長の秋」もお読みいただきたいものである。いや、読むべきである。読まねばならぬ。読みなさい。読め。このように、筒井康隆が読めと言っているので、少なからず興味が湧きました。また、神奈川新聞の2024年12月15日の記事、続・文学流星群でもガルシア=マルケスについて特集されています。この中で、黒澤明作品がすべて好きだということを述べていて、マルケス本人が語るところによれば、「黒澤が映画化するなら『族長...族長の秋-ガルシア=マルケス鼓直訳(集英社:ラテンアメリカの文学13)
青い犬の目 - 死をめぐる11の短篇 - ガルシア=マルケス 井上義一訳 (福武文庫)
『族長の秋』と『中短篇傑作選』の2冊を借りて読んでいたのですが、『族長の秋』を読むのに時間が掛かっていて図書館の貸し出し延長。『中短篇傑作選』は返却したのですが、そのときにもう一冊短編集を読もうと借りたのが、この一冊。この短編集も『族長の秋』よりも先に読み終えてしまいました。こちら内容紹介。しょっぱなの『三度目の諦め』を読むと、こりゃちょっと手ごわい一冊かな?という印象を受けました。なんか掴みどころがない感じです。言い換えるとこれがガルシア=マルケスらしいというか、マジックなリアリズムの洗礼というか。4つめの『三人の夢遊病者の苦しみ』までは、そんな感じで手探り状態で読んでいたのですが、『鏡の対話』からは、頭の中がすっとクリアになって、文章がすらすら頭の中に入ってくるようになりました。きっとこれがマルケス慣...青い犬の目-死をめぐる11の短篇-ガルシア=マルケス井上義一訳(福武文庫)
ガルシア=マルケス中短篇傑作選 - ガブリエル・ガルシア=マルケス 野谷文昭訳 (河出文庫)
『百年の孤独』を起点に、それをインスパイアされた作品を読み進めるうち、昔によく読んだ安部公房を再読するに至っているのですが、ここらへんで一度ガルシア=マルケスに戻ってみよう、と図書館で2冊借りてきました。長編の『族長の秋』から読み始めたのですが、これがかなりの難書です。ガルシア=マルケス慣れしないと読みにくい一冊なので、『族長の秋』はのんびり読むことにして、並行してこちらの短編集を読むことにしました。こちら内容紹介。目次はこちら。ガルシア=マルケスの作品は『百年の孤独』しか読んでいなくて、そこでは頻出する同名人物や奇想天外な展開に戸惑ったのですが、中短篇は読みやすい作品ばかりでした。安部公房が上智大学の講演の最後に「でもガルシア=マルケスの短編くらいは、右脳のためにもね(読んでおくといい)」と締めたほどで...ガルシア=マルケス中短篇傑作選-ガブリエル・ガルシア=マルケス野谷文昭訳(河出文庫)
☆2024年に読みたい本!!☆ 2023年は村上春樹の新刊発売がビッグニュースで、『街とその不確かな壁』は発売前後で盛り上がりました。 中村文則『列』、川上未映子『黄色い家』など好きな作家の新刊をたくさん楽しめて幸せでしたよ。 好きな作家の新刊はワクワクしますね~。 2024年もまだ見ぬ傑作に期待したいです。 hiro0706chang.hatenablog.com 2023年は海外文学を読みたいと思いつつ、そこまでたくさん読めませんでした。 2024年はカミュ、カフカ、ドストエフスキーなどの古典的傑作も読んでみたいですね。 昔、異邦人、変身、罪と罰なんかは読みましたが、正直若い頃はそこまでよ…
あらすじ解説 : ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
自分の一番好きな本の一つにガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』がある。ただ、あまりにも難解な本のため人には紹介しづらいし、自分でもあらすじがよく分からなくなることがある。そこで、あらすじと自分なりの解説を残しておこうと思う。概要長い歳月が過ぎて銃殺隊の前に立つはめになった時、恐らくアウレリャーノ・ブエンディア大佐は、父親に連れられて初めて氷という物を見に行った、遠い日の午後の事を思い出したに違いない。ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独
【本】ガブリエル・ガルシア=マルケス『コレラ時代の愛』~村上春樹はなぜ『街とその不確かな壁』の参考文献としてこの作品を引用したのか?~
1、作品の概要 『コレラ時代の愛』はコロンビアの作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの長編小説。 同書は1985年に刊行された。 ガブリエル・ガルシア=マルケスは、1967年に刊行された『百年の孤独』が世界的な大ヒットになり、1982年にノーベル文学賞を受賞している。 日本では新潮社より2006年に単行本で刊行されている。 訳者は木村榮一で、502ページ。 2007年にアメリカで映画化された。 村上春樹の長編小説『街とその不確かな壁』で参考文献として挙げられている。 19世紀末から20世紀中頃のコロンビアを舞台に、50年以上初恋の人を待ち続けた男と、彼に関わった人々を描いた。 2、あらすじ 20…
街とその不確かな壁村上春樹新潮社2023-04-13村上春樹氏の最新作文學界昭和55年9月号に掲載され書籍化されなかった中編『街と、その不確かな壁』を書き直して長編として世に出したもの読み始めたときは『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』のようだと感じたが、そ
ガルシア・マルケスの印象的な小説「予告された殺人の記録」の舞台になったコロンビアのモンポスという街。ベネズエラ独立運動を率いたシモン・ボリバルが一時期、身を寄せた場所でもあります。
週刊 読書案内 G・ガルシア・マルケス「予告された殺人の記録」(新潮文庫)
G・ガルシア・マルケス「予告された殺人の記録」(新潮文庫) コロンビアのノーベル賞作家、G・ガルシア・マルケスの「予告された殺人の記録」(新潮文庫)を久しぶりに読み返しました。もちろん、話の筋は、す
こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら……。20世紀が生んだ、物語の豊潤な奇蹟。1967年発表。 1930年に世界恐慌の煽りを受けたコロンビア経済の安定を図るため、貧困に苦しむ労働者の支持により自由党が政権を握りました。コロンビア・ペルー戦争を経て、土地の改革を行った自由党は政権継続と思われましたが、政…