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あ、これ、あの作品のオマージュだ!「英国王妃の事件ファイル⑭ 貧乏お嬢さま、追憶の館へ」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ジョージーが結婚し、公爵令嬢でなくなった今、もはや英国王妃からの命令は来ないのでは?と気になる「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。その第14弾の舞台はコーンウォール。どんな展開なのか?夫ダーシーは任務で出かけ、家にひとり残されたジョージー。祖母の遺産が入った親友ベリンダの頼みでコーンウォールに出かけることに。相続した怪しげな小屋は住める状態になく、昔の料理...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。敵から身を隠すために田舎町に潜んだスパイ・フォーチュンと、ワケありの過去があるファンキーな2人のシニアの活躍を描いた<ワニ町>シリーズ。待ちに待ったその第7弾がついに刊行。これは読むしかない。前作で新保安官が逮捕されることになったシンフルの町長は、シンフル・レディース・ソサエティ(SLS)の宿敵シーリアのまま。そのシーリアの夫・マックスが長年の失踪後初めて町...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本に触れる方法はひとそれぞれだが、最初の窓口が図書館という人は多いのでは? ほんとうにどれだけお世話になったことか……。近くに図書館がないときにありがたいのが、移動図書館。最近見かけなくなった「本バス」を題材にしたシリーズの第2弾がこちら。種川市を巡回する移動図書館「本バスめぐりん」は、今日も3000冊の本を利用者のもとへ。息子たちに押しきられる形で種川市のその...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今は亡き樹木希林さんの後継者ではないか?と密かに思っている人、小林聡美。どんな役でもビジュアルを大きく変えることないその姿に、こんな人たしかにいる、と思う。そして、エッセイもとても面白い。その最新作がこちら。「ありきたりな日々のどこかに、ときどき茶柱が立ちますように」演じる仕事でキャリア40年超えの著者が、「日々考えていること、実践していること、暮らしの楽...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。書店をぶらぶらしていて見つけたこの本。「ポケミス70年の歴史上、最大の問題作」というオビに釣られてつい手に取った。果たして、その内容とは? ワクワクしてさっそく読んでみた。冒頭、大学時代の友人である2人が向かう先は、会員制狩猟クラブ。ジェームズは会員の息子で、マカニスは私立探偵。富裕層の子孫である会員たちの不穏な空気の中、相次いで起こる事故。さらに、湖で発見...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「バディもの」のミステリは多い。姉妹ものもしかり。しかし、姉が警官で妹が詐欺師というのは珍しい。しかも、密室もの? 「期待の新シリーズ開幕!」というオビの文句に惹かれてさっそく読んでみた。サセックス警察重大犯罪班 警部補のテスが担当することになった事件の被害者は、かつて犯した罪にかかわる相手。どう見ても不可能な状況での殺害に手詰まりになったテスは、過去の事...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリ・ファンにとって、過去の名作ミステリを見つけるのも楽しみのひとつ。扶桑社から出版されたこちらは「スウェーデンのディクスン・カー」による「幻の名作」とのこと。気になってさっそく読んでみた。スウェーデン南部の田舎町ボーラリード。川畔にある箱型のウナギ罠のなかで、嫌われ者の大地主の死体が発見される。縦横2メートル・奥行3メートルの板張りの罠は南京錠がかか...
うちの娘は発達障害があるので気持ちの切り替えの難しさや不注意(ぼんやり)などがあり理解をしたくて今までたくさんの本を読んできました。主には「保護者としてどう関…
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。昔読んだミステリの名作を読み直して思うこと。なんと、内容をまったく忘れている! しかし、いつでも初めて読む感動が得られるとポジティブ思考(?)で今日も読む。創元社の創立70周年記念新訳出版本のこちら、新訳で読んでみた。時は1900年代初頭。発展をつづけるニューヨークに孤立したように立つグリーン家の邸内で、富豪トバイアス・グリーンの相続人が次々と謎の死を遂げる。...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。海外にコージー・ミステリは数多いが、日本には案外少ない。その数少ない書き手のひとり、若竹七海さんが書きつづけているのが架空の半島「葉崎」を舞台にしたシリーズ。これは、その先にある島を舞台にしたいわばスピン・オフ。未読だったので読んでみた。島民30人、猫百匹以上が住む葉崎半島の先の通称「猫島」。その島の海岸で、ナイフが刺さった猫のぬいぐるみが発見され、ついで...
【生きる意味がわからなくなった時に読む本】『夜と霧』・『それでも人生にイエスと言う』
『夜と霧』『それでも人生にイエスと言う』はナチス強制収容所から生還したヴィクトール・E・フランクルが書いた本です。強制収容所での体験を心理学者の視点から書いた『夜と霧』、収容所や病院勤務などの体験から導き出された彼の思想が書かれた『それでも人生にイエスと言う』は人生に迷い苦しむ人に「生きる意味」を教えてくれます。
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。SF作家の新井素子さん、ご自身の結婚をテーマにした作品もある。沢口靖子・陣内孝則主演でドラマ化もされた。しかし、それがもう40年前? あの時20代だった2人が、ついに定年を迎えるなんて……。月日が経つのは本当に早い!小説家の陽子さんと広告代理店勤務の正彦さん。これまでほぼ家にいなかった正彦さんが定年となり、『兼業主婦』の陽子さんは家事を分担してもらえると期待する。...
今回もノンストップ——そして脇筋が多すぎて覚えられない「有名すぎて尾行ができない」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。前作『平凡すぎて殺される』で平凡な顔のせいで命を狙われたポールが、今度は探偵に? しかし、この著者のこと、ありきたりのストーリーにはならないはず。さて、今度の騒動は? さっそく読んでみた。恋人のブリジット、元警官のバーニーとともに探偵事務所を始めようとしたポールだが、ブリジットとは浮気で破局、バーニーは居所がわからない。傍らにいるのは、バーニーが連れてきた...
【年間100冊読書家が推す】次に読む2024年ビジネス書受賞のまとめ
今、読みたいビジネス書は? こんな問いかけをされた時にまずオススメ出来るビジネス書は、この記事で紹介する『ビジネス書受賞
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。初めて読む作家の本はワクワクする。早川書房から今月発売された本作は、スリランカ生まれでオーストラリア在住の作家によるミステリ。コージーっぽいタイトルとは裏腹の凝った作りに思わずイッキ読み。オーストラリア在住の推理作家ハンナが描く小説の中で、オーストラリア人の推理作家フレディは奨学金を得てボストンに滞在中。ボストン図書館の閲覧室で作品の構想を練っていると、...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「断捨離」それは永遠のテーマ。すっきり暮らしたいと思いつつ、日々ものは増えていく。群ようこさんの新刊は、身内の身の回りを”断捨離”しようとする人たちを描いた連作小説だ。ご自身の住み替え経験も反映したであろう本作、さっそく読んでみた。引っ越しのため洋服を処分しようとしてなかなかできない姉と、きっぱり捨てろと迫る妹とのやり取りを描いた『捨てられない姉 捨てさせ...
中公文庫さん、紹介してくれてありがとう!「野呂邦暢ミステリ集成」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ときどき過去のよいミステリ作品を紹介してくれる中公文庫。野呂邦暢という名前は知らなかったが、堀江敏幸さんによる「わずらわしい世事を忘却するために」というオビの文句に惹かれて手に取ってみた。1974年「草のつるぎ」で芥川賞を受賞した著者の中短編とミステリに関するエッセイをまとめた1冊。冒頭の「失踪者」は、島に祭の写真を撮影しに行った友人が遺体で発見されたことか...
いろんな意味で英国はすごかった!「英国王妃の事件ファイル⑬ 貧乏お嬢さまの危ない新婚旅行」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。貧乏お嬢さまの冒険を描く「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。主人公ジョージーは前作でついに結婚を果たし、物語は新たな展開に。シリーズ13作目となる本作ではハネムーンへ。もちろん一筋縄でいくはずもなく……。史実も交え、どんな展開になるのか?結婚式のあとテムズ川に係留されたハウスボートで過ごし、ロンドンに戻ったジョージーを待っていたのは、ケニアへのハネムーン。女...
今なら舞台はサイバー空間? クリスティの痛快スパイ小説「秘密組織」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。最近ハマっているクリスティ作品の読み直し。こちらは、夫婦探偵・トミーとタペンスのデビュー作。ポアロ初登場の「スタイルズ荘の怪事件」に続く作品だが、ノリが全然違う。大まかにおぼえていたものの、細かいところを忘れていた本作、新訳で久しぶりに読んでみた。第一次大戦が終わったものの仕事が見つからないタペンス。幼なじみのトミーとともに<若き冒険家商会>を設立し、広...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。最近、アガサ・クリスティーを読みなおしている。ポアロやミス・マープルが登場するものは、ドラマも見ると楽しみ倍増。その中でも改めてよくできているなあと思ったのがこちら。ドラマとラストが違うところも注目。億万長者のゴードンが若い未亡人のロザリーンと結婚し、戦時中に爆死したことから経済的に追いつめられるクロード一族。姪のリン・マーチモントは、ロザリーンの兄デイ...
【どちらがオススメ】ブラックショーマン東野圭吾2作品 ネタバレなしで解説
今回の記事では、東野圭吾のあらたな連載キャラクターブラックショーマンシリーズを紹介します。読みどころと読む順番のオススメ
これぞ現代日本のコージー・ミステリー「パラダイス・ガーデンの喪失」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。これまでツイてない探偵 葉村シリーズとともに定期的に発表されていたのが、こちらの<葉崎市>シリーズだ。神奈川県の架空の半島にある<葉崎市>で起こる事件を描く。10年ぶりとなる新作に期待してさっそく読んでみた。山の上で私設庭園<パラダイス・ガーデン>を営む房子がある朝起きてみると、庭先に70代の女性の遺体が。自殺らしきその女性の身元は不明。折しも葉崎では重大な...
好きこそものの上手なれ?「行き遅れ令嬢の事件簿➂ 公爵さま、それは誤解です」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。累計30万部突破の人気シリーズ「行き遅れ令嬢の事件簿」。身分差別の激しい摂政時代に、26歳で未婚のベアトリスと美貌の貴公子ケスグレイブ公爵がタッグを組むコージーミステリだ。そのシリーズ3作目がこちら。前作で思わぬ怪我を追い、叔母に家に閉じこめられたビアトリス。公爵への思いに気づいたものの、身分違いの恋のつらさを忘れたいと思っていたところに、渡りに船の依頼が。...
【2024年ビジネス書】年100冊読書家が選ぶ名著から最新まで厳選50冊
数あるビジネス書の中から読んでみて本当に良かった!というビジネス本だけを今回のコーナーで紹介します。 ベストセラーでオス
あの本をもう一度読んでみたくなる「中野のお父さんと五つの謎」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。元祖日常の謎といえば、なんといっても北村薫先生。あの「中野のお父さん」シリーズに新刊が。刊行日を心待ちにして、さっそく読んでみた。文宝社の中堅社員となった美希。コロナ禍を経て行われた後輩の結婚式をきっかけに理想の夫婦像について同僚と話すうち、漱石が<I love you>を<月が綺麗ですね>と言ったというエピソードが飛び出す。果たしてこれは本当か? 中野のお父...
ちょっと映画みたい?「英国ひつじの村➄ 巡査さんを惑わす映画」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。貧乏お嬢さまが主人公の「英国王妃の事件ファイル」シリーズなどで7回の受賞経験があるリース・ボウエン。邦訳されている別シリーズがこちらの「英国ひつじの村」シリーズ。主人公はウェールズの小さな村スランフェアのエヴァンズ巡査。毎回女難に悩まされるのがお約束だが、果たして今回は?第二次大戦中、村からほど近い湖に沈んだドイツの爆撃機を引き揚げるという企画で、撮影隊...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。オビの「トラベル令嬢ミステリー!」の言葉に思わず手にした新刊本。祖父から受けついだのは財産と”探偵業”? 「プロヴァンス邸」というタイトルと、表紙のラベンダー畑に惹かれてさっそく読んでみた。時は1930年。スイスで教師をして父の借金の返済を終えたアタランテ。いよいよ自分の人生を生きられると思った矢先に届いた祖父の訃報。”探偵業”を引き継ぐようにと書かれた遺言によ...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。積読本を整理していたら、だいぶ前に買って忘れていた本が出てきた。その1冊がこちら。クセのある作風の英ミステリ作家リチャード・ハルの第2長編だ。舞台は英国紳士の社交場、ホワイトホール・クラブ。料理長ベンスンがバニラ・エッセンスの空き瓶に詰め替えた腫れ物治療用の過塩化水銀が夕食のスフレに混入? 折しもスフレを食べた会員の1人が急死し、クラブ幹事のフォードとクラ...
ファン必読の書「クリスティを読む! ミステリ女王の名作入門講座」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「ミステリの女王」といえば、なんといってもクリスティ。文芸評論家の大矢博子さんによるクリスティ作品の解説書がこちら。「入門書」とあるが、クリスティの愛読者でも新たな発見が。まちがいなくミステリ好き必読の書。多くの人を魅了してきたクリスティ作品。映像化も多い。その魅力を「探偵」、「舞台と時代」、「人間関係」、「騙しのテクニック」、「ミスリード」の視点から解...
ストレッチの本ってどれがオススメ? 今回はそんな疑問に答える『最強ストレッチ本厳選10冊』を紹介します。 実際にストレッ
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ドロシー・L・セイヤーズとともにディテクション・クラブ(英国探偵作家の親睦団体)の中心人物だったアントニイ・バークリー。その大御所のういういしい探偵小説デビュー作がこちら。名探偵ロジャー・シェリンガム登場!ある朝、田舎屋敷レイトン・コートの書斎で発見された主人の遺体。扉にも窓にも鍵がかかっており、額を撃ちぬいた銃弾は主人の手に握られた拳銃から発射されてい...
これ、間違いないでしょう!「英国王妃の事件ファイル⑫ 貧乏お嬢さまの結婚前夜」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。全17巻のうち、日本で16巻まで刊行されているリース・ボウエンの「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。12巻まで読み進めることができたのは、毎回違った趣向を凝らすその質の高さゆえ。さて、ついに念願の結婚式を目前にしたジョージーの今回の冒険は?結婚式まであと1ヵ月となったジョージーだが、結婚後に住む家が見つからない。そこへ、母クレアの元再婚相手で富豪のアンストルー...
読むべし! 衝撃の3部作 前日譚「受験生は謎解きに向かない」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。衝撃の結末が忘れられないホリー・ジャクソンの「卒業生には向かない真実」。3部作最後を飾る作品として「このミステリーがすごい! 2024年版」海外編の第6位をはじめ、多くのランキングに登場。じつは、その3部作には前日譚があった。大学受験のための試験は終わったが、自由研究のテーマに悩むピップのもとに友人コナーから届いた招待状。それは、架空の島で起きた殺人事件を解決...
今回もきれいにオチがつきました「英国王妃の事件ファイル⑪ 貧乏お嬢さま、イタリアへ」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。貧乏お嬢さまジョージーが、女王陛下のむちゃぶりに右往左往する『英国王妃の事件ファイル』シリーズ。いよいよ結婚が秒読みになったというのに、またも密命を受けて今度はイタリア貴族のハウスパーティーに潜入。第二次大戦前夜のきなくさい時節、ジョージーの運命は?婚約者ダーシーが任務で出かけてしまったところに、女王陛下の呼び出しを受けたジョージー。カトリック教徒である...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。毎年この時期になると新刊が出る、群ようこさんの「れんげ荘物語」シリーズ。主人公キョウコさんが年季の入ったアパートで月10万円の暮らしをつづけて10年以上が過ぎた。シリーズ8作目となる本作でのキョウコさんの心境とは?独立した甥・姪がしばらくぶりに訪ねてくることとなり、正月に兄夫婦の家を訪れたキョウコ。うっかり風邪をひいてしまい、自分の年齢を意識するとともにぼん...
いったい「若さま」は何者?「菖蒲狂い 若さま侍捕物手帖 ミステリ傑作選」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。「捕物帳」といえば銭形平次だが、岡本綺堂や横溝正史にも有名なシリーズがある。「五大捕物帳」のひとつに数えられるこの「若さま侍捕物手帖」シリーズ、じつはこれまでノーマーク。読んでみたらひと味ちがっていた。柳橋の船宿に居候する「若さま」は、今日も看板娘おいとの酌で昼酒としゃれこむ。のらくらしているようでいて、この若さま、実は難解な事件を立ちどころに解決する名...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。書店で「ハヤカワ・ミステリ創刊70周年記念」のオビに惹かれて手にとったこの本。ポケミス手帳の応募期日は過ぎていたが、そんなことより内容が面白そうだったので新年早々読んでみた。過剰防衛で停職したパリ警視庁警視正アンヌ・カペスタンが復職したのは特別捜査班。約40名いるはずの班員は、大酒飲み、ギャンブル依存症、別名”死神”と呼ばれる者など厄介者ぞろい。その任務は未解...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。イギリスの古都バースを舞台にした「初版本図書館の事件簿シリーズ」。前作のテーマはアガサ・クリスティ。シリーズ第2弾となる本作ではドロシー・セイヤーズだ。さて、どんな展開なのか?初版本協会のキュレーターである「わたし」は、協会の創始者であるレディ・ジョージアナの生涯をたどる展示会を計画。協会で定期的に開催する文芸サロンのすべり出しも好調で、理事たちの賛成も...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いよいよ2023年も終わり。年末感が乏しい今年、ミステリもなかなかの豊作。さすがに読み尽くしたので、「フランス本格推理の歴史的傑作」を読んでみた。語り手が住むのは、イギリスのオックスフォードにほど近い村。近所のダーンリー家は、夫人が屋根裏部屋で凄惨な死を遂げたことから幽霊が出ると噂されている。そんななか、語り手の親友ヘンリーが不幸に見舞われたあと、不可解に姿...
実はクリスマス・ストーリー「英国王妃の事件ファイル➉ 貧乏お嬢さま、駆け落ちする」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。リース・ボウエンの「英国王妃の事件ファイル」シリーズには、実はもうひとつクリスマスものがある。それがこちら。恋人と駆け落ちした公爵令嬢ジョージーの運命やいかに?恋人ダーシーに連れられ、駆け落ち結婚が認められるスコットランドの村をめざすジョージー。ところが、雪で道路が通行止めとなり、やむなく道中のパブで一泊した2人の目に最悪のニュースが。なんと、ダーシーの...
2023年に引き続き、一年間で読んだ本の中からオススメの本を紹介していきます。ビジネス書・小説などジャンルを超えて様々な本を紹介できるようにします。 定期的に更新をしますので、ぜひ参考に読んでみてください。
しみじみ……港町のクリスマス「クリスマスカードに悪意を添えて」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いよいよクリスマス。少しずつ寒くなり、雰囲気を感じるようになってきた。折よく「シェフ探偵パールの事件簿」シリーズの新刊が。海外ドラマ<港町のシェフ探偵パール>シリーズ原作でもある本作、どんな内容なのか?クリスマス直前、息子の帰郷を心待ちにするパール。そこへ友人ネイサンをはじめ、町の人びとを中傷するクリスマスカードの相談が寄せられる。気が進まないながらも調...
まるごと1冊クリスマス「英国王妃の事件ファイル⑥ 貧乏お嬢さまのクリスマス」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。そんな感じはしないけど、今週末はもうクリスマス。日本人はお正月が家族イベントだが、欧米ではなんといってもクリスマスが最大のイベント。貧乏お嬢さまが活躍する「英国王妃の事件ファイル」シリーズでもイギリスらしいクリスマスが扱われている。もうすぐクリスマスなのに、寒いスコットランドの実家であまり楽しくないクリスマスを迎えようとしていたジョージー。「良家の子女」...
クリスマスの朝に読んでみては?「クリスマスの朝に キャンピオン氏の事件簿Ⅲ 」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今年は暖かくてなんとなく感じがでないけれど、そんな時こそ本でクリスマス・ムードに浸りたい。クリスティと同時代に活躍したマージェリー・アリンガムの作品がこちら。いくつかあるクリスマス・ストーリーの中でもベストと言われる本編が楽しみ。文庫のタイトル「クリスマスの朝に」と、中編「今は亡き豚野郎《ピッグ》の事件」の2作が収められている。探偵キャンピオンの小学校時...
2人はもはや同一人物?「シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレッド」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。近くはロバート・ダウニー・ジュニアやベネディクト・カンバーバッチも演じたシャーロック・ホームズ。しかし、私にとっての決定版といえば、やはりジェレミー・ブレット演じるところのホームズ。これまであまりなかった気がする関連本に飛びついた。両手を合わせたホームズを横からとらえた表紙の写真が印象的。熱烈なシャーロッキアンかつジェレミー・ブレッド ファンの元教師が、...
どんなときも自分を大事に「ブギの女王・笠置シヅ子 心ズキズキワクワクああしんど」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今年の朝ドラ「ブギウギ」で注目のこの方。「ブギの女王」と呼ばれていたことは知っていたが、記憶にあるのは「家族そろって歌合戦」のやさしい審査員としての笠置シヅ子。同じ戦後スター、美空ひばりに比べるとあまりよく知らない。そこで、朝ドラの原案本が文庫化されたこの機会に読んでみた。香川に生まれ、大阪で少女歌劇団に入団、東京の楽劇団で服部良一と出会い「スヰングの女...
そういえば親戚なんでしたね「英国王妃の事件ファイル⑨ 貧乏お嬢さまと時計塔の幽霊」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。既刊16冊を数える「英国王妃の事件ファイル」シリーズ。貧乏お嬢さま、ジョージーが毎回趣向の異なる事件を解決するのだが、その9巻目がこちら。王家代々の幽霊が出るというケンジントン宮殿に滞在することになったジョージー。幽霊も活躍するのか?アメリカから帰って仮住まいしていた親友ベリンダの家を出ることになったジョージー。うまいことに、女王陛下から第3王子ジョージの花...
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。個人的に刊行を心待ちにしている著者のひとりで、独自の視点で切れ味鋭い批評がクセになる斎藤美奈子。その新書の新作がこちら。「人生の選択と恋の行方に迷う方、必読の書!」だそうです。「文学は大人になって読むほうが面白い」。教科書に出てくるような有名小説を中心に、男女の恋に焦点をあて、登場人物たちの行き違いを解説した本書。「青春小説の王道は『告白できない男たち』...
リゾートで人生を考える「Murder Makes Waves」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。正反対の姉妹が事件を解決するアン・ジョージの「おばあちゃん姉妹探偵」シリーズ。思わず脱力する2人のやりとりがクセになるが、全8作のうち邦訳は3作目まで。そこで、その4作目を英語版で読んでみた。姉のメアリー・アリス、娘のヘイリー、友人のフランシスとともにフロリダ州デスティンにあるメアリー・アリスのリゾート・マンションに行くことになったパトリシア・アン。10月のフ...