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6000冊以上の本を読んできた。これからも読みます! https://booklover55.blog.fc2.com/

これまで読んで記録してきた6000冊(もうすぐ7000冊)の本から、面白かった本を紹介。興味を持ったらぜひ読んでみてほしいです!

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2022/02/28

1件〜100件

  • 手練れ作家のミステリ玉手箱「招かれざる客たちのビュッフェ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。さすが本場イギリス、ミステリの層が厚い。この本は、どちらかと言えば「イヤミス」に分類されそうなクリスチアナ・ブランドの短編を集めたもの。ブランドの入門編と言うべき一冊。収められた16編は、それぞれの味わいに合わせて「コックリル・カクテル」、「アントレ」、「口なおしの一品」、「プチ・フール」、「ブラック・コーヒー」に分かれている。メインはないが、それはデビュ...

  • SF作家の描く安楽椅子探偵「黒後家蜘蛛の会」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。アイザック・アシモフと言えば、「銀河帝国の興亡」や「われはロボット」などのSF作品が思い浮かぶが、実はミステリも書いている。特にこの「黒後家蜘蛛の会」は、インテリたちが巷で起きた謎についてひとしきり推理を戦わせたあと、給仕のヘンリーが真相を言い当てるという、ジーヴスと刑事コロンボを合わせたような趣向が魅力。化学者、数学者、弁護士、画家、作家、暗号専門家の6...

  • こういう手もあり。感心のミステリ 「七人のおば」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。安楽椅子探偵ものは数あれど、パット・マガーの作品は、被害者探し、探偵探しなど、毎回読者に楽しみを与えてくれる。この本は、そんなマガーの代表作。結婚してイギリスに渡ったサリーは、ある日友人からの手紙でおばが夫を毒殺し、自殺したことを知る。しかし、それが七人いるおばのだれかは書かれていない。悩むマギーに、夫のピーターは、おばたちについて語れば犯人の見当をつけ...

  • 男爵夫人の描く安楽椅子探偵 「隅の老人の事件簿」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。イギリスのミステリに火をつけたのは、ご存じコナン・ドイルのシャーロックホームズ。その作品が掲載されたストランド誌の売り上げが爆発的に伸びると、他社もこぞってミステリ小説を掲載し始めた。正真正銘貴族出身の著者が書いた探偵には名前がない。しかし、安楽椅子探偵と言えば、まず名前が挙がるのがこの「隅の老人」なのだ。<イブニング・オブザーバー>紙の記者、メアリー・...

  • サスペンスとロマンスの<マリアージュ>?「逃げるアヒル」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。サスペンスとロマンスの共存は難しい。ロマンス小説のサスペンスものはあっても、サスペンス小説でサスペンスと恋愛のふたつの要素をうまくバランスしたものはごく少数。この本はそれに成功している数少ない作品のひとつ。主人公クレアはある日、知らぬ間に何者かに狙撃される。その後も自宅に爆弾が仕掛けられるなど命を狙われたクレアは、元ベトナム兵の警部補マルチェックを護衛に...

  • 米ミステリ女王の出世作「愛しいひとの眠る間に」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。メアリ・ヒギンズ・クラークと言えば、知る人ぞ知るアメリカのミステリ女王。比較的読みやすい英語なので、毎年クリスマスに新作が出るたびに原書を購入して読んだものだ。トラウマを抱える主人公が事件を通じて気丈にそれを克服するストーリーに、マンネリと承知で勇気づけられてきた。ニューヨークでブティック<ニーヴズ・プレース>を営むニーヴは、顧客である女性ライターの失踪...

  • 遠くに行きたい願望をかなえるミステリ?「死ぬまでお買い物」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ふと現実の生活に疲れると、どこかへ行って別の生活をしてみたい、と思うときがある。その思いを実践したのが、この本の主人公。アメリカで実際にこんな生活ができるかどうか知らないが、ミステリの面白さと逃避願望が同時にかなえられる一冊。ある事情から高級取りの仕事をなげうち、南フロリダにやってきたヘレンは高級ブティックの店員。整形美女に囲まれ、独特の文化にカルチャー...

  • ミス・マープル以来のシニア探偵? 「老人たちの生活と推理」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今でこそ珍しくないシニア探偵ものミステリだが、この本の翻訳出版当時(2000年)にはまだ珍しかったと思う。アメリカ人からよく聞いた夢のリタイヤメント・ホーム。そこで起きる殺人事件をシニア探偵が推理! と、胸躍った。夫である提督を亡くしたアンジェラとキャレドニアは、サンディエゴの北、かつての社交場に開設された高級老人ホーム<海の上のカムデン>で暮らしている。料...

  • インド発のミステリが熱い? 「英国屋敷の二通の遺書」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリ好きとして、今年は最新の作品にも触れていこうと決意。どうやら、本場イギリス以外、それも、非西洋圏のミステリが熱いらしい。今年3月翻訳出版のこの本は、本場英国の王道を思わせるインド発のクローズド・ミステリ。元警察官のアスレヤは、グレイブルック荘の主人から屋敷で行われる集まりに招待される。インドの深い谷にあるその家には、そこに住んでいたイギリス人の亡...

  • 衝撃と感動の傑作 「クリスマスに少女は還る」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。大好きなミステリは、たくさん読みすぎて先が予測できてしまうことも。この本は、一見予想通りに見せかけて、すっきりとそれを裏切ってくれた傑作として心に残る。クリスマスも近いある日、姿を消した2人の少女。優等生の州副知事の娘とホラーマニアの問題児。まったく性格が違う2人は親友同士だった。15年前の同じ時期、双子の妹が誘拐された過去を持つ刑事ルージュは、顔に傷のある...

  • 元祖「女探偵」(アメリカ版)「サマータイム・ブルース」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。イギリスミステリ界の数少ない「女探偵」がP.D.ジェイムズのコーデリア・グレイだとすると、アメリカ版で思い出すのはやはりV・I・ウォーショースキー。およそ37年前、ハヤカワ文庫から出版されたときの衝撃が今も胸によみがえる。シカゴで探偵事務所を開くヴィクは、有力銀行の専務から、姿を消した息子のガールフレンドを探してほしいという依頼を受ける。だが、当の息子は何者かに...

  • タイトルが心に残る本 「女には向かない職業」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。よいタイトルだと読書も楽しくなる。この本はイギリスミステリの大御所、P.D.ジェイムズの1972年に出版された作品の翻訳。原題も同じく「An Suitable Job for a Woman」である。文庫の初版は1987年だが、2021年に25版を重ねているのがうれしい。ハヤカワさん、ありがとう。翻訳者が推理作家の小泉喜美子さんというのもいい。主人公コーデリアが探偵事務所に着いてみると、共同経営者...

  • 現代のツールを使った正統派ミステリ「ポピーのためにできること」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。最近、イギリスミステリが熱い。今年刊行されたばかりのこの本は、メールやSNSという現代のコミュニケーションツールの特徴を生かした正統派ミステリだった。読者への挑戦という懐かしの趣向を受けて犯人あてに挑戦してみたが、的中ならず。いいところまでいったんだけどなあ……。イギリスの田舎町で劇団を主宰するマーティン・ヘイワードの孫娘、ポピーが難病と知らされた町の人々は...

  • おバカの宝石箱や~ 「それゆけ、ジーヴス」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。イギリスのユーモア小説の古典といえば、エリザベス女王も愛読者と言われるP・G・ウッドハウス。訳者があとがきでおっしゃる通り、日本の古典が落語の熊さん八さんご隠居の長屋ものなら、こちらは光輝くおバカの宝石箱。一家に一つ常備しておきたい。貴族の青年バーティーとそれを囲む友人・親戚などのおバカな人々が巻き起こすとんでもない騒動を、天才執事ジーヴスがいつもきれいに...

  • オースティンへのヒル的オマージュ? 「完璧な絵画」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。いまさらながら気づくのは、ジェーン・オースティンのイギリスミステリにおける影響力。アガサ・クリスティーに「田舎の村の三つか四つの家族のことを書くに限ります」と忠告したそうで、もしやミス・マープル誕生のきっかけに?などと思うと楽しい。本棚の整理をきっかけに読み直しているレジナルド・ヒルのこの作品も、各章のエピグラフがオースティンの手紙からの引用となっていて...

  • 本の数は適切に(できるといいな……)「蔵書の苦しみ」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本好きの悩み、それは本がどんどん増えていくこと。その管理には頭が痛い。家じゅうを本棚にする夢を見たこともあったが、この本を読んで考えを改めた。まず「第一話 蔵書が家を破壊する」でショック。本で床が抜ける……。確か、そんなニュース、見たことあった。雪崩れてくる本、それはもう「災害」。反省しつつ読み進み、「第八話 蔵書のために家を建てました」で、家じゅうに本棚...

  • 心がザワつく言葉ってあるよね 「なんらかの事情」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。事件のニュースで、警察が「なんらかの事情を知っているとみて」ある人物の行方を追っているなどと耳にするたび、なんだかザワつく感じがあった。それをまさにタイトルにしているのがこの本。さらに、それが「ねにもつタイプ」で第23回講談社エッセイ賞を受賞した岸本佐知子さんのエッセイとくれば、迷わずレジに直行。岸本さんと言えば一癖ある小説の翻訳者として読者の絶対的信頼を...

  • このビジュアルは衝撃だった 田村セツコ おちゃめな老後

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。まだ老後を考える年でもなかったころ、書店で見つけて衝撃を受けたのがこの本。田村セツコさんと言えば、ラブリーな女の子のイラストで一世風靡した方。その田村さんの御年75歳の暮らし方をまとめたフォトエッセイだ。まず、メイド風の装いでティーカップを口元に運ぶ表紙のビジュアルにびっくり。ページをめくると、折り畳み傘を利用して作ったスカートを着用したスタイル抜群の写真...

  • 「老人」って何? 独居老人スタイル

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。高齢化日本がマスコミの話題になってずいぶん経つ。平均寿命が知らぬ間に伸びた今、「老人」の定義も以前とは違ってみえる。そんな中、この本は「独居老人」という言葉で浮かぶステレオタイプなイメージを破壊してくれた。本書には、自分らしく好きなように暮らす16人の「独居老人」が登場する。その個性的な暮らしぶりを見るとそのカラフル具合に圧倒されてしまうが、まてよ、この人...

  • エッセイだけどお仕事小説? 別人「群ようこ」のできるまで

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本を整理していたら出てきたこの本。「かもめ食堂」などが人気の群ようこさんの、大学卒業から「群ようこ」が誕生するまでを描いたごく初期のエッセイ本だ。群さんの大学卒業時といえば、男女雇用機会均等法施行のずっと以前。公務員や専門職を除けば大卒女子の就職が厳しく、今よりもっと働き方に余裕がなかった時代。群さんも広告代理店や編集プロダクションなどいくつかの職を転々...

  • 落ち込んだとき笑える本 西加奈子 この話、続けてもいいですか? 

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。なんとなく気分が落ち込むときは、笑うのが一番。お笑いもいいが、本好きならやっぱり本で笑いたいもの。本書は、あの直木賞作家、西加奈子さんの爆笑エッセイである。ホントに申し訳なかったのだが、西さんの本を読んだのはこのエッセイが初めて。巻頭の著者の写真を見て、このファンキーなお嬢さんは誰?と思いつつ、信頼のちくま文庫と、オビの「脳みそつるつるエッセイ、文庫化!...

  • タイトルが気になる本 平凡すぎて殺される

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。今年発売のこのミステリも、書店でタイトルが気になって手に取った。原題は「A MAN WITH ONE OF THOSE FACES」( よくある顔の男)だが、原題よりもずっと読む気をそそるタイトルだ。28歳、無職のポールは、ある理由で病院でのボランティア活動に精を出している。彼の特徴である顔に特徴がないことを生かし、家族が見舞いに来ない老人たちの家族がわりをしているのだ。ところがある日...

  • 一粒で二度おいしい ツユクサ

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本と映画は切っても切り離せない。原作本を読んでから映画を見るか、はたまた、映画を見てから原作本を読むか議論は分かれるところだが、個人的にはどちらもアリ。楽しみが倍、いや、それ以上になること請け合いなのだ。本書は原作本ではないが、「エヴェレスト 神々の山嶺」(ちなみに、これも映画と本で2度おいしかった作品)の平山秀幸監督が「10年間温めた」オリジナル映画の脚...

  • タイトルが心に残る本 薔薇は死を夢見る

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本を選ぶきっかけのひとつがタイトル。タイトルで選んで中身が面白いと2倍得した気分になる。翻訳ものの場合、オリジナルのタイトルのままのときと、独自のタイトルが使われる場合があるが、この作品は後者。原題は「DEADHEADS」で、文中に繰り返し出てくるしおれた薔薇の花を摘む行為と複数の「疑惑の死」を絡めた、これはこれでうまいタイトル。物語は主人公パトリック・アルダー...

  • 最近読んで面白かった本 団地のふたり

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ミステリと並んで好きなのが、ほっこり系の小説。前作の「じい散歩」もよかったが、こちらのほうがより自分には身近で面白かった。奈津子は同居の母親が親族の介護で不在のため、団地でひとり暮らし。本業はイラストレーターだが今は主にフリマで生計を立てている。保育園からの幼馴染で非常勤講師のノエチは奈津子の家にほぼ毎日やってきて、家では発散できないストレスを解消してい...

  • 最近読んで面白かった本 ヒロシマ・ボーイ

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。これも昨年出版され話題になった本。表紙を思わず二度見してしまうのが、作者名(平原直美)の横に芹澤恵(訳)と書かれていること。さらにオビには、「2019年エドガー賞最終候補作!」とある。日本の作家の作品が翻訳されてエドガー賞を受賞したことはこれまでにもあるが、これはそうではなく、アメリカ在住の日系人作家の作品なのだ。主人公マス・アライは広島生まれの86歳。幼いこ...

  • トンデモ警部の系譜 ダルジール警視

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。国内外のミステリに、脈々と続いている「トンデモ警部」の系譜。自己管理とは無縁の体型で暴言を吐きまくるおよそヒーローとはほど遠いキャラのトンデモ警部が、意外にやり手で事件を解決してしまうというのがお約束だ。コンプライアンスがきつくなった今では絶滅危惧種かもしれない。愛する英国作家、レジナルド・ヒル描く中部ヨークシャー警察のダルジール警視もその一人と言ってい...

  • 最近読んで面白かった本 ブラックサマーの殺人

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。これも去年出版の話題のミステリ、<ワシントン・ポー>シリーズの第2作だ。2作目から読んだのだが、1作目もがぜん読みたくなってきた。ちなみに、1作目は「英国推理作家協会賞最優秀長編賞ゴールド・ダガー受賞作」だ。ある日、カンブリア州の図書館に異様な風体の女がやってくる。それが主人公ワシントン・ポーの災厄の始まりだった。女は、カンブリア州での刑事時代にポーが実...

  • 最近読んで面白かった本 隠居は台湾で?

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。この本は発売時に購入していたのだが、まだ読んでいなかった。先日「台北プライベートアイ」を読み、台湾つながりで読んでみたら、互いの内容がリンクして得した気分。著者の「20代で隠居 週休5日の快適生活」(K&Bパブリッシャーズ)は、地方でなく都会での「隠居」生活が紹介されていて、ただのミニマリズムとは違う生活スタイルが参考になった。その著者が今度は台湾で「隠...

  • 最近読んで面白かった本 自由研究には向かない殺人

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。去年、何度か購入を考えてその都度ほかの本を買ってしまったこの本。読んでみたら、とても面白かった。高校生のピップは、夏休みの自由研究で5年前に起きた殺人事件を題材にすることにした。当時17歳の女子高校が失踪し、容疑者としてその交際相手が自殺した事件。遺体はまだ見つかっておらず、自殺したとされるサルが犯人とはどうしても思えないピップは彼が殺人犯でないことを証明...

  • 最近読んで面白かった本 台北プライベートアイ

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。去年話題になったミステリを続けて読んでいる。この本は、発売時書店で目についてはいたが購入しなかったもの。購入しておけばよかった!と後悔。劇作家で大学教授の呉誠(ウーチェン)は、長年のうつ病が嵩じたか、はたまたミドルエイジクライシスか、酒の席での辛辣な批評をきっかけに人生が傾き始め、妻に出ていかれたあげく、今や職を辞して路地裏・臥龍街に住む身。何を思ったか...

  • 最近読んで面白かった本 凪の光景

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。佐藤愛子先生といえば、最近は「90歳。何がめでたい」などのエッセイが有名だが、小説もとても面白い。1988年に発表されたこの小説、改めて文庫化されたので早速読んでみた。大庭家は一見すると幸せな家庭。教師を退職した丈太郎72歳、その妻信子は64歳。同じ敷地内に自動車販売会社に勤める長男謙一の家があり、妻の美保は元雑誌記者のフリーライター。二人の間には一人息子の吉見が...

  • 最近読んで面白かった本 曽野綾子 人生の決算書

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。作品を楽しみにしてきた作家が亡くなったり、新刊が出なくなったりするのは寂しい。長年愛読してきた作家のひとりである著者の新刊が今年出版されたのは喜びだった。特にうれしかったのは、比較的最近の小説がまとめられていたこと。過去の選りすぐりや近況をつづったエッセイは出版されていたが、小説は久しぶりだ。中でも「タンブス荘の人々」は、好きなタイプの作品。語り手の「わ...

  • 最近読んで面白かった本 理想のひとり暮し?

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。自分にとって関心が高い本にはついついアンテナが動く。よく行く書店の新刊本からふと手に取ったのがこちら。87歳の多良美智子さんの団地での日常を写真とともにまとめた一冊。高齢化に伴う膝関節の痛みや記憶力の乱れなどを謳う数々の広告にさらされ、明るい老後がイメージできない今日この頃、先達がどのように愉しまれているのか興味津々。どうやら、すでにYouTubeで話題だったら...

  • 最近読んで面白かった本 ブックセラーズ・ダイアリー

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本に関して書かれた本に出会うと、何であれ素通りできない。これは「本を買いに行ったはずが、本屋を買ってしまった」店主が、日々のあれこれを日記形式で語った一冊。各章の頭に、ジョージ・オーウェルの『本屋の思い出』からの引用があるのが楽しい。英国ウェールズにある古書店の集まった村、ヘイ・オン・ワイは憧れの場所。いつか訪ねてみたいと思っていたが、コロナでそれもかな...

  • 最近読んで面白かった本 結婚独身貴族

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。本屋の新刊棚で、面白そうな本を見つけるのが日課。長年培ったカンをフルに発揮して、新しい面白本が見つかった時は幸せ。これも、そうして見つけた一冊。表紙のイラストから、ラノベなのかな?と思いつつ、タイトルに目が止まった。結婚かつ独身貴族?? オビには、「魔法のiらんど大賞2020小説大賞<キャラクター小説 特別賞>受賞作」、さらに、「注 こう見えて恋愛フラグは、...

  • 最近読んで面白かった本 人間が生きているってこういうことかしら?

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。命や生きるということをいやおうなしに考えさせられたこの2年間。本書は、生命誌研究者の中村桂子さんとホスピス医の内藤いづみさんの生や命をめぐる対談集。中村桂子さんは、以前読んだ『「ふつうのおんなのこ」のちから 子どもの本から学んだこと』(集英社)が心に残ったので、手に取ってみた。随所で目からうろこが落ちる。ひとつは視点。近い視点で見た場合、人=私はそれぞれ...

  • 最近読んで面白かった本 にぎやかな落日

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。ただ自分の読みたい本だけを読んできた中には話題の本もある。著者の朝倉かすみさんは、山本周五郎賞を受賞した「平場の月」が心に残っていた。「平場の月」は、50代の男女の恋愛を描いたある意味で画期的な作品。心動かされたが、恋をするには才能が要るとも感じた。しかし、老いは誰もが通る道ということで、「にぎやかな落日」はとても面白かった。主人公おもちさんは83歳。そろそ...

  • 元祖トンデモ警部? ドーヴァー

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。国内外のミステリを多数読んできた中に、脈々と続いているのが「トンデモ警部」の系譜。さぼり癖、下品なジョーク、締まりのない体型などおよそヒーローとはほど遠いキャラのトンデモ警部が、意外にやり手でどういうわけか事件を解決してしまうというのがお約束だ。その中で古典と思われるのが、ジョイス・ポーター女史描くところのドーヴァー警部ではないだろうか。著者ジョイス・ポ...

  • 最近読んで面白かった本 ビショップ氏殺人事件

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。最近読んで面白かったのがこの本。ミステリなのだが、作者は曽野綾子さんである。曽野さんといえば、聖心女子大卒業と同時に文壇デビューされた才女として名高く、後年は日本財団の会長を務めるなどの活動でマスコミに登場することも多かった。カトリック教徒でもあり、独自の視点で描かれる小説やエッセイには救われることが多く、たくさんの作品を愛読してきた。中でも、「太郎物語...

  • まだ読んでいないなら読んでほしい「るきさん」

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。高野文子さんの傑作まんが「るきさん」は、繰り返し手に取る一冊。筑摩書房の単行本は見開きが一話ずつになっていて読みやすい。ちょっとずれた主人公るきさんの日常と、意識高い系のともだちのえっちゃんとのやり取りがクセになる。30代と思われるるきさんは、独身で医療事務をなりわいにアパート暮し。趣味は読書で図書館通いが日課。お昼には図書館の売店でやきそばパンを食べたり...

  • まだ読んでいないなら読んでほしい吉野朔美

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。昔、欠かさず買っていた漫画雑誌「ぶ~け」。「ぶ~け」の前は、いわゆる少女向け漫画の「マーガレット」派と「フレンド」派(少年漫画では「チャンピオン」と「ジャンプ」)に2分されていたと記憶する。それが、80年代前後からちょっと大人だったりひねった内容だったりの作品を掲載する雑誌が増えた。「花とゆめ」や「LaLa」とともに発売日を楽しみに乏しい小遣いで買っていたのが...

  • 「少女」じゃなくても読んでほしい氷室冴子

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。結構な年になっても繰り返し読んだのが、コバルト文庫から出ていた氷室冴子さんの小説の数々。同年代と話しても、「懐かしい思い出本」として名前があがる確率が高い。平安時代の姫君が朝廷の陰謀を解決する「ジャパネスク」シリーズでは、長ーい髪に十二単、ちょっと動けばめまいがしそうな弱々しいイメージがあった平安女性が、牛車(!)に乗って捜査に乗り出す姿に胸を躍らせた。...

  • 究極のSDGs小説? パンとスープとネコ日和

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。気づいたら、群ようこさんの本をデビュー以来ずっと読み続けている。最初はアメリカ留学(?)のことやご自身の家族関係を語ったエッセイなどを面白く読んでいたのだが、フィンランドでおにぎり屋を開く「かもめ食堂」のあたりから、「ふつう」の人がシンプルに生活するフィクションにより癒しを感じるようになった。「パンとスープとネコ日和」の初版は今から10年前の2012年4月、202...

  • まだ読んでいないなら読んでほしいディック・フランシス

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。中でも思い出深いのがディック・フランシスの「競馬シリーズ」。と言っても、著者は「競馬」以外のシリーズを書いてはいない。ディック・フランシスはかつて「女王陛下の騎手」をしており、その後、雑誌記者を経て作家になった。主人公の職業が何であれ、ほぼ必ず競馬業界や馬に関連した事件が描かれている。作品は基本的に主人公の一人称で描かれ、同じ主人公が2度登場することはほ...

  • まだ読んでいないなら読んでほしいマーサ・グライムズ

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 久しぶりにマーサ・グライムズ、「禍いの荷を負う男」亭の殺人(文春文庫)を読んでみた。記念すべき「警部リチャード・ジュリー」シリーズの第1作で、初版は37年(!)前の1985年3月。思えば遠くに来たものだ……。主人公リチャード・ジュリーは40歳前後、戦争孤児となり、いまはロンドン警視庁の警部(のちに、確か警視に昇進)。永遠の敵役、俗物オヤジのレイサー警視の言いつけ...

  • まだ読んでいないなら読んでほしいクレイグ・ライス

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。クレイグ・ライスは面白い。たとえて言うなら「大人の童話」? 厳選のベストスリー3冊。スイート・ホーム殺人事件 ハヤカワ文庫読み返したらやっぱり面白かった。推理小説を書いて3人の子供を育てるシングルマザーのママ。そこへ隣の奥さんが殺される事件が!  仕事で忙しいママの代わりに子供たちは事件解決に乗り出すが……。女の子2人に男の子1人の3人組のやり取りが...

  • 過去に読んだ中で面白かった本⑰

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2021年に読んで面白かった本。通算読書数は125冊(カッコ内は通番)。服藤恵三 警視庁科学捜査官 難事件に科学で挑んだ男の極秘ファイル 文藝春秋社 (6615)何かの番組で著者を見て読んでみた。科学捜査によってわかる事実が犯罪の抑止と冤罪の減少につながってほしい。藤田宜永 愛さずにはいられない 新潮文庫 (6622)読まずにはいられない。パートナー小池真理子...

  • 過去に読んだ中で面白かった本⑯

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2020年に読んで面白かった本。通算読書数は158冊(カッコ内は通番)。上西充子 呪いの言葉の解きかた 晶文社 (6439)世にあふれる呪いを再認識。問題の解決はまず気づくことから。福永武彦 中村真一郎 丸谷才一 深夜の散歩 ミステリの愉しみ 創元推理文庫 (6443)福永武彦がミステリを書いていたことを知りませんでした。ミステリに関する発見がいっぱい。三人三...

  • 過去に読んだ中で面白かった本⑮

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2019年に読んで面白かった本。通算読書数は142冊(カッコ内は通番)。 アンソニー・ホロヴィッツ 山田蘭訳 カササギ殺人事件 上・下 創元推理文庫 (6289・6290)この年の「このミス」はじめ、さまざまな評価媒体でランキング入りしただけあって面白さはダントツ。確か、著者は「名探偵ポアロ」の脚本も担当していたのではなかったか。ミステリの楽しさを存分に味わえ...

  • 過去に読んだ中で面白かった本⑭

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2018年に読んで面白かった本。通算読書数は152冊(カッコ内は通番)。児玉清 ひたすら面白い小説が読みたくて 中公文庫 (6144)「面白本」を伝える熱と多読による目利き。著者の本を読むと「友」と語り合っている気分になる。「タイムショック」の掛け声と本を愛する心は永遠。平田俊子 低反発枕草子 幻戯書房 (6171)タイトル、そして、「詩人」に惹かれて読んだ。...

  • 過去に読んだ中で面白かった本⑬

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2017年に読んで面白かった本。通算読書数は145冊(カッコ内は通番)。個人的につらいことがあったこの年、本が慰めになってくれた。松村由利子 少年少女のための文学全集があったころ 人文書院 (6008)小学生のころ、友達の家に確かにあった文学全集。読む読まないにかかわらず、「本棚には全集」の時代があったのだ。岡崎武志 古本道入門 買うたのしみ、売るよろこび...

  • 過去に読んだ中で面白かった本⑫

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2016年に読んで面白かった本。通算読書数は150冊(カッコ内は通番)。新しく読む作家の当たり年だった。山崎ナオコーラ ネンレイズム 開かれた食器棚 河出書房新社 (5841)ふと手に取ったが予想外の収穫だった。著者はいつも思いがけない方向から物事を見せてくれる。小倉千加子 「赤毛のアン」の秘密 岩波書店 (5841)決して嫌いではないのだが、「アン」にいつも...

  • 過去に読んだ中で面白かった本⑪

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2015年に読んで面白かった本。通算読書数は128冊(カッコ内は通番)。堀江敏幸 象が踏んでも 回送電車IV 中公文庫 (5710)小説なのか散文なのか不明の境地に、現実社会と並行した別世界に遊ぶ心地がする。浮遊感が快い。ギッシング 平井正穂訳 ヘンリ・ライクラフトの私記 岩波文庫 (5712)年金をもらって田舎暮らし、英国ジェントルマンの夢をかなえたかに見える...

  • 過去に読んだ中で面白かった本➉

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2014年に読んで面白かった本。通算読書数は121冊(カッコ内は通番)。木内昇 漂砂のうたう 集英社文庫 (5596)初めての著者と出会うときのドキドキがたまらない。古くて新しい、新しくて古い、不思議な読後感。『いなか暮らしの本』編集部編 おひとりさまの田舎暮らし 宝島社新書 (5597)定期的に襲い来る現実逃避欲求。それを満たすというよりは、「いなか暮らし」...

  • 過去に読んだ中で面白かった本⑨

    これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。 今日は2013年に読んで面白かった本。通算読書数は166冊(カッコ内は通番)。S.J.ボルトン 法村里絵訳 毒の目覚め 上・下 創元推理文庫 (5428・5429)この年の翻訳ミステリを集中して読んだ中で、群を抜く面白さ。哀愁の幕切れも味がある。上野千鶴子 湯山玲子 快楽上等! 幻冬舎 (5435)新しい視点が欲しいときにリフレッシュさせてくれる一冊。「それでいいんだ」...

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