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1、作品の概要 『枯木灘』は、中上健次の長編小説。 芥川賞を受賞した『岬』の続編として刊行され、『地の果て 至上の時』を含めて3部作として構成された。 第31回毎日出版文化賞、第28回藝術選奨新人賞を受賞。 『文藝』に1976年10月号~1977年3月号に掲載された。 文庫版で371ページ。 番外編『覇王の7日』、著者あとがき『風景の貌』を収録。 紀伊を舞台に、土地と血脈の呪縛に翻弄される人々の運命を描いた。 2、あらすじ 秋幸は、母・フサと血の繋がらない父親の竹原繁蔵と暮らしていた。 26歳になり、体も大きく逞しくなった秋幸は土方の現場監督としてがむしゃらに働き一目置かれるようになっていた。…
「お~いお前ら、遅いぞ走れ~!」 退屈な一日の授業を終えて昇降口から外に出ると、ひどく細長いノックバットをかついで校庭のマウンドの土を退屈しのぎに足裏で均しながら、声をかけてくる薄汚れたウインドブレーカー姿の男がいる。部活に来る面倒くさいOBだ。 監督はいつも遅れ気味にやってくるが、部活に来る面倒くさいOBはだいたいいつも先にいる。時にはベンチで煙草を吹かしながら、「お前らは吸うなよ~」と矛盾したことを平気で言ってくる。よほど暇なのだろう。週に三日はコンスタントにやって来るのだから、どんな仕事及び働きかたをしているのかわかったものではない。 それにしても灰皿代わりに煙草をねじ込んだ空き缶をベン…
先日、私はとある企業の採用面接を受けた。特に入りたい会社ではなかったが、こちらにだって特にやりたいことがあるわけではない。私はいつもの如くエントリーシートに、それらしい自己PRと志望動機を書き込んだ。もちろん本当に思っている内容など一文たりとも含まれてはいなかったが、もしも律儀にそれをしたならば、「自分には特に何も能力はない」「何もせずにお金が貰いたい」と表明することになってしまうのだから、こんなところに本音を書く手はない。 一週間後、そんな嘘まみれのエントリーシートが功を奏したのか、書類審査を通過したので面接に来てくれとの連絡が来た。当日の朝、私はありがちなリクルートスーツを身につけて面接に…
1、作品の概要 『われもまた天に』は、2020年9月25日に刊行された古井由吉の短編小説集。 2020年2月18日に他界した古井由吉の遺作となった。 『雛の春』『われもまた天に』『雨上がりの出立』『遺稿』(未完)の4編の短編小説からなる。 単行本で139ページ。 『新潮』2019年7月号~2020年5月号に掲載された。 2、あらすじ ①雛の春 立春の2月4日。 入院先の病院で聞く夜の車の音、人の話し声。 記憶は巡り、2人の娘のために飾った雛人形を思い、雪の夜に女とすれ違ったことを思う。 ②われもまた天に 寒々しい春が凶年を予感させ、寒々しい5月。 漢文から、生れる前は天の内に在って五行の運行の…
【※以下の小説は、題名以外すべてChatGPTに依頼して書いてもらったものである。】 江戸時代の町に、突如として現れた異色の侍、その名も「サブスク侍」。彼は普段から「デジタルクラウド刀」と呼ばれる特殊な刀を携え、町の人々に対して新しいサブスクリプションサービスの魅力を説いてまわっていた。 サブスク侍は、通常の侍のような剣術や武道だけでなく、デジタル分野の知識にも長けていた。彼の呼びかけに応じる者たちは、サブスク侍の案内で様々なデジタルサービスに加入し、その利便性に驚嘆した。 しかし、やがてサブスク侍の説明には裏があることが明らかになった。加入者たちは気づかぬうちに月々の支払いが高額になっていき…
【本】平野啓一郎『日蝕』~死と混沌、幻影が垣間見せた一瞬の光~
1、作品の概要 『日蝕』は平野啓一郎の長編小説。 彼のデビュー作。 『新潮』1998年8月号に掲載され、同年10月に刊行された。 第120回芥川賞を当時の最年少(23歳)で受賞し、話題となった。 15世紀末のフランスを舞台に神学僧の異端との遭遇を描いた。 2、あらすじ 15世紀末のフランス。 神学をパリの大学で学んでいたニコラは、フィレンツェへと向かう旅の途上で、リヨン司教の勧めにより、とある村に立ち寄る。 その村で、酒と女に溺れた堕落した司祭・ユスタス、ニコラと同じドミニコ会の僧侶・ジャック、そしてリヨン司祭に会ってみるよう勧められた錬金術師・ピエェル・デュファイと出会う。 ピエェルの幅広い…
よく晴れた朝だった。門を抜けて通りに出た一歩目で、わたしは靴に襲われた。誰かに蹴られたという意味ではない。それは雲ひとつない空から降ってきたのだ。 しかしそんなことがあるはずはなかった。雲は雨や雪を作るが靴は作らない。だいいちそんな雲さえ、この日の空にはひとつも見あたらなかったのだから。「痛っ!」 靴の奇襲攻撃を受けたわたしは、蹲って素直な感想を口にした。すると道の反対側から、片足を上げたけんけん走りで寄ってきたスーツ姿の男が、満面の笑みを浮かべてわたしにこう言った。「冗談ですよ、冗談!」 なぁんだ、そうなのか。それが本当に天から降ってきたというのなら、とても冗談では済まされないが、そんな天変…
、、、と漱石の小説を読んで思った。全部書き尽くされているではないか。漱石に限ったものでもないだろうが、ほんの数冊いや5作品、読みかじったくらいなら10作品くらい読んで、そう直感したぞ。Kindleのアプリがお持ちの端末に入れてあるなら、気の利いた読むに便利な漱石全集のKindle本がある。 夏目漱石全集 決定版 全124作品 (インクナブラPD) 作者:夏目漱石 Incunabula.Inc. Amazon 国語辞書を調べると、例文としてよく漱石の文が出てくる。例えば、「迂闊」を調べたとする。すると、1、2、3と意味合いが微妙に違う解釈が出てくる。そこに”夏目漱石、彼岸過迄「最も迂闊の様で、最…
こんばんは☆ 今日は、中村 文則のデビュー作『銃』についての書評を書こうと思います。 銃 (河出文庫) 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2012/07/05 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (9件) を見る 『銃』は2002年に発表された中村 文則のデビュー作で、彼はこの作品で新潮新人賞を受賞し、華々しくデビューしました。 一人暮らしの大学生西川が、たまたま河原で銃を拾って持ち帰ってしまい、徐々に銃の美しさに魅せられていき狂気に飲み込まれていくというストーリーで、主人公・西川の心理、内面の変化を描く作風は、どことなく古風な感…
中村 文則の第2作『遮光』の書評です。 この小説を簡単に言ってしまうと。 暗い。 とにかく暗い。 そして、狂ってる。 以上。 みたいな小説です(笑) いや、大好きなんですけどね♪ 遮光 (新潮文庫) 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/12/24 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (10件) を見る あらすじ&使用上の注意 もし、読書好きの女子とカフェデートなんかして好きな本の話になったとします。 相手の女の子が江國香織さんとか、恩田陸さんとか、小川糸さんとか好きで、彼女が好きな本でひとしきり盛り上がったあとにあなたが好きな本…
【自分】尾崎世界観・千早茜/犬も食わない~読了メモ~【専用】
尾崎世界観・千早茜/犬も食わない読了した🎉オモロカッタ🔥🔥究極の恋愛小説というキャッチコピーが帯に書かれてあるけど決して究極ではないと思うけどなw色んな解釈があっていいとは思うけど(^^♪あとがきの対談でも このことについて語られていた(^^♪個人的には尾崎世界観が描く日常生活の描写が生々しくて思わず目をそむけたくなったり 良い意味で嫌な気分になったりしたたぶん 自分に心当たりがおもっくそあったからだろうなwこ...
【本】中村文則『列』~相対的にしか幸福を感じられない不幸と呪い~
1、作品の概要 『列』は中村文則の中編小説。 2023年10月5日に刊行された。 群像2023年9月号に掲載された。 152ページ。 列に並ぶことを通して、相対的にしか感じられない現代社会における幸福を描いた。 2、あらすじ 「私」は気付いた時から列に並んでいて、なぜ列に並んでいて、自分が何者なのかの記憶をなくしていた。 他者より一歩でも先に進みたい、この列から離れて逸脱したくない。 様々なトラブルに見舞われながら列に並び続けることに固執する「私」だったが・・・。 猿の生態を研究している大学の非常勤講師の草間は、大学院生の石井と一緒に猿の群れを観測し続けていた。 非常勤講師という不安定で低収入…
迷惑系ユーチューバーのひろしが、今日も他人様にしっかり迷惑をかけている。他人に迷惑をかけているからこそ、彼はそう呼ばれているのだ。だがその肩書きが、本当に現在の彼にふさわしいのかどうかは誰にもわからない。そもそもそんな「系」など、つい最近までこの世に存在していなかったのだから。少なくとも、我が銀河系には。 そんな迷惑系ユーチューバーひろしのもとへ、ある日一通のメールが届いた。 《迷惑を、かけてほしい人がいるんです》 件名にはそう書かれており、差出人のアカウント名には〈毒殺系フードコーディネーター〉と書いてあった。 人は会ってみないことにはわからない。それはいつもネット社会を主戦場にしているから…
文學界(2023年8月号)(創作 高瀬隼子 石原燃/鼎談 円城塔×千葉雅也×山本貴光)文藝春秋2023-07-07文學界2023年8月号から短編をゲームセンターで社員として働く長井朝陽ペンネーム(早見有日)は、ゲームセンターを舞台にした小説で芥川賞を受賞した。受賞後、様々な媒
文學界(2023年8月号)(創作 高瀬隼子 石原燃/鼎談 円城塔×千葉雅也×山本貴光)文藝春秋2023-07-07文學界2023年8月号より岸川真氏の短編を紹介昭和64年1月4日、昭和天皇が体調崩し、世間は自粛モードに包まれている。長崎の炭鉱で激しいストを行い、落盤事故の責任を
【西部小説再興と評される傑作】『終わりのない日々』セバスチャン・バリー ②年表を書きながら読む
終わりのない日々 (エクス・リブリス)セバスチャン・バリー白水社2023-06-02前回であらすじと感想を簡単に記した。今回は登場人物を書きつつ、年表と時代背景を踏まえて読んでみた。以下、詳細にネタばれあり登場人物・トマス・マクナルティ アイルランドのスライゴ出身 移
【本】中上健次『十九歳のジェイコブ』~逃れようもなく定められていた血と呪縛によるカタストロフィー~
1、作品の概要 『十九歳のジェイコブ』は1986年に刊行された中上健次の長編小説。 文庫本で245ページ。 2014年に舞台化された。 ジャズを愛し、セックスとドラッグにまみれていく19歳の青年の懊悩と狂気を描いた。 2、あらすじ 十九歳のジェイコブは、故郷を飛び出し、モダンジャズ喫茶店に入り浸っていた。 学校にも行かず、定職にもつかず、ジャズ、セックス、ドラックにあけくれる毎日。 自分の住居すらなく、友人のユキの家や、誰からのところを転々とする日々だった。 キャス、ケイコらと自堕落な快楽に溺れながら、霞んだ意識の中でジェイコブは世話になっていた叔父の一家を惨殺することを繰り返し考えていた。 …
【ホストクラブで繰り広げられる狂想】『トラディション』 鈴木涼美
群像 2023年 08 月号 [雑誌]講談社2023-07-07群像、2023年8月号より鈴木鈴木氏の短編を紹介。今回の舞台は繁華街の7階にあるホストクラブ。会計役として働くサチコと異母姉妹の祥子やホストに多額の金を貢ぐ姫達、内勤の男や幹部、彼ら彼女らが繰り広げる、繁華街での狂騒を
す ば る 2023年8月号集英社2023-07-06すばる2023年8月号から、特集「トランスジェンダーの物語」から桜庭一樹氏の短編を紹介「物心ついてから、自分が男の子だと思っていなかった時は、1度もない。」真田由玄、40歳、群馬県高崎市で天王寺と言う家の一人っ子として生まれ、
群像 2023年 09 月号 [雑誌]講談社2023-08-07群像 2023年 08 月号より戌井昭人氏の短編を舞台となっている半島は10年前の巨大竜巻で南側が壊滅状態になり、人々は北側で暮らしている。宇田はトラス機関と言う組織で、同僚を含めて、脛に傷を持ったものが集まり南側の点検作業
【素晴らしい筆力で生きることに迫る感動作】『植物少女』朝比奈秋 【読書記録】
植物少女朝比奈 秋朝日新聞出版2023-01-10「私にとって、母は会いに行く人物だった」冒頭、母の葬儀直前のシーンから主人公・美桜が母・深雪とのこれまでの人生を振り返る物語が印象的な一文とともに始まっていく。あらすじ(ネタばれあり)母は美桜を産んだ際の脳出血
【美しいようで脆く危ういバランスの上に成り立つ家族生活】『棕櫚を燃やす』 日々野透
棕櫚を燃やす野々井透筑摩書房2023-05-122022年第38回太宰治文学賞受賞作YouTubeの「有隣堂しか知らない世界」の又吉さん登場回で、「これは面白そうですね」とおすすめされていた本あらすじ(ネタばれあり)春野、5歳年下の妹澄香、おそらくガンであろう病と闘う父3人のもろ
文藝 2023年夏季号河出書房新社2023-04-21文藝夏号より、佐藤究氏の新作長編を紹介。毎回ながらリアリティは圧巻。いつもながら丹念に積み上げたものがエンディングで一瞬でなくなるあたり、破壊衝動をお持ちなのかなと思ってしまう。あらすじ主人公、透は幼少期から航空機に
【スーパーポジティブパパ活女子の北京滞在記】『パッキパキ北京』綿矢りさ 【読書記録】
す ば る 2023年6月号集英社2023-05-06すばる6月号より、綿矢りさ氏の中編を紹介あらすじ主人公、菖蒲(あやめ)は20歳年上の夫に乞われ、まったくしつけがされていない愛犬の(狂犬)ペイペイと北京に乗り込む。菖蒲の性格は極めてポジティブで、「こんなに楽しみで流れて
1、作品の概要 『伊豆の踊子』は川端康成の短編小説。 初期の代表作で、新潮文庫版だけで338万部売り上げた。 1926年に『文藝時代』1月号、2月号に掲載され、翌年1927年に刊行された。 校正を梶井基次郎が担当した。 6度映画化され、NHK連続テレビ小説などでテレビドラマ化された。 『湯ヶ島での思ひ出』がもとになった。 20歳の学生である「わたし」と、踊子をはじめとする旅芸人の一座との爽やかな交流を描いた。 ほかに『温泉宿』『抒情歌』『禽獣』の3編が収録されている。 2、あらすじ ①『伊豆の踊子』 20歳の学生である「わたし」は1人伊豆の旅へと出て、旅芸人の一座と出会う。 彼らと旅を共にする…
【誇り高きベテラン職人が向き合うスランプ】『我が手の太陽』石田夏穂【読書記録】
我が手の太陽石田 夏穂講談社2023-07-13石田夏穂氏の『我が手の太陽』芥川賞候補作あらすじベテラン溶接工の伊東は、優れた技量をもち、会社ではエース級の存在。そんな伊東がスランプに陥り、自身が手掛けた個所が検査で不合格となり、やり直しのなかで重大な違反を犯し、元
【修学旅行の自由行動を使って叔父に会いに行く青春ストーリー】『それは誠』乗代雄介【読書記録】
それは誠 (文春e-book)乗代 雄介文藝春秋2023-06-29乗代雄介氏の『それは誠』を芥川賞候補作、確か4回目のノミネート。あらすじ主人公の佐田誠が、修学旅行の自由行動の日を利用して、2 年前に別れたきりで東京・日野に住む叔父に会いに行く。その口裏合わせに同じ班の男女7
№1,600 心理学は摩訶不思議18 “ 他人に見せたい「自分」”
とりあえずポチっと、押していきはります❓ ⏱この記事は、約4分で読めます は じ め に ご 挨 拶 本 編 他人に見せたい「自分」 お わ り に 糸屯ちゃんの掲示板 主催サークル(2023年07月24日 19:45 現在) は じ め に ご 挨 拶 おはようございます ☕ _ _))ペコリンン 白石です本日のテーマも、怒涛の 心理学は摩訶不思議18 です おはようございます ☕ _ _))ペコリン 真行寺ですそれでは、わたくしの方からお送りさせていただきます心理学は摩訶不思議18 のご紹介をします他人に見せたい「自分」 です! (・・*)。。oO(妄想中) それでは、皆さん 楽しんで…
出版界の春の風物詩となった本屋大賞。今年20回の節目を迎えた。作家や評論家でなく、全国の書店員が「いちばん!売りたい本」を投票して選ぶ。当初は直木賞と比較された。アンチ直木賞的な立場だったからだ。「直木賞は、本当に取るべ ...
【読書記録】どこにでもいそうで、どこにでもありそうな主婦によるノワール『掌中』山下紘加
文學界(2023年3月号)(特集 滝口悠生の日常)文藝春秋2023-02-07文學界2023年3月号より、山下紘加氏の短編ひきこもりの息子を抱える主婦の幸子は、買い物中エコバックに商品を衝動的に入れてしまったまま店を出てばれなかった、というふとした経験からスーパーでの万引き
市川沙央氏が芥川賞受賞!『ハンチバック』は候補作のなかでも、インパクト・コンセプトともに強く、筆力も確か当事者として、新人によく求めれれる作品がかもす「ふてぶてしさ」のようなものも備えている。納得の受賞でした。単行本も買いましたが、結局ラストは書き直さず
【読書記録】アンドロイドとの奇妙な三角関保『恋するアダム』イアン・マキューアン
恋するアダム (新潮クレスト・ブックス)イアン・マキューアン新潮社2021-01-27イギリス、というより世界文学の作家イアン・マキューアン氏の『恋するアダム』舞台は1982 年イギリス、ただしAIやテクノロジーは現代よりはるかに進歩している。フォークランド紛争ではアルゼン
【読書記録】ブラックアウトした北海道での幻想的な一夜 『ウミガメを砕く』久栖博季
新潮2023年06月号新潮社2023-05-06新潮2023年6月号より、新潮新人賞受賞者の受賞後第一作主人公はアイヌ民族の血を引く若い女性、夕香(ゆかる)その出立から学生時代はいじめに遭い、人間関係がうまくいかず仕事も群めている。舞台は北海道、地震による火力発電所の故
1、作品の概要 『劇場』は又吉直樹の長編小説。 『新潮』2017年4月号に掲載されて、同年5月に単行本が刊行された。 単行本で207ページ。 表紙の装丁には、大竹伸朗『路上Ⅰ』が使われている。 2020年7月に映画化された。 監督が行定勲監督、主演は山崎賢人、松岡茉優。 東京で演劇にのめり込む永田と、彼を支える沙希の物語。 2、あらすじ 演劇に魅せられた永田は高校の友人・野原とともに上京して劇団「おろか」を結成。 劇団は上手くいかず、酷評される毎日の永田だったが、偶然路上で出会った沙希と付き合いだし彼女の家に転がり込むようになる。 夢を一心に追い続け演劇の脚本を書き続ける永田だったが、次第に自…
【読書記録】都市の孤独を描く文学的インスタレーション『もぬけの考察』村雲菜月
群像 2023年 06 月号 [雑誌]講談社2023-05-06群像6月号から群像新人文学賞受賞作の一つ『もぬけの考察』を都市のどこにでもあるようなマンションの408号室、次々と入れ替わる住人たちをとおして、コロナ禍の閉塞的な日常、都市住民の希薄な人間関係を描く。ふいに会社にいか
以前から気になっていた辞書だ。たぶんTwitterで紹介されていたのを知って、どのような内容でどう使うのかと興味がわいた。書店でも見かけて手に取ってみたのだが、なかなかそれだけでは買うというところまではいかなかった。辞書は長い目でみれば決して高価なものではないが、これを手元に置いて自分が使う場面を想像できなかった。だけど興味はある。どうしよう、と思っていたら、図書館の書架でたまたま見つけた。なんだ、…
【読書記録】アラフォー女性2人の同居生活を描く 『がらんどう』大谷朝子
がらんどう (集英社文芸単行本)大谷朝子集英社2023-02-03すばる文学賞受賞作あらすじ小さな印刷会社に勤務する平井は、経理職として「先生」と呼ばれるほど頼られており、ささやかなポジションを獲得している。システム導入のため構築で常駐していた菅沼と、アイドルユニット
浮き身鈴木 涼美新潮社2023-06-29新潮4月号から鈴木涼美氏の『浮き身』を6月29日に単行本化して発売予定もうすぐ子供を産めなくなる主人公「私」は、19年前の大学時代に暮らしていた歓楽街へと赴く。デリヘル開業前夜の若者たちによる、実体験を基にした危うい青春物語また
【読書記録】本を読むという行為の特権性『ハンチバック』市川沙央
文學界(2023年5月号)(第128回 文學界新人賞決定発表)文藝春秋2023-04-07文學界2023年5月号より、文學界新人賞受賞作『ハンチバック』著者の市川沙央氏は、1979年生まれ、神奈川県在住で職業はライター。筋疾患先天性ミオパチーという難病を患っており自身の経験が本作に
作品について4月に書かせて頂いて以降、いろいろと忙しくて書けていないのですが、6月からまた少しずつ今まで書いていた作品も続きを書いていこうと思います。【楽天…
【小説】晴ときどきそよ風 (カクヨム)「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」応募作品「児童向け恋愛小説(溺愛)」部門 主人公・野々宮晴(ののみやはれ…
【小説】晴ときどきそよ風 (カクヨム)「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」応募作品「児童向け恋愛小説(溺愛)」部門 主人公・野々宮晴(ののみやはれ…
2年前に大阪で見つけた看板 ~ 大阪大好きです ~ 【小説】やさしい風に包まれて (カクヨム)「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」応募作品「児童向…
【小説】晴ときどきそよ風 (カクヨム)「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」応募作品「児童向け恋愛小説(溺愛)」部門 主人公・野々宮晴(ののみやはれ…
【小説】やさしい風に包まれて (カクヨム)「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」応募作品「児童向け恋愛小説(溺愛)」部門 ある日、彩音の家に初恋の同級…
とらやさんの『御代の春』 とらやさんの『御代の春』という最中を頂きました。とてもおいしいです。上品な甘さ。最中っておいしいですよね。 本当に『最中』ってあ…
【小説】晴ときどきそよ風 (カクヨム)「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」応募作品「児童向け恋愛小説(溺愛)」部門 主人公・野々宮晴(ののみやはれ…