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1、作品の概要 『その先の道に消える』は、中村文則の長編小説。 2018年10月30日に、朝日新聞出版より刊行された。 246ページ。 「小説トリッパー」2015年夏季号~2018年秋季号に連載された。 2021年8月6日に文庫版が刊行された。 緊縛、神道をテーマに2人の刑事の視点から、事件の謎を追うミステリー作品。 2、あらすじ アパートの一室で殺された吉川という緊縛師の男。 重要参考人として名前があがったのは、刑事の富樫が惹かれていた女性・桐田麻衣子だった。 自らの立場を利用して、麻衣子の疑惑を逸らそうと偽装工作をする富樫。 吉川の部屋の契約者になっていた伊藤亜美が捜査線上に出てくるが、事…
【本】中村文則『私の消滅』~この記事を読めば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない~
1、作品の概要 『私の消滅』は、中村文則の長編小説。 2016年6月に刊行された。 2019年7月に文庫化されている。 『文學界』2016年6月号に掲載された。 第26回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。 単行本で166ページ。 ある精神科医の倒錯した人生と、復讐を描いた。 装丁の絵は、塩田千春『Trauma/日常』が使われている。 2、あらすじ コテージの一室で謎めいた手記を読む一人の男。 「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない」そう書かれた手記は、これから彼がなり替わろうとしている小塚亮大の半生を記したものだった。 母親の再婚による儀家族との軋轢、妹へ…
1、作品の概要 『愛の渇き』は三島由紀夫4作目の長編小説。 1950年に新潮社より刊行された。 書き下ろし。 文庫版で231ページ。 1967年に浅丘ルリ子主演で映画化された。 叔母から聞いた婚家の農園の話を下敷きに書かれた。 夫をなくした悦子が、舅に身を任せながらも、若い園丁の三郎に激しく恋焦がれていく。 2、あらすじ 愛人を作りほとんど家に寄り付かなかった夫・良輔に苦しめられていた悦子。 彼が病気で亡くなった後、舅の弥吉の農園兼別荘に身を寄せることになり、身体を許すことになる。 屋敷には長男・謙輔夫婦、三男・祐輔の妻・浅子と2人の子供、園丁の三郎、女中の美代が住んでいた。 奇妙な関係性の中…
【本】太宰治『走れメロス』~『女生徒』『富嶽百景』らの名作が収録された中期幕開けのの名作群~
1、作品の概要 『走れメロス』が太宰治の短編小説集。 1954年に刊行された。 表題作の『走れメロス』他、『ダス・ゲマイネ』『女生徒』『富嶽百景』など9作品が収録された。 文庫本で275ページ。 2、あらすじ ①ダス・ゲマイネ 友人たちから佐野次郎と呼ばれる大学生の青年は、娼婦に恋をしていた。 甘酒屋で出会った奇特な青年・馬場とつるむようになり、2人は雑誌『海賊』の創刊をもくろむ。 馬場の親類の画家・佐竹六郎、新人作家・太宰治を巻き込み計画を練るが・・・。 ②満願 伊豆の三島に滞在していた折に、仲良くなったまち医者。 肺を患っていた小学生の先生の若奥様は、ある時うれしそうにパラソルを回しながら…
先日、このブログに広告料が入る仕組みを友人に整えてもらった。それ以来、毎日の広告料がいくら入ったかを確かめるのが日課になっている。一日の平均は大体7~8円くらい。もちろん始めてまだひと月もたっていないので、こんなものだろうと思ってはいた。思