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こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 すべてを破壊した〝九年戦争〟の終結後、暴力を排除し、共生・個性・安定をスローガンとする清潔で文明的な世界が形成された。人間は受精卵の段階から選別され、5つの階級に分けられて徹底的に管理・区別されていた。あらゆる問題は消え、幸福が実現されたこの美しい世界で、孤独をかこっていた青年バーナードは、休暇で出かけた保護区で野人ジョンに出会う。すべてのディストピア小説の源流にして不朽の名作、新訳版! オルダス・ハクスリー(1894-1963)は、生物学者、人類学者、動物学者などを輩出したイギリスの著名なハクスリー家に生まれました。親に倣って幼い頃から勉学…
文學界(2023年8月号)(創作 高瀬隼子 石原燃/鼎談 円城塔×千葉雅也×山本貴光)文藝春秋2023-07-07文學界2023年8月号から短編をゲームセンターで社員として働く長井朝陽ペンネーム(早見有日)は、ゲームセンターを舞台にした小説で芥川賞を受賞した。受賞後、様々な媒
Amazonオーディブルでおすすめの無料で聴ける文学本を5冊紹介します。移動/作業中などいつでも手軽に読書ができるオーディブル。ストリーミング/オフライン再生も可能ですので、ぜひ本記事をきっかけにオーディブル生活を始めて下さい。
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 風のように去ってゆく時の流れの裡に、人間の実体を捉えた『風立ちぬ」は、生きることよりは死ぬことの意味を問い、同時に死を越えて生きることの意味をも問うている。バッハの遁走曲に思いついたという『美しい村』は、軽井沢でひとり暮しをしながら物語を構想中の若い小説家の見聞と、彼が出会った少女の面影を、音楽的に構成した傑作。ともに、堀辰雄の中期を代表する作品である。 昭和初期、日本の文芸思潮の主流であった自然主義は私小説へと移行し、反自然主義の流れが大きく変化していきます。夏目漱石をはじめとする「余裕派」、森鴎外らの「高踏派」が台頭すると、永井荷風らの「…
【西部小説再興と評される傑作】『終わりのない日々』セバスチャン・バリー ②年表を書きながら読む
終わりのない日々 (エクス・リブリス)セバスチャン・バリー白水社2023-06-02前回であらすじと感想を簡単に記した。今回は登場人物を書きつつ、年表と時代背景を踏まえて読んでみた。以下、詳細にネタばれあり登場人物・トマス・マクナルティ アイルランドのスライゴ出身 移
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 明治37年の『菜の花と小娘』から大正3年の『児を盗む話』まで、著者の作家的自我確立の営みの跡をたどる短編集第一集。瓢箪が好きでたまらない少年と、それをにがにがしく思う父や師との対立を描く初期短編の代表作『清兵衛と瓢箪』、自分の努力で正義を支えた人間が、そのために味わわなければならなかった物足りない感じを表現した『正義派』など全18編を収録する。 志賀直哉(1883-1971)は、現在の宮城県石巻市で誕生しました。父親は、第一銀行石巻支店に勤務しながら、鉄道会社、薬品会社、保険会社などの専務や取締役も兼ねた大実業家でした。志賀が二歳のとき、父は…
仏人作家による、ジャンル横断的な群像劇。 フランスからアメリカへ向かう旅客機が、大西洋上空で嵐に遭い、乗客や乗務員に“異常”な現象が降りかかるという話。 この“異常”によって人生が大きく変化することになった搭乗者たち、その悲喜こもごもがド
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 「夏になると女の人の声にひびきがはいり、張りを帯びてうつくしくなる」。声、二の腕、あくび、死顔、そして蛇、齢六十を超えた作家が抱き続ける「女ひと」への尽きぬ思い、美男というにはほど遠い自分が女性の麗しさから離れられぬ哀しみとおかしみを軽やかに綴る。晩年の犀星ブームを導いた豊潤なエッセイ集。 廃藩置県まで加賀藩の足軽頭であった父親は、女中を妊らせて一人の子が生まれました。世間の目から非難を逃れるため、真言宗雨方院の住職である室生真乗へ相談して、その内縁の妻に引き取らせることになりました。この子供が室生犀星(1889-1962)です。この義母は、…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 銀座のカフェーの女給君江は、容貌は十人並だが物言う時、「瓢の種のような歯の間から、舌の先を動かすのが一際愛くるしい」女性である。この、淫蕩だが逞しい生活力のある主人公に、パトロンの通俗作家清岡をはじめ彼女を取巻く男性の浅薄な生き方を対比させて、荷風独特の文明批評をのぞかせている。 永井荷風(1873-1959)は、幼少期より文学に興味を持ち、江戸時代の戯作文学に多く触れて育ちました。早々に文士として目覚めると、小説家である広津柳浪に弟子入りをして、巌谷小波の催す句会を中心とした文学サロン「木曜会」に参加します。また、小説家の三宅青軒に紹介され…
禍小田雅久仁新潮社2023-07-12SF作家小田雅久仁氏の最新作『禍』遅筆ではあるものの、生み出される作品は珠玉それぞれのお話のあらすじ食書黒木忠彦、38歳小説家。書店のトイレで本のページを破って食べる女と出くわす。「一枚食べたらもう引き返せない」と警句を
お立ち寄り下さり、ありがとうございます。やって来ました、我が家のチビっ子!この春小学生になったので、いつもとはちょっと違った体験を♪ ちょうど日程が合った「堀…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を駆けぬけていった一女子大生の愛と死のノート。学園紛争の嵐の中で、自己を確立しようと格闘しながらも、理想を砕かれ、愛に破れ、予期せぬうちにキャンパスの孤独者となり、自ら生命を絶っていった痛切な魂の証言。明るさとニヒリズムが交錯した混沌状態の中にあふれる清洌な詩精神が、読む者の胸を打たずにはおかない。 第二次世界大戦争で広島と長崎を筆頭に甚大な被災を受けた日本は、イギリス、アメリカ、中国から与えられたポツダム宣言(日本への降伏を求めた宣言)を受け入れ、連合国へ降伏して戦争は終わりました。日本が支…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 単に、人生を描くためなら、地球に表紙をかぶせるのが一番正しい──誰もが無頼派と呼んで怪しまぬ安吾は、誰よりも冷徹に時代をねめつけ、誰よりも自由に歴史を嗤い、そして誰よりも言葉について文学について疑い続けた作家だった。どうしても書かねばならぬことを、ただその必要にのみ応じて書きつくすという強靱な意志の軌跡を、新たな視点と詳細な年譜によって辿る決定版評論集。 第二次世界大戦争後、日本には戦禍が広がり、民衆は衣食住もままならない世界を生きなければなりませんでした。天皇制により与えられた道徳、希望、観念は、敗戦という形で全てを否定され、生きるための心…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 プルターク英雄伝を概ねの種本として描かれた本作『ジュリアス・シーザー』は、シェイクスピアにとって絶頂期に差し掛かろうとする成長著しい時期に執筆されました。『空騒ぎ』『十二夜』などの喜劇、『ヘンリー四世』『ヘンリー五世』といった史劇を生み出していたなか、浮かび上がるこの悲劇は特徴的な立ち位置と言えます。喜劇でありながら強く浮かび上がった悲劇性を持つ『ヴェニスの商人』以来、シェイクスピアは悲劇の舞台を探し続けていました。彼はどこまでも歴史を遡り、古代ローマ史劇へと辿り着きます。公人たちによる政治と戦争が綴られた英雄伝の悲劇を、シェイクスピアの芸術…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 あらゆる権謀術数を駆使して王位を狙う魔性の君主リチャード──薔薇戦争を背景に偽善と偽悪をこえた近代的悪人像を確立した史劇。 1339〜1453年まで続いたプランタジネット家(イギリス)とヴァロワ家(フランス)によるフランス王位をめぐる実質的な領地争い「百年戦争」。この両諸侯による長い争いは、両国において封建領主の没落をもたらし、結果的に王権が強化されることになりました。国王のもとで統一的な国家機構(絶対王政)を構築し、主権国家となって領地と国民が紐付けられました。ここから封建社会は衰退し、近代主権国家へと移行していきます。この「百年戦争」を終…
『間違いの喜劇』(間違いつづき)ウィリアム・シェイクスピア 感想
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 本作『間違いの喜劇』(間違いつづき)はシェイクスピア作品の中でも初期に執筆された喜劇で、最も短い作品として知られています。古代ローマの喜劇作家プラウトゥスの「メナエクムス兄弟』という双子の人違いが引き起こす作品を種本として書かれ、これに双子をもう一組増やしてスラップスティックな印象を強めています。また中心となる双子アンティフォラス兄弟の父イージオン、修道女院院主エミリアのドラマ性を追加して、単純な笑劇に終わらせない喜劇を作り上げています。また、フランス古典劇で厳格に守られる「三一致の法則」が用いられ、舞台はエフェサスから動かず、時間は一日のあ…
第三十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞10月下旬予定の審査結果発表。まあ、今は祈るだけです。祈るのみです(笑)【Amazon.co.jp限定】 伊藤園 RROボックス おーいお茶 緑茶 2L×9本伊藤園2018-01-21伊藤園 おーいお茶 緑茶 (小竹ボトル) 350ml ×24本伊藤
平氏と源氏の戦いをわかりやすく解説。平氏源氏の源平合戦とは?源氏物語あらすじわかりやすく徹底解説!
大ヒット大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でも取り上げられた「源氏」と「平氏」の戦い【源平合戦】・・・そもそもこの2つの家はなぜ戦うことになったのか。そもそも「源氏」ってどうやって誕生したの? 源頼朝?よし
母方の祖父は102歳で亡くなった。その祖父の葬儀の真っ最中に、私の息子が生まれた。 私は産院にいたので、葬儀の様子は知らないが、祖父の曾孫が誕生したことが葬祭場でアナウンスされたそうだ。 祖父と曾孫は“ニアミス”だったけど、それだけとは思
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 月光に浮かび上がる少女エリーザベトの肖像。老学究ラインハルトはいま少年の日の昔にいる。あの頃は2人だけでいるとよく話がとぎれた。それが自分には苦しくて、何とかしてそうならないように努めた。──若き日のはかない恋とその後日を物語る「みずうみ」ほか、抒情詩人シュトルムの若々しく澄んだ心象を盛った短篇を集めた。 フランスのブルボン朝を打倒したブルジョワ革命により権力を得たナポレオン一世は、勢力をさらに増して周辺諸国へ領土を広げようとする戦争を次々と起こしていきます。しかし、帝国列強諸国はこれを突き返し、絶対王政の体制を復活させようと推し進めます。戦…
狭き園 ~応募句数190万以上・上位入賞者は312名~ 第三十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞
第三十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞10月下旬予定の審査結果発表。6月にも審査結果を待ちわびる雑記を書きましたが関連アクセスが増えてくるとついつい同じような雑記を書きたくなると。自己ベストは佳作特別賞(1,684名)なのでそれを超える結果を期待し
松山フェニックス・公式ホームページhttps://phoenix.main.jp/朝日新聞デジタル物価高で「野球離れ」の危機感が広がる高校野球2千校アンケートhttps://news.yahoo.co.jp/articles/83092b00f38df43c0c4cccd0cc402ad258cccf28日刊スポーツ電子版学校も生徒も教員も参加率も大幅減合同チームも増加中加速する少子化で学校運動部活動どうなる?https://news.yahoo.co.jp/articles/5d92c9ff1cb4acd9bc2a11d213f0499f45e55fc7あいテレビ(ITV)進む部活動の“地域移行”中学総体で初めて「地域スポーツクラブ」参加少子化や教員の働き方改革の一環でhttps://news.yaho...松山フェニックスの皆様へ
YouTubeより動画を拝借。メモとして置いておく。【日本史】日本人より日本を愛した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) 白駒妃登美小泉八雲:「日本人よ、古来の玉を失うなかれ。西欧の同胞よ、日本人の実力を見誤るなかれ」日本に帰化した男・小泉八雲【日本の歴史】小泉八雲/ラフカディオ・ハーン「質素さを保つ限りは、日本は強いだろう」---------------------------小泉八雲https://www.ifsa.jp/inde...
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 あたしの名前はキラキラヒメ。ニューヨーク・ジャイアンツのエースを日指す九歳の女の子。パパと別れてプロードウェイのスター女優を夢見るママ・ガールに連れられて、ある夜突然、カリフォルニアからニューヨークへやってきたの。気まぐれなママ・ガールは、興奮したり悩んだりで大忙しだけど、あたしはそんなママ・ガールが大好き。この街で一緒に、夢を追いかけてゆくの……。 第二次世界大戦争を経た1950年代のアメリカは、戦争被害が比較的小規模であったことから、世界各国が戦禍からの快復を進めるなか、戦争で得た特需を存分に国家成長や経済発展に注ぐことができました。元軍…
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 焚書官モンターグの仕事は、世界が禁じている〝本〟を見つけて焼き払うことだった。本は忌むべき禁制品とされていたのだ。人々は耳にはめた超小型ラジオや大画面テレビを通して与えられるものを無条件に受けいれ、本なしで満足に暮らしていた。だが、ふとした拍子に本を手にしたことから、モンターグの人生は大きく変わってゆく──SFの抒情詩人が、持てるかぎりの感受性と叡智をこめて現代文明を調刺した不朽の名作。 1918年の第一次世界大戦争の終結後、アメリカではロシア革命より勢力を現したボリシェヴィキズム(暴動による革命を目指す過激派共産主義)が広がり始めます。戦後…
市川沙央氏が芥川賞受賞!『ハンチバック』は候補作のなかでも、インパクト・コンセプトともに強く、筆力も確か当事者として、新人によく求めれれる作品がかもす「ふてぶてしさ」のようなものも備えている。納得の受賞でした。単行本も買いましたが、結局ラストは書き直さず
『道賢上人冥途記』は道賢上人が修行中に倒れ、日本への復讐を企む菅原道真や地獄で罰を受ける醍醐天皇に遭遇し、再び現世に戻ってくる説話。『扶桑略記』にも同様の記述がある。 『扶桑略記』の記述は『道賢上人冥
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、生きものの不思議を象徴化する『愛撫』ほか『城のある町にて』『闇の絵巻』など、特異な感覚と内面凝視で青春の不安、焦燥を浄化する作品20編を収録。 明治、大正、昭和を跨ぐ文学界の活動は、数多の思潮が溢れた激しい時代でした。昭和初期に差し掛かると、正宗白鳥や徳田秋声らが勢いを保っていた自然主義は私小説へと移行し、やがて緩やかな流れへと…
【自分】村上春樹/ねじまき鳥クロニクル 第2部 予言する鳥 編 読書メモ【専用】
■加納マルタ「半分の月が何日か続くことになるでしょう」■亨「何かを切ったり炒めたりするのは悪くなかった。そこにはたしかな手応えがあり、音があり匂いがある。」■ヘミング・ウェイ/武器よ さらば後半のストーリー妻の出産を待っている間、向かいのカフェで次から次へと食事を続ける■退嬰(たいえい)進んで新しいことをする意気込みがないこと、尻込み「退嬰と停滞の影を与えていた」■亨「自分の体の内側が未知の液体で満たさ...
目次 陰陽師が登場する説話宇治拾遺物語内記上人、法師陰陽師の紙冠を破ること今昔物語集慈岳川人、地神に追わるること東三条の銅の精、人の形となりて掘り出ださるること近江国安義橋なる鬼、人を喰らうこと播磨国
いわんやが久々に「青べか物語」を読み返し、感動を新たにし、浦安郷土博物館に行きたくなったのにはワケがある。 あの小説の主人公で山本周五郎自身でもある「私」...
本日はタイと関係ない純粋さんぽ記事。こういう記事、いつ以来だろうねぇ? 久しぶりに山本周五郎の「青べか物語」を読み返して、改めて深く感動したいわんやは物語...
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 元近衛竜騎兵のフィリップは、酒や賭博に興じ、勤め先や家族の金を使い込んだ挙げ句、軍の謀議に関与して収監される始末。息子を溺愛する母は、釈放に必要な金を工面しようと実家の兄に援助を求めるが、そこでは美貌の家政婦とその恋人が家長を籠絡して実権を握っていたのだった……。 ブルボン朝による絶対王政下では、アンシャン=レジーム(旧制度)によって、国民は異常な徴税に苦しめられていました。第一身分(聖職者)、第二身分(諸貴族)は、国土を保有する封建領主でありながら免税の特権を得ており、第三身分(特権を持たない市民)たちの多くは貧困に苦しめられていました。ル…
今回は、ゴンサロ・M・タヴァレスというポルトガルの作家の代表作であるエルサレムをご紹介します。 私がこの作品を読もうと思ったのは、まず表紙の感じとタイトルに惹かれてだったのですがあらすじと帯に書かれた一文を見て、これは自分が好きそうな物語だ
カミュ作のペストは、コロナ禍で生きた全人類が読むべき感染症文学である
今回は災禍のたびに読み直され現代の古典と言われている不朽の名作、アルジェリア生まれのカミュが1947年に出版したベストセラー作品ペストを紹介します。 タイトルで言い切りましたが、本当にこの作品はコロナ禍で生きている私達なら誰でもが共感できる
カミュの異邦人とシーシュポスの神話を読んで、不条理文学と不条理哲学を考える
カミュの「異邦人」と「シーシュポスの神話」は、セットで読むことをオススメします。 なぜなら「異邦人」で感じた違和感を「シーシュポスの神話」で探究すること、これこそがこの作品を味わいつくすのに必要だからです。 海水浴や太陽がストーリーに出てく
新訳で甦る!古典の魅力を再確認できる、シェイクスピアの四大悲劇を読む
シェイクスピア作品はとても沢山ありますが、中でも有名な四大悲劇と言われる「ハムレット」「オセロー」「マクベス」「リア王の悲劇」と、誰でも名前くらいは聞いたことがあると思われる、「ロミオとジュリエット」を紹介します。 私が今回読んだ本は、角川
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 ある夜、青年ハインリヒの夢にあらわれた青い花。その花弁の中に愛らしい少女の顔をかいま見た時から、彼はやみがたい憧れにとらえられて旅に出る。それは彼が詩人としての自己にめざめてゆく内面の旅でもあった。無限なるものへの憧憬を〝青い花〟に託して描いたドイツ。ロマン派の詩人ノヴァーリスの小説。 ルネサンスに端を発するドイツの啓蒙主義は、民衆を理想的な思想へ高める一方、個の感情を抑圧する働きを持っていました。この「理性に対する感情の優越」を啓蒙主義のアンチテーゼとして作品に込めようと、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは『若きウェルテルの悩み』、フ…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 眩ゆい陽光と熱気のなか、何の遠慮も、隠しだてもなく描かれた少年愛の世界──無垢な魂の際限のない性の形。 スペインの仮面の街、静かな夜の裏通りで、私は毎日少年たちを選ぶ。無邪気で飾り気のない少年たちだ。食べ、歌い、そして野生の悦びに耽る。笑いと皮肉にみちた儀式、戦慄の快感、それは明るく楽しいもう一つの性の世界だ。衰弱した同性愛ではない純粋な聖者の時と美をうたう異色作。 トニー・デュヴェール(1945-2008)は、フランスのパリ南東に位置するヴィルヌーヴ=ル=ロワで生まれました。幼少期より非常に優れた頭脳で優秀な成績を収め、ピアノなど音楽の才能…
【読書記録】新人離れした高いハードルに挑む意欲作『世界地図、傾く』黒川卓希
新潮2022年11月号新潮社2022-10-07移民を受け入れ超多様化した2052年の日本が舞台「言語」が本作の縦軸で、ジェンダーや日本人とはといった政治性が横糸となって物語をおりなす。トラックドライバーのアキトは、言語感覚と味覚が結び付く共感覚保持者。女性化している恋人と
ミハイル・ブルガーコフの小説「巨匠とマルガリータ」読み出すと止まらなくなり、他のことは何も出来なくなりました。舞台はモスクワ。気温の高い春の夕暮れ時。作家...
今日はちょっと趣向を変えて、「知らなかったタイの話」みたいな感じで・・・。「メナムの残照」という題名の小説。タイ関係者の間では有名だけど、普通の日本人でこ...
古来から夕方の薄暗い時間帯は「おうまがとき」(逢う魔が時)(大禍時)とよばれ、えたいのしれない魔物や妖怪に出会ったり、いちじるしく不吉な災禍を被りやすくなる時間であると信じられてきました。 太陽( .
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 ロシア前期象徴主義を代表する詩人・作家ソログープ。影絵やかくれんぼに夢中になる少年少女たち…..。汚濁に染まらない者たちは美しいまま醜い現実によって死んでいく。夢と現実の交錯、美と醜、生と死の対立の中に、妖しくもにぶい光が立ちのぼる。表題作の他に、「白い母」「光と影」「死の勝利」等を収録。 ロシアと日本の両帝国主義が衝突した日露戦争は1904年に勃発し、両国民に不安と不満を与える激しい戦いとなりました。フランスやドイツの支援を受けたロシアと、アメリカやイギリスの支援を受けた日本は、両国の持つ規模を超えて世界的な広範の争いへと発展します。徐々に…
石川啄木の歌で砂山というのが出てきますがそれを2つ。 潮かをる北の浜辺の砂山のかの浜薔薇(ハマナス)よ今年も咲けるや 砂山の砂に腹這ひ初恋のいたみを遠くおもひ出づる日 その砂山というのがどこにあったものを指すのか諸説あるようですが啄木が函館に住んだのは明治40年5月から9月の...
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 ヨーロッパのオリエントに対するものの見方・考え方に連綿と受け継がれてきた思考様式──その構造と機能を分析するとともに、厳しく批判した問題提起の書。 「オリエンタリズム」とは東洋趣味という意味合いを持つ言葉でした。西洋側から見た場合の異国性、異文化性を魅力的に捉え、憧憬や情緒を感じる「特異な地」を表すものです。しかしながら現在においては、「オリエント」(東洋)という言葉から紋切型の凝り固まったイメージを連想させられます。この連想イメージは如何にして与えられるのかを追究し、紐解こうとしたのがエドワード・ワディン・サイード(1935-2003)です…
サンシキヒルガオ(三色昼顔) は、南ヨーロッパ原産のヒルガオ科・セイヨウヒルガオ属のつる性植物。日本原産のヒルガオとは近縁種。ヒルガオは、花が丸い鏡のようで、…