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「グッドワン」2026年1月26日(月)新宿武蔵野館にて。午後2時20分より鑑賞(スクリーン2/B-6) ~大人たちのダメダメさに気付いた17歳の少女の成長 「13デイズ」「世界最速のインディアン」などで知られるオーストラリア出身の映画監督ロジャー・ドナルドソン。その娘のインディア・ドナルドソンが長編監督デビューしたのが「グッドワン」。カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)にノミネートされるなど高く評価された。 映画は美しい山地の自然風景から始まる。バックには心地よい音楽。まもなく、このドラマの主人公の17歳の少女サム(リリー・コリアス)が登場する。彼女は荷造りをしている。父のクリス(ジ…
「ウォーフェア 戦地最前線」2026年1月20日(火)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時10分より鑑賞(スクリーン5/G-13) ~音と映像で実体験させる戦場のリアル リアルな戦争映画がたくさん作られている。その中でもとびっきりリアルな戦争映画が登場した。「ウォーフェア 戦地最前線」だ。「シビル・ウォー アメリカ最後の日」のアレックス・ガーランド監督が、同作で軍事アドバイザーを務めたレイ・メンドーサを共同監督に迎えて撮った。メンドーサのイラク戦争での実体験をもとに、戦場を極限までリアルに描いている。 2006年、イラク。アメリカ海軍特殊部隊SEALsの小隊8名が、アルカイダ幹部の監視…
「おくびょう鳥が歌うほうへ」2026年1月14日(水)新宿ピカデリーにて。午後2時35分より鑑賞(スクリーン4/B-6) ~アルコール依存症からの脱却を目指す女性。シアーシャ・ローナンの演技だけでも観る価値あり 「レディ・バード」「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」などの演技で知られるシアーシャ・ローナン。彼女が渾身の演技を見せているのが「おくびょう鳥が歌うほうへ」だ。アルコール依存症を抱え、数々のフラッシュバックに苦しみながら、自分を見つめ直していく主人公を力強く演じている。 彼女が演じるのは、ロンドンの大学院で生物学を学んでいた29歳のロナ。故郷のスコットランド・オークニー諸…
「コート・スティーリング」2026年1月11日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時10分より鑑賞(スクリーン6/C-8) ~クセモノのダーレン・アロノフスキーが監督したド直球のエンタメ映画 娯楽映画をバカにしてはいけない。そもそも映画は芸術でもあり、娯楽でもあるのだ。 などともっともらしいことを言っているが、「コート・スティーリング」はド直球のエンタメ映画。それを監督したのは「レスラー」「ブラック・スワン」「ザ・ホエール」など、屈折したクセモノ映画を撮ることが多かったダーレン・アロノフスキー監督。 典型的な巻き込まれ型の犯罪活劇だ。舞台は1998年のニューヨーク。冒頭は、野球の試…
ちょっと一風変わった作品を観たので紹介。Flow(原題:Straume)は2024年公開の3DCGアニメーション冒険映画。ラトビア・フランス・ベルギー制作。 制作費350万ユーロで制作された低予算インディペンデント映画。ラトビア語原題の「Straume」は正確には英語の「Stream」に該当する。 ラトビア出身の映画監督ギンツ・ジルバロディス(英語版)が監督・脚本・音楽・編集・撮影を務めた。第82回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞、第9...
【映画ジャンル完全ガイド】30タイプの魅力をポップに解説してみた!
映画好きが勝手に【映画ジャンル完全ガイド】を作ってみた。 【ポップに学ぶ!30タイプの魅力と代表作】
(監督・共同脚本:ナナ・ジョルジャゼ 2023 ジョージア)先月の自主上映会で観たジョージア映画です。ジョージアの映画を、それほど観たことがあるわけではありませんが…それでも、制作国の中にジョージアの名がある映画は何本か記憶にあります。『独裁者と小さな孫』『
「ジュリーは沈黙したままで」2025年10月4日(土)新宿シネマカリテにて。午後4時25分より鑑賞(スクリーン1/A-8) ~沈黙を続ける15歳のテニス選手。彼女はなぜ沈黙するのか 残念ながら来年1月に閉館になる新宿シネマカリテ。そこでこの日観たのは「ジェリーは沈黙したままで」。ベルギーの新鋭レオナルド・ヴァン・デイル監督の作品だ。 スポーツ指導者の行き過ぎた指導(それはもはや指導と呼べるものではないが)がたびたび問題になる。映画などでもこうしたテーマが描かれることがある。だが、この映画のユニークな点は問題となった指導を直接的には描かないことだ。 カメラは主人公の15歳のテニス選手のジュリー(…
「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」2025年9月22日(月)TOHOシネマズ 池袋にて。午後2時30分から鑑賞(スクリーン9/C-9) ~ウェス・アンダーソン節が全開の冒険活劇 「ダージリン急行」「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「グランド・ブダペスト・ホテル」「アステロイド・シティ」など、独特の世界観の作品を生み出し続けているウェス・アンダーソン監督。新作映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」は、フェニキアという架空の国家を舞台にした冒険活劇だ。 舞台は1950年代。冒頭は、フライト中の飛行機内の場面。ヨーロッパの大富豪ザ・ザ・コルダ(ベニチオ・デル・トロ)が乗っている。彼は、フェニキア全域で…
青春の100本・高校生のためのお薦め映画100選今見ても素晴らしい映画の数々です。見た記憶をなくしてもう一度感動したいです。 「ローマの休日」・ウィリアムワイラー監督・ダルトン・トランボ脚本オードリーヘップバーン・グレゴリーペック主演「ショーシャンクの空
美容室でワイワイとおしゃべりに耽る女たちの映画を想像していたら、「ガザの美容室」はそういう映画ではありませんでした。半分、ラリったように猥談をしたがるサフィア(Manal Awad )、自分勝手なエフティカール(ヒアム・アッバス)。臨月の女性は、なぜ、こんな時に美容室へ来たんだ?そして、店主のクリスティン(ヴィクトリア・バリツカ)は、おそろしく仕事が遅い。あんた、いつまで眉毛を抜いているんだ。そうこうしてい...
balcony **✲xingxing✲** 先日観た映画のご紹介ですタイトルは『TOUCH/タッチ』 「南を甲子園に連れてって♡」の方では無く「幽…
大切な人を失い、自分の人生に失望した時。私は、一時期だけ色を失った。映画「シングルマン」では、憎いくらいスタイリッシュに、印象的な色の数々と音を用いて、死を演出している。愛するジムを失ったジョージ。彼が死ぬ決意をした、その日、一日を追った「シングルマン」。監督は、ファッションデザイナーのトム・フォード。スクリーンに映るすべての人、物を美しく見せるだけでなく、私が感動したのは、ジョージの感情に合わせ...
フランス映画には、大抵、奇人変人がひとりくらい現れるものだし、フランス映画の家族ものとくれば、絶対ひと悶着ある、そんな気持ちでカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」を見始めましたが、いや、これがもうとんでもない人たちのオンパレードで、いつ息継ぎをしていいのだろうかと思うくらい緊張感が漂う壮絶な場面もあり。とんだ誕生日だ。疲れた。そして、最後はフランスの家族もののお約束で...
テロリスト関連の映画の中では、変わった作りの作品でした。 1976年にウガンダのエンテベ国際空港で起きたエンテベ空港奇襲作戦の映画化したものです。私が中学の時に起きた事件ですが、全然、記憶にありません。世界情勢に詳しい父だったら覚えていただろうなぁ。もっと、いろいろ話を聞いておけばよかった・・・。さて、テロリスト系の映画。私はあまり好きではありません。大抵は、アクション映画で、マッチョな主人公が銃を撃...
インドが好きという割には、あまり知らないんだな、インドのことを。そう思ったのは、映画「しあわせへのまわり道」を観た後でした。インド人の男性はターバンを頭に巻いている、そんなイメージでしたが、あれはインドでも人口2%しかいないシーク教徒だと、映画を観てから知りました。人気書評家ウェンディ。仕事は、絶好調。けれど、夫は、知らぬ間に他の女性と浮気を。どこかで見た顔だと思ったら、あれだ。霊能力があり警察に...
北マケドニアのシュティプで両親と暮らすペトルーニャ、32歳。地元の宗教的儀式で騒動を起こし、警察署に連行されてしまうものの、警察でも太々しい態度を取る。ルッキズムだと批判されようとも、はっきり言おう。ペトルーニャという女性は、見た目の魅力に欠けている。母親に対する悪態のつきようときたら、まるで中二。ペトルーニャは自分に自信がない。自尊心が欠けている。その理由は、どうやら母親との関係にあり、ペトルーニ...
たま~には、リラックスしてエジプトのコメディ、You Fly (Teer Enta)でも。簡単なあらすじ冴えない男が魔法使いジーニーと出会い、「なりたい自分」に変身したものの、片思いのリディアとは相思相愛にはなれない。様々な「なりたい自分」を体験し、彼は大事なことに気が付く。主人公のバヒーグ。両親は、湾岸地域での商売が大当たり。エジプトへ帰国したのだが、帰国した途端に自動車事故。事故の後に残されたのは、一台の扇風機...
珍しいタイの映画「ハッピー・オールド・イヤー」。不用品で溢れかえる実家を、断捨離してスタイリッシュにリフォームしたいのは、娘のジーン。頑なに反対する母。言葉少なげに見守るお兄ちゃん。果たして、ジーンは無事にハッピー・ニュー・イヤーを迎えることができるのか。ところどころに、あの近藤麻理恵さんの番組が出てきます。すごいな。タイでも有名人なんだね。しかし、この映画、単なるお片付け・断捨離の映画ではありま...
映画「イリーナ」あらすじ小さな町に住むイリーナ(Martina Apostolova)。同居しているイリーナの姉、ルドミラ(カシエル・ノア・アッシャー)は、夫のサショ(フリスト・ウシェフ)と浮気。これだけでもぐちゃぐちゃなのに、イリーナはバイト先のカフェで盗みがバレて、クビ。追い打ちをかけるように、夫は大怪我で足を失う。働けない夫の代わりに、イリーナが働いて赤ん坊も食べさせないとならない。そんなイリーナが見つけた仕...
(監督:バゼル・エイドラ ユーバール・アブラハム ハムダ―ン・バラール ラケル・ゾール 2024ノルウェー=パレスチナ アラビア語・ヘブライ語・英語)上映会場が近所だったのでなけなしのエネルギーをかき集めて観てきました。いわゆる「ヨルダン川西岸」という場所を
海水浴を楽しむ家族。そこへふたりの警察官が現れ、16歳の長女、リーズを連行する。リーズも家族も抵抗するでもなく、リーズは淡々と警察官と歩く。映画「ブレスレット 鏡の中の私」は、こんな不思議な場面から始まる。何が不思議って、こういう場面の時、抵抗するんじゃないだろうか。米国のドラマなら、連行される長女が「弁護士を呼んで!」なんて叫ぶのがお決まりだろう。それが、全然。淡々、淡々。で、この映画の大半は、...
【偏愛映画レビュー】罪なき知性の果実──アラン・チューリングという寓話
映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』を偏愛的に読み解くレビュー。 アラン・チューリングというひとりの人物の孤独と知性、愛と赦しの物語を、「リンゴ」という象徴を通して詩的に綴ります。
「アイム・スティル・ヒア」2025年8月11日(月・祝)TOHOシネマズ シャンテにて。午後1時20分より鑑賞(スクリーン1/B-12) ~軍事独裁政権の恐ろしさを1人の女性の姿を通して伝える 先週半ばから週末にかけて、北海道カーリングツアーの「どうぎんクラシック」をネット配信で観戦していたため、映画館に行けなかったのだ。その前の週の大会「稚内みどりチャレンジカップ」で、私が応援するフォルティウスが予選敗退したので、「これは現地応援せねば!」と意気込んだのだが、飛行機代やホテル代、チケット代で15万円近くかかると知って断念。配信での応援となった。連日PCの前に張り付いて必死で応援したのだが、そ…
映画『アセスメント ~愛を試す7日間~(原題:The Assessment)』は、2025年5月8日(木)午後4時より Amazonプライムビデオにて見放題で独占配信開始!子どもを持つことが国家の審査によって決まるという近未来を舞台に、夫婦...
【ロシア】ソ連オタクの間違った映画の観方 「ガガーリン 世界を変えた108分」
ロシア映画「宇宙飛行士の医者」を鑑賞した後に、そういえば「地球は青かった」と言ったガガーリンという人物がいたなぁということで、「ガガーリン 世界を変えた108分」を図書館で借りてきました。皮肉にもテスト飛行中にガガーリンが死亡したのは、1968年、わずか38歳の時。1963年生まれの私には、ガガーリン事故死のニュースさえ記憶にありません。(私より5歳くらい上の世代ならご記憶にあるのでしょうか)パヴ...
【ドイツ映画】結局、冷戦時代って何だったのか「グッバイ、レーニン!」
1972年、東ドイツ人初の宇宙飛行士、ジークムント・イェーンが宇宙へ。同じ頃、アレックス父親は西側へ亡命。狂信的な社会主義者、アレックスの母親は心臓発作で昏睡状態に。奇跡的に目覚めた母親。しかし、ベルリンの壁が崩壊したことは何としても母の耳に入れてはならぬと、あたかも東ドイツが存続しているかのように、様々な細工を凝らすのですが。映画「グッバイ・レーニン!」を初めて鑑賞したのは、「ル・ステュディオ」...
「入国審査」2025年8月4日(月)新宿ピカデリーにて。午後12時50分より鑑賞(シアター5/C-8) ~訳もわからないまま尋問を受けるカップル。入国審査の恐怖と不安 ほぼ2か月に一度、大学病院に定期通院している。しかも2つの病院。8月4日はそのうちの1つ、日本医科大学付属病院への通院の日であった。検査と2つの科での診察が終わったのは12時前。おっ、これは映画館に行けるぞ! というので調べたら、新宿ピカデリーの「入国審査」に間に合うではないか。新宿ピカデリーなら、「ルノワール」の上映トラブルでもらった無料招待券を待っているのだ。そういうわけで、新宿に出て「入国審査」をタダで鑑賞。 スペイン映画…
2025年のイラン映画祭、見逃したー!いつもの会場だと思って、受付の人に「そろそろイラン映画祭のスケジュールが発表じゃないですか?」なんて聞きにいったのに。今年は東中野で有料の映画祭を開いたと、後になって知り、地団駄を踏んだ踏んだ。本当にねぇ、何度も見たくなるような、しみじみとした作品が多いんですよ、イラン映画は。今日は、久しぶりに、そんな感動的なイラン映画、The Willow Tree(柳の木)のご紹介です...
映画『アマチュア(原題:The Amateur)』は、2025年7月17日(木)より、動画配信サブスクのDiseny+(ディズニープラス)にて見放題で独占配信開始!頭脳明晰なCIA分析官が、殺しの訓練を受けながら個人で国際テロに挑む姿を描く...
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(原題:Joker: Folie à Deux)』は、2025年7月1日(火)よりU-NEXTの独占見放題で配信開始!社会現象となった前作映画『ジョーカー』の続編で、狂気と愛が交錯する衝撃的な物語、映画『ジ...
映画『ザ・ルーム・ネクスト・ドア(原題:The Room Next Door)』は、2025年7月1日(火)よりU-NEXTの独占見放題で配信開始!安楽死を望む女性と親友が最期の日々を共に過ごす姿を描く感動作、映画『ザ・ルーム・ネクスト・ド...
『ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた』 録画で観ました~(^^;
(監督・脚本:ビル・ポーラッド 2022 アメリカ)兄弟デュオ「ドニ―&ジョー・エマーソン」の実話が基になった作品とか。(ドニーは映画の音楽も担当)実は上映当日、午前中が「ヨガ教室」で一度帰宅して準備してから上映会に行こうと思っていたら…な、な、なんと!(っ
「顔を捨てた男」2025年7月23日(水)kino cinema新宿にて。午後1時45分より鑑賞(シアター1/D-9) ~特異な顔をした男の皮肉な運命を通して突き付けるルッキズム問題 この日出かけたKino cinema新宿。アイスコーヒーを買おうと思ったら、ドリンクバーですって。というわけでカップをもらって自分でコーヒーを注ぐ。あら、でもこれ氷が入っていないわ。氷はどこで入れるのかしら。氷がないぞー! というところで時間切れで上映開始。結局ぬるーいアイスコーヒーを飲む羽目になったのであった。だからドリンクバーは嫌いなんだよ~。 さて、「人は見た目が9割」なんて本が売れるほど、私たちの社会では…
人づきあいが異様に苦手な郵便配達員のシュヴァル。配達の途中で躓いた奇妙な形の石。これがすべての始まりで、石を積み上げアジア的な宮殿を作り始める。「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」のニルス・タヴェルニエ監督は家族愛をテーマにした作品作りを得意とするだけあって、本作でもシュヴァルが抱くアリスへの愛、頑固なシュヴァルを支える妻への感謝の気持ちが描かれている。しかし、タヴェルニエ監督よ、悪いが私は...
「ストレンジ・ダーリン」2025年7月18日(金)角川シネマ有楽町にて。午後2時55分より鑑賞(スクリーン1/D-8) ~追う男と追われる女。常識を覆すシリアルキラー映画 シリアルキラーの映画は数多いが、「ストレンジ・ダーリン」はその中でも異色。常識をことごとく覆す。低予算の映画だが、アイデア次第ではこれだけ面白い映画が作れるというお手本のような映画である。 シリアルキラーによる連続殺人事件が世間を騒がせる中、モーテルの前に1台の車が停まっている。そこには、バーで知り合ったばかりの1組の男女が乗っていた。やがてその女レディ(ウィラ・フィッツジェラルド)は、デーモン(カイル・ガルナー)という男に…
「ポップ・アイ」 いいなぁ、こういうロードムービーは。家庭も仕事もうまくいかない、かつては有名な建築家、タナー(タネート・ワラークンヌクロ)。子供の頃、叔父さんが飼っていた象、ポパイ(タイトルの「ポップ・アイ」のこと)に再会。そうだ、叔父さんの元へ帰してあげよう。田舎を飛び出して、もう何年だっけ。しかし、そう簡単に田舎へは戻れない。道中、女装した男性、ホームレス、娼婦などに出会い、警察に捕まる。物...
私は幽霊を見たことがないので、幽霊話で背筋が寒くなる経験はあまりない。しかし、人間の狂気を感じる映画には背筋に冷たいものが走る。人間って怖い、と思う。今日は、人間の怖さを感じる映画を3つ。「エレファント」 紅葉が美しい秋。オレゴン州で起きた高校での銃乱射事件を描く。教室に象だって?いるわけないじゃん。そう言って、学校での壮絶ないじめを見て見ぬふるをしている人も、実は加害者と呼ぶべきか。脚本も秀逸だ...
7日間、自転車に乗り続けることができたら賞金をやろう。妻の入院費を稼ぐために、アフガン難民のナシムは無謀な申し出を受ける。イラン映画で度々見られる人の善さが(当然のことながら、悪人もいるが)随所に感じられ、国民を牽引してくれるような強い存在を求めていたイラン国民を、奮い立たせるような場面もある。「サイクリスト」は自転車に乗り続けるドキュメンタリーなどではない。貧しい人が長時間の自転車乗りに挑戦とい...
あらすじ(ネタバレなし)アムステルダムのバス運転手、ジョン、59歳。出勤すると、職場の金魚たちの健康状態を調べ、バスの無賃乗車は断固として許さぬ、真面目な男。そのジョンが、オフィスビルの警備員を銃を突きつけ、「フィリップス社の役員、ヴェセリンクを呼び出せ」と要求するのだが、「フィリップス社は・・・当ビルには入っておりません。フィリップスのビルはお隣ですが」と言われてしまう。のっけからコメディかと思...
あらすじ(ネタバレなし)政治犯として服役中の「教授」、レオ・コノミは、他の刑務所へ移送されることになった。しかし、移送に使われる車ではない。何かが変だ、とすぐにコノミは気がつく。人気のない山道で、その車は動かなくなってしまい・・・。サスペンスにジャンル分けしているサイトもあり、DVDのジャケットを見ると、血なまぐさいスリリングさを感じるけれど、「護送の行方」は、そういう映画ではない。1990年当時のアル...
レオノール、72歳。映画監督。テレビが頭の上にどっすんと落ちてきて、半覚醒状態に。しかし、夢の中では、ポチポチとタイプライターを打ち脚本を書き、自分自身も映画に登場しちゃう。映画っていうのが、これまた脱力するようなB級アクション映画。「そうだ、母さんが書きかけの脚本を完成させれば、母さんは目覚めるかもしれない。」と思った次男は、映画を完成させようとするのだが。レオノールさんのおでこに何か赤いモノが...
イラン映画「聖地には蜘蛛が巣を張る」を撮るきっかけとなったドキュメンタリー、マジアール・バハリによるドキュメンタリーو عنکبوت آمد( And Along Came a Spider )を見た感想をまとめてみます。最初に驚いたのは、実際のサイード・ハナイは想像していたのよりもハンサムで饒舌だということ。イランの刑務所で行われたインタビューにて。サイードが着ているのは、恐らくイランの囚人服だと思います。ドキュメンタリーでは、殺...
そこは、どこなのか。それは語られない。まっすぐに地平線がのびる大地で、父と娘は暮らしている。ふたりともモンゴル系の顔立ちをしている。つつましい暮らし。最低限の持ち物。娘の愉しみは、自然の中で手に入る葉や羊毛を使ってコラージュを作ること。彼女の前に、ふたりの男性が現れる。とても美しい場面が続く。水路を流れる水の音。水の動きと音は、まるで生き物のようだ。朝日が昇り、夕日が沈む。普段の生活で、つい忘れそ...
サイード・ハナイが2000年から2001年にかけて、聖地・マシュハドで、16人にもおよぶ娼婦を殺害した実際の事件を基に、アリ・アッバシ監督が「聖地には蜘蛛が巣を張る」を製作しました。犯人は誰か?というサスペンスものではありません。最初の方で、犯人はあっさりと明かされます。この映画は、犯行を重ねるサイードという男の宗教観、英雄になりたいという自尊心を、またイランにおける女性の地位を、重苦しいBGMとともに描い...
「突然、君がいなくなって」2025年6月29日(日)Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下にて。午後3時30分より鑑賞(7階/D-11) ~最愛の人を失くした悲しみと複雑な胸の内をリアルに見せる 夏ですなぁ。東京はまだ梅雨明けしていないようだけれど。 外に出るのも嫌なこの頃。できるなら駅近の映画館に行きたいものである。 というわけで、この日は地下鉄渋谷駅の出口からすぐのBunkamuraル・シネマ渋谷宮下へ。ちょうどビルの前の道では立憲民主党の塩村あやか議員と蓮舫元議員が演説をしていた。参院選挙も近いのだなぁ。 それにしても、最近何かと話題の参政党。「日本人ファースト」というのも胡散臭いけれど、…
こんな風習が、一体、誰を幸せにするというのか。夫が死亡すると、その妻は生きたまま焼かれる。サティと呼ばれる、ネパールで長い間続いていた習慣をテーマにした映画、Jholaを鑑賞しました。少年、ガナシャム(Sujal Nepal )の父親は老齢で、ゲホゲホとイヤな咳ばかりしている。この老人は最初の妻と死別した後、40歳も年下のカンチ(Garima Panta)と再婚。好きで年上と結婚したわけではないというところが、またおぞましい。ガ...
「フォーチュンクッキー」2025年6月27日(金)新宿シネマカリテにて。午後3時より鑑賞(スクリーン1/A-10) ~アフガンから来た女性のほろ苦くも温かさにあふれたドラマ 「国宝」「フロントライン」などまだ観ていないメジャーな映画がたくさんあるのに、なぜに私はアメリカのインディーズ映画に足を運ぶ? ま、人とは違う道を行きたがる、へそ曲がりなのでしょうがない。 観たのは「フォーチュンクッキー」という映画。フォーチュンクッキーとは、中華レストランなどで出てくるおみくじの入ったクッキーのこと。 そういえばAKB48のヒット曲に「恋するフォーチュンクッキー」というのがあったな。あの曲が流行った頃に、…
予告編を見てから、ずっと見たいと思っていたレバノン映画、「判決、ふたつの希望」。米国の法廷ドラマはよく見ますが、レバノンの裁判はどんなふうなのかも興味がありました。予想以上に激しい弁護、暴かれる被告の逮捕歴、原告の出身地の秘密、トニーの妻の悲しい過去が次々と飛び出し、裁判の行方にハラハラしました。簡単なあらすじキリスト教徒のレバノン人、トニーとパレスチナ難民のヤーセル。ふたりの些細な口論が、レバノ...
【ボスニアヘルツェゴビナ】戦時中の女性たちの静かな強さ 「雪が降るまでに」
すっかり古い映画になってしまったけれど、何度も思い出す美しい作品がある。女性たちが楽しそうに、物真似をしている。誰の物真似をしているのかを当てるゲームだ。サラエボ出身のアイダ・ベジッチ監督による映画、「雪が降るまでに」(または「雪が降るころまでに」)は、こんなシーンから始まる。原題は「雪」だが、邦題がわかりやすくて、いいと思った。舞台は、ボスニア紛争後の小さな村。男たちは敵に連れ出され、生きている...
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