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そこは、どこなのか。それは語られない。まっすぐに地平線がのびる大地で、父と娘は暮らしている。ふたりともモンゴル系の顔立ちをしている。つつましい暮らし。最低限の持ち物。娘の愉しみは、自然の中で手に入る葉や羊毛を使ってコラージュを作ること。彼女の前に、ふたりの男性が現れる。とても美しい場面が続く。水路を流れる水の音。水の動きと音は、まるで生き物のようだ。朝日が昇り、夕日が沈む。普段の生活で、つい忘れそ...
サイード・ハナイが2000年から2001年にかけて、聖地・マシュハドで、16人にもおよぶ娼婦を殺害した実際の事件を基に、アリ・アッバシ監督が「聖地には蜘蛛が巣を張る」を製作しました。犯人は誰か?というサスペンスものではありません。最初の方で、犯人はあっさりと明かされます。この映画は、犯行を重ねるサイードという男の宗教観、英雄になりたいという自尊心を、またイランにおける女性の地位を、重苦しいBGMとともに描い...
「突然、君がいなくなって」2025年6月29日(日)Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下にて。午後3時30分より鑑賞(7階/D-11) ~最愛の人を失くした悲しみと複雑な胸の内をリアルに見せる 夏ですなぁ。東京はまだ梅雨明けしていないようだけれど。 外に出るのも嫌なこの頃。できるなら駅近の映画館に行きたいものである。 というわけで、この日は地下鉄渋谷駅の出口からすぐのBunkamuraル・シネマ渋谷宮下へ。ちょうどビルの前の道では立憲民主党の塩村あやか議員と蓮舫元議員が演説をしていた。参院選挙も近いのだなぁ。 それにしても、最近何かと話題の参政党。「日本人ファースト」というのも胡散臭いけれど、…
「フロントライン」2025年6月30日(月)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時より鑑賞(スクリーン6/C-8) ~未知のウイルスの最前線で戦う人々を描いた迫真の映画 やっと観たぞ「フロントライン」。「国宝」はまだです。3時間はなぁ。間で休憩を入れてくれないと腰が痛くなっちゃってさぁ。全身病気持ちの私だからねぇ。 まあ、それはともかくとして、「フロントライン」は日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基にしたドラマ。いわばその後のコロナ禍の序章ともなった出来事である。 2020年2月3日、乗客乗員3711名を乗せた豪華客船「ダイヤ…
100 Best Movies of the 21st Century
As the list of 100 Best Movies of the 21st Century shows, long-held categorie…
こんな風習が、一体、誰を幸せにするというのか。夫が死亡すると、その妻は生きたまま焼かれる。サティと呼ばれる、ネパールで長い間続いていた習慣をテーマにした映画、Jholaを鑑賞しました。少年、ガナシャム(Sujal Nepal )の父親は老齢で、ゲホゲホとイヤな咳ばかりしている。この老人は最初の妻と死別した後、40歳も年下のカンチ(Garima Panta)と再婚。好きで年上と結婚したわけではないというところが、またおぞましい。ガ...
「フォーチュンクッキー」2025年6月27日(金)新宿シネマカリテにて。午後3時より鑑賞(スクリーン1/A-10) ~アフガンから来た女性のほろ苦くも温かさにあふれたドラマ 「国宝」「フロントライン」などまだ観ていないメジャーな映画がたくさんあるのに、なぜに私はアメリカのインディーズ映画に足を運ぶ? ま、人とは違う道を行きたがる、へそ曲がりなのでしょうがない。 観たのは「フォーチュンクッキー」という映画。フォーチュンクッキーとは、中華レストランなどで出てくるおみくじの入ったクッキーのこと。 そういえばAKB48のヒット曲に「恋するフォーチュンクッキー」というのがあったな。あの曲が流行った頃に、…
予告編を見てから、ずっと見たいと思っていたレバノン映画、「判決、ふたつの希望」。米国の法廷ドラマはよく見ますが、レバノンの裁判はどんなふうなのかも興味がありました。予想以上に激しい弁護、暴かれる被告の逮捕歴、原告の出身地の秘密、トニーの妻の悲しい過去が次々と飛び出し、裁判の行方にハラハラしました。簡単なあらすじキリスト教徒のレバノン人、トニーとパレスチナ難民のヤーセル。ふたりの些細な口論が、レバノ...
【ボスニアヘルツェゴビナ】戦時中の女性たちの静かな強さ 「雪が降るまでに」
すっかり古い映画になってしまったけれど、何度も思い出す美しい作品がある。女性たちが楽しそうに、物真似をしている。誰の物真似をしているのかを当てるゲームだ。サラエボ出身のアイダ・ベジッチ監督による映画、「雪が降るまでに」(または「雪が降るころまでに」)は、こんなシーンから始まる。原題は「雪」だが、邦題がわかりやすくて、いいと思った。舞台は、ボスニア紛争後の小さな村。男たちは敵に連れ出され、生きている...
あんたはね、政府の批判ばっかりしているから、もう映画を撮影しちゃダメ。そう言われても、尚、カメラを止めないジャファール・パナヒ監督。よくも、こういう手を思いつくなぁと感心するような方法でもって撮影を続ける。あらすじ「熊は、いない」では、イランからトルコへ、トルコからヨーロッパへ国境を越えようとするカップルたちを、ドキュメンタリーという形で撮る。映画なのか、ドキュメンタリーなのか、途中でこんがらがる...
「ルノワール」2025年6月20日(金)新宿ピカデリーにて。午後1時25分より鑑賞(シアター9/C-8) ~11歳の少女のひと夏の出来事。複雑な心理をリアルに見せる 昔の映画館は、たまにフィルムの不備などによる上映中断があったりした。そんな心配もデジタル上映の時代になって消えたかと思っていたのだが、この日の新宿ピカデリーの上映では映像が消えて、音声だけが流れるトラブルが2回もあった。もちろんその都度上映は中断し、トラブったところからの再上映となったのだが、こんなこともあるのだと驚いた。お詫びとして帰りに無料の招待券をもらったので、何となく得した気分になったのは事実である。 さて、その時観ていた…
争いと平和という難しいテーマをそういうふうに表現するのかと、いつも驚かせてくれるモフセン・マフマルバフ監督の作品が「パンと植木鉢」。あらすじ革命運動の最中、17歳だったモフセン・マフマルバフは警官を刺して逮捕されました。20年後、マフマルバフが、刺された元警官(ミルハディ・タイエビ)と再会。あの日の事件を映画にすることを決めます。若き日の監督と元警官を演じる少年をオーディションで選び、当時何があっ...
「ドールハウス」2025年6月18日(水)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時10分の回(スクリーン9/D-11) ~人形を巡る奇怪な物語。ベテラン矢口監督の新境地 腐れ縁ではないが、「この監督の作品はずっと観ているから」という理由で、さして面白そうでもない映画を観に行くことがある。矢口史靖監督の映画もそう。今回はホラー映画ということで、あんまり食指は動かなかったが、結局観に行ってしまった。 矢口監督といえば、「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」など明るい作品のイメージが強い。それがなぜにホラー? ともあれ、従来通りにオリジナル脚本で挑んでいるのが矢口監督らしいところか。 5歳…
【ベルギー】守れない約束 果たそうとする約束 「イゴールの約束」
ドナルドちゃんの「お誕生日パレード」は散々だったらしい。相方が笑いながら言う。「パレードの戦車が、キコキコと音がしちゃって、『パレードにこれだけお金をかけておきながら、錆止め(WD-40)を買う予算もない』って誰かがレビューしていて笑ったよ」WD-40(ダビュリュ・ディー・フォーティーと呼びます)というのは、日本で言えばクレ556みたいなもので、米国ではほとんど普通名詞化している。さて、ダルデンヌ兄弟の3作...
81歳になるブロガー、辺利未来さんのブログで紹介された街を歩くのが好きです。私なら見落としてしまいそうなところを、この方はよく見ていらっしゃり勉強になります。ただいまスリランカをお元気に旅行中!!やはり脚だな。ちゃんと歩けることが大事だなと思います。思いますが、私は怠け者でダメだな。暑くなると、家で寝っ転がりながら映画ばっかり観ています。さて、ロシア映画。2019年の「小さな兵士」は、ロシアで最年少の兵...
「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」2025年6月16日(月)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時35分より鑑賞(スクリーン7/D-9) ~普通に馴染めない男女の友情ドラマ。一見ラブコメだが中身は硬派 タイトルと内容が一致しない映画がある。実際に観て事前に思っていたのとずいぶん違う内容で落胆することもあるが、逆に「こんな映画だったのか!」と嬉しい驚きを経験することもある。 韓国映画「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」はそんな映画だ。事前にタイトルを見て、てっきりラブコメかと思ったのだが、そこには硬派なメッセージがこめられていたのだ。 自由奔放で自分の気持ちに正直に生きるジェヒ(キム・ゴウン)と…
2025年6月ですがいかがお過ごしでしょうか。 私?私はですね、4月に大阪・関西万博に行って以降、5月に2回行きまして、6月に3回行く予定になっております(現在5回目)。 7月も行きますけどね。いやもう毎月行きますけど。 だって、1回じゃ全然回り切れんのやもん。。 ちなみに無事、通期パス勢となりました! そういう訳で?5月は4本だけでした。 4月観すぎたんだ… 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 政党大会 陰謀のタイムループ シンシン/SING SING サブスタンス 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は kyosora-movie.jp 懐かしい大学生時代。 単純なふわふわした恋愛模様…
「ラ・コシーナ/厨房」2025年6月14日(土)シネ・リーブル池袋にて。午後3時10分より鑑賞(シアター2/C-4) ~修羅場の厨房から見える過酷な労働環境と移民の現実 何事も舞台裏を覗くのは面白いものだ。普段は見ることのない様々なことを目撃できる。レストランもそう。だから、「厨房ドラマ」がたくさん作られることになる。最近でも「ボイリング・ポイント/沸騰」などの面白い厨房ドラマがあった。 「ラ・コシーナ/厨房」もレストランの舞台裏を描いた厨房ドラマだ。ただし、イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーによる1959年初演の戯曲が原作ということもあり、他の厨房ドラマとはやや趣を異にしている。監督・脚…
【イラン】キアロスタミ監督・お金をかき集めてサッカーを観に行く
貧しい少年、ガッセム (ハッサン・ダラビ)が悪だくみでお金を儲け、そのお金でサッカーの試合を見にテヘランへ。映画「トラベラー」の主人公は、アッバス・キアロスタミ監督お約束の、田舎の貧乏な少年ですよ。このガッセムっていうのが、はっきり言って、犯罪者。フィルムなんか入っちゃいないカメラで、「写真を撮ってやるぞー」と村人たちの写真を撮影したフリをして、お金を巻き上げるハッサン。現像した写真は後で渡すから、...
「年少日記」2025年6月12日(木)新宿武蔵野館にて。午後2時35分より鑑賞(スクリーン3/B-6) ~現在と過去が交錯し、競争社会にさらされたある兄弟の悲劇が浮かび上がる 中国では、今年の高考(普通高等学校招生全国統一考試)が実施された。私大も多く、必ずしも共通テストを受験する必要のない日本とは違って、中国の大学の多くは国公立だ。それだけに、受験競争の激しさは想像を超えるものがあるようだ。 同じように、香港も厳しい競争社会だという。そうした現実を背景に描かれた映画が「年少日記」である。 高校教師のチェン(ロー・ジャンイップ)が教師をしている高校で、自殺をほのめかす遺書が見つかる。学校側は生…
「ぶぶ漬けどうどす」2025年6月10日(火)シネ・リーブル池袋にて。午後2時15分より鑑賞(シアター2/D-5) ~ストレートなコメディかと思ったら、京都に惹かれたヒロインが暴走していく怪作 深川麻衣を映画で初めて見たのは、今泉力哉監督の「愛がなんだ」だった。そこでの彼女は、ヒロインの岸井ゆきのに負けず劣らず存在感を発揮していた。実に良い俳優だと思った。「乃木坂46」の1期生の元アイドルというのは後になって知った。 そんな深川麻衣が主演の新作映画が「ぶぶ漬けどうどす」である。監督は「乱暴と待機」「素敵なダイナマイトスキャンダル」などの冨永昌敬。脚本は三浦透子主演の「そばかす」などの脚本家・ア…
マーティン・スコセッシが映画館には行かなくなった理由には、私も同意。私は、定年退職後にシニア割引を受けられる年齢になり、もっと映画館へ行くぞーと喜んでいたのもつかの間、マナーが悪い人がいて残念です。そういう人は館内にたったひとりでも目立つし、そんな人に限ってどういうわけだか私の隣とか前に座る・・・。私、何かを引き寄せるニオイでも発しているのでしょうか・・・。さて、イラン映画。あのアスガー・ファルハ...
「我来たり、我見たり、我勝利せり」2025年6月8日(日)新宿武蔵野館にて。午後2時5分より鑑賞(スクリーン2/B-6) ~大富豪の趣味は「人間狩り」。現在の格差社会を痛烈に風刺 何だか体調が今ひとつで映画館にもあまり行かなかったのだが、そんな時にタレントの山田邦子が言った言葉が耳に残った。彼女はガンになって以来、体調が万全などという日はあまりないという。それでも「今日はまあまあ」と思って行動しているらしい。 昨日の私も完調ではないものの、まあまあな感じだったので新宿武蔵野館へ。オーストリア映画「我来たり、我見たり、我勝利せり」を鑑賞。何だか戦争映画のようなタイトルだが、そうではない。気の遠く…
「ミッション・インポッシブル ファイナル・レコニング」を鑑賞
映画「ミッション・インッポッシブル」の最終版を鑑賞してきた。 主人公は 何があっても死なない安心感があるハリウッド映画。 いろいろなシチュエーションのアクションシーンは見応えアリ。 普通こういった
青春ものは見ない私が、珍しく高校生主演の台湾映画「共犯」をDVDで鑑賞しました。SNSで多くの人と「繋がっている」のは幻想なのか。なぜ、こんなにも寂しいのか。いい作品でした。あらすじ(ネタバレなし)住宅街の路地に、頭から血を流した女子高生、ウェイチャオ(ヤオ・アイニン)の遺体が横たわる。発見したのは、いじめられっ子のリーファイ。そこへ偶然通りかかった不良のイーカイと秀才で頼りにする同級生が多いヨンチュン...
2018年、イギリス・カナダ映画「ルイの9番目の人生」は、サスペンスのつもりで図書館でDVDを借りてきました。サンフランシスコに住むルイ・ドラックスくんは、毎年、危険な事故に遭い、9歳の誕生日に転落死します。それは単なる事故だったのか。なにしろ、こちらはサスペンスのつもりで見ているものだから、ワカメのモンスターが病院内をうろつくあたりから、「こりゃ、ファンタジー系か?」と、ファンタジー系が嫌いな私は白け...
「サスカッチ・サンセット」2025年6月2日(月)ヒューマントラストシネマ渋谷にて。午後12時45分より鑑賞(シアター1/C-11) ~人間は登場せずセリフもなし! サスカッチたちの四季折々の生態 ちょっと前に通り魔的な刺傷事件が起きた東京メトロ南北線・東大前駅。実は私が定期的に通っている大学病院の最寄り駅だったりもする。だからといって乗降時に緊張したりはしないのだが。 昨日、その東大前駅で降りて大学病院へ行ってきた。あまり調子がよろしくない感じがしていたのだが、先週実施した検査の結果は特に問題になるところもないらしい。まあ医師が言うのだから信用するしかない。 思いのほか病院が早く終わって、映…
5月の映画鑑賞記録の続きです。※画像は全てお借りしています。11. 聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団【STORY】神の子イエス...
「サブスタンス」2025年5月29日(木)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時35分より鑑賞 ~超過激なホラー映画の怪作。エグさの向こうに見える激しい怒り 話題の映画「サブスタンス」をようやく観た。聞きしに勝る超刺激的なホラー映画だった。 50歳になった元人気女優のエリザベス(デミ・ムーア)は、若返りを図るプロデューサー(デニス・クエイド)によってレギュラー番組からの降板を告げられてしまう。失意と焦りから彼女は再生医療「サブスタンス」に手を出し、薬剤を注射する。すると、背中が裂けて若い美女スー(マーガレット・クアリー)が現れる。若さと美貌に加え、これまでのエリザベスの経験を持つスーは、…
映画は生活必需品。5月の映画鑑賞記録です。※画像は全てお借りしています。1. オマージュ【STORY】映画の修復プロジェクトに携わることになった女性映画監...
有給休暇を取得して、病院の付き添いに行ってきました。時計を見るたびに、「今頃、朝礼している頃だな」「仕事の片づけをしている頃だな」「お昼ごはんはどこで食べよー。きゃー、とはしゃいでいる頃だな。」それなのに、今日の自分ときたら・・・。いけない、いけない。たまには修行も必要よ、と自分に言い聞かせ、役目を果たしてぐったり。さて、すごい監督を知ってしまいました。1913年、オーストリア・ハンガリー帝国にあ...
【イスラエル映画】元兵士たちの視点から レバノン侵攻の意外な面
私には相方の世話をする義務はないし、それが嫌なら自分のマンションへ逃げることもできます。文句を言いながらも、私ができる範囲での世話をしている一番の理由は、結局、私のためだと思います。ここで投げ出して、後になってから後悔したくないから。ここまで耐えたのに逃げてしまうと、バチが当たりそうで怖いから。自分勝手ですが、高齢者の世話をしている人すべてが、善良で心優しい人ばかりではありません。優しくできないと...
珍しいオランダ映画「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」のDVDを赤坂図書館で借りました。「キャラクター/孤独な人の肖像」のマイケ・ファン・ディム監督の作品。大富豪のヤーコブ(イェルーン・ファン・コーニングスブリュッヘ)は、自殺を試みるもうまく死ねない。こういう設定は、いくつかの映画で見ましたが、コメディっぽく始めておいて、実は中身のあるドラマなんですよね。自殺ほう助の代理店でサプライズ・コ...
「事実無根」2025年5月22日(木)K's cinemaにて。午後2時30分より鑑賞(B-7) ~京都の実在の喫茶店を舞台にした、とびきり温かくてユーモラスなドラマ 久々に受注した仕事を終えた5月19日の午後。「さて、映画館に行こうかな」と思ったのだが、どうにも調子が悪い。ふだんから体調が万全などということはないのだが、この日は殊更に調子が悪い。なので、映画館に行くのはやめにして、家でおとなしくしていた。 ところが、翌日になったらますます体調が悪くなってしまった。胃腸の具合が悪いし、何だかだるい。というので、この日も自宅待機。 翌日になって、少し良くなったのでちょっと外出してみたものの、途中…
「未完成の映画」2025年5月14日(水)池袋シネマ・ロサにて。午後12時55分より鑑賞(CINEMA ROSA 2/C-8) ~映画撮影中に襲うパンデミックの恐怖。コロナ禍をリアルに描いたフェイクドキュメンタリー 先日、「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」をもう一度観てきた。初見ではわかりにくかったところもほぼ理解できて、改めて良い映画だと思った。買いたかったパンフレットが売り切れで、入手できなかったのが残念だったけれど。 さて、前回取り上げたジャ・ジャンクー監督の「新世紀ロマンティクス」の終盤は、2020年のコロナ禍を背景としたドラマだったが、そのコロナ禍そのものに焦点を当てたのが、…
「新世紀ロマンティクス」2025年5月9日(金)Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下にて。午後1時10分より鑑賞(7F/D-11) ~時代の空気がリアルに映し出されたジャ・ジャンクー監督の集大成的作品 ジャ・ジャンクー監督の「一瞬の夢」(1997年)を観た時はぶっ飛んだ。かつてのATG映画を彷彿させるインディーズの香り漂う作品で、「中国にこういう映画があるのか」と驚いたものだった。 それ以来、「プラットフォーム」「青の稲妻」「世界」「長江哀歌」「四川のうた」「罪の手ざわり」「山河ノスタルジア」「帰れない二人」と、ほとんどの作品を鑑賞してきた。彼の作品の多くは、中国の変わりゆく社会とそれに翻弄さ…
2025年5月突入。 GWも終わり皆さまいかがお過ごしでしょうか。 TVでいつもGW後半に入りました~っていうけど、いやGWはこれからですけど??ってなります。暦通りなので間の平日は出勤ですし有休とったりしませんしね。。 4月は13本観ました~! ブータン山の教室 お坊さまと鉄砲 ブラックバード、ブラックベリー、私は私。 DEVARA ナタ 魔童の大暴れ アンジェントルメン RRR:ビハインド&ビヨンド🌟 トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦🌟🌟 RRR:ビハインド&ビヨンド ベテラン 凶悪犯罪捜査班 異端者の家 トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 マインクラフト ザ・ムービー …
「ロザリー」2025年5月6日(火・祝)新宿武蔵野館にて。午後2時50分より鑑賞(スクリーン1/B-8) ~ヒゲを生やして自己を解放する女性のたくましい姿 「うちの女房にゃ髭がある」という映画がある。1936年(昭和11年)公開の千葉泰樹監督の日活映画で、恐妻家のサラリーマンと妻とのドタバタ劇とのこと。映画は観ていないのでよく知らないのだが、主演を演じた杉狂児と美ち奴の歌った同名の主題歌はなぜか知っている。YouTubeにもあるが、きわめてノーテンキな歌である。 ともあれ、この場合の「髭がある」というのはあくまでも比喩だが、実際にヒゲを生やした女性がいたのだという。19世紀フランスに実在したク…
ローマ法王が決まりました。アフリカ系、アジア系の法王云々の話は、もう、ミス・ユニバースじゃないんだから、「前回は南米だったし、その前は白人。そろそろアジア人を出さないと、まずいんじゃない?」なんていう忖度は、必要ないでしょう。でも、米国人とは意外でした。なにしろ、米国という国はカトリック教徒を低く見ている国です。ポーランド系、イタリア系、メキシコ系、アイルランド系は、悪く言われることが多く、蔑称が...
「KIDDO キドー」2025年5月2日(金)新宿シネマカリテにて。午後2時30分より鑑賞(スクリーン1/A-6) ~疎遠だった母娘の不器用な交流とすれ違いを独特のタッチで描いたロードムービー 今年のアカデミー監督賞を受賞した「ANORA アノーラ」のショーン・ベイカー監督が絶賛したという映画が「KIDDO キドー」だ。オランダのザラ・ドヴィンガー監督の長編デビュー作でベルリン国際映画祭に出品された。母と娘によるロードムービーである。 オランダの児童養護施設で暮らす11歳の少女ルー(ローザ・ファン・レーウェン)のもとに、離ればなれになっていた母のカリーナ(フリーダ・バーンハード)が突然やって来…
「異端者の家」2025年4月28日(月)TOHOシネマズ 池袋にて。午後2時より鑑賞(スクリーン4/D-7) ~若い2人のシスターの受難。「ラブコメの帝王」ヒュー・グラントがブチ切れた演技を披露 映画館に行けばA24に当たる、というぐらい目立つA24製作の作品。「異端者の家」はお得意のスリラー映画。「クワイエット・プレイス」の脚本家コンビ、スコット・ベック&ブライアン・ウッズが脚本を書き、監督を担当した。 布教中の若い2人のシスター、パクストン(クロエ・イースト)とバーンズ(ソフィー・サッチャー)は森に囲まれた一軒家を訪れる。ドアベルを鳴らすと、出てきたのはリード(ヒュー・グラント)という気さ…
ユーフォルビア・スザンナエ(別名瑠璃晃)の花と映画4本観た結果全部当たりだった話
こちら我が家のユーフォルビア・スザンナエです♪ 別名"瑠璃晃"とも言うし"ドラゴンボール"ともいいます。 ドラゴンボールってのは丸いボディが沢山群生してる姿でちょっと納得しちゃうんだけど我が家のは
2025年も4月になっております。 暑いんだが。 夏日なんだが。 なんやかんや映画は観てるんですが、 ゲームばっかりやってて纏めるのめんど… てなっておりましたね。まぁしゃーない。 ざざっとタイトルだけ並べとく。 <1月>8本 ビーキーパー 太陽と桃の歌 カルキ KALKI2898-AD 型破りな教室🌟 FPU~若き勇者たち~ サンセット・サンライズ 勇敢な市民 ロボット・ドリームズ🌟 <2月>4本 怪獣ヤロウ! 満ち足りた家族 野生の島のロズ 愛を耕すひと <3月>6本 ANORA アノーラ ヨウゼン Flow🌟 白雪姫 ミッキー17 教皇選挙 🌟が付いてるのオススメ! アニメ多しw 型破り…
街中で、病院で、車椅子を押す女性を見かけます。辛いと思うことは、ないのだろうか。車椅子に座る人にやさしい口調で語りかけることができるのは、どうしてなのか。私は4世代の共同生活を体験しているし、ボランティアもよくやっているから、高齢者には慣れていると思っていたけれど、相方と外出をすると、ついイライラしてしまいます。歩くのが遅いからイライラするのではなくて、足が弱くなった原因(=運動不足)は、彼自身。...
「片思い世界」2025年4月25日(金)シネ・リーブル池袋にて。午後2時50分より鑑賞(シアター2/D-4) ~切ないラブストーリーかと思いきや××映画。主役3人の競演が魅力 何やらヒットしているらしい映画「片思い世界」。「花束みたいな恋をした」の土井裕泰監督と脚本家の坂元裕二による作品。しかもタイトルに「片思い」と入っている。これは間違いなく切ない恋愛映画に違いない。 そう思ったのだが違った。恋愛映画というよりも××映画なのだ。 ××としたのは、この映画がネタバレ厳禁のためだ。いや、それに触れなければレビューなんか書けないじゃん。どうせ映画の早いうちにわかっちゃう設定だし。 というわけで、映…
Lady of the City(2021年)のあらすじ無実の罪で終身刑を言い渡されたシャルバヌー。11年めにして、仮出所をする。息子の結婚式に参加するためだ。久しぶりの外は、なんだか太陽の光がまばゆくて、シャルバヌーは思わず目を細める。しかし、刑務所にいる年月が長すぎた。知らぬ間に、ふたりの娘の人生は狂い始めており、彼女は危険を冒してでも、娘たちの問題を解決しようと奔走するのだが、嘘まみれの世界で、もう誰を何を信じ...
「シンシン SING SING」2025年4月21日(月)キノシネマ新宿にて。午後2時45分より鑑賞(シアター2/A-4) ~限りなくリアルに描いた刑務所の収容者たちによる舞台演劇 「シンシン SING SING」という映画のタイトルを聞いた時に、ミュージカル映画かと思った。ところが実際は全く違った。シンシンとはニューヨークに実在するシンシン刑務所のこと。厳重なセキュリティが施された刑務所として知られているらしい。 「ということは脱獄劇なのか?」と思ったのだが、それも違った。この刑務所では舞台演劇を通じた更生プログラム「RTA」というものが行われているという。そのRTAを描いたドラマが「シンシ…
「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」2025年4月22日(火)テアトル新宿にて。午後1時45分より鑑賞(B-11) ~傷つき傷つけて、それでも生きていく2人。瑞々しくユーモアに満ちた青春物語 昔は結構マスコミ・関係者向けの試写状が来て、公開前の映画をいち早く観ることができた。観客の中には有名な映画評論家などもいて(おすぎさんとか)、「私もこういう試写に参加できるようになったのか」と感慨にふけったりしたものだ。 しかし、その後、私には何の影響力もないことがバレたらしく、試写状は来なくなってしまった。一般向けの試写会も、たいていはペアで参加者を募集しているから、常にロンリーな私は申し訳ないの…
エジプトの都会、アレクサンドリアからイスラエルへ招待された警察音楽隊。アラブ文化センター開設のお祝いで生演奏することになっている。ところが、迎えは来ないわ、行先を間違えて、とんでもない田舎に着いてしまうわ、ホテルはないわで、大ピンチ。村に1件しかないレストランの女主人は、「アラブ文化センター?ここはイスラエルだよ?そんなモノ、あるわけないじゃん」とけんもほろろ。あらすじ詳細は「映画で巡るイスラエル...