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【古典文学】♪太宰治~人間失格・斜陽・パンドラの匣(はこ)・走れメロス・女生徒・グッドバイ♪夏目漱石~こころ・吾輩は猫である・坊ちゃん・明暗♪川端康成~雪国・…
「でも、今日の夕方は、とても、うつくしい夕焼だったわ。夕焼は、明日いいお天気になるという証拠でしょう? きっと、お天気になりますわ。(後略)」 「相模曾我日記」と題して太田静子さんが付けていた日記帳は、彼女自身の手によって太宰治に渡され、太宰はこの日記をヒップホップ的な意味でサンプリングしつつ、傑作『斜陽』を書いた。『斜陽』出版後、太宰が死んだのちに、この日記は『斜陽日記』として世に出た。 読んで、とても面白かった。なんというか、太宰がいかに太田静子さんの文章を再現しつつ『斜陽』を書いたか、その再現力の高さに恐怖を覚えたりもした。そして、これは『斜陽』のクレジットに太田静子さんの名を加えるべき…
上原さんは、ふふ、とお笑いになって、 「でも、もう、おそいなあ。黄昏だ」 「朝ですわ」 弟の直治は、その朝に自殺していた。(『斜陽』p.181) 『斜陽』はこれまで何度も読み返してきた作品だが、その『斜陽』のサンプリング元として知られる太田静子さんの『斜陽日記(相模曾我日記)』は、今回、初めて読んだ。 ふたつの作品は、かたや小説、かたや日記ということで当然、大きく違うわけだけれども、似ている部分もあるし、そっくりそのままの部分もある。 なにより私が驚かされたのは、『斜陽日記』の文章の感じというか「声」が、『斜陽』で完全に再現されている(と私には思えた)というところである。 つまり、『斜陽日記』…
ペドロの話、第17話。斜陽の大商人。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -17. 北方での研究の甲斐あって、「北方見聞記」改訂版は初版以上の好評を博した。そしてその主筆であるペドロも、既に教主の職を辞して10年以上経っているにもかかわらず、その評価と人気は衰えることを知らなかった。 一方で3世の評判は、次第に陰りを濃くしていた。316年の大交渉で央中を中央政府から独立させ、大規模な再開発計画を打ち...
1、作品の概要 太宰治、晩年の名作。 1947年、刊行。 当時のベストセラーとなった。 得意とする女性の告白体で書かれている作品で、没落していく貴族を表して「斜陽族」という言葉を生み出し、社会現象となった。 自身のファンであった太田静子の日記を参考に書いたとされている。 太宰はこの女性と関係を持ち、後に女の子が生まれ、自身の名前を一字入れて治子と名付ける。 先日、公開した蜷川実花監督の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』にも太田静子との出会いから、斜陽の執筆、私生児をめぐる泥沼のやり取りまでが描かれています。 hiro0706chang.hatenablog.com 2、あらすじ 父を亡くし…