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黄輪雑貨本店 新館 https://auring.blog.fc2.com/blog-entry-1494.html

長編ファンタジー小説「双月千年世界」、西部劇小説「DETECTIVE WESTERN」の他、待受画像のドット絵やイラストなどを掲載しています。

猫と中華デザインと可愛いものが好きなモノ書きです。

黄輪
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住所
城陽市
出身
佐世保市
ブログ村参加

2008/05/10

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  • ふわっふわじゃぁ

    2025年年賀イラスト、場所クイズの答え合わせ。撮影地から帰ってきたねこ車掌と、近所のスポーツ系女子高生たち。今年は京阪電鉄出町柳駅に出張したねこ車掌。早朝の仕事だったことに加え、出町柳駅は京都の結構北の方にある。すっかり体が冷え切ってしまい、何か談を取れるものはないかと街をさまよっていた。と、通りの向こうからいかにもあったかそうな娘が2人、走ってやって来る。「ふー……ちょっと休憩休憩」「オッケー」旅岡...

  • 2025 あけましておめでとうございます

    明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。例年通り、新年のご挨拶としてドット絵イラストを掲載します。今回はどこの駅をモチーフに制作したでしょう?答えは1/13掲載予定の「今日の旅岡さん」にて。- - - - - - - - - - - - - - -昨年立てた目標と、その達成率。・イラスト、ドット絵合計で40作→63点、達成率158%。・「今日の旅岡さん」8作→14作、達成率175%。・「緑綺...

  • 緑綺星 目次

    絵師さん募集中!黄輪雑貨本店 総合目次 (あらすじもこちらにあります)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -「緑綺星」地図(作成中……)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -「双月暦」の暦双月世界の魔力・魔術観について双月世界の種族と遺伝(2019年版)双月世界の戸籍- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1話目から読みたい方はこちら緑綺星・裏金譚1 2 3 4 5緑綺星・秘捜譚1 2 3 4 5緑綺星・考義譚1 2 3 4 5...

  • クルマのドット絵 番外編;小説中に登場させたクルマ

    今年制作したクルマの紹介。最後は小説「レッド・ラギット・ロード」に登場させたクルマ。・コロモ ヴォルペ RS.II・ミナト シビルスター TypeR・ATモータース キャバリエ スペックR・コロモ ヴェロチスタ RS「緑綺星」のスピンオフ小説として書いたレース小説「レッド・ラギット・ロード」。書いてて段々楽しくなってきており、現在続編も執筆中です。来年には「緑綺星」第6部と、その続編を連載する予定。今年の投稿は...

  • クルマのドット絵 その99

    今年制作したクルマの紹介。・日産 スカイライン GT-R(1970)・日産 スカイライン GT-R(1973)・日産 GT-R(2007)今年の振り返り、その4。今年一番の不幸について。あのPC壊れました。蛍石色に光り輝くゲーミングPC。急遽新しくゲーミングPCを購入しましたが、これがお世辞にも「ゲーミングPC」と名乗れないようなお粗末なスペック。そのくせ15万弱と言う、ぼったくりの値段でした。(こないだパソコンショップを訪ねた際、このPCの倍...

  • ほなプレゼントくれへん?

    クリスマスイラスト。サンタ天狐ちゃんと旅岡さん。天狐ちゃんは「魔法使い」である。魔法使いなので道具なしで服を作れたり、服の色を変えたりは朝飯前にできる。と言うような話をシュウとしていたら、「じゃ赤と白のツートンのお洋服作れます?」と聞かれた。できるかどうかと聞かれて「できない」と答えるような天狐ちゃんではない。即座にその場でポンと出してみせたところ、シュウは調子に乗った。「んー……もうちょいモコモコ...

  • クルマのドット絵 その98

    今年制作したクルマの紹介。・日産 スカイライン GT-R(1989)・日産 スカイライン GT-R(1995)・日産 スカイライン GT-R(1999)今年の振り返り、その3。長年だらーっと続けていた「今日の旅岡さん」、改めてキャラ紹介しました。加えて、今年スカイラインGT-Rをまとめて描いた関係で、隣に添えている大きさ見本用のどうぶつのデザインが自分の中でもかなりお気に入りでもあり、キャライラストとして起こすことにしました。そしてそれ...

  • 2025年1月携帯待受

    2025年1月の携帯待受。プジョーの'21年式308。かつては「106」「205」のように、百の位をセグメント(車体の大きさ)、十の位を0、そして一の位を世代を表す数字として車種名を表してきたプジョーですが、2010年代から一の位が固定されるようになりました。新興国向けのモデルは「1」、それ以外の国と自国に向けて販売する場合は「8」を振ることを発表しており、現行モデルも特別に名前が与えられたモノを除き、末尾がすべて統一...

  • 魅力3割増しますよねー

    以前描いた3ショットをリメイク。シュウ「冬はあつあつラーメンの魅力3割増しますよねー」小鈴「ほかほか豚まんも引力すごいわよ」エリザ「冬でも夏でもお酒美味いわ~♪」...

  • クルマのドット絵 その97

    今年制作したクルマの紹介。・トヨタ カリーナ 1600GT-R(1983)・トヨタ コロナ GT-R(1987)・トヨタ セリカ GT-R(1989)今年の振り返り、その2。今年新しく、LINEスタンプ制作と作曲を始めました。前者はボチボチ売れているようです。第2弾も作りたいと思ってはいるんですが、なかなかやる気が湧かないのが困りもの。後者は完全に自分の動画制作用にしか作ってませんが、もし使いたいと言う方がいれば配布を検討します。来年も...

  • クルマのドット絵 その96

    年末恒例、今年制作したクルマの紹介。・いすゞ ベレットGT TypeR(1969)・マツダ サバンナ RX-7(1985)・マツダ ファミリア GT-R(1992)クルマと「GT-R」についての紹介は待受の各記事で行ったので、単純に今年の振り返りだけします。非ブログ方面について。今年のはじめは無茶なことをしてました。ニコニコ動画にて動画4本同時制作進行。いま振り返ってみると、とんでもない状況でした。あれは二度とやりたくないです。毎週締...

  • 2024年12月携帯待受

    2024年12月の携帯待受。日産の'07年式GT-R。大半のクルマは1モデルの販売期間が6年程度であることには以前にも何回か触れていましたが、このGT-R、なんと2007年から2025年までの大幅ロングランとなりました。その販売終了の理由も不人気だとか販売不振だとかではなく、「販売開始当初は流通していた部品が確保できなくなってしまったから」「直近の環境規制に対応しきれなくなってきたから」と、近年のスポーツカー・ツーリング...

  • レッド・ラギッド・ロード 27

    ラモンの話、最終話。明日へ向かう者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -27. SOTC第1戦は、波乱の展開の末に決着した。 予選6位通過の伏兵、ラモン・ミリアンがスタート直後からハイペースで他の選手を引っ張る展開に、昨年度SOSSの覇者たちは軒並み翻弄され、次々に優勝圏内から脱落。地元勢では唯一、昨年のSOSS優勝者であったワフィカ・ジブリルが最後まで懸命な攻めを続け、3位に食い込んだ。そし...

  • レッド・ラギッド・ロード 26

    ラモンの話、第26話。ラスト1周の駆け引き。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -26.(無茶苦茶だ!) その走り方を見て、ラモンは――抜き去られる、順位が下がると言った次元ではない――恐怖を覚えた。(レーサーの走りじゃない。あれはマジで人を山ほど轢いてる、人殺しの走りだ) そして慌てた様子の一聖の声が、その恐怖を加速させる。《ラモン! ジジイが後ろに迫ってる! 絶対に逃げ切れッ!》「はぁ!? さっき人...

  • レッド・ラギッド・ロード 25

    ラモンの話、第25話。ラスト1周の駆け引き。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -25.《今、2位まで来たぞ。だが前にいるヤツもピットイン済だから、順調に行けばもうペースダウンするコトはないだろう。1秒差だ》 一聖からの無線を受け、ラモンは冷静に応答する。「残り4周でしょう? このままペースを維持して、ラストで抜きます」《大丈夫か?》「無理に今抜いてもタイヤがタレますし、相手もムキになります。余裕持...

  • レッド・ラギッド・ロード 24

    ラモンの話、第24話。強豪たちとの会敵。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -24. かつてはATモータースのクルマでモータースポーツに臨んでいた身であるため、ラモンもこのメーカーには浅からぬ因縁を感じている。(キャバリエに限らず、ATのクルマって加速がいいんだよな。ターボの製造技術だけは長年の経験と実績ってやつで、コロモやミナトより断然性能がいい。後付けのターボキットだけ販売してるくらいだし。 ...

  • レッド・ラギッド・ロード 23

    ラモンの話、第23話。ロケットスタート。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -23.《さあスタートしまし……ああっと!? ナンバー4、ミリアン選手! いきなり前に出た!?》 実況が叫んだ通り――まだ様子見半分で半開走行気味だった他の車輌を尻目に、ラモンは勢い良く前に飛び出し、いち早く第1コーナーに飛び込んだ。《攻めますね! ですが茫然自失の逸走ではありません。第1コーナーへの進入に迷いが見られないです...

  • レッド・ラギッド・ロード 22

    ラモンの話、第22話。不安と緊張の開幕戦。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -22. 意気揚々とセコンドブースに戻ってきたラモンを、一聖とメカニックの一人、ジャンニが出迎える。「どうだった?」 一聖にそれだけ聞かれ、ラモンは小さくうなずく。「いいクルマです。クセのない、素直な乗り心地って感じでしたね。ちょっと足回りが柔らかいですけど、その分コーナリングには強い印象があります。このコースにはかなり...

  • レッド・ラギッド・ロード 21

    ラモンの話、第21話。ヴォルペRSⅡの真価。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -21. やはりと言うべきか、克天狐は一切の掛け値なしの大物だった。「あの、これ、……AP28ヴォルペじゃないですか! しかもRS……Ⅱって!?」 依頼を請けるなりすぐ南海まで連れて来られたラモンの前に、天狐はとんでもない「戦闘機」を提示したのである。「お、流石に詳しいな」 唖然としているラモンにニヤッと笑いかけ、監督兼チーフ...

  • レッド・ラギッド・ロード 20

    ラモンの話、第20話。ライアン時代のトラウマ。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -20. 天狐の唐突な依頼に対し、ラモンの口から出てきたのは――。「嫌です」 自分でも耳を疑うような、否定の言葉だった。そして天狐にとってもこのラモンの反応は意外だったらしく、彼女の薄い三白眼が、珍しく大きめに開く。「なんでだ? 何が気にいらない? 報酬はもちろん払うぜ? まず勝敗に関わらず前金で500万エル、実際に勝...

  • レッド・ラギッド・ロード 19

    ラモンの話、第19話。色褪せた者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -19. 鈴林たちに言った通り、ラモンはミッドランド市国に連れて来られて以降、一度も市国のある島の外に出なかった。島内で何の不足も無く生活することができたし、天狐に頼んでタクシー免許を手に入れたことで、カネにも事欠かなかったからである。(破格だよなぁ) 生活に、そして将来にも、何の憂いも無かったが――時折、客を乗せずにブラブラと島...

  • レッド・ラギッド・ロード 18

    ラモンの話、第18話。一聖と天狐。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -18. 一聖によって央南から央中ミッドランド市国までバンごと魔術で運ばれた後、彼女の妹として紹介された金毛九尾の狐獣人――ICT業界を牛耳り、世界の政治・経済に絶大な影響を及ぼすあの超大物、克天狐に引き合わされ、ラモンは戦慄・緊張していた。何しろ裏街道をひた走ってきたラモンでさえ、この世界において「克」の名が持つ意味と、その権能...

  • レッド・ラギッド・ロード 17

    ラモンの話、第17話。邂逅。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -17. エヴァが公園に向かって5分ほどしたところで、ラモンのスマホに彼女からの連絡が入った。《やはりウラの奴だったよ。博士を殺そうとしてた》「マジですか」《すまないがラモン、さっき言ってた『虎』のところに行ってくれないか? 慌ててる様子なら間違いなく仲間だろうから、バンまで連れて来てくれ。私も暗殺犯を連れて来る。……と言うか、担いでく...

  • レッド・ラギッド・ロード 16

    ラモンの話、第16話。回りくどい接触。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -16. オーノ博士を訪ねるべく央南へと飛んだラモンとエヴァだったが、すぐに博士と接触するようなことはしなかった。「白猫党に目を付けられてしまってるからな。私も、おそらくは博士も」「マークされてる二人が出くわしたことを白猫党が知ったら、何してくるか分かったもんじゃないですもんね」「MPS(量産兵士)計画のことは知っているから...

  • レッド・ラギッド・ロード 15

    ラモンの話、第15話。謎の極秘資料。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -15. アルトと別れて以降、エヴァはラモンと行動を共にしつつ、白猫党以外から依頼された裏稼業をこなす傍ら、装備と情報を集めつつ、白猫党領への侵入と破壊工作を繰り返した。その過程で――。「……むう」 その潜入工作から戻ってきたエヴァが何かの書類をにらみつけているのを見て、ラモンは首をかしげた。「どうしたんですか、エヴァさん? 確定...

  • レッド・ラギッド・ロード 14

    ラモンの話、第14話。結ぶ腐れ縁。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -14. アルトが前もって忠告した通り、エヴァには次々と、闇の仕事が舞い込んだ。「白猫党からの依頼だ。西方、スカラ共和国の社会党党首、トレバー・デメル、男・兎耳。こいつ消してこい。期限は2ヶ月以内だ」「承知した」 依頼理由も聞かず即答するエヴァに、エヴァより長い間ウラの世界にいるはずのラモンが面食らう。が、様子を横目で見ていたら...

  • レッド・ラギッド・ロード 13

    ラモンの話、第13話。眩いダークナイト。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -13. リモード共和国での一件の後、ラモンとエヴァはアルトを通じてヘリを横流しし、エヴァが予想していた通りの額を入手することができた。その金を3人で山分けしたところで、エヴァがとんでもない頼みを切り出した。「あぁん? 俺に訓練付けてくれだぁ? お前さん、正気か?」「頼む。授業料はもちろん支払う」 アルトだけでなく、ラモン...

  • レッド・ラギッド・ロード 12

    ラモンの話、第12話。お人好しの大決断。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -12. リモード共和国首都に向かう途中にも、無線からは男の声が聞こえ続けていた。《やあ。君は誰かな?》 ラモンは一瞬、自分のことを尋ねられているのかと思い戦慄したが、どうやら無線の声の主は、別の誰かに話しているようだった。(部隊との無線は切ってないみたいだな。全滅したっぽいし、付けてようが消してようが一緒って思って、その...

  • レッド・ラギッド・ロード 11

    ラモンの話、第11話。クーデターの傍受。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -11.(まあ、白猫党のヘリだもんな。多分、あいつらの無線だろう) 無関係の自分が聞いていても仕方無いため、ラモンは無線を切ろうとしたが――。《やっぱり来た? ふふ、予想通りだ》 感情が全くこもっていない、あまりに淡々とした無線連絡が繰り返される中、あからさまに嬉しそうな男の声が混じる。それを耳にした途端、ラモンの手が止まっ...

  • レッド・ラギッド・ロード 10

    ラモンの話、第10話。無法地帯の儲け話。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -10. ラモンがにらんだ通り――いや、それ以上に――エヴァの任務遂行能力はズバ抜けていた。「待たせたな。見ての通り、制圧した」 潜入してから5分と経たない内に白猫党の拠点を制圧したエヴァに案内され、ラモンは内心ほくそ笑んでいた。(この軍事物資売りさばいたら、ざっと100万、200万コノンくらいにはなるかな? いやぁ、儲けた儲...

  • なんでハロウィンでハートやねん

    今年のハロウィンイラスト。旅岡さんとこないだ登場したばかりのクラスメイト、山峰(雷)さん。今年も虎海お嬢様のハロウィンパーティに参加した旅岡さん。もちろん他のクラスメイトも誘われており、旅岡さんは会場に着いてほどなく、山峰さん姉妹の姿を見つけた。旅岡「お、雷ちゃんと銀ちゃんやん。こんばんはー」雷子「こんばんは~」銀子「ハッピーハロウィン! 紅ちゃんもノリノリみたいね」そう言って銀子さんは、旅岡さん...

  • レッド・ラギッド・ロード 9

    ライアン……改め、ラモンの話、第9話。闇を走る者、闇に飛び込む者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -9. ウラの世界に身を投じたラモンの未来は、たちまち闇に沈んだ。法外なカネはちょくちょく稼げるものの、そのカネで「安心」を買うことができなかったのである。 ウラの世界で飛び回るような人間に家は買えないし、そもそも売ってくれる者がいない。となれば定住してまともな公共サービスを受けることもできないし、...

  • レッド・ラギッド・ロード 8

    ライアンの話、第8話。家族との訣別。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8.「ってわけで山分けだ。ほい、250万」「へ……へへへ」 無職の身でいきなり250万エルと言うとんでもない大金を手に入れたライアンはこの瞬間、あっさりと悪の道に堕ちた。「あ……あのー、アルトさん」「ん?」「もし……良かったら、また何かご一緒に、仕事なんかできたらいいなーって……」「ああん? ……いや、待てよ」 一瞬うっとうしそうな顔...

  • レッド・ラギッド・ロード 7

    ライアンの話、第7話。「パスポーター」との出会い。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. ライアンに隣に座るよう促しつつ、兎獣人は質問してきた。「お兄ちゃん、こーゆー仕事初めてだろ?」「未経験です。一度もやったことないって言ったら大歓迎って言われまして」「ま、未経験じゃあ気付かねえやな」 兎獣人はポケットからくしゃくしゃになった煙草を取り出し、火を点ける。「まず第一にな、配達票は3枚一組だ。送...

  • レッド・ラギッド・ロード 6

    ライアンの話、第6話。すべてを失って。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. ライアンが目を覚ましたのは、暴行を受けてから3ヶ月後のことだった。「奇跡としか言いようがありません。普通なら即死するような大ケガです。生きているどころか、目を覚ますとは。恐らくは暴行を受けた際、ヘルメットを装着していた状態だったことが幸いしたようですね」 医師の話にクルトも、彼ら兄弟の母親も、涙を流して喜んだ。「あの...

  • レッド・ラギッド・ロード 5

    ライアンの話、第5話。狂人の訴えとクルトの転身。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. 大会運営と警察による諸々の調査の結果、ライアンが乗っていたドラグーンについて、以下のことが判明した。 前日、確かに彼の言う通りLSDとターボに不具合があったが、これはその日のうちにメカニックが破損した部品を交換してくれていた。ところが回収された車輌を検査したところ、なぜか破損した部品に戻されていたことが発覚...

  • レッド・ラギッド・ロード 4

    ライアンの話、第4話。雨中の事故。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. 712年度CCMR最終日は第20ステージから最終となる第24ステージまでが予定通りに開催された。ライアンも土砂降りの雨の中、ATモータースのマシン、712年式ドラグーン・スペックRXを駆り、ステージ踏破に乗り出した。(監督から……『今日取れなきゃ死んで詫びろ』って言われちゃったな……はぁ) 心の中がざわついたまま、ライアンは...

  • レッド・ラギッド・ロード 3

    ライアンの話、第3話。欠陥と故障。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. 名選手は必ずしも名監督たり得ないものではあるが――オリバーはその典型と言えた。「ふざけるなッ! なんだあの走りは!?」 CCMR第19ステージを終えたその日の晩、ライアンはオリバーに――ヘルメット越しではあるが――ぶん殴られた。「うぐっ……!?」「お前ナメてるんじゃないのかッ!? えぇ!? どうしてあそこで攻めない!? 俺なら難...

  • レッド・ラギッド・ロード 2

    ライアンの話、第2話。理想と現実の乖離。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 710年度CCMRは全24ステージで構成されていたが、その内オリバーチームが表彰台に上ったのはたった5回であり、さらに言えばその内4回がライアンだった。このことはシーズン終了後、チーム全体に暗い影を落とした。「ちょっ……ちょっと待てよ!? いきなりそんな……」 シーズン終了の翌月、オリバー監督はドライバーの一人から、脱...

  • レッド・ラギッド・ロード 1

    シュウの話、からのスピンオフ。夢を見る者。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. 夢は、人に力を与える。夢を抱いた人間は、それを叶えるべく努力を積み重ね、苦難や逆境にも耐え抜き、克服さえさせてしまう。夢には人をより高みへ導く力があるのだ。 しかし一方で、夢は人の目を曇らせてしまう。他の、あったかも知れない可能性や未来から目を背けさせ、谷底に導いてしまうこともある。 例えば猫獣人のライアン・グ...

  • 16周年記念イラスト

    10月6日は当ブログ「黄輪雑貨本店 新館」の開設記念日でした。と言うわけで、記念イラストを制作。4年ほど続けているゲーム実況動画シリーズより小鈴とシュウと、あと僕みたいなの。小鈴「だから勝手にゲームであたしのキャラ作るなっつの」僕「~♪」シュウ「いつもの流れですねwww」...

  • 雑記;記念イラスト制作中に力尽きました

    ブログ開設記念イラストを何とか作ろうとはしていたんですが、目に異常があったこと(3年前の症状に類似)、腰を痛めたことが尾を引き、完成に至りませんでした。なんとか調子を戻して、次週には完成させたいと思います。...

  • 2024年11月携帯待受

    2024年11月の携帯待受。日産の'99年式スカイラインGT-R。R34についてのお話はちょうど1年前にしたところなので、その先につながるお話を同じく水野和敏著「プロジェクトGT-R 常識はずれの仕事術」より少々。……95年にはR33型GT-Rでル・マン24時間レースに挑戦する。そして、ここで私は、その後のクルマづくりに地殻変動をもたらす「天啓」とさえいえるものを授かる。 ル・マンのグリッド上で、私は、愕然とさせられ、そして、覚...

  • 狙った獲物は逃さない、ってコト~

    ここ最近描いてきたGT-Rの横に添えていた大きさ見本用どうぶつ(約170cm)がどれもかなり可愛く描けたので、改めてイラストに起こしてみました。そしてモノ書きの性、描いている内に設定がムクムクとふくらんできたので、ざっと紹介。・名前……左から順に「山峰銀子(やまみね ぎんこ)」、「山峰千瑠(やまみね ちる)」、「山峰雷子(やまみね らいこ)」。・銀子さんと雷子さんは千瑠さんの娘さんで、双子の姉妹。・山峰さん...

  • 3DCG習作;モブ

    ふと思い立ち、VroidStudioでモブを大量に作りました。 今後Blenderで何か作る時のにぎやかしに使うかも。...

  • 緑綺星 目次(第5部;ヒーロー・クオリファイ編 後編)

    絵師さん募集中!黄輪雑貨本店 総合目次 (あらすじもこちらにあります)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -「緑綺星」第5部地図ABサーキット サバーフコース(駆猫譚 解説)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -「双月暦」の暦双月世界の魔力・魔術観について双月世界の種族と遺伝(2019年版)双月世界の戸籍- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1話目から読みたい方はこちら緑綺星・捕物譚1 2 3 4 5緑綺星・悪...

  • 緑綺星 目次(第5部;ヒーロー・クオリファイ編 前編)

    絵師さん募集中!黄輪雑貨本店 総合目次 (あらすじもこちらにあります)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -「緑綺星」第5部地図ABサーキット サバーフコース(駆猫譚 解説)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -「双月暦」の暦双月世界の魔力・魔術観について双月世界の種族と遺伝(2019年版)双月世界の戸籍- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1話目から読みたい方はこちら緑綺星・裏金譚1 2 3 4 5緑綺星・秘...

  • 双月世界地図;緑綺星(第5部)

    あんまり意味がない、今回の地図。地理的に離れすぎているため、地図の意味を成していません。「テレポート」の設定が便利すぎる。これでは記事にならないので、現在執筆中のスピンオフ小説、「ラギット・レッド・ロード」の紹介をしたいと思います。かねてよりお伝えしていましたこの小説、ラモンが主人公です。詳しいことは作中で説明しますが、「緑綺星」第5部およびこの小説の後半にて、ラモンは南海で行われるモータースポー...

  • 2024年10月携帯待受

    2024年9月の携帯待受。マツダの'92年式ファミリアGT-R。R32型GT-Rの呪い。日産以外には「レース離れ」と言う形で現れましたが、日産にとってはR32そのものが呪い――超えるべき壁として立ちはだかりました。販売時に掲げられたキャッチコピーは「マイナス21秒ロマン」。R32がドイツ・ニュルブルクリンクで達成したタイムを、このクルマが21秒更新したことに因んで付けられたものです。R32を超えるべく造られたR33は、確かにR32の性...

  • 業務連絡;「緑綺星」目次とあらすじを追加しました(第5部)

    下記ページにて、「緑綺星」第5部の目次とあらすじを追加しました。http://auring.web.fc2.com/au-novel.html(目次)http://auring.web.fc2.com/ro-outline5.html(第5部あらすじ)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -前回の記事でもお伝えした通り、今月のブログは省エネしてます。まだ別作業が終わってないもんで……。次回は携帯待受を掲載する予定ですが、その次はまた、手抜きします。ご了承下さい。終わると思ったんやけ...

  • キャラ紹介;第5部

    「緑綺星」第5部のキャラ紹介。偉い人、偉くない人、疑惑の人。名前ロマーノ・ラーガ / Romano

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 13

    ウエスタン小説、第13話。二人の奇妙な旅立ち。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -13. 結局、海を渡ってきたニッポン人約20人は、フナバシが日米の銀行に預けていた御家再興の軍資金を分け合うことで話がまとまり、全員がその資金で日本へ無事に帰ることができた。フナバシに関しては日本へ強制送還された上で逮捕・収監されることとなり、獄中でそのまま人生を終えることが決定付けられた。 アメリカに残ったのは、...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 12

    ウエスタン小説、第12話。ラスト・サムライ、闇に消える。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -12.「あっ!?」「いないぞ!? どこ行った!?」 デイモンとキツネは互いに目配せし、ざわめく住民たちに背を向ける。「どうする?」「追う義理も必要もない。逃げた時点で罪を認めたようなものだ。となればいずれお尋ね者になるし、そのうち捕まるだろう」「同感だね。後はフナバシ締め上げてカネ巻き上げりゃ、皆もどうに...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 11

    ウエスタン小説、第11話。卑劣な釈明。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -11. 口を抑えて固まるフナバシに、デイモンとキツネだけではなく、住民たちも詰め寄った。「説明しろよ、おっさん」「今まであんだけペラペラ話しといて、急にだんまりか?」「言わなきゃこのまんま袋叩きだ。事情を話せば色々考えてやらないことはないぞ」「き、君たち。保安官は私だ。君たちに裁量は……」 口を挟みかけたダンブレックに、住民...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 10

    ウエスタン小説、第10話。デイモンとキツネの糾弾。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -10. 突然現れたデイモンとキツネに、住民たちは一斉にけげんな顔を向ける。「あ……? 誰だ、あんたら?」「私は旅の牧師だ。彼女は……」 ニッポン人だ、とデイモンは紹介しようとしたが――どこでくすねてきたのか、そしてどこで着替えてきたのか――いつの間にか東洋人らしからぬシャツとスカート姿になっていたため、やむなくこう続け...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 9

    ウエスタン小説、第9話。三文芝居の裁判劇。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -9. デイモンの予想通り、時代遅れのカタナ装備で盲目的に暴れ回っていた浪人たちは、連携を取って銃武装した町の住民たちにはまったく刃が立たず、ガンスミスの焼き討ちから1時間も経たないうちに、その全員が射殺されていた。 そして彼らとともに海を渡っていたニッポン人たちは彼らの仲間と判断され、まだ港の端でたむろしていたその全員...

  • 業務連絡;毎年恒例の所信表明 2024夏

    本日は私、黄輪の誕生日です。Happy birthday to me.歳を取ると新しいことを始めるのが億劫になっていくものと思っていましたし、実際、両親や先輩方を見ても、そう言った傾向が強いように感じていました。いつか自分もそうなるのではないか、と考えていましたし、正直に言えば、それが怖いと感じていました。自分が新しいものを受け入れられなくなるのが、衰えていくのが、とても怖いなと。と思っていたんですが――僕は今年に入っ...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 8

    ウエスタン小説、第8話。「古代」妄想狂。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -8. キツネにところどころ翻訳してもらいつつ、デイモンはイチカワから、彼らの計画の全貌を聞き出した。「我々は元々、菜代(なじろ)藩家臣の出であったが、諸々の事情で御家は取り潰しとなり、浪人となって千々に散ることとなった。いつの日か御家を再興するべく、元家臣の間で細々とながらも、親の代から協力し合っていたのだが、そうこうす...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 7

    ウエスタン小説、第7話。ガンマンとサムライ。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. 二人が小屋の陰に潜むと同時に、ニッポン人が二人、通りの向こうから現れた。「***?」「**」 二人は血に濡れた刃物を手に、悪魔のような形相で何かを話している。「何て話してる?」「大した内容じゃない。……次はドコを襲うんだ、だってさ」「あのロングソードで殺して回ってるのか」「アレはカタナだよ」「どちらにしろ、時代遅...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 6

    ウエスタン小説、第6話。夜明けの暴動。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6.「……今のは? アタシも寝ぼけてるってワケかい?」 尋ねてきたキツネに、デイモンはがばっと起き上がり、窓のそばに張り付きながら答えた。「私も一緒に寝ぼけているのでなければ、今の音は私にも聞こえた」「だよね? こっちじゃ、朝一番に鳴くのはニワトリじゃないのかい?」「こっちでも普通はそうだ。つまり今、普通じゃない事態が起こっ...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 5

    ウエスタン小説、第5話。お堅い牧師さん。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. キツネに言われるがまま身なりを整え直している間に、外はすっかり真っ暗になっていた。「どうする? アタシとしちゃまだ頭が重たいもんで、このまま二度寝しちまいたい気分なんだけども」「ねっ、眠るにしてもだ、一つのベッドに未婚の二人では大変まずいだろう。別の部屋を取りたまえ」「この部屋取ったのはアタシだよ。一緒が嫌だってん...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 4

    ウエスタン小説、第4話。酩酊。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4. デイモンは早々に立ち去ろうとしたため、この町のことをあまり詳しく調べてはいなかったが、どうやらキツネは――薪と油を買い付ける際に周っていたためか――町の地理について明るいらしく、迷いもせずに彼をサルーンに案内した。「いらっしゃ……」 自分の姿を見るなり顔をしかめた店主に構う様子も見せず、キツネはカウンターにべしっとくしゃくしゃの1...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 3

    ウエスタン小説、第3話。日米葬儀観。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「……キツネ。何かあったのか?」 一目見て、キツネが何らかのトラブルを起こしていることは明らかだったが、そのキツネに名前を呼ばれてしまい、その上、店主からも「なんとかしてくれよ」と訴えかけるような目を向けられてしまったため、デイモンは仕方なくキツネに声をかける。途端にキツネは、あのけたたましい声で状況を説明してくれた。「ち...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 2

    ウエスタン小説、第2話。牧師の仕事。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. キツネがニッポンから持って来た通貨は、カネとしての価値はアメリカの地で問うことはできなかったが、「金属」としてなら取り扱ってもらうことができた。「全部で32ドル44セント、……ってのはどれくらいなんだい?」「宿代で言えば……一人一泊1ドル、32人分と言うところだ」「ソイツは良かった。ギリギリ全員分にゃなる」「だが宿の側が受...

  • EAST LONG DRIVE 1 ~ 東洋人、西の海から ~ 1

    新連載。4年ぶりのウエスタン小説。ロング・ドライブの終わりと始まり。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1.「ロング・ドライブ」とは食用牛を繁殖地から消費地まで輸送する、西部開拓時代ならではのビジネスを指す言葉である。 このビジネスのはじまりは繁殖地であるテキサスから、ゴールドラッシュによる人口の急増で食料需要が激増したカリフォルニアへと運ぶものであったが、この時には購入額の10倍、20倍と言う...

  • 2024年9月携帯待受

    2024年9月の携帯待受。マツダの'92年式ファミリアGT-R。以前、RX-7の記事にて、GT-Rのグレードの価値が高くなかったことを説明しましたが、このファミリアに関してはちょっと事情が変わっていたようです。マツダもWRCに参戦するべく、ラリー仕様のファミリアを開発。ホモロゲーション(レース出場資格獲得用)モデルとして、このGT-Rを販売しました。このGT-Rには「Racing」のRではなく、「Rally」のRが冠されていたようです。な...

  • わたくしに任せる、と

    ねこ車掌、今回の出張先は北海道、秘境の駅。「んな~……ぅ」秘境なので、人がいない。あくびをしてもひとり。ねころんでもひとり。「んぅ~」ただし、ねこにはその静けさはそこそこ心地良いらしく、ねこ車掌はこの無人駅でのんびり惰眠を貪っていた。と――ステンレス車体に緑ラインが引かれた気動車が、ねこ車掌が寝転んでいたホームに停まる。中から一人、お人形のような娘が降り、ねこ車掌に声をかけた。「あなたをお迎えに参りま...

  • 緑綺星・狂白譚 7

    シュウの話、第224話。深まる闇。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7.「よっと」 天井裏から飛び出し、音もなく降り立ったアルトは、ニタニタとした笑みをアテナ総統に向けた。「思い切っちまいましたなぁ、総統閣下。まさかいよいよ領民まで覇道の糧にしなさるとは」「大義のため。多少の犠牲はやむを得ない」「こいつが『多少』とは、なかなかスケールの大きなお方だ。まあいい。世間話しに来たわけじゃありやせん。あ...

  • 緑綺星・狂白譚 6

    シュウの話、第223話。狂気の計画。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. 白猫党の党本部では、臨時の党大会が開かれていた。「閣下! 今回の一連の軍事行動により特別収入を獲得しはしましたが、ミサイルによる示威作戦の失敗により結果として過剰投資となり、大幅な赤字が予測されております! この補填はいかがされるおつもりですか!?」 党員から異口同音に詰問されるが、壇上のアテナ総統はひんやりとした目で、...

  • 緑綺星・狂白譚 5

    シュウの話、第222話。孤立する白猫党。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. 話は前後するが――結局、テスト勉強で忙しくしていたジャンニの代わりにシュウの手伝いをしてくれたのは、たまたま予定が空いていた一聖だった。「テスト問題はもう作ってあるから明日出すだけだし、SOTCの予選とかインタビューとかも無いしな」「ラモンさんは大丈夫なんですか? 向こうで白猫党に誘拐されたりとか……」「外を出歩く時はオ...

  • 緑綺星・狂白譚 4

    シュウの話、第221話。「存在理由」とは。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4.「……どう言う意味?」「オレには誰も期待してなかったし、何なら産まれた時に捨てられてた。親父とマコトさんが方々探して拾ってくれたけど、正直持て余してたんだろーな。ちっさい時は親父に親父らしいコト、してもらった記憶があんまりない。 その代わりに父親みたいなのずーっとやってくれたのが、マコトさんだった」 聞いたことのない名...

  • 緑綺星・狂白譚 3

    シュウの話、第220話。苦い夢。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3. シラクゾ以外にも世界各国の要人たちと話す機会を得ていたシュウは、彼らがそれぞれの国に戻るまでのわずかな間に次々と取材を行い、動画のネタを大量に仕入れることに成功していた。「とは言え政治ネタは水物ですから、早いトコ消化していかないといけませんけどねー」 そうつぶやきつつ、シュウはパソコンをいじっている。「ジャンニくんも手伝えた...

  • 緑綺星・狂白譚 2

    シュウの話、第219話。慰労会と進退伺い。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. シュウの動画がアップロードされたその日の晩、一聖が約束していた通り、天狐主催によるKMIS開発メンバーの慰労会が催された。「本当に地獄みてーな進行だったが、よくあの短期間で完成させてくれた。オレと、そして世界中がお前らに感謝してるぜ。……おっと、白猫党以外はだけど、な」 クスクスと笑いが漏れる中、天狐はニヤニヤ笑いを...

  • 緑綺星・狂白譚 1

    シュウの話、第218話。メイスンリポート#67;超々々々ビッグゲストを紹介します!- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. こんにちは、シュウ・メイスンですー。 皆さんは昨日、世界に突然配信された白猫党からの動画をご存知でしょうか? いきなり「24時間以内に我々に従属せよ。抵抗は無意味だ」なんて超々々々ハラ立つ感じで世界中に降伏を勧告した、あの動画です。あ、ワイプでこの辺りに出しときますねー。ソレで...

  • 暑中お見舞い申し上げます

    暑中お見舞い申し上げます。本年はオリンピックイヤーと言うこともあり、熱い戦いを観戦する機会が多い頃ではありますが、熱いのはアスリートたちの気迫と料理だけで十分と思うばかりです。出不精の自分はひんやりした自室で、今年の夏を満喫することとします。そちらも熱中症、そして感染症の類には、くれぐれもお気を付けいただきますよう。令和六年 盛夏...

  • 緑綺星番外編 その2

    シュウの話、……の裏で起こっていた、ちょっと下世話なお話。天狐のとあるTtT通信記録。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -緑綺星番外編 その220:26 ラフィ「今だいじょうぶ?」20:31 天狐ちゃん「おう」20:32 ラフィ「おちた みす」20:32 ラフィ「みさうr」20:32 ラフィ「ミサイル」20:32 天狐ちゃん「聞いてる」20:32 天狐ちゃん「そっちに被害は? 死人は出てないって聞い...

  • 緑綺星・英資譚 7

    シュウの話、第217話。二つの結末。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7.「……ほんでも2年前から、君の活躍でネオクラウンが潰れ、黒幕の白猫党も悪事を世界中に知らされて身動き取れへんようになった。ようやく自由になれたんやろかとほっとしたし、これで自分の思い通りに財団と市国の改革がでけるかと思とった。何はともあれ総帥になれたんやし、今、市国で起こっとる、どうしても見過ごせへん問題を全部解決したかった...

  • 緑綺星・英資譚 6

    シュウの話、第216話。シラクゾの独白。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6. 執務室の中に入ってきた「スチール・フォックス」の姿を目にし、シラクゾは面食らった顔をしていた。「な、何の御用です?」 目を丸くしているシラクゾを見て、ジャンニはヘルメットを外し、自分の素顔を見せた。「俺のこと……覚えてますか? 分かりますか……?」「……いや……ごめん。正直分からへん。一族の者やんなとは分かるねんけど」 頭を...

  • 緑綺星・英資譚 5

    シュウの話、第215話。英雄の資格試験。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. フォコ屋敷に侵入する頃にはジャンニの心も落ち着き、どうにかいつも通りの声が出せるようになった。「屋敷ん中入った。引き続き、こっそり進むわ」《はーい》 こちらでもミサイル攻撃が予見されているのか、屋敷の中は騒然としていた。「屋敷内の者は全員、地下シェルターに避難せえ! 自分の身の安全が最優先や!」「旦那様がまだ……!」「...

  • 緑綺星・英資譚 4

    シュウの話、第214話。スーパーヒーロー「みたいなの」。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4.「……」 ジャンニはシュウに背を向け、黙り込んでしまった。それでもシュウは、言葉を途切れさせない。「わたしのご先祖様のコト、ちょっとお話しましょうか。わたしの6代前のご先祖様、央南のものっすごく偉い人だったらしいんですよ。央南連合の首席で、しかも新聞社の社長だったとか。でもウラでいっぱい悪いコトしてて、ソ...

  • 緑綺星・英資譚 3

    シュウの話、第213話。極秘迅速救出作戦。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「またミサイル攻撃を行うと?」 緊張をにじませた顔のロマーノに、天狐は深くうなずいてこう続けた。「標的となる可能性が高いのは、市国かミッドランドだろう。前者は元々の関係を切られた報復措置もあるだろうし、攻撃されれば全世界に衝撃が走る。後者は言うまでもねー。CCPO長官がいる国だからだ」「つまり私、いや、このラーガ邸が...

  • 緑綺星・英資譚 2

    シュウの話、第212話。総統閣下の降伏勧告動画。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 会議室を飛び出した天狐は、そのままロマーノの執務室に飛び込んだ。「ロロからは何か言ってきたか?」「弱気な発言がいくらかありましたが、奥方……いやいや、まだでしたな。大統領秘書の方がその場で叱咤して、どうにか持ち直した模様です」「アイツら早くくっつきゃいいのにな」「全くもって同感ですな」 二人してクスクス笑ったと...

  • 緑綺星・英資譚 1

    シュウの話、第211話。緊急システム開発会議。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. 白猫党のミサイル攻撃に対抗すべく、天狐と一聖は緊急対策チームを密かに結成し、ラーガ邸に招集していた。「今ココに集まってるのはICT大国ミッドランドが誇る魔術学・工学と情報のプロたちだ。その実力を見込んで、即刻作って欲しいモノがある。HSBM迎撃システムだ」 これを聞いて、全員が顔をこわばらせる。「やっぱり、あの...

  • ねこちゃんなのに変わってますねぇ

    4年前に描いた傘持ちシュウをリメイク。梅雨の時期に間に合わそう……と考えていたら致命的なPCトラブルのために予定が伸びに伸びてしまい、気付けばもう梅雨明けしちゃいました。と言うわけでこれは日傘と言うことにしておいて下さい。そして伸びてしまった分、描き足しておきました。天狐ちゃんとねこ車掌。シュウ「あれあれ? あのねこちゃん帽子かぶってますよ~? ねこちゃんなのに変わってますねぇ」天狐「あっちにすりゃお...

  • 雑記;PCファン換えました

    前回、PCをやむなく新調した旨の記事を投稿していましたが、このPCがとにかく猛烈にうるさい。V8エンジンでも積んでんのかと。これでは作業するどころではないので、ファンを全て換装&無理矢理追加しました。これでようやく静かになりました。さらに冷却効率も上がったらしく、80℃以上になる頻度が下がりました。なおCPUファンの換装については、いずれ動画で紹介する予定です。...

  • 緑綺星・国策譚 7

    シュウの話、第210話。国家的策略。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -7. 前述した懸念を伝えた上で、天狐は密かに「セブンス・マグ」をカプリ共和国国境、白猫軍の前線基地に派遣した。「今回の作戦はあくまで非公式援助の上で行うものだ。くれぐれも存在を知られるな」「隠密行動に向かない人が若干2名いるけどね」 海斗にいじられ、まだヘルメットを着けていないジャンニが苦い顔をする。「顔見られへんかったら大丈...

  • 緑綺星・国策譚 6

    シュウの話、第209話。八百長事件の真相。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6.「そりゃそうだろ」と嘲り気味に返しかけたが、一聖は首をひねる。「……いや、あのメチャクチャな走行からすると、確かに怪しいもんだな。仮に1位通過したとしても、反則で降着するだろーし」「本当に白猫党がアルトさんを『勝たせるために』雇ってたとしたら、あまりにも不安な人選じゃないですか? ……わたし、思うんですよ。白猫党は元から...

  • 緑綺星・国策譚 5

    シュウの話、第208話。事件解決、……か?- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5.「カズちゃんカズちゃん、コレ見て下さいよー。マルヴァシアーズのサイト、アクセスできなくなってます」「おっ? ……確かに、何回ページ更新しても表示されねーな」 シュウのスマホを触りながら、一聖はニヤリと笑う。「こりゃ間違いなく、完全に逃げたな」「それについて聞きたいんだが、マルヴァシアーズは賭けの胴元でしかないわけだろう?...

  • 緑綺星・国策譚 4

    シュウの話、第207話。躍進するラモン。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4.「ま、アルエットをドライバーとして使うのは来年以降の話になるが、とりあえず今はメカニック要員だな。3人いりゃ、かなり楽だ」「正直もっと増やしてほしいんですが。僕もほぼ毎日クルマいじるのに駆り出されてますし」 不満顔のラモンに、天狐は肩をすくめて返す。「まだちょっと無理な状況だ。白猫党が手を引いたのは確かだが、報復、ある...

  • 緑綺星・国策譚 3

    シュウの話、第206話。SOTCと「アカツキ」の新展開。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「ってワケで残り6戦もよろしく」 天狐からナームダール社との交渉の経緯を聞かされ、ラモンは目を丸くした。「えー……と、じゃあ僕、こっちに居続けることになるんですね。シーズン終了まで」「そうなる。今やお前さんは、SOTCの顔だからな」「ちょっと嫌な予感するんですが、僕はいつ帰れるんです?」「少なくとも今年いっぱ...

  • 緑綺星・国策譚 2

    シュウの話、第205話。裏金錬金術。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. その名を聞いて、アッタール社長は苦い顔を天狐に向けた。「それもご存知でしたか」「色々調べたもんでな。で、白猫党は――いや、当時は統一前だから白猫共和党か――お前さんらに打診し、麻薬を引き受ける代わりに党の債券を渡した。もちろん当時はまだ戦争真っ只中、クラム建ての債券なんぞゴミみてーなもんだったが、他に引き取ってもらえるアテも...

  • 緑綺星・国策譚 1

    シュウの話、第204話。南海政財界のトップ。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. SOTC第1戦が終わって数日後――。「面会の要請に応じてくれたコト、まずは感謝する」 天狐とロマーノが再び、南海ベール共和国を訪ねていた。「いえいえ……しかしつい先月公式に、CCPOに関するお話をしたと言うのに、一体何故また、私と……彼に、内々で話がしたいと申し出られたのでしょう」 天狐たちの前にはベール共和国首相タウ...

  • 2024年8月携帯待受

    2024年8月の携帯待受。トヨタの'89年式セリカGT-R。'90年代頃、日本車がラリー方面で目覚ましい活躍を遂げていたことは以前にお伝えした通りですが、この時にもセリカについてちょっとだけ触れていました。'70年代後半から'80年代にかけ、オイルショックの影響が消え、好景気が到来した当時、自動車会社各社はこぞってモータースポーツ事業を拡大。トヨタも当時人気上昇中だったスペシャリティカー、セリカに新たな活躍の場を与...

  • 緑綺星・悪兎譚 6

    シュウの話、第203話。オーバードライブ;その資質のために。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -6.「じじいの孫で、一人だけ遠くに越してたのがいたんだよ。結婚して旦那さんの故郷に移ったのが。で、身寄りのないあたいは、とりあえずそいつに預けられた。……が、3歳くらいで追い出された」 アルエットへの聴取の中で、彼女は自分の遍歴を話してくれた。「追い出された? 3歳でですか?」「その頃からじじいが生きてる...

  • 緑綺星・悪兎譚 4

    シュウの話、第201話。最悪の大犯罪王。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -4.「セブンス・マグ」がアルトを拘束してから2時間後――ミッドランド刑務所、特別監視房の集中管理室。「異常はないか?」「あったら騒いでますよ、はは……」「テンコちゃんから頼まれた、例の男は?」「この通り、まだぐっすり寝たままですよ」 モニタに映し出された監視カメラの映像を指差し、看守たちは苦笑いし合う。「テンコちゃんも大げさで...

  • 緑綺星・悪兎譚 3

    シュウの話、第200話。死を忘れた男。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -3.「おっ、……親父! 頼むから病院行こう! な!?」「言ってんだろ? ボケちゃいねえよ、これっぽっちもな」 アルトはもう一口ワインを飲み込み、話を続けた。「元々皇帝やってた奴になりすまし、俺が皇帝に成り代わろうとした。だが最後の最後でしくじっちまってな、たまたま西方に滞在してたサムライ野郎にどてっ腹刺されて、そのまま湖に叩き...

  • 緑綺星・悪兎譚 2

    シュウの話、第199話。町の名士の悲嘆。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -2. 100年の時を経て7世紀半ばに蘇った元犯罪王アルト・トッドレールは、順調に第二の人生を歩んだ。レストランで出会った女性と交際を経て結婚し、集めた貯金を元手に商売を始めて大成功を収め、やがて町の名士となり、子供にも恵まれ――そして何十年かの後、ついにその日を迎えた。「……御臨終です」「……そうか……あんがとよ……ご苦労さん」 す...

  • 緑綺星・悪兎譚 1

    シュウの話、第198話。100年の眠りから目覚めて。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -1. 賢帝フィッボが没して数十年が経ち、かつては栄華を誇っていたモダス帝政連邦もやがて斜陽・没落の時を迎え、双月暦641年、この国はモダス共和国に生まれ変わった。時代の経過により旧態化・陳腐化した制度や設備もこれを機に順次更新されたのだが、この一環として、長らく手を入れられていなかった首都カプラスランドにある湖も...

  • 雑記;PC壊れました

    表題の通りです。長年自慢してきたあの光るゲーミングPCが、完全に壊れました。電源を入れても起動自体しません。物理的に、完全に死んでしまいました。打つ手が完全になくなったため、やむなく出来合いのPCを購入することにしました。 今回購入したのが、ASUS製「ROG Strix G10DK」。旧PCに使っていたメモリ(16GB*4)を換装しています。それ以外のスペックはアマゾンのページを参照してください。なお……このPCを使用してまもな...

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