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主人公は36歳、独身、女性、コンビニでアルバイトをしている、その歴18年。 「推し、燃ゆ」「星の子」に続いて発達障害気味の主人公がまた一人。読書再開後手に取った5冊中3冊に出てくるとは現代の小説の主人公は発達障害が流行りなのかしら、と思って
小説を読んでいると、こういうことがある。 「コンビニ人間」であれだけの完成度とテーマ性を誇った作者の作品の中でも、ひときわ目を引いた本作を図書館の本棚で見つけた時は嬉しくてすぐに手を取った、そのあとで「コンビニ人間」を先に読んで、なんて素晴
村田沙耶香『しろいろの骨の、その街の体温の』〈ことばを愛するすべての人へ〉
本書を読み進めるうちに「自伝的作品」という言葉が頭にちらつきます。この物語は作者の半生を描いているのだろう・・・という意味ではなく、それが文章にせよ音楽にせよその他どのような手段にせよ表現に関わりたがる人間たちすべてに共有可能な、身に覚えの
不思議だと思う。秋分の日になると、ちゃんと涼しげな風が吹いて、きちんと彼岸花が咲く。毎年のルーティンを何度も何度も繰り返しながら、歳を取っていくんだな。 6月…
登場人物ふたり周囲に生きる人々やそれらが構成する社会に対して不可解な思いを抱きながら生きている人間には二つのタイプがあると思います。それは、不可解な人や社会に対する未練を持ち続けているのか、いないのかです。未練を持ち続けている人にとって周囲
☆アクセスありがとうにほんブログ村 ☆ランキングに参加してます☆ 昨日の札幌 曇最低気温、22.3℃ 最高気温、30.2℃ 朝から、どんより厚い雲だった昨…
日曜の朝からバタバタで笑える。いや、妻がね。パートに行く時間に間に合いそうになくて慌てていたのだ。私はといえば、読書に夢中になっていて起こしに行くのをうっかりしていた。読んでいたのは、村田沙耶香の『生命式』のなかの「パズル」。いやね、あと1時間の余
2023年5月に読んだ面白い小説は、村上春樹、奥田英朗、村田紗耶香、小川哲、安壇美緒、他 でした。〇街とその不確かな壁 村上春樹これは買ってしまいました!村上春樹の長編新作。通勤電車で読む本ではないな、静かな場所で思いにふけりながら読みたい、と、家や公園で、ち
これぞ【超平等主義社会】世間のフツーにモヤモヤしてる既婚者が読むべき小説
皆さんは、周囲からこんな言葉、言われたことありません?先輩夫婦子育ては、お母さんがしっかりしないとね。先輩たち旦那さんが浮気するのは、奥さんにも原因があったんじゃない?世間の声結婚はまだしないの?モヤモヤする人なんだかモヤモヤするなぁ。正し
「消滅世界/村田沙耶香著」を読んで、家族を作る意味や子孫を残す意味を考えさせられた。
「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した村田沙耶香さんの描くディストピア小説が大好きです。未読だった「消滅世界」を図書館で発見し、早速読んでみたら面白くて止まらない! ここ3日間は村田ワールドの住人になっておりました。 消滅世界 (河出文庫) [ 村田 沙耶香 ] 夫婦間での性行為が「近親相姦」という禁忌になっている世界 主人公の雨音は父と母がセックスをして産まれた。今いる私たちの世界ならなんの不思議もない、「自然」なことだ。 しかし、小説の中の世界は違う。戦争で男性が減ったことで人工授精の研究が進んだことで、人々は皆人工授精で妊娠・出産をしているのだ。 「昔」のように自然妊娠する人はほとんどいない…
登場人物ふたり周囲に生きる人々やそれらが構成する社会に対して不可解な思いを抱きながら生きている人間には二つのタイプがあると思います。それは、不可解な人や社会に対する未練を持ち続けているのか、いないのかです。未練を持ち続けている人にとって周囲
2023年2月に読んだ面白い小説のメモです。今月も、女性作家の作品ばかりだった(笑)〇ザリガニの鳴くところ オーエンズ話題のミステリー小説。やっと読みました。アメリカ東海岸、50年代生まれの主人公の女の子が大人になるまでの物語。沼地の死体は事故か、他殺か。他殺なら
【おすすめ本】2023年スタート!1月に読んだ本をご紹介【本紹介】
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図書館で賞をとった本のコーナーがあり、 名前は聞いたことあるなあ、読んだことないなぁと いくつか借りた中にコンビニ人間があった。 ひぃー、面白い着眼点、と他にこの人の本はないのかと 探してみたら今すぐに借りられるのはこれだけだった。 大事に持って帰った割にはあたためていて、手に取らず。 まぁ、よくあることだ、とまだ手に取らず。 オミクロンワクチンの副反応で、出勤をあきらめた時に もしかして、と思ったけれど、そんな状態じゃなく寝て、寝て。 さすがに寝すぎて夜寝られずに手に取ってしまう。 サスペンスではなければ途中でやめられずはず、が そうではなかった。 心も身体も不安定な時期の頃の話。カーストに…
こんにちは。みっち(@michi274hon)です。今日は、結構前にアメトーーク!で紹介されていた時から気になっていた作品を読み終えたので、ご紹介しようと思います☺️こちらのページでは 【ネタバレ無し】で 村田沙耶香さんの 『コンビニ人間』について あらすじ・感
【本】村田沙耶香『丸の内魔法少女ミラクリーナ』~静謐な暴力~
1、作品の概要 2020年2月に刊行した短編集。 『小説 野生時代』に掲載された。 全4編。 2、あらすじ ①丸の内魔法少女ミラクリーナ 小学3年生の時に魔法少女ごっこミラクリーナを始めたリナは、36歳になっても妄想の世界で魔法少女であり続けていた。 一緒に魔法少女をしていたレイコ(マジカルレイミー)は、DV彼氏の正志が悩みの種。 リナは二人を別れさせようとするが、正志が2代目マジカルレイミーとして人助けをすることになる。 ②秘密の花園 千佳は、大学の知人の早川くんを監禁している。 イケメンで女性に対して支配的な早川くんは、監禁されている立場だが逆に千佳に対して支配しているかのように横暴に振舞…
【本】村田 沙耶香『地球星人』~家族との価値観の相違、幼年期の性被害、解離性障害、結婚の多様化~
1、作品の概要 『地球星人』は2018年に刊行された村田沙耶香の長編小説。 キノベス!!2019年第3位。 工場で生産される地球星人たちと、その常識に抗いポハピピンポボピア星人として覚醒した3匹の物語。 2、あらすじ 小学4年生の菜月は、いとこの由宇に自分は魔法少女であることを打ち明け、代わりに彼が宇宙人であることを教えられて恋人同士になった。 塾の先生の伊賀崎先生にされた性的な行為により傷ついた奈月は、秋級の祖父の葬式で再会した由宇と結婚し、性交するが大人たちに見つかり厳しく罰せられてしまう。 由宇と立てた誓い「なにがあってもいきのびること」を胸に生き続ける奈月は彼女を性的に損なおうとする伊…
ただ今日も一日を過ごして来ました。 自分が悩んでても世間は変わらないと分かれ この地球に生きる素晴らしさを感じろ やるべきことをやったら外に出て遊べ 6/21深夜 今日も一日働くだけだったすべての人達へ カ業
村田沙耶香さん。初めて読みました読んでいて何だか気分が良くなるような、エッセイでしたイメージとしては、ちょっと不思議ちゃんって感じ(笑)でも、「あっ、コレ分か…
今読んでいる本読書の何が楽しいかって、その人の視点や考え方が分かるってとこ。村田沙耶香。コンビニ人間で有名ですが、私は村田さんの著書を読んだことがありません。…
誰もが感じる違和感 自然なふるまい 普通な人ってなんだろう コンビニ店員マニュアルを唯一の頼りに 社会に近づこうとして遠ざかる 村田さん特有の極めて日本人的な感性と思ってましたが、他の国の人でも共感できるのですね。 私ドイツの書店で見つけました。↓ https://amzn...
三人の声が重なる。店長がいるとやっぱり朝礼が締まるな、と思っていると、ぼそりと白羽さんが言った。 「……なんか、宗教みたいっすね」 そうですよ、と反射的に心の中で答える。(p.46) 主人公の古倉さんは18歳の時から18年間、コンビニでバイトしている。 小説の冒頭では、彼女のその完璧な働きぶりが描かれている。 コンビニ内で響くすべての音、それは例えばペットボトルが手前に押し出される音であったり小銭の音であったりパンの袋が掴まれる音だったり、それらに瞬時に反応して古倉さんの体は素早く動く。 そしてお客さんの目線や手の動きからその思考を読み取り、先回りして対応する。 その洗練された無駄のない動きか…