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働き方に疑問を感じたら、セミリタイアするべき理由【社不から見た資本主義】
こんにちは、なつです。 私はセミリタイアが目標です。ざっくりいうと、社会不適合者なので正社員フルタイムがしんどいと感じているからです。 詳しくはこちらの記事に書いていますので、よかったらどうぞ! 私たちが生活している日本は、資本主義の国です
賃金が上がらないどこか下がっているのに電気代爆上がり状態は依然としてで、5月から政府の電気代援助が終わるらしいからいよいよ庶民締め上げが厳しくなるよ太陽光発電が余り余ってるから減らしたい...とか言ってるくせに何で電気代高いままなの?なんでわざわざ止まってる原子力再稼働するの?普通、供給が需要を上回ると安くなるよね?それが資本主義だよね?もしかしてこれが岸田のいう「新しい資本主義」 の正体なのか(笑)...
M62.資本主義では幸せになれない?(書籍 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか?)
雑記62資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか? 久々の書評です。毎週水曜日、幕張新都心のTSUTAYA併設STARBUCKSで書籍を立ち読み(座り読…
私はこれまで、「わきまえない力」を発揮して恐慌の原因は賃金上昇のせい?や資本主義は恐慌をどのように乗り切って来たのかや恐慌の原因は労働生産性の向上のせい?で恐慌についての理論を展開して来ましたが、何を言っているのかさっぱりわからないという方がそれなりにいらっしゃると思いますので、いつものように老爺心を全開にして、私が考えている恐慌が起きるメカニズムを猫でも分かるように図式化して見ましたので、どうか...
現代の日本のマルクス主義研究の状況はどうなっているのか久々に確認するために、ネットを確認したところ、立教大学の前畑憲子先生の人と学問というものを発見し、長文を我慢して読み込んで見たところ、恐慌の原因は労働生産性の向上による商品の絶対的過剰生産のせいであり、労働生産性の向上に重きを置いていると理解しました。私は、恐慌の原因は賃金上昇のせい?にて、恐れ多くも宇野弘蔵先生の恐慌論を批判した訳ですが、前畑...
ブログのネタが尽きたので、なぜ最近の自民党は「賃上げの実現」と言っているのかという事について私の考えを記したいと思います。自民党は大企業から献金をいっぱいもらっているから、本心から「賃上げの実現」というような事を言うはずはないのですが、どうして今頃このような事を言い出しているのでしょうか。この事に対する私の考えは、一つは賃上げをして税収を上げるためであり、もう一つは賃上げを行って物価を吊り上げ、円...
昨日、なんとかエイチ・ケーを見ていたら、佐藤優さんが出て来て「内在的論理」や母親の沖縄戦での体験の話をされていて、久々に私のゴーストがインスパイアーされたので、恐慌の原因は賃金上昇のせい?の続きの話を記したいと思います。私は、恐慌の原因は賃金上昇のせい?にて、高校をお情けで卒業した分際で宇野先生の誤りを指摘した訳ですが、宇野先生は『恐慌論』で重要な指摘を行っていた事を思い出しました。どういう事かとい...
🎄Welcome年末にしては、暖かい夜、いつも集まるバールではなく、散歩することに。折り返し地点にて、ベンチに座っていると、知り合いが通りかかる。”ご馳走続きで、歩いて消化でもしないとと思って。。。”ご家族の近況報告の後、話は、彼の好きなマルクス主義へ。”街中で、マルクス主義のチラシを配る若者に出会ったので、マルクスは何処で生まれたかと質問したら、彼、答えられなかったんだよ。”聖書の次に世界で読まれていると言...
総資産が2023年の年初の5500万から現在は7000万超となり、1年間で約1500万円増えています。 1500万円の価値・重み 私が1500万の資産を作れたのは、新卒で入社してから13年後の35歳時点です。氷河期世代ですし、現代のコンプライアンスと正反対のことが行われていました。あの13年間で貯めた資産がこの1年で増えたことに対して喜びもありますが、戸惑いも大きいです。 「世の中のお金持ちはこんなに簡単にお金を増やしているのか」と。 今年は急激な円安、米国株の大幅高もあり特殊な年ではあったとしても、少し増えすぎです。 資本主義の格差社会 資本主義社会は「お金持ちはよりお金
Now I'm in Tobilisi, Georgia.(2023年12月10日)გამარჯობა ガーマルジョバ!こんにちは!やっと更新手続きしていたパ…
近世前期の大名「家」の組織要件:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第四章メモ6
第二節のメモ最後になります。前回が近代組織の要件だったので、それに対して近世日本はどうかという内容です。以下、だいたいの要約です。日本近世の大名「家」の性質として、まず第一に「日本近世の大名「家」は社会内に複数存在し、かつその「家」を構成している個人は自由な、本来その「家」の外部にあるものとされていた」ことが挙げられます。「第二に、組織内部の運営においても、日本近世の「家」は形式的な規則にしたがい...
近代組織の要件2:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第四章メモ5
前回の続きで、近代の合理的組織のまとめの続きです。まず前回、合理的組織の要件として次の三つが挙げられていました。(1) 制定された規則にしたがって運営されている(2) 組織と組織に参加している個人とが原理的に分離されている(3) 組織固有のコスト/パフォーマンス(効率性)基準によって、組織のパフォーマンスが評価・管理される今回は(2)と(3)についてで、まず(2)からです。メンバーシップの制度により、その組織の個人...
ウェーバーによる近代資本主義の特性の記述はどうなのかな、と思って『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の本編の方から探してみました。第一章第二節にそれらしき記述はあるんですが、なんかちょっとしかないっぽいです。メインになっているのは労働者の側の、あたかも天職があたえられたかのように工場での労働に励む、そういった精神的な特性のようです。佐藤俊樹が述べていた「近代資本主義は技術革新に依拠する産...
こんにちは、経済評論家山崎元氏が「『搾取』から逃れる『働き方』と『資産運用』」と題した記事を楽天証券コラムサイト「トウシル」に掲載しました。山崎氏は「経済は、主にリスクを嫌う人が安く働くことで、資本の形でリスクを取っている人に利潤を提供する
マックス・ウェーバーの近代資本主義の成立の考え方(実際には大塚久雄の解釈から)のページを作るために、近代資本主義の社会的機構がどういうものか調べる必要があります。佐藤俊樹の『近代・組織・資本主義』のメモから探してみます。それでまず第一章の最初のメモで次の記述がありました。「非西欧社会では近代資本主義は拒絶されることも多かったのですが、それは「むしろ個人としても合理的な選択を行うことにたけ、集団とし...
「近代資本主義の成立(マックス・ウェーバー)」全体構成:ホームページ用メモ36
マックス・ウェーバーによる「近代資本主義の成立」ページをホームページに作る予定です。実際にホームページを作成する前に、ページの流れをここで考えておこうと思います。まず順番を考えてみます。1.近代資本主義とは2.ウェーバーの用語まとめ3.近代資本主義の成立3.1 簡単な結論3.2 近代資本主義の合理性と西欧の非営利的なエートス3.3 「資本主義の精神」のもととなった天職概念(世俗内禁欲)3.4 禁欲...
寝そべっている人たち こんにちは、本ブログ記載主のトーターです。 前回のブログ記事に引き続き、最近気になった言葉を紹介する記事です。 とある場所で、「寝そべり族」という言葉を見か...
近代組織の要件:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第四章メモ4
二節に入って近代の合理的組織のまとめ、日本近世との違いの順で述べられていくようです。まず近代組織の合理性のまとめがきてるんですが、ここがかなり圧縮されてまとめてあってまだつながりが読み取れてないです。まずは重要そうなところ抜き出しておいて後で考えます。二 合理的組織のメカニズムウェーバーによると、近代組織の要件は以下の三つにまとめられます。(1) 制定された規則にしたがって運営されている(2) 組織と組...
3.本源的蓄積=第1の否定 この生産様式は、土地やその他の生産手段の分散を前提する。生産手段の集積だけではなく、それは同じ生産過程の内部における協業や分業、…
田原真人という方が非常に面白い見解を提示なさっています。 https://assets.st-note.com/production/uploads/ima…
近代資本主義成立(ウェーバー)のまとめ1:ホームページ用メモ35
ここにメモしたウェーバーによる近代資本主義の成立の考え方を、ホームページにまとめるために振り返っていこう思います。正確には訳者の大塚によるウェーバー解釈ではありますが。まず話の前提として、近代資本主義は資本主義と相性がよさげに見える地域ではなく、営利を敵視するような経済圏、つまり西欧の一地域で成立しました。この事実を説明する必要があります。先に結論を上げると以下の感じでまとめられます。「禁欲的プロ...
1.私的所有の2様態 社会的・集団的所有の対立物としての私的所有は、労働手段と労働の外的諸条件とが私人に属する場合にのみ存立する。しかし、この私人が労働者であ…
大塚久雄による『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の解釈5:ホームページ用メモ34
今回が大塚による結論にあたります。「禁欲的プロテスタンティズムが本来持っていた反営利的な性格に結びついて生まれてきた」という点が、どうして「逆に営利と結びついて「資本主義の精神」などという姿にかわっていくことになったのか」というのが問いです。まず「世俗内禁欲」のエートスの持ち主たちは、小商品生産者たちのなかにいちばん多かったという事実があります。郊外から農村地域に広がっていた信仰の篤い職人たちが、...
大塚久雄による『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の解釈4:ホームページ用メモ33
今回は大塚による解説の続きで、結論のための用語の解説にあたります。禁欲的プロテスタンティズムから世俗内禁欲のエートスへ至るまで、二つの大きな流れがあったそうです。一つがカルヴィニズム、敬虔派、メソディズムの流れで、もう一つが洗礼派の流れ、ヴェーバーが「信団」(Sekte)と呼ぶ流れです。ヴェーバーは詳細にこの流れを検証しているらしく、その記述が続きますが飛ばします。ヴェーバーはキリスト教的禁欲に「行動...
大塚久雄による『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の解釈3:ホームページ用メモ31
前に書いておいたこのページ飛ばしてさっきのページ上げてました。順番が逆になりましたが、こっちが概念整理1回目のページです。まずヴェーバーによると近代的な産業経営者はカルヴィニズムの反営利的な経済統制を積極的に受け入れたとのことで、なぜこういうことが起きたのかが問いとなります。ヴェーバーのいう「資本主義の精神」は勤労とか節約とかそういう個々の徳性のことではなくて、「そうした個々のさまざまな徳性を一つ...
大塚久雄による『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の解釈3:ホームページ用メモ32
大塚による概念整理が続いてます。大塚によるとヴェーバーは「資本主義の精神」を資本家だけでなく労働者の側にも認めていて、ここが同時代の研究者とは異なっているそうです。そのためヴェーバーの説明は資本家と労働者双方がその担い手になったということに重点が置かれることになります。労働者の「資本主義の精神」というのがわかりづらいですが、あたかも天職があたえられたかのように工場での労働に励むとか、そういった心情...
大塚久雄による『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の解釈2:ホームページ用メモ30
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の訳者解説のメモ1回目です。まずこの論文の内容は、近代の資本主義の勃興を内側から推し進めていった心理的起動力、「資本主義の精神」とウェーバーは呼んでいるのですが、こういった精神と禁欲的プロテスタンティズム、とくにピュウリタニズムとの歴史的関係を社会学的に追求したものと述べられています。ヴェーバーの考え方はどちらかというと当時では特殊な考え方だったらしく...
大塚久雄による『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の解釈1:ホームページ用メモ29
ホームページにマックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の概略ページ作ることにしました。私の能力で上手くまとめられるかというとまず無理で、なんでそんな無謀なことをするかというと、翻訳者の大塚久雄が巻末に「訳者解説」を上げてくれているので、そっちをまとめ直せばなんとかなりそうなためです。だから正確に言うと、「大塚久雄による『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の解釈...
【理想的社会】もしもベーシックインカムが導入されたら…?《ep19》
ベーシックインカム導入国はまだありませんが実際に導入を検討している国はあります。日本で導入される可能性や現代社会にとってベーシックインカムが必要不可欠な理由を書きました。
ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す [ 山口周 ]楽天で購入 アマゾンへ行く はじめに□ ビジネスは、その歴史的使命を既に終えているのではないか?□ メッセージサマリー1.私たちの社会は
‘資本主義対共産主義’という二頭作戦の罠―必要なのは新しい経済システム
第二次世界大戦後の国際社会では、アメリカを盟主とする自由主義陣営とソ連邦を中心とした社会・共産主義陣営が政治的に鋭く対峙する冷戦構造が成立しています。同対立の背景には、資本主義対共産主義のイデオロギー対立があったことは、否定のしようもありません。そして今日なおも、新冷戦という言葉が登場したように、共産党一党独裁体制を敷く中国がロシアをも凌ぐ軍事大国として台頭したため、資本主義対共産主義の対立構図が再生産されているのです。これまでの記事で述べてきたように、資本主義には企業の自由が保障されず、株主の権利が企業の主体性を侵害しています。主体性なき自由はないからです。また、経営と組織内に働く人々との間に分断があり、このため、利益配分においても後者は不利な立場に置かれます。19世紀や20世紀初頭にあっては、カール・...‘資本主義対共産主義’という二頭作戦の罠―必要なのは新しい経済システム
資本主義は自由主義ではない-企業に‘物権’は設定できるのか?
今日、多くの人々が、資本主義とは自由主義であると信じ切っていることでしょう。確かに、共産主義諸国に見られた統制経済や計画経済と見比べますと、資本主義には様々な自由が認められています。契約の自由、職業選択の自由、営業の自由など、その多くはフランス革命の成果ともされていますが、個人の経済活動の自由は広範囲に認められており、資本主義は自由主義とする印象を強めています。しかしながら、この図式、本当に正しいのでしょうか。昨日、6月11日付けの『日経新聞』朝刊2面の社説には、「企業の成長支える買収制度を整えよう」、とする記事が掲載されておりました。同社説を簡単に要約すれば、‘日本の経済規模や成熟度からすれば、日本企業は成長志向の企業買収を増し、政府も買収制度の整備を急ぐべきである’というものです。実際に、経済産業省も...資本主義は自由主義ではない-企業に‘物権’は設定できるのか?
佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』のメモを再開します。第Ⅰ部がヨーロッパでの近代の成立とプロテスタンティズムの関係についてでした。それを踏まえて日本の近世から近代を比較してみるのが第Ⅱ部です。読んだのはもう10年くらい前になるので内容はうろ覚えです。第I部に比べると個人的な関心は低いので、のんびりメモをとっていくことにします。第Ⅱ部 日本的近代の地平第四章 個体的戦闘者と「自由」 -「日本的」社会の誕生-一...
関係のないこと同士をつなぐ作業にこそ社会を知る本当の意義が隠されているんではないかなどと自問する。言葉のうえでは確かにそう。 私自身が思った、これは考える必要があってこれを考えれば現代社会に蔓延る中心的な錯誤の糸がほどけるのではないかという問題は、資本主義と人生の関係やわ。 ...
続きが気になっている動画。 ↓ 【成田悠輔、唖然】欲望地獄と資本主義、生きる道は?【エンタメ系IT起業家の激白】
こんにちは、年度末のせいもあってか、本業その他で最近やらなくてはいけないことがいっぱいあります。頭が混乱気味になったり、疲れてヘロヘロになったりする日もあります。先日記事の一部で紹介した米シリコンバレー銀行の破綻も新聞や通信社が繰り替えし
ゼロ金利時代の今、銀行に定期預金を預けても利息はつかないも同然ですが、何年も前から銀行に預けっぱなしであった、幾らかの定期預金は、運用する事を考えるのが面倒で、そのままにしてありました。 先日その銀行の新しい担当者という方からのご挨拶と、運用に詳しい方が来るので、ご提案もしたいから来行しませんか?と言う連絡がありました。 資金運用に頭を費やすよりも、作物を作って食糧を少しでも多く自給することの方...
こんにちは、筆者は人口の増減と株価の上昇、下落は単純に関連付けて考えることは難しいという立場をとっています。人口が増えたからと言って必ずしも株価が伸びる訳ではなく、反対に人口が減ったから株価が伸び悩むわけでもないと考えています。例えばここ
入口を統制するのではなく、出口を観察する:社会主義と環境主義の親和性と誤解
「環境主義は社会主義の一つだ」と述べる言説が存在するほど、環境主義と社会主義は同時に語られることが多い概念です。 個人的にはさすがに極論だと思っていますが、社会主義と環境主義の親和性は確かに高くあります。それらはどちらもアンチ資本主義の形で述べられることが多いからです。 社会主義は過剰な資本主義に対するアンチテーゼであり、自由市場に依存するのではなく計画的な生産を求める思想です。環境主義は人間活動による環境破壊を防止するため持続可能で計画的な社会を求める思想です。 自由放任か統制管理かの二項対立構造において、統制側の思想である社会主義と環境主義の親和性が高いのは当然の帰結だと考えます。 ただ、…
ここまでのまとめをもとに全体の流れをなんとか抜き出してみたいです。まずはまとめ9、10、11の内容を、時系列で下に書き出してみます。プロテスタンティズムは「経済的な欲望が《無軌道な本能的享楽》であること」をある意味で発明します。そしてこの本質的に無際限で逸脱的な欲望を原罪として読み込みました。原罪が成立するためには罪を帰着するための根拠が必要で、こうして欲望を制御すべき自由意志なるものを見いだしました...
メモまとめのまとめ2回目です。前回のまとめの結論をもう一度書いておきます。ピューリタン社会の社会契約論的な自由な個人を前提する一次モデルが、結果として近代と同様の制度の無限更新運動をひき起こす。ピューリタン社会における神の存在の代わりに、近代社会は進歩の観念を利用することで社会秩序の自発的な変更を可能にしている。一度成立してしまえば近代の方が優位なので、近代社会が再帰的に成立することになる。で、ピ...
われわれが自分たちの食事をとるのは、肉屋や酒屋やパン屋の博愛心によるのではなくて、かれら自身の利害にたいするかれらの関心による。われわれが呼びかけるのは、かれらの博愛的な感情にたいしてではなく、かれらの自愛心にたいしてである。 アダム・スミス「国富論」 小さな共同体の限界 村社会のように小さな共同体であれば資本の規模が小さく合議によって意思決定が行いやすいことから民主的な組織を形成可能です。 では何故世界中の人々は民主的な村社会を捨てて都市化を進めていったか。 これもまた単純な理由で、小さな共同体は不安定だからです。人類の歴史を要約すれば、生産性を高めて余裕を生み出し生存を安定させることに尽き…
世の中が混乱した際に必ず話題となるのが民主主義や資本主義、すなわち自由主義に属する思想への懐疑論です。16~17世紀に自由主義が登場して以降、戦争や疫病のような混乱が生じた際は必ずと言っていいほど「人々の自由を抑制すべきだ」とする意見がメディアや論壇に現れます。 私は自由主義の国に生まれ自由主義の恩恵を受けて育ってきた人間のため、自由主義への愛着を持っています。なにも自由主義が瑕疵の存在しない完全無欠の考えだとまではさっぱり思いませんが、とはいえ自由主義にたとえ瑕疵があるとしても捨て去る必要はないと考えます。 問題を見て見ぬ振りをすることも、問題があるからと投げ捨てることも簡単です。しかしそれ…
メモまとめのまとめ1回目です。結論にあたる第三章を先に要約して、第一章と第二章の配置がどういう理由だったか考えようと思います。まず第三章のまとめをみてみます。西洋近代は一次モデルとして社会契約論的に自由な個人が契約によって社会を作り出す、という考え方を持っています。このことで「自由な個人の間にいかにして社会秩序をつくりうるか」というホッブス問題が生じます。この問題の解決は現実的には不可能ですが、解...