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第二章のメモは残り2つです。前回までの内容とのつながりが重要なんですが、まずはメモを簡単にまとめてみます。十七世紀のニュー・イングランド社会は、ごく伝統的な規範の内容を、個人の契約の結果という新たな形式(フォーマット)によって読み込んだ点において近代的でした。そしてゼクテの論理にもとづく社会の形成が、結果として社会の一次モデルそのものの転換となって現れます。「特定の個人の人格に回収されず、かつ、個...
新年明けまして、今年は世界同時不況に陥るのでは無いかと懸念されています。(もう始まっているようです。) コロナ禍に続き、ウクライナ戦争が長期化し、エネルギー価格が高騰し、世界同時の経済減速になっています。恐慌にまで発展するかも知れないという危惧と戦争拡大への不安も広がっています。 しかし、2007年のリーマンショックの時には「100年に一度の経済危機」と言われました。それから100年どころか、15年ほどしか...
成田悠輔著|22世紀の民主主義|民主主義 オワコン?【要約・レビュー・書評】
失われた30年、日本の平均賃金は30年間ほぼ横ばいと言われてるいる。また、昨今の円安による各企業の収益悪化、個人には、光熱費の高騰に代表される物価高が猛威を振るい始めた。日本は、いったいどこへ向かっているのだろうか?いったいこれからどうすれば良いのか?こんな疑問を感じている人も多いのではないでしょうか?そんな日本の将来に対する不安に明快に答えてくれる興味深い本が今年の夏発売された。それは、東京大学卒、イエール大学助教授である成田悠輔氏の『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』です。ぜひ、本書で展開される新提案について、覗いてみてください。
前回のまとめはアメリカ植民地社会から近代組織的な法人格会社へとつながるという話でした。まず第二章メモ3はプロテスタンティズムの契約神学についてです。その特徴は、禁欲される自己/禁欲する自己の二重体が無限に連鎖していくところです。「無限二重化の結果として、個人は自らにも到達不可能な「内部」を、自己の無限遠点としてもってしまう。それこそがあの近代的主体を特徴づける超越的「内面」にほかならない」。そして...
第二章メモまとめ1回目です。第一章で個人と組織の分離、そしてそのことを社会の制度として取り入れたことが近代資本主義につながったということでした。そしてプロテスタンティズムと近代組織をつなぐ政治組織について第二章で説明してあるはずです。以下、メモをもとにしたまとめです。19世紀ごろのアメリカ社会の特徴は、「「結社の原理」の社会、個人が自由にあつまって組織をつくりだす社会」であることです。プリマス植民地...
世の中に変わらぬモノはあるか サッカーワールドカップでの日本の活躍は多くの日本人に大きな力を与えてくれています。 どうか、ベスト8の目標を達成し、超え…
前回の記事の続きです。前回【資本主義の根幹】では、資本主義が文明崩壊に繋がることが示されました。今回は、その資本主義による文明崩壊をくい止める方法の筆者からの一つの提案です。〜地球の有限性と貨幣の規模〜 さて、この破滅の因子を人類社会から取り除くことは可能てしょうか。私は可能と考えます。方法としてゲゼル主義による、貨幣への制限があります。現代の管理通貨制度によると、貨幣は商品とともに新たに生まれま...
先日の記事【大転換】に、ここの常連のHN guyver1092 さんから 非常に斬新でかつ興味深く面白いコメントを戴きました。 『貨幣に地球の大きさに関する制限を加えれば、資本主義は成り立たなくなる』 と言うものです。頗る独特で、画期的なアイディアだと思いました。自分もそのアイディアの詳細な内容を是非知りたいと思いましたので、コメント欄にお返事として記事の依頼をしたところ、早速、記事を送って下さいました。その...
前回のまとめで、近代資本主義を生み出したのは合理性そのものではなくて、組織の合理性と個人の合理性を分離して併存可能とした、社会に広く共有される精神構造である、という結論がでてきました。この精神構造がどう近代資本主義を生み出していったのかが続くはず、と書いたのですが、第一章では書いてないっぽいです。しかも前のメモで、よくわからなくなってきたので二章の前に見直してみるとも書いていて、たぶんメモを見返し...
かなり以前に、喫茶店かどこかで、小学生くらいの子供向けと思われる「涙が出るほど感動する物語」のようなタイトルの本が置いてあったので読んでみました。短いショートストーリーのオムニバス形式で、そのうちいくつかを拾って読んでみたのですが、大人の自分には(そしておそらく小学生にも)大して感動するような話はありませんでした。ちょっと変わったストーリーを選んだ編集者の選択にも疑問を感じました。特に、最後の話...
大転換【The Great Transformation] ー市場社会の形成と崩壊ーカール・ポランニー[Karl Polanyi] 著 東洋経済新聞社 経済学に疎い私は、しかし、市場経済や資本主義というものは胡散臭いものだと、かなり以前より思っておりました。 そんな私が、市場経済社会と資本主義社会の特殊性と病理を論じているらしい本を10年以上前に手に入れて、途中まで読んで挫折しました。 カール・ポランニー[Karl Po...
本当は矢萩多聞さんの「美しいってなんだろう」 について書きたかったのですが、 一度一息いれてサラリーマンとして 現実的にふりかかる問題について 特にロストジェネレーション が抱える虚無感について けっこう的を得た構造解析をしている 「会社が正論すぎて、働きたくなくなる」 講...
『企業は株主だけでなく、従業員、顧客、社会、環境・・等にも配慮して経営されるべきである』という考え方は、特に新しい概念ではないのに、最近、『ステークホルダー資本主義[Stakeholder capitalism]』という言葉になって脚光を浴びています。ステークホルダーとは、企業の活動に利害関係を有する 顧客(消費者)、従業員、株主、仕入先、得意先、地域社会、行政機関・・などのことです。 20世紀の終わり頃から、アメリ...
ここのところ「日本は、縁故資本主義(crony capitalism)に堕落してしまった」と言った内容の記事を目にするようになりました。 これは勿論、前安倍首相とお友達関係にある人物らが担う事業に多額の国家資金が注ぎ込まれてきた構図を指しています。 縁故資本主義とは、その名の示す通り、首相や政府官僚との親しい関係がビジネスの成功に決定的な要因となっている資本主義経済体制を批判する用語です。お友達関係が、事業の法...
需要の創出[Demand Creation]って言葉にはずっと以前から違和感を持っています。これは、資本主義の大きな欠点、歪みであり、自己破壊性でしょう。『需要の創出』を調べると、「消費者の眠る需要を掘り起こし、消費を活性化すること」などと出てきます。わかり易く簡単に言えば「物欲を煽って、欲しい、必要だ、と言う気持ちにさせて買わせようとすること。」でしょう。まさにコマーシャリズムであり、一種の洗脳でしょう。 「洗...
(原題:The End of History and the Last Man) このタイトルを見れば、人類の滅亡による人類史の終わりの意味と思ってしまいそうですが、・・その方がまだ読む価値はありそうなのですが・・そうではありません。資本主義と民主主義こそ人類の歴史の到達点だという主張です。それも、単なる通過目標ではなく、社会制度の進歩が終結し、ユートピアが実現した社会制度の完成形で、社会の平和と自由と安定が無期限に維持される...
前回の記事【歴史の終り】の続編です。 ロナルド・ライトは、 「資本主義と民主主義は必ずしもパートナーではない。」と書きました。私もそう思っていましたが、更にもっと強い表現で「資本主義と民主主義は、パートナーのはずが無い。」と言いたいところです。 民主主義の対義語は、独裁制とか、専制政治とかです。資本主義は、金権主義であり、富豪、資本家による専制政治と言ってもいいでしょう。彼らの営利目的の国家の利...
いま私たちが生きる資本主義社会とは改めてどんな世界なのか? それを知りたくて手に取った一冊でした。 今回はこの本から学んだ資本主義についてのあれこれと、著者である丸山俊一さんの書かれた想いを、学びの記録として個人の見解も交えながらまとめていきます。 14歳からの資本主義 君たちが大人になるころの未来を変えるために [ 丸山 俊一 ] created by Rinker ¥1,650 (2022/9/27 15:42:06時点 楽天市場調べ-詳細) 楽天市場 資本主義ってナンだ?資本主義を定義する 「資本主義ってなんですか?」 こう質問したときに、大人たちがしどろもどろになる
きっかけおすすめの本を紹介している方(まこなり社長)のYouTubeを見て、この本を知りました。「新しい経済のルールと生き方」というサブタイトルに惹かれ、読んでみたところ、世の中お金じゃないっていう方の話が、お金持ちだからそんなこと言ってい
近代という無限運動:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第三章メモ4
第1部最後のメモになります。やっぱり今回も細かいところはわからなくて、結論にあたると思われるところだけメモして終わりにします。三 西欧近代の無限運動西欧近代は「日常的な営みをかたちづくる具体的諸制度を不断に解体し再編成している社会」と映ります。これだけだと内部の一次モデルを無視して組み立てられた二次モデルです。「西欧近代社会の自己組織性は、ホッブス問題の西欧的解決可能性と社会以前的な個人の存在とい...
いきなりだが、ネットやメディアで「経済成長否定」乃至「経済成長一辺倒路線の訂正」を論じる人は多い。左巻きの政治家や学者に多い気がするが、比較的若い評論家的な人達にも結構いる気がする。 統計を取ったわけでは無いし大昔からある意見の気もするが、そのような傾向があると仮定して、本日はそれを題材とする。色
・資本主義と共産主義の崩壊の始まり 資本主義 と 共産主義 の 崩壊 の始まり 資本主義 と 共産主義 の 崩壊 の始まり、 女性的優位のエネルギー スピリチュアル 資本主義 と 共産主義 の 崩壊 の始まり、 魂の成長 について、 スピリチュアル 外部リンク⇒ (霊視 体験)霊能力者への霊視による体験から見えて来る話し 霊視鑑定を体験された事の無い方や悩み事を抱えている方へ ・ 資本主義 共産主義 (主.キーワード関連記事) 資本主義 と 共産主義 の 崩壊 の始まり 資本主義 と 共産主義 の 崩壊 の始まりについて、 スピリチュアル から見るとその序章の姿が見えてきました。…
政治(自民党)と宗教(旧統一教会)とがどうしてずぶずぶになっているのか。それは日本の正義が何にあるかっていうのがわかれば説明がつくのかな。
自由を根拠とする二つの循環的制度構造:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第三章メモ2
ここから近代社会とは何かという問いの回答にはいっていくわけですが、前の内容を忘れてよくわからなくなってるところがけっこうあります。読み返しは第1部を読み終わってからしようと思うので、わからないところはわからないところで、そのままメモをとっていくことにします。近代社会の基本的な特徴として次の二つが挙げられています。①学校などの具体的な諸制度の運営上で、個人の選択の自由を大幅に認める選択-帰責の論理をと...
個人の権利の不可侵と私有財産の不可侵:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第二章メモ7
第二章最後のメモです。これまでのまとめになっているはずですが、けっこうな部分がよくわかりません。わからないところは置いといて、第三章までメモとってから考えることにします。まず、ゼクテの論理をもとにした社会と社団の交錯が近代社会を産み出した、というところからはじまっています。社団が具体的に何を指すのかがよくわからなくて、たぶん法人や近代組織のことだと思うのですが、後回しにします。この交錯に理念的な『...
近代誕生の説明の佳境が見えてきてて、ここから三章まで一気に読みたくなってきました。いやすでに二、三度読み返してるのだけど、もう内容覚えてません。週二、三回くらいにペースアップしてメモをとっていくかもしれません。四 「最初の」近代社会十七世紀のニュー・イングランド社会は具体的な規範のレベルでは「中世的」といえるような厳格な社会だったそうです。当時の教会で具体的な罪とされたものが多数紹介されていますが...
こんにちは、でんです。eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)のように、低コストで世界中の企業に時価総額通りに投資できるインデックス型投資信託は、本当にありがたい限りです。インデックス投資家は個別銘柄のリスクを分散投資で軽減しており
こんにちは、でんです。多忙続きでいっぱいいっぱいになりつつあります。少し変なテンションになりそうなこともあります。株式市場や金利、企業業績の確認や分析をかなりおろそかにしているのに、きょうも世界中の名だたる企業が利益を生み出しています。時
ニュー・イングランド社会の秩序構造:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第二章メモ5
今回の内容はつながりが読み取れないところがけっこうあって、その辺は佐藤の結論をとり上げるにとどめることとします。マサチューセッツ社会の原理が説明してあるんですが原理だけ書いて飛ばします。①真の信仰に目覚めた個人からなる社会、②社会はその個人が契約を結ぶことによってつくりだされなければならない、③真の信仰に目覚めない人間が存在する、の三つです。この原理はその社会で生きる人に見られる考え方のことだと思い...
ゼクテとキルへ:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第二章メモ4
前回までは契約神学の説明で、第三節はその契約神学が具体的に社会にどのような変節をもたらしたか、という話です。三 契約神学の社会まずゼクテとキルへの説明から始まっています。中世カトリックは人間に「シンテレーシス(syntheresis)」とよばれる、「人間個体に内在する自然発生的な正しい秩序への傾向性」を見ていたとのことです。プロテスタンティズムはこれを否定していて、つまり中世カトリックでは人間は「善なるもの...
ただ今日も一日を過ごして来ました。 自分が悩んでても世間は変わらないと分かれ この地球に生きる素晴らしさを感じろ やるべきことをやったら外に出て遊べ 6/21深夜 今日も一日働くだけだったすべての人達へ カ業
前回は法人が王の二つの身体論をもとにしているという話でしたが、今回は大きく変わって、ピューリタニズムの契約神学についてです。ピューリタニズムがあみだした社会と教会の一次モデルは「契約神学(federal theology)」で、これは文字通り人間が神と契約を結ぶという理論とのことです。アダムを通じて神と人間の間に結ばれたのが「業(わざ)の契約(Covenant of Works)」で、これは一定の戒律をまもれば救済されるというも...
こんにちは、でんです。資本主義を敵視し科学的社会主義と無神論を信仰する某スターリン主義極左政党が「大企業の内部留保に課税せよ」と国会討論や自身の機関紙で主張しています。賃上げの原資にするとしており、一見耳障りのいいようにも聞こえます。しか
資本主義の根本原理に基づく 『私有財産制』 は、すべての人々に自由を保障する最強の制度です!
本日のキーワード : 隷従への道、ハイエク、私的所有権、資本主義、、自由、平等、カール・マルクス、ewkefcBreaking the Spell呪縛を解く ⑬The Holocaust: Myth and Reality, Overview of the book by Dr. Nicholas Kollerstromホロコースト : ニコラス・コラーストロム博士の著書 「神話と現実」 の概要Fairy Tales From Hell地獄からのおとぎ話 (一)Let us begin here by reminding the reader of what was said at the ...
法人と王の二つの身体:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第二章メモ2
前節に続いて第二節も法人格についてです。今回も実際の記録や記述がかなり引用されているのですが、まとめきれないのでそのあたりは省略することにします。以下、だいたいの要約です。二 ピューリタニズムの不連続面(前半)中世後期以来、西ヨーロッパ社会での法人格の付与は国王(と議会)の権能でした。これは「王の二つの身体」という概念が大きく関与しています。この概念は王個人の自然的身体と、社会全体を代表する政治的...
大河ドラマ「青天を衝け」がはじまりました。第三回は、「栄一、仕事はじめ」商売を覚えていく青年栄一の姿が活き活きとしてます。主演俳優の演技がチョット大袈裟なんだけど、ま、それもいいか。。。 実は、大河ドラマを見るのは初め
社会としての会社:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第二章メモ1
第二章に入ります。第一章で、個人と組織の合理性の分離が結果として近代資本主義を産んだということが言われていました。そしてプロテスタンティズムと近代組織をつなぐのはまず、政治組織だったというまとめで終わってました。第二章ではそのことについて展開されるはずです。第一節はアメリカ植民地の民主主義的特異性について詳細に記述されてます。私ではまとめられないので、話のつながりを考えたときに重要と思えるところだ...
プロテスタンティズムから近代組織へ:佐藤俊樹『近代・組織・資本主義』第一章メモ5
第一章最後のメモです。プロテスタンティズムの倫理は本当に近代資本主義をうんだのか、というのがこの章の主題でした。個人の合理性と組織の合理性の分離が結果として駆動した、というのが前回までの結論で、「近代組織という媒介項をおくこと」でプロテスタンティズムと近代資本主義の間の架け橋としようという考え方のようです。近代組織は「(1)個人は原理的に組織の外部にあり、(2)自由意思によって組織の規則に自己拘束するが...