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【読書】ジェイソン・ヒッケル著『資本主義の次にくる世界』をオーディオブックで聴いてみた
『資本主義の次に来る世界』— 環境と人類の共生を考え直す 資本主義という経済システムは、技術的進歩や物質的豊かさをもたらしましたが、同時に深刻な環境破壊や社会的不平等を加速しています この持続不可能な道をどう変えることができるのでしょうか? ジェイソン・ヒッケルの著書『資本主義の次に来る世界』をオーディオブックで聴きました
先日(11月26日)、ズームミーティングで話題が(特にテーマでもなかった)原発の方向になった時、色々な方が私見を述べました。 「脱炭素化と言って悪者扱いされていても、石油の方がウランよりは遥かに良い。」「太陽光発電も様々な問題が指摘されているけれど、原発よりはずっといい。」・・・・そのズームミーティングに参加していた方々はみんな、人間には対処しきれない原発の多大な負の側面を十分に知っていて、原発は最...
日本は1990年過ぎ頃から、現在までのおよそ30年の間を『失われた30年』と、経済評論家やジャーナリストらによって語られてきました。更に「このまま行けば失われた40年を歩むことになる」とか「新興国に次々に経済が抜かれた。」とも言われています。 彼らは要するに「経済成長しなかった事」を「失われた」と表現しているのです。確かに、経済成長しようとして、旧態依然とした箱物行政や原発、オリンピックなどに湯水の如く税...
ゼロ金利時代の今、銀行に定期預金を預けても利息はつかないも同然ですが、何年も前から銀行に預けっぱなしであった、幾らかの定期預金は、運用する事を考えるのが面倒で、そのままにしてありました。 先日その銀行の新しい担当者という方からのご挨拶と、運用に詳しい方が来るので、ご提案もしたいから来行しませんか?と言う連絡がありました。 資金運用に頭を費やすよりも、作物を作って食糧を少しでも多く自給することの方...
〜手動で十分シリーズ3〜 〜暖房の基本は体温保持〜 今回は、「手動で十分」と言うよりも、代謝の熱エネルギーで十分と言う主張です。 暖房といえば、最近はどの家でも室内暖房中心になりました。全館暖房の家もあります。確かに西洋型の薪ストーブを家の1階の真ん中あたりに置けば、かなり広く暖房でき、それだけで家の暖房は全部賄える場合も多いでしょう。それは一つの暖房の理想の形と考える方もいるでしょう。北欧な...
「贅沢は敵だ」「欲しがりません勝つまでは」という標語は、日中戦争から太平洋戦争に突入していった日本政府が、戦争を推し進めるために張ったキャンペーンの一つです。日本政府はこのキャンペーンで、国民に我慢を強いて統制していきました。現代の日本国民は、こんな時代には2度と戻りたくはないでしょう。 そいうい意味で、戦後豊かになった日本人には、「贅沢は敵だ」という標語は、アナクロニズムの忌み嫌うべき言...
先日、NHKの日曜討論を、終わりの方だけ少し観てみました。2023年度の経済などがどうなるかというような内容でした。 出演者は、証券会社のチーフアナリスト、証券会社GM総括本部副会長、経済学の大学教授、連合総研主幹研究員、関西経団連会長という面々で、面白くなさそうだと思った以上にしょうもない内容でした。 彼らは旧態依然とした経済成長戦略を論じていました。GX(グリーントラストインフォメーション)で、脱炭...
〜手動で十分シリーズ2〜〜電動化の必要は無かった!〜 子供の頃、給油ポンプが面白いとは思いませんでしたか?水が、自らより高いところに一旦上って行ってから、低いところに落ちてくるのです。 小学校のある程度の学年になって、給油を任せられたとき、楽しみながら給油をした記憶があります。多くの子供がそうだったんじゃ無いでしょうか? しかし、最初はどうすればいいのかわからなくて戸惑いました。灯油を吸い上げるポ...
日本の人口の長期推移/社会実情データ図録 より 日本の人口の長期推移のグラフは遠い過去のデータは推測値でしょう。もちろん、将来のデータも予測値です。推測値も予測値も定量的にはあまり当てにはなりませんが、人口の増減の傾向は、大筋で合っていると考えてもいいでしょう。 このグラフから、大抵の人が読み取ることは、日本は近代、明治維新以来、人口は超指数関数的に爆発的に増え続け、20世紀終わり頃から増加率が...
エコロジー運動には、浅いもの[Shallow Ecology]と深いもの[Deep Ecology]があります。明確な区別、境界はありませんが、浅いシャロウ・エコロジーは、環境汚染と資源枯渇に対する取り組みであり、主な目的は先進国に住む人々の健康と繁栄におかれていると、(ディープ・エコロジー派からは)考えられています。 その根底には、経済成長と環境保全は両立可能という考えがあります。さらには、環境保全のためには経済成長が必...
新年明けまして、今年は世界同時不況に陥るのでは無いかと懸念されています。(もう始まっているようです。) コロナ禍に続き、ウクライナ戦争が長期化し、エネルギー価格が高騰し、世界同時の経済減速になっています。恐慌にまで発展するかも知れないという危惧と戦争拡大への不安も広がっています。 しかし、2007年のリーマンショックの時には「100年に一度の経済危機」と言われました。それから100年どころか、15年ほどしか...
『効率』と言う概念に対して人が抱くイメージは主に2つでしょう。 一つは、「熱効率」「(自動車等の)燃費」「発電効率」のように投入されるエネルギーに対して、仕事をするエネルギーに変換される割合です。そこから、同じ仕事をするときの消費エネルギーの少なさという意味になっています。 そしてもう一つの『効率』は、単位時間内にできる仕事の量です。 時と場合に応じて、どちらの「効率」もよく使われていますが、こ...
斉藤幸平の人新世の「資本論」が話題になりました。異例の売れ行きだそうです。マルクス主義を主張の前面に押し出し資本主義社会に警鐘を鳴らします。脱成長主義を唱えます。 本書に対する批判はいっぱいあり
【読書考】「脱成長と欲望の資本主義」(丸山俊一 著 東洋経済新報社)を読んで
「脱成長と欲望の資本主義」(丸山俊一+NHK「欲望の資本主義」制作班 著)本書は、NHKのBS番組「欲望の資本主義2002自由に」で放送されたものの書籍化です。本書には、「人新世の資本論」でよく知られた斉藤幸平氏(経済思想家)とトーマス・セ
前回の記事の続きです。前回【資本主義の根幹】では、資本主義が文明崩壊に繋がることが示されました。今回は、その資本主義による文明崩壊をくい止める方法の筆者からの一つの提案です。〜地球の有限性と貨幣の規模〜 さて、この破滅の因子を人類社会から取り除くことは可能てしょうか。私は可能と考えます。方法としてゲゼル主義による、貨幣への制限があります。現代の管理通貨制度によると、貨幣は商品とともに新たに生まれま...
先日の記事【大転換】に、ここの常連のHN guyver1092 さんから 非常に斬新でかつ興味深く面白いコメントを戴きました。 『貨幣に地球の大きさに関する制限を加えれば、資本主義は成り立たなくなる』 と言うものです。頗る独特で、画期的なアイディアだと思いました。自分もそのアイディアの詳細な内容を是非知りたいと思いましたので、コメント欄にお返事として記事の依頼をしたところ、早速、記事を送って下さいました。その...
世界の都市で新型コロナウイルス感染拡大を抑えるためのロックダウン(都市封鎖)措置により、大気汚染がかつてないほど軽減したとする報告がなされています。大気汚染物質として知られる窒素酸化物(NOx)の排出量が世界全体で減少し、きれいな青い空が戻ってきたことが多数報告されました。川などの汚染も減り、水が澄み、遠くの山がきれいにくっきりと見えるようになりました。 どこの国の都市でも、ロックダウン開始から1ヶ...
国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」による最新の報告書が公表され、温暖化による非常に厳しい警告がなされました。【WIRED CONFERENCE2021】「このまま温室効果ガスを廃棄し続けると『深刻な未来』がこれまでの予測よりもかなり早くやってくる」と言った内容です。 その警告内容が信頼できるものと考えた場合、彼らの示す「対策」に疑問を感じずにはおれません。深刻さを本気で訴えているのか疑ってしまいます。 こ...
かなり以前に、喫茶店かどこかで、小学生くらいの子供向けと思われる「涙が出るほど感動する物語」のようなタイトルの本が置いてあったので読んでみました。短いショートストーリーのオムニバス形式で、そのうちいくつかを拾って読んでみたのですが、大人の自分には(そしておそらく小学生にも)大して感動するような話はありませんでした。ちょっと変わったストーリーを選んだ編集者の選択にも疑問を感じました。特に、最後の話...
ブルシットジョブ[Bullshit Jobs: 牛の糞のような仕事]と言う言葉を、最初耳にした時に、ちょっと嫌な感じがしました。ブルーカラーの一部の仕事を卑下しているように感じたからです。 1990年頃から、労働環境の悪い職場は頭文字を取って3k;汚い、危険、きつい と言われていました。英語にするとdirty, dangerous and difficult なのですが、最後のdifficultが、demeaning[屈辱的な]に変えられていることが良くあったの...
ロシアンルーレットとは、よく知られているように、リボルバー(回転式拳銃)に1発だけ弾薬を装填し、適当にシリンダーを回転させてから自分の頭に向け引き金を引くゲームです。恐ろしい事ですので「ゲーム」などと呼ぶ代物ではないかも知れません。実際にそんなゲームする人がいるのかはわかりませんが、(やったしても無理にやらされたのでしょうか?)事実関係は今回の記事には関係ありませんので調べません。 なぜこんな記事...
レジ袋の有料化が始まって数ヶ月ですが、プラスチックゴミ対策としてはあまりに無力で脱力的です。 レジ袋の有料化については反対ではありません。「マイバッグの方が石油を消費する」なんてしたり顔で言う方もいますが、それには賛同しません。マイバッグも、その素材を選び、使用回数を増やせばプラスチックごみの減量に有効である事を否定しません。レジ袋の有料化は、今頃取り組むべきことではなく、20世期中に徹底してい...
昨今の物欲が小さい若者たちの傾向を問題視する大人が結構いますが、私は物欲の小さい若者こそこれからの社会の希望だと考えます。彼らを批判する大人達こそ問題だと考えます。「ゆとり世代」の後期、1990年代後半以降に生まれた人が「悟り世代」と言われているようです。「悟り世代」の多くの人が「モノは欲しくない。車はいらない。」と言います。モノで無くとも、例えば旅行に関しても「海外旅行よりも近場の旅行で良い。さ...
現在、コロナ禍による深刻な景気後退、恐慌が危惧されて、回避対策が検討されています。しかし、経済の縮小は、いつかは通らなければならない道でしょう。ここのサイトのテーマでもあります。実際に恐慌が始まれば、大きな困難と犠牲を伴うでしょうけれど、それでも批判を覚悟で言わせていただければ、大きな経済縮小が、早く始まれば良いと考えます。何故なら、現代の拡大再生産システムが続けば続くほど、資源不足と環境汚染が...
新型コロナの感染拡大に伴い、富裕層にプライベートジェットの需要が高まっている、と言う、ふざけた記事を目にしました。 記事によると、日本のプライベートジェットの保有数は57機で、アメリカの約2万機に比べると格段に少ない、日本ではプライベートジェットの発着が少な過ぎて、海外に比べるとまだまだ「厳しい」とのこと。何が厳しいのかよく分かりません。アメリカのプライベートジェットの多さを狂気の沙汰だと感じます...
ここのところ少しずつ断捨離しています。今の家に来て20年以上過ぎましたが、それまでは数年に一度は引っ越していたので、引っ越しの度に不要なものを捨てたり人にあげたりするくらいで、物を捨てるのが嫌いだった私は、一昨年まで本格的な断捨離はした事がありません。人生初の本格的な断捨離を昨年の初夏に行って、この春にもっと大々的に始めました。自分の部屋が4月上旬で大体終わったのに勢いづいて他の部屋の断捨離も始めま...
『Small is beautiful 』は、イギリスの経済学者、E.F.シューマッハーによって1973年に執筆された経済学に関するエッセイ集のタイトルです。当初シューマッハーは『Hometown:故郷派』と言ったタイトルにしようと考えていましたが、編集者によって記事の中の一文「Small is beautiful:小さいことは素晴らしい!」が良いと提案され、採用したとの事です。 『故郷派』はそれはそれで最近見直されている地方、田舎を想起するい...
21世紀に入って、持続可能性[sustainability] という言葉が頻繁に使われるようになりました。流行りのSDGsの最初の頭文字も Sustainability です。流石に、このままでは人類の存亡に関わると危機感を持つ人が世界中に増えてきたのでしょう。それは方向としてはいい方向です。 しかしその対策によって世界は、持続可能な方向に向かっているのでしょうか? 確かに個別の分野で一部の人々の間では成果を上げているものもありま...
地球環境問題に対して、技術で解決しようと言う方針が、いまだにメインに論じられています。その理由は「先ずは環境対策」では無くて「先ずは経済」だからでしょう。そこには「深刻な環境危機」に対する本気度が感じられません。 これから技術革新で対応するとか、効率を上げるとか・・・「環境危機に待ったなし」の現状に対して非常に優雅なことを言っています。そして、「ギャグ効果(ギャグのような逆効果)」の環境対策もど...
衆議院選挙戦の真っ最中です。野党共闘で、小選挙区は自ずと投票する野党候補は決まってしまいますが、比例区はどこの野党に入れようかと、・・ほぼ決まっていますが・・・改めて一応各党の政策・公約を見てみました。<政策を比較する>https://japanchoice.jp/policy-comparison/ 今回はどの党もコロナ対策;コロナ感染対策やその給付金のこと・・を熱心に論じています。・・感染対策の方策や給付する金額や対象は違いますが、...
コロナウイルス感染拡大を防ぐ為に地域の封鎖[Lock down] を行う国・都市が増えています。中国・武漢から始まり、イタリア、スペイン、フランス、イギリス、アメリカ・・・の一部の都市で、都市封鎖が行われています。日本、東京は遅れをとっていると言えましょう。 都市は、食料もエネルギーも自給自足が出来ませんから、ロックダウンを長く続けることは危険です。 しかし、地域の閉鎖は、持続可能な社会を目指すの...
コロナウイルスパンデミックによって世界の多くの人々の日常生活がガラリと変わりました。外出自粛や非常事態宣言により、平穏な日常生活があれよあれよと言う間に変貌を遂げたのです。非常事態宣言が為され色々な制限のある生活に変わりました。パンデミックではありませんでしたが、2011年の3.11原発震災時も、原発爆発後は、福島第一原発周辺の広い範囲で屋内待機はありました。経済的に先行き不安な人も多い事でしょうけれど、...
少し前の時代まで、「人類が絶滅する時はいつか?」・・と言う問いかけに対し、「数千万年後には人類は滅びているかも知れない。」のように答える方が多かった記憶です。そう、数百万年後か、数億年後かは人それぞれですが、意識して「数百万年後」と「数億年後」を区別していた人はほとんどいなかったようです。兎も角彼らが考える人類の滅亡時期は「途方もなく遥かに遠い未来」でした。 現生人類が誕生したのは今から約20...
『成長の限界』シリーズの第2弾、『限界を超えて [Confronting Global Collapse Envisioning a Sustainable Future1989] 』の紙カバーを折り込んだ挟み込みの部分に、第1弾の『成長の限界[The Limits Of Growth1972]』の結論の要約が記されています。「(成長の限界に達した結果)最も起こる見込みの強い結末は、人口と工業力の突然の、制御不可能な減衰であろう」です。 非常に印象深い文でかつ、「なるほど」と理性が納得し...
最近SDGs[Sustainable Development Goals]が流行っています。色々なところで取り上げられています。多くの企業でもSDGsを積極的に取り入れています。その企業にはSDGsのバッジを誇らしげに付けている社員もいます。 以前、その社員に「どうしてそのバッジを付けているのですか?と、尋ねたところ、彼は「この17色はそれぞれSDGsのゴールを表します。まだ1つ1つの意味は覚えていませんが・・」と、SDGsの説明を始めたので、直...
経済という名のバブルの塔を高く高く積み上げ続けていれば、大きな犠牲と共に崩れ落ちるだけ。経済成長に洗脳されずに、ゆったりと質素に暮らしましょうよ。
巷では、日本は、このまま行けば、膨らんだ借金を支えきれずに財政破綻する。破綻しない為には経済成長しかない・・・と言われています。 経済システムが現行のままなら、その議論はおそらく当たっているのでしょう。先日の選挙も(毎回毎回)「経済成長のためにどうするか」が主要な争点でした。 ただ、「だから何が何でも経済成長を」と言う主張でいいのでしょうか? そこでは、経済成長の為の、資源とエネルギーの浪費、環...
残念ながら、環境問題、エネルギー問題共に、世界の対策のメインは、技術開発です。 確かに、これまで、技術革新で状況が好転した例も色々あります。空気中への排気ガス、川や海への汚水排出も、一時よりは良くなりました。 しかしそれはあくまで局所的な、若しくは、ごく限られた分野での話です。 全体的に観れば、環境問題もエネルギー問題も年々肥大化して深刻化しています。 技術革新で資源の使用の効率が良くなっても...
前回の記事【技術革新で解決するのか? 】2022/08/03 の続きです。残念ながら、いまだに技術革新で環境問題が解決できると思い込んでいる方が、普通に世の中に溢れているようです。そんな方々の話を最近何度か聞きました。 ちょっと読書と書き物をしに、時々行っている甘味処に行った時、そこにいた3人ほどの人が、環境問題に関して話し始めました。その方々は、シニア世代と言えそうな感じの方々でした。「地元にも、太陽光発電...