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20240422 独Scopeによるドイツ信用格付けコメントのエッセンス
https://scoperatings.com/ratings-and-research/research/EN/176796 ドイツの格付機関スコープ社(@ベルリン)が本日発表したドイツのソブリン格付についてのコメントのエッセンスは以下の通り(経済低迷長期化でも財政が極めて健全なのでAAAは当面安泰という結論): 短期的に経済停滞や財政運営上の問題はあるものの、ドイツの格付け(AAA/安定的)に懸念なし。 コロナ以降の5年間、累積ベースでほぼゼロ成長というドイツ経済の停滞は、歴史上前例がない。 GDP(2019年末=100)の回復力の面で、ドイツ(赤線)は他のヨーロッパ諸国やAAA諸国に比…
20240421 世界幸福度ランキング2024:日本はG7中最下位だが。。。
worldhappiness.report <Japanese> 3月20日の世界幸福デーに発表された2024年版「World Happiness Report」の「世界幸福度ランキング」を見ると、143カ国中日本は51位でG7中最下位という寂しい結果になっていました(ドイツは24位)。当該ランキングは、①「一人あたりGDP(購買力平価ベース)」と②「健康寿命」の2つの客観要因に加えて、調査機関Gallupが各国の約1,000人から集めた幸福度に関する多数の質問に対する自己評価結果から、③「社会的支援(困ったときに助けてくれる友達・親族はいるか)」、④「人生選択の自由」、⑤「寛大さ(先月どれく…
現実個別消費の内訳について、国際比較してみます。アメリカは極端に政府の寄与が小さく、北欧諸国やフランス、ドイツは高い水準です。日本は近年で20%程度と、先進国の中では中程度の割合となるようです。
20240418 ドイツの気になるデータ5選(受注残、投資計画など)
①製造業受注残(2月)~前月比▲0.2/前年同月比▲5.8%とかなり減少してきたものの、月商の7.0か月分と依然高水準。低調な新規受注のバッファとなっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/04/PD24_159_421.html ②ホテル・レストラン売上(2月)~名目ベース(薄青)では前月比+1.2%/前年同月比+1.8%とかなり健闘しているものの、実質ベース(濃青)では前年同月比▲1.1%、コロナ前比▲14%とまだまだ凹んでいる。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pre…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=kurzberichte-928518 本日発表されたドイツ連銀月報(今回からWEB上で見やすくなっている/ドイツ連銀がどの指標をどんなグラフで見ているかがわかる)の経済分析部分(Kurzberichte)のエッセンスを以下紹介する。 ●鉱工業生産、建設生産、輸出が思ったより強かったため、実質国内総生産 (GDP)は第 1 四半期にわずかに増加した…
20240416 IMF世界経済見通しのエッセンス(ドイツ視点)
www.imf.org www.imf.org ●全体感としては、GDP上方修正/インフレ下方修正という概ね良好な内容。リスクも上(AI、利下げなど)/下(地政学、中国など)バランス。 ●グローバル総括表~日本は今年+0.9%、来年+1.0%と潜在ペースを上回る成長継続でインフレ2%強が定着する見込み(暦年ベース)。 ●昨年+0.3%と低迷したグローバル貿易量は、今年+3.0%、来年+3.3%としっかり回復する見込み。 ●前提とする政策金利着地点:米3.5%、英3.0%、ユーロ圏2.5%、日:0.5%。 ●【ユーロ圏に対する総評】ユーロ圏の成長率は回復するものの、過去のショックと金融引き締めが…
①少子高齢化の深刻さ度合いを、労働力人口(15~64歳)に占める65歳以上の高齢者の割合でみると、ドイツ(赤)はイタリア(緑)に続いて日本(灰)に急速に追いつこうとしている。 ②20歳と65歳の人口差は、足元の27万人から、10年後には62万人に拡大見込み。 ③ドイツは移民(含む難民)を年平均29万人程度受け入れる見込みなので、総人口はほぼ横ばいを維持できる見込み(赤線)。 ④但し、移民(含む難民)のうちで、労働力として戦力化できるのはせいぜい6割程度。 ⑤加えて、ドイツの労働時間は極端に短い上。。。 ⑥病欠も多い(有給を使うことなく遠慮なく休む)。 ⑦その結果が深刻な人手不足の恒常化。 ⑧労…
https://www.zew.de/publikationen/zew-gutachten-und-forschungsberichte/forschungsberichte/konjunktur/zew-finanzmarktreport 4月ZEW景況指数のヘッドライン(期待指数:上図赤線および下図)は42.9と市場予想(30台)を大きく上回る改善。調査対象となったアナリストの半数が、輸出増やユーロ安などを背景に、ドイツ経済が今後6カ月で改善すると予想している模様。 但し、現況指数(上図茶線:足元のGDPの走りに近い)は低迷継続。 (同指数は金融アナリスト約300人に対する月次アンケート…
20240415 ドイツの気になるデータ5選(ジニ係数、住宅用不動産市況など)
①ジニ係数(数字が大きいほど所得格差大)~所得格差問題はひと頃より大きく改善していたが、最近再び拡大傾向(各種資産効果のため)。ドイツは欧州の中でも格差がかなり大きい方。 https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=distributional-wealth-accounts-zeitnahe-daten-zur-vermoegensverteilung-der-privaten-haush…
www.bmwk.de 先週末リリースされたドイツ経済省4月月報のエッセンスは以下の通り。 輸出の改善と、鉱工業・建設の生産増(もともと受注残が大きい上、好天と高水準の病欠正常化が追い風)にわずかながらも明るい兆しが見え始めている。 グローバルベースで鉱工業生産と貿易量が回復し始めており、ドイツの輸出へのサポートが期待できる。 消費者が慎重で小売が弱い中、可処分所得増加で期待されている個人消費の回復の手応えはまだない。 インフレは3月+2.2%とかなり低下。特に食品価格(下図ピンク線)があまり上昇しなくなってきていることはポジティブ。但し、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇はリスク。 …
にほんブログ村 先日、ユニクロの柳井会長が円安について「日本にとって良いわけがない円安を喜ぶのはおかしい」と話したそうで私も同感です円安の恩恵を受けている方も…
youtu.be ◆強めのCPIでディスインフレ傾向への自信が揺らぎ、米金利急騰。FED年内利下げ期待は1~2回に後退。10年金利は4.5%強まで上昇。中東リスクの高まりもあり株価も軟調。◆企業収益については弱めの景気をベースに慎重目に置いた以前の予想がまだ残っているため、上方修正方向。◆株にも債券にもリーズナブルなバリューがあるので、地政学リスク(タイミングが計りづらい)を少し金や原油でヘッジしつつ、広く分散して持っておくべき局面か。◆最近のインドの経済成長は、インフレの苦しみをうまく回避できている上、中国経済がヘタっている中でのものだけに、価値がある。来週19日開始(6/4開票)の総選挙で…
人口1人あたりの現実個別消費について、実質での水準比較をご紹介します。実質値としては日本は低めの水準が続いています。実質成長率も低めながら、フランスと同程度ということになります。
20240411 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、ECB利下げ織込みなど)
①欧州議会選(6/9)での政党別支持率~連邦議会選と概ね同様の分布。 https://dawum.de/Bundestag/ ②ifoCAST(GDPナウキャスト)~2024年第1四半期(4/30発表予定)前期比▲0.45%、第2四半期同+0.85%。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ③宿泊件数(2月)~2,820万人泊:前年同月比+6.9%と好調継続(国内+7.3%増:2,310万人泊/海外+5.1%増の510万人泊)。 ドイツで観光業は数少ない好況業種。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2…
https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html www.youtube.com ◆強めの製造業PMIと雇用統計でFED利下げ軌道がさらに後倒しされ、年内利下げも3回以下に。◆次に市場センチメントを変えうるのは、この強い景気が賃金/インフレの再加速につながる可能性。これまでは強い景気とインフレ低下が共存していたが、そのバランスが崩れると危うい。◆但し、今のところインフレが再加速するという兆しはないし、大統領選前に「次は利上げ」となるまでのハードルはかなり高い。これまで3回分利下げを吐き出したが、さらに追…
主要株価指数が長期的に見て右肩上がりに上昇し続けている現象は、多くの投資家や経済学者によって観察されてきました。なぜ株価指数がこのように上昇し続けるのかを簡単に解説します。
20240405 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注、HICPなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~2024年第一四半期実質GDP換算(統計発表は4/30)で前期比+0.2%まで急回復!実際の着地がプラスかマイナスか微妙な情勢。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②製造業受注(2月)~前月比+0.2%と、1月の▲11.4%からの反動としてはかなり弱め。除く大口受注ベース(下図薄赤)でも減少トレンド継続。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilu…
20240404 ヘッセン州立銀行による独DAXの総合評価:ホールド
私自身がドイツで保有する証券ポートフォリオの中の約1割を占めるDAXのポジション調整の際に参考にしているヘッセン州立銀行の「株式チャートブック」がアップデートされたのでそのエッセンスをご紹介します。 https://mailing.helaba.de/-link2/15466/16757/5/11/8115/R3k1slkG/n1ZZpgmjim/0 ★以下①~④の総合評価:ホールド~連日高値更新中で、ドイツの不景気との対比ではやや違和感のあるDAXですが、ここで大きく利食い売りしてしまうのはもったいない/一部利食うならBEST指数(青線)が過熱領域(上の線:1σ以上)に来るまでは引き付けたい…
20240402 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ連銀HPより)
今回はこちら(ドイツ連銀HPの統計サイト)から重要なデータ(インデックス/水準の推移をチェックできる)を5つピックアップしてご紹介します。 www.bundesbank.de ①(経営サイドから見た時給ベースでの)労働コスト(2023Q4)~前期比+1.2%/前年同期比+2.5%と上昇トレンド継続。今年もこの程度の上昇が継続する見込み(リスクは上振れ方向)。 <EU全体のデータはこちら> https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php?title=Labour_cost_index_-_recent_trends ②製造…
<Japanese> 日銀のマイナス金利廃止により日本のデフレ脱却が大きな節目を通過し、日経平均が年初来+21%(DAXは+10%)も上昇していることを、自国経済の長期低迷を嘆くドイツ人も意識し始めているようです。今週号の独経済専門誌ヴィルトシャフツボッヘ(Wirtschaftswoche)は「日本の秘密の力」と題し、日本から何を学べるか、という特集記事を掲載していました。早速電子版をポチって読んでみたのですが、ドイツで人員削減を急ぐボッシュが日本では拠点強化に動いていることや、日本が非常に慎重に進めている構造改革や移民活用が功を奏していること、在日ドイツ人がこれまでの日本とは違うと感じ始めて…
youtu.be ◆医療テクノロジーの飛躍的進歩(がんや肥満の治療薬など)で長寿リスク(年金生活入りで貧困に陥るなど)が恐ろしく急速に高まっている。◆米国を含む多くの国では、昔の人口動態や平均寿命をべースとする古い年金制度が維持されており、このままでは財政がとても持たない。◆より長く働くようにする、退職後に備えて自分でしっかり投資する、新たな時代に適応するためのインフラ(デジタル化、脱炭素など)を整備する、などについて、今すぐ国民的議論が必要。◆すでに米政府債務は危険なくらいに膨れ上がっており、このまま利払い負担で雪だるま式に増え続ければ、民間資本をクラウドアウトして金利高止まりが定着し、さら…
20240329 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、IMFブログの分析データなど)
①経済省GDPナウキャスト~実質GDP2024Q1:前期比▲0.2%。ifoCAST、ドイツ連銀WAI、市場予想などとも整合的。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/04/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②時間当たり労働コスト(2023年)~ドイツは41.3ユーロ(前年39.4ユーロ、前年比+4.8%。ユーロ圏全体では34.0⇒35.6ユーロで+4.7%。ユーロ圏の中では高い部類。 (社会保険料などを含む雇用者側から見た1時間当たりの総労働コスト) h…
先ほどドイツの3月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+4千人と、市場予想(+10~20千人)より気持ち強めの内容となっていました。 ちなみに米雇用統計からの連想で、これがヘッドラインであるかのように誤解しがちですが、ドイツでは全く重視されていませんのでご注意ください(日曜祝祭日に経済活動がほぼ止まるため、季節調整が難しい欧州では前年同期比が重視される)。 ●失業率<国内基準>~5.9%で横ばい。2022年以降の失業率上昇の大半は2022年6月からのウクライナ難民カウント開始によるもの。連邦雇用庁は「経済低迷の割にしっかり」との評価継続。 <以下◆3つはドイツ連邦雇用庁月報より抽出したも…
20230328 ドイツの気になるデータ5選(5大研予測、インフルエンザなど)
①雇用増分に占める外人の割合~最近の雇用増加分はほぼ全て外人によるもの(水色:移民、灰色:難民、黒:ウクライナ)。 ②アウトプットギャップ~ディスインフレ圧力は当面健在(青棒)。設備稼働率(黒線)も低め。 ④OECDの製造業の対GDPシェア~このような低下傾向はドイツに限ったことではない(経済のサービス化がじわじわと進んでいる)。 ④対米、対中貿易の推移~対米:輸出(黒)も輸入(青)も順調に増加。ドイツの貿易黒字は国別で最大(トランプが問題視する可能性大)。対中:輸出はすでにじり貧、輸入は急増後反落(デリスキングが強く意識されたため)。ドイツの貿易赤字は国別で最大。 上記①~④のソース:htt…
https://www.ifo.de/fakten/2024-03-27/gemeinschaftsdiagnose-fruehling-2024 先ほど発表されたドイツ5大研究所の春季合同経済予測のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済の低迷が続いている。まもなく回復が始まると思われるが、全体としての勢いはそれほど強くないだろう。 GDPはコロナ前をかろうじて上回る水準にとどまっている。 今年の実質GDP成長率予測は、昨秋の+1.3%から+0.1%に大幅下方修正。 就業者は増え続けているが、労働時間は縮み(病欠増加も一因)、生産性も伸び悩んでいる。 予想以上に個人消費の回復が遅れ、輸出が低…
https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-erholung-kommt-nur-muehsam-voran 先ほどGfK(消費者市場調査会社@ニュルンベルク)の消費者センチメントが発表されましたが、▲28.8と前月(▲29.6)比わずかに上昇はしたものの、相変わらずの低水準横ばいで、ドイツ個人消費回復の兆しは見つかりませんでした。 内訳を見ると引き続き、自分の所得に対してはさほど悲観的でないのに、購買意欲は低く、貯蓄にいそしんでいる、という構図になっています。 なお、実質賃金(名目賃金-インフレ)は昨年後半から既にプラスに転じており、多くのエコノミスト…
20240325 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、田中碧の市場価値など)
①建設受注(1月)~前年同月比ベースで実質+1.3%/名目+4.3%。前月比実質▲7.4%が一見悲惨に見えるが、トレンド(下図赤線)としての低位横ばい推移を見るべき。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_119_441.html ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~四半期実質GDP前期比換算で▲0.2%と、Q1期末に向けてマイナス圏での推移継続。ifoCASTの▲0.21%やドイツ銀行の予想▲0.2%とも整合的。Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.d…
youtu.be ◆ややハト的だったパウエル議長発言で、市場は7月までスタートで年内計3.4回の利下げを織り込み。◆株式市場は利下げが2回か3回かにはあまり拘っておらず、AIにサポートされた企業業績改善への期待で堅調を維持している。◆GDPとインフレ予想が上方修正、失業率が下方修正されているが、足元の金利水準がかなり引き締め的であることが確実な中、インフレが遅行指標であること、金融政策が効き始めるのに1〜2年はかかること、さらには大統領選挙年であることを考えると早めに利下げに動くことは十分に正当化されうる。◆株は上昇トレンドの中でしっかり、金利は相応に魅力的(実質金利が2%確保できる)、かつ両…
20240322 ドイツの気になるデータ5選(ifo、PMI、ZEWなど)
①ifo景況指数(3月)~期待(青)と現況(黒)がそろって改善。わずかながらも底打ちを期待させる動き。 <業種別>4業種すべてで上向き。サービス業(右上)では中立レベル回復。 <サイクル図>不況領域(第3象限)からの脱却はそう簡単ではなさそう。 <ヒートマップ>~好調を維持している航空機(30)と旅行関連(79)以外にも、飲料(11)、石油精製(19)、その他製造業(32)で好転(赤色化)。 https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-22/ifo-business-climate-index-rises-march-2024 <市場予想対比>~ECBの6月利下げが…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-maerz-2024-926690?article=kurzberichte--928232 本日発表されたドイツ連銀月報(3月)の経済分析部分のエッセンスをまとめると以下の通りです。 ドイツ経済の景気回復は遅れており、第1四半期の実質GDPは前期比で再びわずかに低下する可能性がある(これまでの弱気評価に変化なし)。 特に製造業は今後も低迷する可能性が高い。国内外の受注不振が続いている。 製造業の受…
本日発表されたドイツ銀行協会の経済見通し(民間銀行のチーフエコノミストらの共同作業の結果)のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済は依然として顕著な低迷状態にあり、今年の実質成長率はマイナスゼロどまりを予想。 これまでのドイツ経済低迷の主因だったエネルギー危機が完全に終了していることは朗報。来年は+1.2%と強めの成長が期待できる。 世界貿易は昨年わずかに縮小したが、今年は増加に転じる。そのデルタ(変化分)が小さくないため、相応にドイツ経済のサポートになるはず。 インフレ低下+賃上げに伴う購買力増加も景気回復の原動力になる。 ECBは6月から利下げを開始し、年内2回追加(四半期毎)を予想。こ…
本日連邦雇用庁のシンクタンクIABと労組系シンクタンクIMKが揃ってドイツ経済予測をアップデートしていましたのでそのエッセンスを簡単にご紹介します。 ①IAB(今年の雇用関連計数の予測が中心で、インフレや2025年の計数の予測はない) ドイツ経済は低迷局面に陥っているが、その回復はさらに遅れ、今年通年での実質GDP成長率はわずか0.1%にとどまる見込み。 2024年前半は全く冴えないが、年が進むにつれて回復に転じるはず。 労働市場は、景気低迷の割にはよく持ちこたえている。 就業者数は今年19万人増の4,612万人に達する見込み。 しかし、失業者数も273万人に増加見込み。長期失業率はコロナ前の…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2024/20240214-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-maerz-2024.html ドイツ経済省の3月経済月報(まもなく出るドイツ連銀月報と併せてみることをお勧め)のエッセンスは以下の通りです。 1月は鉱工業生産(含む建設)と輸出がやや大きめの前月比プラスで明るい兆し。 しかし小売売上は続落、各種先行指標も底打ちの気配あるものの低水準横ばい。 紅海での船舶攻撃や国内でのストライキの影響で、…
316 日本の現実個別消費は少ない? - 1人あたりの国際比較
家計の実際に消費した金額である現実個別消費の1人あたりの水準について国際比較してみます。日本の水準は2021年で先進国中位程度の水準のようです。
家計による現実的、個別的な消費である現実個別消費について解説します。日本の現実個別消費は、家計最終消費が横ばいで、政府個別消費支出が増加しているため、緩やかに増加傾向となっています。全体に占める政府個別消費支出は2割ほどです。
314 雇用者の労働時間あたり付加価値 - 生産性の国際比較
労働生産性の指標となる、雇用者の労働時間あたり付加価値について国際比較してみました。時間あたりだとドイツ、フランスの水準が高く、更に個人事業主の影響を除外しているためイタリアの水準も高いのが特徴的です。日本は先進国でも低位となります。
マイナス金利解除になったら、日本株、ドル円はどんな動きをする?
マイナス金利政策は、経済に対する政府や中央銀行の一般的なツールの一つです。これは、銀行が預金者に金利を支払わず
20240316 賃金/物価の好循環実現で日銀マイナス金利解除へ
<Japanese> ここ数日相次いでいるリーク記事によると、3月20日の日銀金融政策決定会合で、世界最後のマイナス金利政策がいよいよ解除されることになりそうです。春闘第1回回答集計での平均賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準となり、日銀は賃金と物価がそろって上昇する好循環実現に自信を深めたようです。但し「マイナス」金利が解除された後も当面は「ゼロ」金利が続く見込みで、市場では年内の追加利上げは0.1%くらいしか織り込まれていません。賃金と物価がともに2%くらい安定的に上昇し続けるなら、長期金利が2%くらいになってもおかしくないはずなのですが、10年物日本国債利回りは1%よりずっと下(週末…
需給ギャップ(GDPギャップ)とは?積極財政で需要不足を解消する!
こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 先日、中野剛志さんの著書『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』のことを書きました。 本書でまず最も押さえておくべきポイントは、「デフレ」と「インフレ」に関する理解です。 中野さんはすごくシンプルに次のようにまとめています。 ▶「デフレ」⇒需要不足、供給過剰 ▶「インフレ」⇒需要過剰、供給不足 いまの日本はウクライナ戦争の影響等で原材料費の高騰、物価高に見舞われています。 この物価高はいわゆる「コストプッシュインフレ」であり、現在の日本経済の状況は未だデフレから脱却したとはいえません。 上のデフレの理解に従うと、政府が取る…
youtu.be ◆来週(3/20)のFOMCを前にStickyなインフレ指標を見せられて、久々に大きめの金利上昇となった一週間。◆一時は年内6回くらいにまで膨れ上がっていた利下げ期待は、年内3回ピッタリにまで後退。来週ドットが年内2回に減る可能性もある。◆利下げ開始タイミングや利下げ幅への不透明感は増しているが、小売や各種サーベイ類の経済指標軟化は確認できており、来年金利が3%台半ばくらいには下がりそうという市場の期待までは揺らいでいない。◆FEDとてインフレを2%に近づけるためだけに米経済をリセッションにまで追い込もうとはしていないはず。◆インフレ低下で実質金利が上がっている上、低金利時代…
労働生産性の尺度として用いられる労働者1人あたりGDPでは、GDPの中に家計の営業余剰・混合所得が含まれるため、労働者の実際の生産性を計算している事にはなりません。個人事業主の影響を除外した雇用者1人あたり付加価値について計算し、国際比較してみました。
20240314 独DAX18000ポイント超えについてのドイツメディアの報道ぶり
ドイツのベンチマーク株価指数DAX40が節目の18千ポイントに到達していることについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツの株価指数が連日過去最高値を更新し、節目の18千ポイントをクリアしたことは大変感慨深い。 これは恐らく今後の上昇トレンド継続の中でのひとつの通過点に過ぎない。 こういった株式市場の高揚感とは対照的に、ドイツ経済の足元の状態は非常に悪く、回復の兆しがほとんど見られない。 一般国民の経済に対する不安と政府に対する不満は高まるばかりである。 しかし、株式市場は国内経済の状態以外の他の多くの要因によっても左右されていることを認識する必要がある。 グローバル市場を股に…
20240313 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、CPIなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元の実質GDPモメンタム(3m/3m)は▲0.3%まで急低下。ちなみに、ドイツ経済省の2024/Q1のGDPナウキャストは前期比+0.1%。ifoCASTは同▲0.52%。ドイツ銀行の予想は同▲0.2%、総合PMIはかなりの大幅マイナス示唆となっている。2024/Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②インフレ2月確報~2020年平均(ほぼコロナ前の水準と考えてよい)…
20240310 ECB理事会についてのドイツメディアの報道ぶり
3月のECB理事会結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。ドイツの景気が悪いからといって、利下げを急いで欲しいという論調は殆どありません(実質マイナス成長はインフレが原因と広く認識されているため)。 今回ECB主要金利はすべて据え置きで変動なし。 ユーロ圏のインフレ率は目標の2%に徐々に近づいてきている。 多くの専門家は今年6月に最初の利下げが実施されると予想している。 但し、賃金上昇が予想以上に強ければ、利下げ開始見送りの可能性もある。 トランプ氏が米大統領に再選された場合、その後の予測不能性が世界経済にリスクをもたらす可能性がある。例えば、彼が中東紛争を激化させ、エネルギー…
youtu.be ◆パウエル議長証言と米雇用統計(新規雇用と賃金が気持ち弱目)により、政策金利を中立水準に向けて微調整する利下げがいよいよ6月あたりに始まるという現実味/手応えが出てきた一週間。◆問題はその後の利下げペース。市場が織り込む年内計3.8回という点についてはまだ確信が持ちづらい。3月20日FOMCでのドット(12月は年内3回利下げを示唆していた)の変化には要注意。◆利下げ開始の確信が高まったため、高利回りの手元流動性をそろそろ本格的に中長期債にシフトしようと考える投資家が増えてもおかしくない局面。◆今後注目すべきはやはり消費者の動向。米国の過剰貯蓄は既に使い果たされており、予想外の…
https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-06/ifo-economic-forecast-spring-2024-german-economy-paralyzed ifo研のドイツ経済見通しのアップデートが発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。 景気回復の兆しが見られず、年前半も不調が続きそうなので、今年のGDP見通しは+0.2%と12月予測比▲0.7%下方修正。 冬の悪天候や病欠(インフルエンザ流行)も悪影響。 インフレは来年+1.6%に低下するが、高めの賃金上昇が続くため、コアは+2.2%と高止まり。 リスクは①地政学的背景などによるエネルギー価…
https://www.handelsblatt.com/politik/konjunktur/bahnstreik-kostet-fast-nichts-ausser-die-nerven/100020978.html?utm_source=sf&utm_medium=nl&utm_campaign=hb-eveningbriefing&utm_content=07032024&key=0031t00000QBKYoAAP 今日明日とドイツではまた長距離鉄道がストでマヒしていますが、ドイツ鉄道のストによるドイツ経済の損失は、ざっくり1日あたり1億ユーロと言われています。 今朝ハンデルスブラッ…
IfW(キール研、ドイツ5大研の一角)から新たなドイツ経済予測(上図の通り今年ははずか+0.1%成長、12月予想比▲0.8%下方修正)が発表されていますので、以下、そのエッセンスをご紹介します。 各種構造問題やECB利上げによるブレーキのため、ドイツ経済の低迷長期化。 実質可処分所得の増加(賃上げ+インフレ低下)に伴う個人消費の回復と海外ビジネスの緩やかな増加の2つが今後の景気回復の原動力として期待される。 しかしこれらの原動力は、以前の予想よりも弱く、かつその起動が遅れている。 2025年のGDPは、コロナ(6年)前の水準を2%上回るにとどまる。 経済低迷にもかかわらず労働市場は引き続き堅調…
20240306 ドイツの気になるデータ5選(PMI、輸出動向など)
①総合PMI~製造業、サービス業とも軟調で、GDPベースでかなりのマイナスペースとなっていることを示唆。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c3ca100bd86d4b528803a06337a6220f ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP3m/3m換算で前期比▲0.1%のモメンタム。経済省GDPナウキャストのQ1前期比予想は+0.1%、ifoCASTは▲0.24%であり、いずれにせよゼロ近傍の攻防となっている模様。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/kon…