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20241121 ドイツ最新ニュース速報(11月21日)~競争力低下/自信喪失など
https://www.ifo.de/en/publications/2024/article-journal/wettbewerbsfahigkeit-der-deutschen-industrie-im-freien-fall ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ifo研の製造業約2,000社に対するアンケートの結果、競争力低下の危機感が過去最悪レベルであることが判明(灰:世界市場、青:EU市場、水:国内市場における自社競争力認識のDI)。 フォンデアライエン2.0におけるEU委員メンバーが事実上確定。主要会派の合意形成を受けて来週の欧州議会本会議で委員全員が選出される見込み。 経済に専門性…
Konjunktur in Deutschland Publikationen der Bundesbank ドイツQ3GDPは前期比+0.2%と予想外のプラスとなったが、Q2分の▲0.2%pt下方修正や製造業(下図左)・建設業(同右)の低迷継続などもあり、見通しは依然として弱い。 個人消費は実質賃金大幅上昇の恩恵を受けたが、その後の労働市場の雲行きはますます不透明になっており、個人消費の伸びを鈍化させている可能性が高い。 期にわたる景気低迷で労働市場は冷え込んできたが、賃金は依然として大幅に上昇(下図左)している。 失業者が増加する中(下図右)、製造業では操短の導入も進んでいるが、まだそ…
20241105 ドイツ最新ニュース速報(11月5日)~SENTIX景況感指数など
https://www.sentix.de/index.php/component/option,com_sentixdb/Itemid,115/view,multichart/ ①【本日の注目点】 (冒頭図)SENTIX景況感指数:ドイツ分(11月、青)は▲31.5⇒▲29.8と低水準でほぼ横ばい。堅調を維持する日本分(赤)との格差広がったまま。 今年9月までを含むここ数年間、強制送還の6割強が当人の失踪や輸送上の問題などを理由に失敗。リソース不足や運用上の問題などが原因。 連立与党3党、ベルリンで経済・財政政策の方向性を巡る内部対立解消に向けて本日も危機対応的な協議を継続。連立委員会は明日…
20241029 ドイツ最新ニュース速報(10月29日)~フォルクスワーゲンの大リストラなど
①【本日の注目点】 (冒頭図)フォルクスワーゲン(VW)は国内10工場12万人のうち、3工場以上を閉鎖/数万人の削減を計画。IGメタルは金属・電機業界の一部(含むVW)で警告ストを開始。 ショルツ首相、官邸での産業サミットを本日開催(も、リントナー財務相、ハーベック経済相との連携感なく、あまり期待されていない)。 東独3州におけるBSW(極右ポピュリズム新党)との連立交渉、ウクライナ戦争と米ミサイル配備に関する共通スタンスの表現を模索しつつ、やや前進。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachri…
20241025 ドイツ最新ニュース速報(10月25日)~GDPナウキャストなど
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/11/11-konjunktur-bip-nowcast.html ①【本日の注目点】 税収見通し、今年▲90億ユーロ、 来年▲127億ユーロ、2024-28年累計で▲580億ユーロと、春時点での予測から大幅下振れを予想。来年度予算や「成長イニシアチブ」実現に向けて更なる逆風に。 (冒頭図)ドイツ経済省GDPナウキャスト(毎月下旬発表)、Q3前期比▲0.1%、Q4▲0.2%とマイナス成長継続を示唆。 ドイツ連銀10月月報経済分析:Q3GDPは前期…
以下、ドイツ連銀月報2024年10月号掲載の論文(下添リンク先)のエッセンス5点: https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-oktober-2024-935528?article=internationale-verflechtung-deutschlands-ueber-direktinvestitionen-aktuelle-entwicklungen-941662 ①海外からのドイツへの対内直接投資は急減速。(明確な因果関係は証明不…
20241015 ドイツ最新ニュース速報(10月15日)~DAX史上最高値更新など
DAX https://tradingeconomics.com/germany/stock-market ①【本日の注目点】 (冒頭図)ドイツ経済の不振長期化を横目に、DAXは19,500超えで史上最高値を更新。関連動画↓ youtu.be フランクフルト・ブックフェア、明日から一般公開。 ドイツ代表はネーションズリーグでオランダに1-0で勝利、予選突破。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick ③本日の注目データa) 中東紛争地域への航空旅客数…
ドイツの銀行システム特有の「3本柱(three pillars)構造」 ①民間商業銀行グループ(地銀や外銀を含む)、②公営貯蓄銀行グループ、③信用協同組合グループの3つから構成。 いずれもユニバーサルバンク(銀行業務だけでなく証券業務や信託業務なども展開可能)。 公的性格の強い貯蓄銀行や信組の相対的プレゼンスが強すぎて、民業(①)が圧迫されやすい構造となっている。 ●利ザヤ(黄)の長期的低下傾向は、ECBの利上げ(青)のおかげでいったん止まっている。ROE(灰)も8%台回復。 ●銀行数では信用協同組合が過半を占める。 ●現在1400ある銀行とその支店は今後もどんどん減少する見込み。 ●総資産で…
20240924 ドイツ駐在員/ドイツ語学習者 支援ツール(9月24日分)
【本日の注目点】 (冒頭写真)PMI(景気先行指標)は製造業、サービス業ともに弱く、景気回復の兆しが全く見えない。今年通年でマイナス成長に陥るリスク高まる。 月49ユーロで全国公共交通機関乗り放題のドイツチケット、来年から58ユーロに+18%値上げへ。 伊大手ウニクレディト銀はコメルツ銀株の21%まで引き上げた保有比率を今後29.9%まで引き上げたい意向。ドイツ政府は「敵対的だ」と不快感。 ドイツ政府は苦境が続くドイツ自動車業界を支援するため、EVへの買い替え補助金の再導入などを検討。但し、この種の補助制度が短期間のものになると、需要の先食いになったりかえって買い控えが起こるので逆効果。 ①ド…
20240919 ドイツ連銀9月月報経済分析部分のエッセンス
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-september-2024-928296?article=kurzberichte-konjunkturlage-und-oeffentliche-finanzen-935768 今回の月報の経済分析のポイントは以下の通り: ●Q3実質GDPは良くて横ばい、若干マイナスの恐れも。しかし(最悪な状態の今でもそんな感じなので)、長期にわたる大幅マイナス成長の可能性は低い。グラフ左は実質GDPの水準推移…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-september-2024-928296?article=die-ertragslage-der-deutschen-kreditinstitute-im-jahr-2023-929542ドイツ連銀は毎年の月報9月号で前年の銀行財務状況を分析している(ドイツの銀行の大半が非上場なので、この種のデータはここでしか得られない)。今回の【ポイント】は以下の通り: ドイツの銀行の収益は、ECB利上げによる…
20240916 ドイツ駐在員/ドイツ語学習者 支援ツール(9月16日分)
【本日の注目点】 (冒頭写真)国境監視強化が西側(オランダ、ルクセンブルク側)に拡大。 コメルツ銀政府保有株4.5%の伊大手銀ウニクレディトへの売却を、野党CDU党首が安売りし過ぎと批判。 フロリダのゴルフ場でトランプ暗殺未遂事件が再び発生(トランプ氏は無傷、容疑者は逮捕)。 ①ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick ②本日の注目データ~以下、週次SENTIXサーベイより:a) 欧州産業セクター別評価~車、商業、建設に弱気、医薬、公共、テレコム、IT…
20240910 ドイツの気になるデータ5選(SENTIX景況指数など)
①SENTIX景況指数~ユーロ圏は現況(青)/期待(赤)ともマイナス圏内で下向き。ECB追加利下げを正当化。 (サブスクでなければグラフ/長期データは手に入らないが)ドイツの現況/期待ともfree fall 状態。 https://www.sentix.de/index.php/sentix-Economic-Factsheets/konjunktur-auf-einen-blick.html ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~電力消費やクレカ決済などのリアルタイムデータをベースにする実験的GDPナウキャストである本WAIは引き続き堅調。実質GDP3m/3mモメンタムで前期比+0.7%ペ…
20240902 ドイツの気になるデータ5選(製造業と個人消費の不振長期化など)
①製造業PMI(8月確報)~輸出を含む受注が足元かなり弱い模様(恐らく中国経済の低迷が主因)で、回復の兆しが全く見られない。ユーロ圏(下)でも同様に弱く、ECBの追加利下げを後押し。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/deae6d724c93450ca36fab799d9e1ac4 ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~他の景気先行指標類が軒並み弱いのに対し、リアルタイムデータ(電力消費量、物流・人出など)をベースとするWAIは引き続き堅調(実質GDP3m/3mモメンタムで+0.7%)。 https://www.bun…
20240827 ドイツの気になるデータ5選(対中直投急増など)
①対中直接投資~今年1~6月の半年だけで72.8億ユーロ(約1.2兆円相当)と昨年比倍増のハイペース。現地ビジネスで上げた利益の再投資が中心ではあるものの、ドイツ政府が企業に呼びかけているデリスキングとは真逆の状況。他国が対中直投を急減させている流れとも逆行している。 (ご興味のある方は上記グラフのソースでもあるこちら↓の記事をWEB翻訳で) https://www.dw.com/en/germanys-investments-in-china-increase-despite-warnings/a-69957810?maca=en-newsletter_en_bulletin-2097-xm…
www.bmwk.de ドイツ経済の現状とドイツ経済当局の問題意識を確認する上では、毎月月央から下旬にかけて発表されるドイツ経済省経済月報(本件)と以下ドイツ連銀月報経済分析部分の両方を確認(定点観測)するのがベスト。 dateno.hatenablog.com ドイツ経済省8月経済月報のエッセンスは以下の通り: Q2(4-6月期)実質GDPは前期比▲0.1 %と減少。年前半の景気回復への期待は裏切られている。 世界経済は回復しているが、ドイツの輸出は期待外れに弱い。改善の兆しも今のところ見られない。 PMI、ifo、ZEWなどの景気先行指標はいずれも不振で、当面、景気回復の見通しは立っていな…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-august-2024-934662 8月のドイツ連銀月報の経済分析のエッセンスは以下の通り: 世界経済は緩やかな成長とマイルドなディスインフレを継続。 米国では景気後退懸念と利下げ期待が急浮上。株価は一時急落したがその後落ち着き。 ECBは6月に利下げを開始したが、将来の利下げ軌道を約束するものではなく、利下げは今後のデータ次第。 ユーロ圏のM3は急回復。 ドイツ経済は4-6月期予想外にマイナス成…
20240722 ドイツ連銀7月月報経済分析部分のエッセンス
Kurzbericht: Konjunkturlage Deutsche Bundesbank 本日発表されたドイツ連銀7月月報の「Kurzbericht」部分のエッセンスは以下の通り: ドイツ経済回復への期待は最近の統計の弱さで裏切られている。 足元の景気の走りは、6月時点の想定(下添)を下回っている。 dateno.hatenablog.com 製造業の受注(下)と生産(上)は予想外の低迷が続き、期待外れ(但し、車とエネルギー集約型産業は善戦)。 サービスや個人消費についてのQ2のデータはまだほとんど出ていないが、サーベイ類(例えば下添サービス業PMI)を見る限り比較的しっかりしており…
20240708 ドイツの気になるデータ5選(不良債権比率など)
①EU銀行国別不良債権比率(2024Q1)~ドイツ(DE)では昨年Q4から上昇、足元1.32%。オーストリア(AT)も最近上昇傾向。水準的にまだ懸念すべき状況ではないが、今後もしばらく上昇が続く見込み。 https://www.scoperatings.com/ScopeRatingsApi/api/downloadstudy?id=9a6589fc-9f35-45cc-aee0-ea60924ea1d9&utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz--5tyQJhojLOCH0XBKHgA9LdU9rlvUdPSq9Gfz3vjv2wM_fv8LK07ibQ2n5Y1x5M…
www.bundesbank.de ドイツ連銀の報告書「ドイツにおける決済行動 2023年版」(上添リンク)~2023年9~11月、18歳以上のドイツ市民5,698人対象~のエッセンスは以下の通り。 ●決済件数(左)でも金額(右)でも、前回調査(2021年)比、現金(黄)のシェア減少(▲7%/▲4%)。キャッシュレス決済のメインは引き続きデビットカード(紫)だが、携帯決済(青)の増加が目立つ。家賃やサブスクなどの定期的引き落としに使われる口座引き落とし(橙)は、件数が少ない割に金額でのシェアが大きい。日本と違ってクレカ(緑)のシェアは大きくない。 ●現金での支払いは大半の支払い場所(95%)で…
20240625 ドイツの気になるデータ5選(賃金交渉動向一覧表など)
①賃金交渉動向~今年もマクロ経済全体で+5~6%の名目賃金上昇が見込まれている(インフレは2.5%程度なので実質賃金は+3%ペース)。 これまでの妥結状況 やや遅れて確認できる実際の賃金上昇率は、今年第1四半期時点で前年同期比名目+6.4%(インフレ差し引き後の実質ベースでも+3.8%)とかなりの上昇となっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/05/PD24_211_62321.html ②建設受注(4月)~前月比▲1.5%(青線)、トレンド(赤線)としても弱い。ECBの利上げで急減速した後、なかなか立ち直…
20240611 ドイツの気になるデータ5選(景気先行指標類を中心に)
①ifoCAST~Q2(上)は前期比+0.37%、Q3(下)は+0.46%の予想。足元のゼロ成長ペースを抜け出し、当面順調な回復が続きそうな感触。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP四半期換算ベースで、足元モメンタム(3m/3m)は前期比+0.4%まで上昇。最近急速な改善が続いている。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③SENTIX景況感指数(6月)~ユーロ圏にラ…
20240607 ドイツ連銀、独インフレのかなりの上振れを覚悟
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/deutschland-prognose-deutsche-wirtschaft-fasst-langsam-wieder-tritt-perspektiven-bis-2026-932984 先ほど発表されたドイツ連銀の半年毎(6/12月)のドイツ経済予測アップデートのエッセンスは以下の通り。ドイツのインフレ(HICPベース)がかなり高止まりすると見ている模様。 GDPとインフレの予想ヘッドラインは冒頭図の通り。GDP軌道は…
市場予想通り、本日(6/6)ECBは0.25%政策金利(下図はRefi金利)を引き下げ。 金融緩和は2019年9月以来ほぼ5年ぶり。 市場には完全に織り込まれており、市場はほとんど反応しなかった(少し金利上昇/ユーロ高に振れた程度)。 インフレが十分減速してきたので、(GDPも冴えないし)引き締め度合いをそろそろ少し緩めておこうというのが今回の利下げの主旨。 但し、中立金利の位置や利下げ後も残っている引き締め度合いの具体的イメージについては明らかにされていない。 インフレ予想を(小幅ながらも)引き上げている(冒頭図)のになぜ(それほど切迫しているとは思えない)利下げをなぜ今断行するのか、という…
20240605 ドイツの気になるデータ5選(総合PMI、エネルギー価格など)
①総合PMI(5月)~GDP前期比プラスが期待できるレベルにまで回復。欧州他国比遜色ない勢いを保っているサービス業が主導。受注の改善やインフレ圧力低下も朗報。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/9aaba5521d7141e1b5a90595ec323329 ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~やや弱弱しいながらも実質GDP前期比+0.2%程度のモメンタムを維持。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher…
20240514 ドイツの気になるデータ5選(CPI、ユーロ円など)
①CPI内のエネルギー価格~前年比ではかなり落ち着いているものの、ウクライナ侵攻前よりは切り上がったままの高水準が続いている。 (赤:ガソリン、青:電気、黒:ガス、桃:暖房油) https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/05/PD24_188_611.html ②HICPシミュレーション~5月は昨年の水準が低いので前年比が高く出やすい。直近3ヶ月、前月比+0.6%と強い上昇が続いている点が非常に気がかり。 ③ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~四半期実質GDP換算前期比(3m/3m)ベースで▲0.1%と軟調継続。 ht…
20240513ドイツの銀行1403行/19501支店に激減
本日ドイツ連銀から発表された銀行拠点数統計によると、2023年末時点でドイツの銀行数は昨年中にネット55行減少(8行増加/63行減少)して1,403行、支店数は945減少して19,501支店となっている。 www.bundesbank.de 過当競争やデジタル化の進展などを背景に、銀行数/支店数の減少トレンドはまだまだ続く見込み。 ①銀行数:7)信用組合の減少が▲39行と減少分の大半を占めている。減少率では▲9.6%⇒▲4.0%⇒▲3.8%と減速してはいるものの、統廃合などを通じた銀行数の減少自体が止まる気配はない。 ②支店数:支店数減少分の大半は、5)貯蓄銀行の▲361、 7)信用組合の▲3…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=kurzberichte-928518 本日発表されたドイツ連銀月報(今回からWEB上で見やすくなっている/ドイツ連銀がどの指標をどんなグラフで見ているかがわかる)の経済分析部分(Kurzberichte)のエッセンスを以下紹介する。 ●鉱工業生産、建設生産、輸出が思ったより強かったため、実質国内総生産 (GDP)は第 1 四半期にわずかに増加した…
20240405 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注、HICPなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~2024年第一四半期実質GDP換算(統計発表は4/30)で前期比+0.2%まで急回復!実際の着地がプラスかマイナスか微妙な情勢。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②製造業受注(2月)~前月比+0.2%と、1月の▲11.4%からの反動としてはかなり弱め。除く大口受注ベース(下図薄赤)でも減少トレンド継続。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilu…
20240402 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ連銀HPより)
今回はこちら(ドイツ連銀HPの統計サイト)から重要なデータ(インデックス/水準の推移をチェックできる)を5つピックアップしてご紹介します。 www.bundesbank.de ①(経営サイドから見た時給ベースでの)労働コスト(2023Q4)~前期比+1.2%/前年同期比+2.5%と上昇トレンド継続。今年もこの程度の上昇が継続する見込み(リスクは上振れ方向)。 <EU全体のデータはこちら> https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php?title=Labour_cost_index_-_recent_trends ②製造…
20240313 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、CPIなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元の実質GDPモメンタム(3m/3m)は▲0.3%まで急低下。ちなみに、ドイツ経済省の2024/Q1のGDPナウキャストは前期比+0.1%。ifoCASTは同▲0.52%。ドイツ銀行の予想は同▲0.2%、総合PMIはかなりの大幅マイナス示唆となっている。2024/Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②インフレ2月確報~2020年平均(ほぼコロナ前の水準と考えてよい)…
https://www.bundesbank.de/en/statistics/sets-of-indicators/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market-795270 掲題についてのドイツ連銀のデータがアップデートされましたので、そのエッセンスを以下ご紹介します(少なくともドイツ連銀がどんなデータを重視して見ているかが把握できます)。 ●商業用不動産価格は小売店舗用物件を中心にピー…
先週末、ドイツ連銀から直近データが発表されましたのでご紹介します。 ●ドイツには複数の住宅価格データ(四半期ベース)が存在するものの、いずれも2010年から2倍くらいに上昇し、(大都市ほど上昇幅大)概ねピーク時から5%~1割程度下落している。 https://www.bundesbank.de/en/statistics/sets-of-indicators/system-of-indicators-for-the-german-residential-property-market/system-of-indicators-for-the-german-residential-propert…
20240306 ドイツの気になるデータ5選(PMI、輸出動向など)
①総合PMI~製造業、サービス業とも軟調で、GDPベースでかなりのマイナスペースとなっていることを示唆。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c3ca100bd86d4b528803a06337a6220f ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP3m/3m換算で前期比▲0.1%のモメンタム。経済省GDPナウキャストのQ1前期比予想は+0.1%、ifoCASTは▲0.24%であり、いずれにせよゼロ近傍の攻防となっている模様。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/kon…
ドイツ連銀HPの不動産価格データが更新されたのでチェックしておきます(説明は筆者分析)。 www.bundesbank.de ①住宅用不動産価格~2023年は前年比▲4.6%/2004年比+127%(この間CPIは、各+5.9%/+46%)。 低金利と住宅不足を背景に住宅価格は上昇を続けてきたが、高価格(環境対策も影響)+利上げ後の住宅ローン金利負担増大(下添④)で住宅購入者減少⇒住宅価格小反落。 購入を断念した人々が賃貸に流れたため、新規契約家賃は昨年5~7%と強い上昇となった。 まだ15~20%程度過大評価となっている可能性高いが、大量の移民流入を背景とする強い住宅需要と人手・建設資材不足…
www.bundesbank.de 昨日発表されたドイツ連銀2月月報の経済分析部分のエッセンスは以下の通りです: 景気低迷とディスインフレーションの流れが続いている。 コロナ後にたまった受注残はまだ高水準にあるものの、長期にわたる受注低迷(37%の製造業企業が受注不足を実感)が生産を一段と慎重化させている。 外需の回復もまだ手ごたえがない。 加えて利上げによる資金調達コスト増加と財政緊縮で投資も減少。 冬場の悪天候(北部では長雨で洪水発生)も、建設業に逆風となった。 繰り返される鉄道や空港のストライキもダメージになる可能性あり。 インフレ低下、堅調な労働市場、力強い賃金の伸びが個人消費を支えて…
20240213 ドイツの気になるデータ5選(ZEW、SENTIXなど)
①ZEW景況感指数(1月)~期待指数(赤)は+19.9と市場予想以上に改善する一方、現況指数(緑)は▲81.7と市場予想以上に一段の悪化。欧米中銀の利下げが心待ちにされている状況。 https://www.zew.de/presse/pressearchiv/lageeinschaetzung-auf-tiefstem-wert-seit-juni-2020 ②SENTIX投資家景況感~上記ZEW同様、将来に対する期待は悪くないが、現況は悲惨なまま。 投資家相場サーベイでは、米欧株に「過度の楽観」「ロング蓄積」⇒売り警戒シグナル点灯中(中国株や米欧国債には「売られ過ぎ」⇒買いシグナル)。 ③ド…
ドイツの1月HICP速報は前月比▲0.2%/前年同月比+3.1%と、市場予想比良好な内容となっていました。 下図の通り、前月比の基調はマイナスであり、これまでの利上げと足元のドイツ経済不振(PPI低下に顕著)の影響が顕在化した格好になっています。 Germany Harmonised Inflation Rate MoM ①前年同月比で見た1月の発射台が+3.1%と思っていたほど高くなく、②当面は前年の水準が高かったことによるベーシス効果も効いてくることから、今後4月頃までは前月比+0.4%が続いても前年同月比は2%割れに向けて急低下しているように見える(ECB利下げの背中が押される)局面に入…
20240130 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト類、インフル流行度合いなど)
①ドイツ経済省GDPナウキャスト~2024Q1は前期比+0.1%予想。(2023Q4は前期比▲0.3%で着地する見込み)。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/02/11-konjunktur-bip-nowcast.html ②ifoCAST~2024年Q1は前期比▲0.21%の予想(今回大幅に悪化)。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ③ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元のGDP換算3m/3mモメンタム+0.54%。但し、ドイツ連銀は1月月報で…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/920552/c9c89e23644dee70a9db8691087b8aa3/mL/2024-01-monatsbericht-data.pdf 欧州中央銀行(ECB)のドイツ担当支店であるドイツ連銀(Deutsche Bundesbank)が毎月20日頃に発表している月報(Monatsbericht)の経済分析部分(Kurzberichte/Konjunkturlage)のエッセンスを以下まとめておきます。 2024年第1四半期GDPは良くて前期比横ばい(マイナス継続可能性大) 外需が弱く、金利/借入コストの上…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/844970/a5a1f26d59d1e1ef7c4f33786fada36b/mL/2024-01-china-data.pdf 本日発表されたドイツ連銀月報の中に、ドイツ経済の対中依存問題についての分析レポートが出ていましたので、そのポイントをご紹介します。 中国が2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、ドイツは経済面で中国とますます緊密な関係を築き、中国経済の成長から大きな恩恵を受けてきた。 しかし、今やこうした相互依存関係に対するリスクが高まっている。 中国は現在、(バブル崩壊で)大きな経済問題に…
20240115 ドイツの気になるデータ5選(2023年GDP、政治家ランキング、政党別支持率など)
①実質GDP(2023年通年)~市場の予想通り前年比▲0.3%で着地。但し名目成長は+6.3%(2022年は+7.2%)と非常に高く(高インフレのせいだけで実質ベースでマイナスに転じている)、売上げを落としてよい言い訳にはならない。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_019_811.html ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~若干のプラス成長モメンタムを回復。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woe…
20240109 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注、生産など)
①製造業受注~11月前月比+0.3%/前年同月比▲4.4%と冴えない展開継続(下図では総合:赤、国内:黒、海外:青)。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_007_421.html ②鉱工業生産~11月前月比▲0.7%/前年同月比▲4.8%と低調。コロナ前の2018年あたりから長期的低下トレンドにある。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_010_421.html 前月比でこれほどマイナスが続くことは珍し…
①ドイツ経済省〜Q4前期比▲0.4%、Q1+0.2% https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/01/10-konjunktur-bip-nowcast.html ②ドイツ連銀(WAI)〜Q4前期比+0.1% https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③ifo研(ifoCAST)Q4前期比▲0.53%、Q1+0.12% https://www…
●現在交渉中/来年以降交渉開始の主なものを一覧表にしたのがこちらです。 (対象人数は少ないですが)鉄道運転士の労使交渉は、ストを繰り返しつつ前進感なく難航し続けており、年明けの鉄道麻痺リスクが心配されています。 来年注目すべき大口ラウンドは、9月の金属・電機(週休3月制警戒)、12月の公務員となっています。 ●ドイツ連銀は直近経済予想の中で、賃金について以下のようなマクロ予想を提示: 一人当たり賃金(名目)は高水準の上昇が来年まで続き、2025年以降、インフレ目標2%と整合的な3%程度の巡航速度に落ち着く見込み。 2023年 / 2024年 / 2025年 / 2026年 協定上の賃金: +4…
20231224 独経済専門誌(Wiwo)の2024年ドイツ経済展望
ドイツ経済専門誌「Wirtschaftwoche」(ヴィルトシャフト・ヴォッヘ)の2024年経済展望特集部分のエッセンスをご紹介します。 https://www.wiwo.de/my/politik/konjunktur/konjunkturausblick-das-sind-2024-die-groessten-risiken-und-chancen-fuer-die-deutsche-wirtschaft/29569180.html 多くのドイツ企業が、投資をするなら海外でと考え始めている。 高どまるエネルギーコスト、激しく上昇する賃金/人手不足、経済政策迷走、高い金利と税・社保負担、官僚…
20231218 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、政党別支持率など)
①ifoCAST(GDPナウキャストの一種)~今年Q4の四半期実質GDP前期比▲0.53%(上)、来年Q1+0.12%(下)。 次のWAIよりはもっともらしそうな予測。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元実質GDP前期比+0.4%ペースを示唆(他の景気先行指標が軒並み弱い中、これだけ例外的に強い)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③住宅着工許可件数~10月単月では前年…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/920564/3a4da07c9388556019fb8e296fcde7bb/mL/2023-12-ertragslage-data.pdf 本日発表されたドイツ連銀月12月報に、2022年のドイツ企業(除く金融)の財務状況についてのマクロ分析が掲載されていましたので、そのエッセンスをごくごく簡潔にまとめてご紹介します。 <ポイント> 2022年は、企業がエネルギー危機とインフレへの対応に追われた年 企業は価格転嫁に成功(売上増加)し、利益率はあまり低下せず エネルギー危機(コスト高)の影響は化学・製薬で顕著(そ…
https://www.bundesbank.de/de/presse/pressenotizen/deutschland-prognose-der-bundesbank-sinkende-inflation-aber-noch-keine-entwarnung-920336 つい先ほど、ドイツ連銀(Bundesbank)から2026年までのドイツ経済見通しが発表されました。2026年までのマクロ計数を発表しているのは、これとIMFの世界経済見通し(10月)くらいだと思います。 現時点でドイツ経済に関して最も権威ある経済予測ですので、来年の予算や計画を策定する際のベース(マクロデータ)としてご…
20231205 ドイツの気になるデータ5選(SENTIX、日本人ブンデスリーガなど)
①SENTIX(市場参加者の景況感)~ユーロ圏の期待(赤線)はやや回復も、現状(青線)は低迷継続。景気回復の兆しとしてはまだかなり弱い。 ドイツは現況(中)も期待(下)も低迷継続(上:総合)。 ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~引き続き四半期実質GDP換算で前期比+0.5%ペースと堅調(GDPナウキャスト系ではこれだけ突出して強い)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③自動車事故統計(2022年)~計309千件、うち57%が運転手の…