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https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=kurzberichte-928518 本日発表されたドイツ連銀月報(今回からWEB上で見やすくなっている/ドイツ連銀がどの指標をどんなグラフで見ているかがわかる)の経済分析部分(Kurzberichte)のエッセンスを以下紹介する。 ●鉱工業生産、建設生産、輸出が思ったより強かったため、実質国内総生産 (GDP)は第 1 四半期にわずかに増加した…
20240405 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注、HICPなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~2024年第一四半期実質GDP換算(統計発表は4/30)で前期比+0.2%まで急回復!実際の着地がプラスかマイナスか微妙な情勢。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②製造業受注(2月)~前月比+0.2%と、1月の▲11.4%からの反動としてはかなり弱め。除く大口受注ベース(下図薄赤)でも減少トレンド継続。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilu…
20240402 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ連銀HPより)
今回はこちら(ドイツ連銀HPの統計サイト)から重要なデータ(インデックス/水準の推移をチェックできる)を5つピックアップしてご紹介します。 www.bundesbank.de ①(経営サイドから見た時給ベースでの)労働コスト(2023Q4)~前期比+1.2%/前年同期比+2.5%と上昇トレンド継続。今年もこの程度の上昇が継続する見込み(リスクは上振れ方向)。 <EU全体のデータはこちら> https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php?title=Labour_cost_index_-_recent_trends ②製造…
20240313 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、CPIなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元の実質GDPモメンタム(3m/3m)は▲0.3%まで急低下。ちなみに、ドイツ経済省の2024/Q1のGDPナウキャストは前期比+0.1%。ifoCASTは同▲0.52%。ドイツ銀行の予想は同▲0.2%、総合PMIはかなりの大幅マイナス示唆となっている。2024/Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②インフレ2月確報~2020年平均(ほぼコロナ前の水準と考えてよい)…
https://www.bundesbank.de/en/statistics/sets-of-indicators/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market-795270 掲題についてのドイツ連銀のデータがアップデートされましたので、そのエッセンスを以下ご紹介します(少なくともドイツ連銀がどんなデータを重視して見ているかが把握できます)。 ●商業用不動産価格は小売店舗用物件を中心にピー…
先週末、ドイツ連銀から直近データが発表されましたのでご紹介します。 ●ドイツには複数の住宅価格データ(四半期ベース)が存在するものの、いずれも2010年から2倍くらいに上昇し、(大都市ほど上昇幅大)概ねピーク時から5%~1割程度下落している。 https://www.bundesbank.de/en/statistics/sets-of-indicators/system-of-indicators-for-the-german-residential-property-market/system-of-indicators-for-the-german-residential-propert…
20240306 ドイツの気になるデータ5選(PMI、輸出動向など)
①総合PMI~製造業、サービス業とも軟調で、GDPベースでかなりのマイナスペースとなっていることを示唆。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c3ca100bd86d4b528803a06337a6220f ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP3m/3m換算で前期比▲0.1%のモメンタム。経済省GDPナウキャストのQ1前期比予想は+0.1%、ifoCASTは▲0.24%であり、いずれにせよゼロ近傍の攻防となっている模様。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/kon…
ドイツ連銀HPの不動産価格データが更新されたのでチェックしておきます(説明は筆者分析)。 www.bundesbank.de ①住宅用不動産価格~2023年は前年比▲4.6%/2004年比+127%(この間CPIは、各+5.9%/+46%)。 低金利と住宅不足を背景に住宅価格は上昇を続けてきたが、高価格(環境対策も影響)+利上げ後の住宅ローン金利負担増大(下添④)で住宅購入者減少⇒住宅価格小反落。 購入を断念した人々が賃貸に流れたため、新規契約家賃は昨年5~7%と強い上昇となった。 まだ15~20%程度過大評価となっている可能性高いが、大量の移民流入を背景とする強い住宅需要と人手・建設資材不足…
www.bundesbank.de 昨日発表されたドイツ連銀2月月報の経済分析部分のエッセンスは以下の通りです: 景気低迷とディスインフレーションの流れが続いている。 コロナ後にたまった受注残はまだ高水準にあるものの、長期にわたる受注低迷(37%の製造業企業が受注不足を実感)が生産を一段と慎重化させている。 外需の回復もまだ手ごたえがない。 加えて利上げによる資金調達コスト増加と財政緊縮で投資も減少。 冬場の悪天候(北部では長雨で洪水発生)も、建設業に逆風となった。 繰り返される鉄道や空港のストライキもダメージになる可能性あり。 インフレ低下、堅調な労働市場、力強い賃金の伸びが個人消費を支えて…
20240213 ドイツの気になるデータ5選(ZEW、SENTIXなど)
①ZEW景況感指数(1月)~期待指数(赤)は+19.9と市場予想以上に改善する一方、現況指数(緑)は▲81.7と市場予想以上に一段の悪化。欧米中銀の利下げが心待ちにされている状況。 https://www.zew.de/presse/pressearchiv/lageeinschaetzung-auf-tiefstem-wert-seit-juni-2020 ②SENTIX投資家景況感~上記ZEW同様、将来に対する期待は悪くないが、現況は悲惨なまま。 投資家相場サーベイでは、米欧株に「過度の楽観」「ロング蓄積」⇒売り警戒シグナル点灯中(中国株や米欧国債には「売られ過ぎ」⇒買いシグナル)。 ③ド…
ドイツの1月HICP速報は前月比▲0.2%/前年同月比+3.1%と、市場予想比良好な内容となっていました。 下図の通り、前月比の基調はマイナスであり、これまでの利上げと足元のドイツ経済不振(PPI低下に顕著)の影響が顕在化した格好になっています。 Germany Harmonised Inflation Rate MoM ①前年同月比で見た1月の発射台が+3.1%と思っていたほど高くなく、②当面は前年の水準が高かったことによるベーシス効果も効いてくることから、今後4月頃までは前月比+0.4%が続いても前年同月比は2%割れに向けて急低下しているように見える(ECB利下げの背中が押される)局面に入…
20240130 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト類、インフル流行度合いなど)
①ドイツ経済省GDPナウキャスト~2024Q1は前期比+0.1%予想。(2023Q4は前期比▲0.3%で着地する見込み)。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/02/11-konjunktur-bip-nowcast.html ②ifoCAST~2024年Q1は前期比▲0.21%の予想(今回大幅に悪化)。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ③ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元のGDP換算3m/3mモメンタム+0.54%。但し、ドイツ連銀は1月月報で…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/920552/c9c89e23644dee70a9db8691087b8aa3/mL/2024-01-monatsbericht-data.pdf 欧州中央銀行(ECB)のドイツ担当支店であるドイツ連銀(Deutsche Bundesbank)が毎月20日頃に発表している月報(Monatsbericht)の経済分析部分(Kurzberichte/Konjunkturlage)のエッセンスを以下まとめておきます。 2024年第1四半期GDPは良くて前期比横ばい(マイナス継続可能性大) 外需が弱く、金利/借入コストの上…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/844970/a5a1f26d59d1e1ef7c4f33786fada36b/mL/2024-01-china-data.pdf 本日発表されたドイツ連銀月報の中に、ドイツ経済の対中依存問題についての分析レポートが出ていましたので、そのポイントをご紹介します。 中国が2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、ドイツは経済面で中国とますます緊密な関係を築き、中国経済の成長から大きな恩恵を受けてきた。 しかし、今やこうした相互依存関係に対するリスクが高まっている。 中国は現在、(バブル崩壊で)大きな経済問題に…
20240115 ドイツの気になるデータ5選(2023年GDP、政治家ランキング、政党別支持率など)
①実質GDP(2023年通年)~市場の予想通り前年比▲0.3%で着地。但し名目成長は+6.3%(2022年は+7.2%)と非常に高く(高インフレのせいだけで実質ベースでマイナスに転じている)、売上げを落としてよい言い訳にはならない。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_019_811.html ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~若干のプラス成長モメンタムを回復。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woe…
20240109 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注、生産など)
①製造業受注~11月前月比+0.3%/前年同月比▲4.4%と冴えない展開継続(下図では総合:赤、国内:黒、海外:青)。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_007_421.html ②鉱工業生産~11月前月比▲0.7%/前年同月比▲4.8%と低調。コロナ前の2018年あたりから長期的低下トレンドにある。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_010_421.html 前月比でこれほどマイナスが続くことは珍し…
①ドイツ経済省〜Q4前期比▲0.4%、Q1+0.2% https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/01/10-konjunktur-bip-nowcast.html ②ドイツ連銀(WAI)〜Q4前期比+0.1% https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③ifo研(ifoCAST)Q4前期比▲0.53%、Q1+0.12% https://www…
●現在交渉中/来年以降交渉開始の主なものを一覧表にしたのがこちらです。 (対象人数は少ないですが)鉄道運転士の労使交渉は、ストを繰り返しつつ前進感なく難航し続けており、年明けの鉄道麻痺リスクが心配されています。 来年注目すべき大口ラウンドは、9月の金属・電機(週休3月制警戒)、12月の公務員となっています。 ●ドイツ連銀は直近経済予想の中で、賃金について以下のようなマクロ予想を提示: 一人当たり賃金(名目)は高水準の上昇が来年まで続き、2025年以降、インフレ目標2%と整合的な3%程度の巡航速度に落ち着く見込み。 2023年 / 2024年 / 2025年 / 2026年 協定上の賃金: +4…
20231224 独経済専門誌(Wiwo)の2024年ドイツ経済展望
ドイツ経済専門誌「Wirtschaftwoche」(ヴィルトシャフト・ヴォッヘ)の2024年経済展望特集部分のエッセンスをご紹介します。 https://www.wiwo.de/my/politik/konjunktur/konjunkturausblick-das-sind-2024-die-groessten-risiken-und-chancen-fuer-die-deutsche-wirtschaft/29569180.html 多くのドイツ企業が、投資をするなら海外でと考え始めている。 高どまるエネルギーコスト、激しく上昇する賃金/人手不足、経済政策迷走、高い金利と税・社保負担、官僚…
20231218 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、政党別支持率など)
①ifoCAST(GDPナウキャストの一種)~今年Q4の四半期実質GDP前期比▲0.53%(上)、来年Q1+0.12%(下)。 次のWAIよりはもっともらしそうな予測。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元実質GDP前期比+0.4%ペースを示唆(他の景気先行指標が軒並み弱い中、これだけ例外的に強い)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③住宅着工許可件数~10月単月では前年…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/920564/3a4da07c9388556019fb8e296fcde7bb/mL/2023-12-ertragslage-data.pdf 本日発表されたドイツ連銀月12月報に、2022年のドイツ企業(除く金融)の財務状況についてのマクロ分析が掲載されていましたので、そのエッセンスをごくごく簡潔にまとめてご紹介します。 <ポイント> 2022年は、企業がエネルギー危機とインフレへの対応に追われた年 企業は価格転嫁に成功(売上増加)し、利益率はあまり低下せず エネルギー危機(コスト高)の影響は化学・製薬で顕著(そ…
https://www.bundesbank.de/de/presse/pressenotizen/deutschland-prognose-der-bundesbank-sinkende-inflation-aber-noch-keine-entwarnung-920336 つい先ほど、ドイツ連銀(Bundesbank)から2026年までのドイツ経済見通しが発表されました。2026年までのマクロ計数を発表しているのは、これとIMFの世界経済見通し(10月)くらいだと思います。 現時点でドイツ経済に関して最も権威ある経済予測ですので、来年の予算や計画を策定する際のベース(マクロデータ)としてご…
20231205 ドイツの気になるデータ5選(SENTIX、日本人ブンデスリーガなど)
①SENTIX(市場参加者の景況感)~ユーロ圏の期待(赤線)はやや回復も、現状(青線)は低迷継続。景気回復の兆しとしてはまだかなり弱い。 ドイツは現況(中)も期待(下)も低迷継続(上:総合)。 ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~引き続き四半期実質GDP換算で前期比+0.5%ペースと堅調(GDPナウキャスト系ではこれだけ突出して強い)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③自動車事故統計(2022年)~計309千件、うち57%が運転手の…
20231127 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト類、ドイツ企業のAI活用度など)
①ドイツ経済省GDPナウキャスト~今年Q4(青)は前期比▲0.3%、来年Q1(赤)は同+0.1%。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Publikationen/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/schlaglichter-der-wirtschaftspolitik-12-2023.pdf?__blob=publicationFile&v=9 ②ifoCAST(ifo研のGDPナウキャスト)~今年Q4(上)は前期比+0.05%、来年Q1(下)は同+0.09%。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST …
20231124 ドイツの気になるデータ5選(GDP、不動産価格など)
①Q3GDP(確報)~速報から変動なし。2015年=100とするインデックスベースで、2002年通年:108.03、2023年Q1:107.86(前期比-0.0%)、Q2:108.01(+0.1%)、Q3:107.87(-0.1%)とほぼ横ばい/低迷が続いています。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/11/PD23_451_811.html ②ドル建て名目GDP国際比較(IMF)~米国、中国、日本、ドイツ、インド(右図は下位3か国を拡大したもの)の2000年から2028年までのIMFデータをグラフ化してあります。…
https://www.bundesbank.de/de/aufgaben/themen/finanzstabilitaetsbericht-918354 ドイツ連銀から今年分の金融安定報告書が発表され、有益なデータも見せてくれていましたので、そのエッセンスをまとめておきます。 今局面の特徴は、金利急上昇と不透明性の増大。 ドイツの金融システムはこれまでのところ金利上昇にうまく対処し、財務体質改善にうまく結びつけている。 今のうちに、自己資本と流動性を充実させ、特にサイバーリスクなどへの対応力をしっかり高めていって欲しい。 急速な金利上昇の影響が出てくるのはむしろこれからであり、リスクを過小評…
20231120 ドイツ連銀/経済省それぞれの月報のエッセンス
毎月この二つを読み合わせておけば、ドイツ経済の変調を見落とすことはないと思って続けているものです。 ①ドイツ連銀月報のエッセンス https://www.bundesbank.de/de/publikationen/berichte/monatsberichte/monatsbericht-november-2023-918674 10月インフレはエネルギー価格の低下(+前年からのベーシス効果)で急低下したが、今後数か月はさほど下がらない見込み(筆者注:一番下のグラフご参照)。 雇用は引き続き堅調、かつ大幅な賃上げ(昇給+インフレボーナス)が進行中で、実質賃金もプラスに転じてきたが、消費者は依…
20231114 ドイツの気になるデータ5選(年末商戦、企業倒産など)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~改善継続。実質GDP四半期前期比で+0.6%ペース。ドイツの数ある統計の中で足元唯一の明るい指標。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②ドイツ小売業協会(HDE)年末商戦予想~11+12月小売売上は名目+1.5%/実質▲5.5%と低迷予想。インフレ/不景気に加えて中東危機もマインド悪化に寄与。 https://einzelhandel.de/presse/aktuellemeldungen/14324…
20231107 ドイツの気になるデータ5選(ifoCAST、鉱工業生産、SENTIXなど)
①ifoCAST(ifoのGDPナウキャスト)~Q4は前期比▲0.02%(市場は結構なマイナスが不可避と思っている)。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ちなみにこのifoCASTが当たれば、通年▲0.12%と市場予想(▲0.4~▲0.5%)よりマシな着地に。 ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~他の指標と異なり、結構好調。四半期GDP換算で前期比+0.3%ペースまで急回復。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex …
https://www.bundesbank.de/de/publikationen/berichte/monatsberichte/monatsbericht-oktober-2023-912962 今月(2023年10月)のドイツ連銀(BUBA)月報のエッセンスは以下の通りです。 2023年第3四半期の実質GDPは前期比で若干マイナスとなる可能性が高い(筆者注:先月とほぼ同じ表現/評価、公式統計は10/30発表)。今月)Das reale Bruttoinlandsprodukt (BIP) dürfte im dritten Quartal 2023 etwas geschrumpft …
https://www.bundesbank.de/de/presse/pressenotizen/geldvermoegensbildung-und-aussenfinanzierung-in-deutschland-im-zweiten-quartal-2023-914096 先ほどドイツ連銀が発表したデータ(2023年6月末時点)によると、ドイツの個人(家計)の金融資産は上図の通り、金利や評価額上昇のおかげで3月末比940億EUR増加し、7.49兆EURとなっていました。 日独のデータが揃ったので比較表にしてみたところ、こんな感じになりました。 日本人はドイツ人以上に現預金好きで、ドイツ…
①ドイツ連銀 週次家経済活動指数(WAI)~景気モメンタムはほぼ横ばい https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②インフレ~川下のCPI(黒)以外の川上(輸入/生産者/卸売)物価は十分下がっている。 https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/pulsmesser_wirtschaft ③IMF世界経済見通し~ドイツが名目GDPでは既に日本を抜いている。 <IMFが想定する購…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/894118/6c67bcce826d5ab16a837bbea31a1aa9/mL/zahlungsverhalten-in-deutschland-2021-data.pdf <Japanese> ドイツ連銀のデータによると、ドイツ人は財布の中に現金を100ユーロ入れていて、手元資金が40ユーロくらいになったら、ATMに行って(年30回)、1回あたり230ユーロを引き出しているそうです。また、支払時における決済手段のシェアは、件数ベースで①現金58%、②デビットカード(バンクカードがそのまま使える)23%、③ク…
https://www.bundesbank.de/en/press/press-releases/payment-behaviour-in-germany-in-2021-894120 ドイツ連銀の「ドイツ人の決済における振舞い(2021年)」というレポートがなかなか興味深い(例えば上図のように「平均的ドイツ人は財布の中に100ユーロくらい入れている」など)ので、そのエッセンスを以下ご紹介します。 ●個人情報保護に極めてうるさいドイツ人は今でも現金を多用(頻度で6割、金額で3割)。 ●小額なほど現金で支払い ●コロナを機に、さすがに現金利用はやや減少し、オンラインショッピングが増加 ●現金の…
https://www.bundesbank.de/de/statistiken/banken-und-andere-finanzielle-unternehmen/-/banken-und-andere-finanzielle-unternehmen-773200 ドイツ連銀のデータベースが2022年分まで更新されたので、ユーロ導入(1999年)以降のドイツ銀行業界関連主要データ(グラフ)を以下ご紹介します。 ●ドイツ銀行業界の構造不況/リストラが続くなか、銀行数と支店数は減少継続。 デジタル化で支店数の減少は今後加速見込み。 ●長短金利低下トレンドの中でROEは切り下がり、利ザヤは低下継続…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/915924/d77f5fd7c20e003e02d69138605ff156/mL/2023-09-ertragslage-data.pdf ドイツ連銀9月月報恒例の「ドイツ銀行業界収益動向」に関する分析結果(前年分)がリリースされましたので、そのエッセンスを以下ご紹介します。 ドイツの銀行の税前利益は274億ユーロ(前年比+1.4%)と長期平均を上回ったが、3メガの収益大幅黒字化(一番上の青)の影響(ドイツ銀行の)税効果評価替えなど)が大きく、実際には多くの銀行が減益。 2022年の急激な金利上昇はネット金利収…
20230823 ドイツの貸出/預金金利レベル感(企業/家計)
ドイツ連銀8月月報に、現在のドイツの貸出金利、預金金利のレベル感を確認できるデータが出ていますので、簡単にご紹介します。 ●QTは始まっているものの、まだまだ量的緩和度合いが高いので、短期市場金利は本来メインの政策金利であるREFI金利(現在4.25%)ではなく、中銀預金金利(現在3.75%)の方に張り付いています(⇒預金/貸出金利とも中銀預金金利の影響大)。 <貸出サイド> ●企業向け(上)、家計向け(下)ともECB利上げ後ユーロ圏での貸出(青線)は急減中で、スペイン(薄青棒)やイタリア(濃青棒)では共にマイナスに転じています(黒棒:ドイツ、灰棒:フランス)。 ●ドイツでの銀行貸出は、企業向…
https://www.bundesbank.de/de/aufgaben/themen/monatsbericht-deutsche-wirtschaft-weiter-in-schwaechephase-856150 先ほど発表されたドイツ連銀月報のドイツ経済分析部分のエッセンスは以下の通りです。 2023年第3四半期の実質GDPは、おそらく再び前期比ほぼ横ばいにとどまる。 インフレ率のさらなる低下+安定した雇用/力強い賃金上昇⇒今後は個人消費が景気下支え役となる(但し、さほど力強いものにはならない)。 しかし、海外からの需要の弱さが引き続き鉱工業生産の重しとなっている(直近の製造業受注急…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2023/20230814-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-august-2023.html 本日ドイツ経済省から発表された8月経済月報のエッセンスは以下の通りです。 低迷するドイツ経済が持続的に好転しそうは兆しは内外ともにまだ見えない。 製造業では、生産・受注ともおおむね横ばいが続いている。 6月受注の急増(前月比+7%)は、航空機・宇宙船製造における大型受注による一時的なもの。 小売は食品を中…
ドイツ連邦雇用庁に付属するシンクタンクである労働市場・職業研究所(IAB、@ニュルンベルク)が毎月「人手不足インデックス」(0~10、数字が高いほどタイト)を発表しています。 iab.de 冒頭のグラフがその過去推移ですが、今年はずっと5.0超とコロナ前の水準(4台)を上回っており、直近7月も5.2と高水準を維持しています。 マイナス成長で経済が不振な割に、就業者数(黒点線)は一向に減ることなく、失業率(青実線)が実質的にほとんど上がっていない(昨年6月の急上昇はウクライナ難民カウント開始によるもの)のは、この人手不足が時の経過とともに深刻化しているためと思われます。 https://trad…
先ほどドイツ連邦雇用庁から7月のドイツ雇用統計が発表されました(米雇用統計と違って賃金データは含まれていないので、インフレに対する直接的影響は読み取れないという点についてはご了承ください)。 ●市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は▲4千人と市場予想(+15~20千人)より強め(失業者数少な目)の内容でした。 ●但し連邦雇用庁は先月同様「景気低迷が雇用に悪影響」とネガティブ気味に総括しています。景気モメンタムの悪化が見込まれる中、(人手不足で就業者の減少は起こりにくいものの)失業者数に上昇圧力がかかり続けている点を重視したものと思われます。 ●雇用の先行きについて、連邦雇用庁は以下の…
20230728 ユーロ偽造紙幣増加 触感/透かし/ホログラムの確認推奨
https://www.bundesbank.de/de/presse/pressenotizen/mehr-falsche-200-und-500-euro-banknoten-im-umlauf-913542 本日のドイツ連邦銀行のプレス発表によると、今年上半期はドイツでかなりの偽造硬貨・紙幣が出回った(回収された)模様です。ポイントは以下の通り。 今年上半期(1~6月)に計約290万ユーロ相当(約2万6700枚)の偽ユーロ紙幣が回収された。 2022年下半期と比較すると、金額ベースで66%、枚数ベースで10%の増加。 200/500ユーロの高額紙幣の偽造が特に増加(前期比各+87%/+2…
ドイツ連銀が、一般市民の啓蒙用に「デジタルユーロ特設サイト」を開設していますのでその内容を簡単にご紹介します。 Digitaler Euro Deutsche Bundesbank www.bundesbank.de 【デジタルユーロとは】 「デジタルユーロ」は、法定通貨ユーロのデジタル版(中央銀行デジタル通貨:CBDC)。デジタルでも現金でも、1ユーロは1ユーロ。 ユーロ圏の中央銀行によって法定通貨として発行され、すべての国民が現金と同様かつデジタルの形で使用できるようになる。 既存の現金がなくなるわけではなく、迅速、簡単かつ安全に使用できる形式の中銀マネーが追加供給される。 「デジタル…
20230726 ドイツ経済省のGDPナウキャスト、悲惨な内容
ドイツの潜在成長率は、コロナ後、年+0.8%程度に低下しつつあります。主因は日本と同様に労働投入のマイナス転換で、四半期ベースのGDP成長率も日本と同様に前期比マイナスが出やすくなっています。 実際、昨年第4四半期と今年第1四半期は二期連続でマイナス、直近12四半期中5回のマイナスは日本と同じです。 7月28日朝発表予定のドイツ第2四半期実質GDPは、ドイツ連銀が直近月報で「小さなプラスになった可能性が高い」と言っていることもあり、市場予想も前期比+0.1~0.3%となっています。 ★しかし、昨夕ドイツ経済省から発表されたGDPナウキャストを見ると 第2四半期:前期比▲0.4% 第3四半期:前…
20230724 好対照のドイツ景気先行指数2件(PMI、WAI)
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c23ef113fdfb4d149593c3b3d2840fe9 7月のドイツ総合PMIは48.3と、6月の50.6から低下し、予想の50.3を大きく下回りました。 上図の通り製造業(青)、サービス業(黒)ともに低下しているのですが、特に製造業の悪化継続度合いと水準の低さはかなり悲惨です。製造業主導の景気低迷を、サービス業がカバーしきれなくなりつつあるという構図です。 ドイツの航空旅客(青)が回復しているのに対し、航空貨物(赤)が冴えないという状況も最近定着しています。 第2四半期(4-…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/07/PD23_271_45412.html 2023年5月の宿泊件数は47百万件(前年同月比+9.2%)とかなりの急回復を見せました。コロナ直前の2019年5月と比べても+5.8%上回っており、完全復活を達成した格好です。 2019年以降の推移を年別に並べると(下図)、年初来で見ても、ほぼコロナ前の水準を回復した状態で推移していることが判ります。 特に国内(ドイツ人)顧客の増加が顕著で、ドイツ人の旅行好きが奏効している格好です。 航空旅客数は全世界ベース(青)でもドイツベース(…
note.com <Japanese> ドイツ単体で経済を分析した日本語資料が世の中にあまり見当たらないので、今回は現時点での私なりの分析をごく簡単にご紹介したいと思います(後ほどグラフやデータをつけた動画で少し詳しく解説しますので、よろしければ併せてご覧ください)。 www.youtube.com ドイツの人口は約84百万人と日本の3分の2くらいで、GDPの規模でもまだ日本の方が少し大きいとされています。しかし、購買力平価に比べて大きく円安サイドに振れている実勢レート:1ユーロ157円で換算すると、昨年のドイツの名目GDPは607兆円と、日本の557兆円をはるかに上回っています。ドイツ経済最…
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/072aebeb82e74d10ba03d798f2dbb63c 昨日発表されたドイツ6月PMI改定値は40.6と、前月の43.2からさらに大きく低下し、約3年ぶりの低水準となりました。 5カ月連続の低下で、製造業が持続的な需要減少を受けて、生産水準を引き下げていると解説されています。但し、企業はまだ人員削減には踏み切っていない模様です。 dateno.hatenablog.com 製造業受注残(下図黒線)は、統計発表済の4月時点で月商の7.3か月分とまだかなりの高水準で、これまでは生産…
20230628 最低賃金引き上げについてのドイツメディアの報道ぶり
専門家委員会の勧告を受け、ドイツ政府は現在時給12ユーロの法定最低賃金を、来年1月初から12.41ユーロ(+3.4%)、その1年後に12.82ユーロ(+3.3%)とする方針を固めました。本件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツの法定最低賃金は約6百万人(雇用全体の約15%)に適用されている。 低所得の女性や東独の労働者での適用が多い。 業種別には清掃、飲食、小売での適用が多い。 ドイツの最低賃金は既にEUの中でトップクラス(月収ベースではルクセンブルクに次いで2位、下図)に高く、企業経営にとっての負担が大きい。 ショルツ政権は公約に従って、昨年10月に最低賃金をそれまで…
20230627 今回のECB利上げ局面におけるドイツ預貸金利の状況
https://www.bundesbank.de/de/aufgaben/themen/straffe-geldpolitik-beeinflusst-bankzinsen--856176 昨日発表されたドイツ連銀6月月報の中に、今回のように過去に例のない急激な利上げ局面において銀行の貸出・預金金利がどう変化したかについての分析がありましたので、そのエッセンスを以下ご紹介します。 ●ECBはインフレ抑制(目標は2%)のため、2022年7月以来8回連続で利上げしており、メインのREFI金利は現在4%となっている。 ●今回の月報で各種金利のパススルーが想定通りだったかどうかを検証。 ●住宅ローン…