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【総括】 リストラアナウンス(例:VW)や操短が急増しており、雇用に対する不安増大。失業申請件数や失業率も上昇加速(冒頭図)。 今後就業者数にも賃金にも低下圧力がかかる可能性が高いため、個人消費回復が更に後ズレするリスクが高まっている。 その結果、ドイツ政府も今年+0.3%の成長しか期待していない(昨年10月の+1.1%成長予想を大幅下方修正)。 ●季節調整後失業者増減~前月比+11千人と、先月同様ほぼ市場予想どおりながら、コロナ後の回復が一巡した2023年1月以降、ずっと増加が続いている。来月さらに加速する見込み(+15千人)。 https://tradingeconomics.com/ge…
20250127 ドイツ最新ニュース速報(1月27日)~ifo景況指数、SENTIX市場センチメントなど
https://www.ifo.de/en/facts/2025-01-27/ifo-business-climate-index-rises-january-2025 ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ上)ifo景況指数:現況指数(黒)主導でやや回復も、トランプに対する懸念根強く、期待指数(青)が低水準から続落。(関連③-c:業種別) (冒頭グラフ下)ifo景気サイクル図:リセッション領域(第3象限)にどっぷり使っていて、ここから脱け出すのは容易でなさそう。 アウシュヴィッツ強制収容所解放80周年関連の報道目立つ。 最新動画: youtu.be ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるも…
20240911 ドイツの気になるデータ5選(企業倒産件数など)
①企業(含む個人事業者)倒産件数(2024年前半)~前年同期比法人+24.9%/個人+6.7%と悪化継続(両方の合計が青線)。但し、先行指標(赤線)は当面上昇一服を示唆。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/09/PD24_343_52411.html ②ホテル宿泊件数(7月)~前年同月比+1.0%、1~7月累計でも前年同期比+1.9%と好調維持。約2割を占める外国からの宿泊客が牽引(1~7月:国内客+1.0%/海外客+6.6%)。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressem…
20240908 ドイツの気になるデータ5選(政治家人気ランキングなど)
①主要政治家人気ランキング~東独2州(チューリンゲン、ザクセン)の州議会選で惨敗した連邦与党3党(SPD/Green/FDP)の閣僚は全員大きく評価を下げた。但し、躍進したAfDとBSWの両党首の評価が上がったわけではない。 https://www.forschungsgruppe.de/Aktuelles/Politbarometer/ 【関連のご参考】 dateno.hatenablog.com dateno.hatenablog.com ②政党別支持率(全独)~東独2州で惨敗した連邦与党3党の合計支持率は30%にまで低下。特にFDP(黄、自由民主党)の5%割れ(足切りで議席がもらえない)…
★今年ゼロ成長がコンセンサス化(これまでは+0.1~0.3%だった) dateno.hatenablog.com www.diw.de dateno.hatenablog.com www.rwi-essen.de www.iwh-halle.de <日独経済日記関連> www.youtube.com www.newsdigest.de
https://www.ifo.de/en/publications/2024/article-journal/ifo-economic-forecast-autumn-2024-german-economy-stuck-crisis 本日(9/5)発表されたifo経済予測のポイントは以下の通り: ドイツ経済は危機に陥っており、経済的要因と構造的要因の両方がマイナスの影響を与えている。 経済的要因:需要不足に伴う低稼働率、予想以上に慎重で盛り上がらない個人消費など。 構造的要因:脱炭素、デジタル化、人口動態の変化(→人手不足)、コロナ、エネルギー価格ショック、世界経済における中国の役割の変化な…
20240826ドイツの気になるデータ5選(ifo景況指数詳細など)
①ifo景況指数ヘッドライン(8月)~市場が恐れていたほどには悪化しなかったものの、総合(赤)/期待(青)/現況(黒)とも下向き。水準も低く、Q3マイナス成長継続/Q4の回復見込み薄、を示唆。 https://www.ifo.de/en/facts/2024-08-26/ifo-business-climate-index-deteriorates-august-2024 ②ifo景況指数サイクルクロック~リセッション領域(第3象限)にドップリ漬かっており、早期脱出は見込めそうにない。昨年の▲0.2%に続いて、今年通年でもマイナス成長となるリスクが高まっている(コンセンサスはまだ+0.2~0.…
202407XX ドイツの気になるデータ5選(最近の人員削減アナウンスなど)
①人員削減アナウンス~製造業での人員削減アナウンス/上乗せが目立ち始めてきた。 https://www.tagesschau.de/thema/stellenabbau ②年初来株価上昇率~大幅下落後でも円株は年初来+約2割とトップクラス。DAXは欧州議会選挙以降頭が重く、年初来+8.5%。 https://www.sekaikabu.com/windex/priceuprate-1y.html www.finanzen.net ③経済省GDPナウキャスト〜Q2、Q3とも実質GDPは前期比▲0.3%と低調を予想。Q2の速報は7/30発表予定で、市場予想は+0.1%(ドイツ連銀も小幅プラスだった…
20240726 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、電車遅延統計など)
①ifoCAST(GDPナウキャスト)~Q2は前期比▲0.17%、Q3同▲0.96%と極めて低調。次回発表は8/7。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②Indeedオンライン求人数~景気低迷の長期化を素直に反映して、じりじり減少が続いている。中長期的・構造的人手不足は深刻なので、安易に人切りしない一方、高くつく新規採用には慎重化。 https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/pulsmesser_wirtschaft ③ドイツ鉄道の列車遅延度合い~6月は長距離列車は半分くらいしか定刻通りに(6分…
20240725 ドイツの気になるデータ5選(ifo景況指数など)
①ifo景況指数~市場が恐れていた以上の低下。現況指数(黒)も切り下がっており、統計の下駄の大きなマイナスと併せて考えると、今年通年+0.3%成長(コンセンサス)の達成は難しそうな感触。ECB利下げの追い風。 https://www.ifo.de/en/facts/2024-07-25/ifo-business-climate-index-declines-july-2024 ②ifo景況指数景気サイクル図~リセッション領域(第3象限)にドップリ漬かっており、当面ここから脱けだすのは難しそう。回復に向かうにしても秋以降か。 ③ifo業種別ヒートマップ~相対的にマシとされるサービス業も勢いを失い…
20240718 ドイツの気になるデータ5選(インフル流行、政治家人気ランキングなど)
①インフルエンザ流行度~週あたり新規感染率4.9%(うちコロナ0.6%)と、先週の6%からは低下したものの引き続き高水準。現在の患者数は推計410万人。病欠の高止まりは景気下押しの一因。 https://influenza.rki.de/Wochenberichte/2023_2024/2024-28.pdf ②住宅着工許可件数(5月)~前年比▲24.2%、2022年比▲43.9%と悲惨な状況。住宅金利上昇に伴う需要減に加えて、資材価格・人件費高騰に伴う高価格、環境規制関連の煩雑な許認可手続きなどが強い逆風となっている。但し、ECBが利下げを開始したこともあり、不動産需要はそろそろ底打ちして回…
20240624 ドイツの気になるデータ5選(ifo景況指数詳細など)
①ifo景況指数ヘッドライン(6月)~全体的に市場予想比弱目ながらも、他の景気先行指標の反落傾向と整合的着地。 dateno.hatenablog.com ②ifo景気サイクル~リセッション領域の中で小休止。回復局面への回帰はそう簡単ではなさそう。 ③ifo業種別ヒートマップ~景況感が良好(赤)なのは、芸術・娯楽(90-93)のひとつだけになった。 サービス業(右上)のみしっかり。建設(右下)は指数としては上昇も、水準は深いマイナスで、悪化度合いがやや軽減されただけ。 上記①~③のデータソース https://www.ifo.de/en/facts/2024-06-24/ifo-busines…
20240611 ドイツの気になるデータ5選(景気先行指標類を中心に)
①ifoCAST~Q2(上)は前期比+0.37%、Q3(下)は+0.46%の予想。足元のゼロ成長ペースを抜け出し、当面順調な回復が続きそうな感触。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP四半期換算ベースで、足元モメンタム(3m/3m)は前期比+0.4%まで上昇。最近急速な改善が続いている。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③SENTIX景況感指数(6月)~ユーロ圏にラ…
20240424 ドイツの気になるデータ5選(ifo、週次食品売上など)
①ifo景況指数~市場予想比やや強めの改善。現況指数(黒)、期待指数(青)とも上昇傾向鮮明で、底打ち感が強く出ている。但し、水準が低いので、ECBの6月利下げ開始に疑問を抱かせるにはほど遠い。 総合PMIの回復基調とも整合的。 ②ifoサイクル図~いい方向への動きではあるが、「不況領域(第3象限)」にまだどっぷりとハマっている。 ③ifo業種別景況感~全体に改善方向ながら、総合指数(赤線)がゼロを上回っている(拡大基調にある)のはサービスだけ。 (ifo業種別ヒートマップは更新データ発表次第掲載) 上記①~③のソース: https://www.ifo.de/en/facts/2024-04-2…
20240418 ドイツの気になるデータ5選(受注残、投資計画など)
①製造業受注残(2月)~前月比▲0.2/前年同月比▲5.8%とかなり減少してきたものの、月商の7.0か月分と依然高水準。低調な新規受注のバッファとなっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/04/PD24_159_421.html ②ホテル・レストラン売上(2月)~名目ベース(薄青)では前月比+1.2%/前年同月比+1.8%とかなり健闘しているものの、実質ベース(濃青)では前年同月比▲1.1%、コロナ前比▲14%とまだまだ凹んでいる。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pre…
https://www.zew.de/publikationen/zew-gutachten-und-forschungsberichte/forschungsberichte/konjunktur/zew-finanzmarktreport 4月ZEW景況指数のヘッドライン(期待指数:上図赤線および下図)は42.9と市場予想(30台)を大きく上回る改善。調査対象となったアナリストの半数が、輸出増やユーロ安などを背景に、ドイツ経済が今後6カ月で改善すると予想している模様。 但し、現況指数(上図茶線:足元のGDPの走りに近い)は低迷継続。 (同指数は金融アナリスト約300人に対する月次アンケート…
先ほどドイツの3月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+4千人と、市場予想(+10~20千人)より気持ち強めの内容となっていました。 ちなみに米雇用統計からの連想で、これがヘッドラインであるかのように誤解しがちですが、ドイツでは全く重視されていませんのでご注意ください(日曜祝祭日に経済活動がほぼ止まるため、季節調整が難しい欧州では前年同期比が重視される)。 ●失業率<国内基準>~5.9%で横ばい。2022年以降の失業率上昇の大半は2022年6月からのウクライナ難民カウント開始によるもの。連邦雇用庁は「経済低迷の割にしっかり」との評価継続。 <以下◆3つはドイツ連邦雇用庁月報より抽出したも…
20240322 ドイツの気になるデータ5選(ifo、PMI、ZEWなど)
①ifo景況指数(3月)~期待(青)と現況(黒)がそろって改善。わずかながらも底打ちを期待させる動き。 <業種別>4業種すべてで上向き。サービス業(右上)では中立レベル回復。 <サイクル図>不況領域(第3象限)からの脱却はそう簡単ではなさそう。 <ヒートマップ>~好調を維持している航空機(30)と旅行関連(79)以外にも、飲料(11)、石油精製(19)、その他製造業(32)で好転(赤色化)。 https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-22/ifo-business-climate-index-rises-march-2024 <市場予想対比>~ECBの6月利下げが…
20240306 ドイツの気になるデータ5選(PMI、輸出動向など)
①総合PMI~製造業、サービス業とも軟調で、GDPベースでかなりのマイナスペースとなっていることを示唆。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c3ca100bd86d4b528803a06337a6220f ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP3m/3m換算で前期比▲0.1%のモメンタム。経済省GDPナウキャストのQ1前期比予想は+0.1%、ifoCASTは▲0.24%であり、いずれにせよゼロ近傍の攻防となっている模様。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/kon…
先ほどドイツの2月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+11千人と、市場予想(+7千人)より気持ち弱めの内容となっていました。 ちなみに米雇用統計からの連想で、市場の一部ではこちらがヘッドラインであるかのように勘違いされていますが、ドイツでは全く重視されていませんのでご注意ください(日曜祝祭日に経済活動がほぼ止まるため、季節調整が難しい欧州では前年同期比が重視される)。 ●失業率~5.9%で横ばい。2022年以降の失業率上昇の大半は2022年6月からのウクライナ難民カウント開始によるもの。連邦雇用庁は「経済低迷の爪痕あるももの、しっかり」との評価。 国際労働機関(ILO)ベースでは3.1…
20240227 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャストなど)
①ifoCAST(ifo研が2週間毎に発表しているGDPナウキャスト)~Q1が前期比▲0.27%、Q2が+0.17%と軟調継続。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②WAI(ドイツ連銀が毎週月曜夕刻に発表しているGDPナウキャスト系指標)~実質GDP換算(3m/3m前期比)で+0.3%とプラス圏ながら、足元モメンタムは下向き(右図)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③ifo輸出期待~低水準ながらも底打ちの気配。…
20240223 ドイツの気になるデータ5選(PMI、ifoなど)
①総合PMI(2月)~製造業の状況(右)が再び悪化し、総合アウトプット指数(左)から見てQ1GDPは前期比マイナス不可避の情勢(市場予想は前期比▲0.1%程度)。景気回復の手がかりが全く見えない状態が続いてしまっている。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Release/PressReleases ②ifo景況指数(2月)~ほぼ市場予想通りの低水準横ばい。頼みのサービス業(下右上)もマイナス圏入り。 https://www.ifo.de/fakten/2024-02-23/ifo-geschaeftsklimaindex-gestiegen-februar…
20240207 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、受注/生産など)
①ifoCAST(GDPナウキャスト)~Q1実質GDP予想(左)は前期比▲0.12%(ドイツ銀も▲0.1%予想)、Q2(右)は+0.29%。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②製造業受注(12月、実質)~航空機の大口受注獲得で前月比+8.9%と大きく挽回したが、大口受注を除くベース(薄い方の線)では同▲2.2%と軟調継続。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_047_421.html ③鉱工業生産(12月、実質)~製造業(青)前月比▲1.6%、建設業(赤)同▲3.4%と、…
先ほど1月ifo景況指数が発表され、上図の通りモメンタム下向きかつ予想(下表)をやや下回る弱い内容となっていました。ドイツ経済復活の兆しは全く感じられません。 業種別で見ると、サービス業(右上)だけ何とか現況プラス、総合ゼロ近傍ですが、それ以外の製造業(左上)、建設業(右下)、小売・卸売業(左下)3指数ともすべてマイナス圏内に留まっています。 景気サイクル的<縦軸:期待、横軸:現況>に見ても、リセッション領域(第3象限)からの脱出はまだまだ遠い先といった感じです。 業種別ヒートマップを確認すると、好況(赤)業種が再び減少しており、旅行関連(79)、その他運送機器<航空機、鉄道など>(30)の2…
https://www.ifo.de/en/facts/2023-12-18/ifo-business-climate-index-falls-december-2023 ifo 業種別ヒートマップ(上図、直近2023年12月分)によると、不況に喘ぐドイツ経済の中で、好況(赤)とされているのは、旅行(79)、その他(車以外の)輸送機器(30)、下水処理(37)、法務・会計(69)の4業種のみとなっています。 そんな中、年初(1月3日)にドイツ旅行協会(DRV)が「今年も売上増見込み」というプレスリリースを出していましたので、そのポイントを以下ご紹介します。 www.drv.de 旅行業界は、好…
①ドイツ経済省〜Q4前期比▲0.4%、Q1+0.2% https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/01/10-konjunktur-bip-nowcast.html ②ドイツ連銀(WAI)〜Q4前期比+0.1% https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③ifo研(ifoCAST)Q4前期比▲0.53%、Q1+0.12% https://www…
20231220 ドイツの気になるデータ5選(企業の値上げ意欲、生産計画など)
①ifo輸出期待~ドイツ経済頼みの綱である輸出の回復も、当面期待薄の模様。 比較的好調なのは食品、革製品。一方、印刷、衣料が不振。 https://www.ifo.de/fakten/2023-12-19/ifo-exporterwartungen-gefallen-dezember-2023 ②生産者物価~前月比▲0.5%/前年同月比▲7.9%と市場予想より低め。但し、景気低迷のせいというよりは、ベーシス効果とエネルギー価格下落で押し下げている感じ(③と整合的)。 青:全体前年同月比(▲7.9%)、赤:除くエネルギー(+0.3%) https://www.destatis.de/DE/Pre…
https://www.ifo.de/fakten/2023-12-18/ifo-geschaeftsklimaindex-gefallen-dezember-2023 先ほど12月ifo景況指数が発表され、上図の通りモメンタム下向きかつ予想(下表)をやや下回る弱い内容となっていました。ドイツ経済復活の兆しは全く感じられません。 業種別で見ると、サービス業(右上)だけ何とか現況プラス、総合ゼロを保っていますが、それ以外の製造業(左上)、建設業(右下)、小売・卸売業(左下)3指数ともすべてマイナス圏内に留まっています。 小売の年末商戦は期待外れ、建設不況は底なし沼、という感じです。 景気サイクル…
昨日から今日にかけて、ドイツの4つの有力経済研究所(ifo、ベルリン研、キール研、ケルン研)から2025年までの経済見通しが発表になりました(上図はキール研の実質GDP軌道:年次/四半期次)。 今年から3年間のGDPとインフレの予測値を以下の一覧表にまとめてありますが、以下が共通して読み取れます。 今年の実質GDPは▲0.3%、インフレは5.9%の着地で収斂 来年の実質GDPとインフレは、財政違憲判決に伴う財政緊縮で弱目 2025年にはインフレ目標2%達成見込み(来年ECBに利下げ余地) <4件のリンク先> www.ifo.de www.diw.de www.ifw-kiel.de www.i…
①ifoCAST(2週間毎に発表)~四半期実質GDP前期比ベース(年率換算前)で今年Q4▲0.29%、来年Q4は+0.26%となっています。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST <過去実績> 時々符号も含めて大きく外れますが、大きな流れはつかんでくれています。上記の結果も今後半年ほぼ横ばい(ゼロ成長)という大きな流れを示唆しているものと受け止めています。 ●2019年まで ●2020年以降 ②ドイツ経済省GDPナウキャスト(毎月下旬発表)~11/13時点で、Q4は前期比▲0.3%、Q1は+0.1%の予測となっています。 https://www.bmwk.de/Redak…
https://tradingeconomics.com/germany/business-confidence 先ほど11月ifo景況指数が発表され、上図(+下図赤線)の通り、予想をやや下回るわずかな改善となっていました。 現況(黒)、期待(青)ともわずかに上向きですが、ようやく底は打ったかなという程度であり、ドイツ経済復活の兆しはあまり感じられません。 業種別で見ると、今月は小売・卸売業(左下)の改善が目立ちますが、サービス業(右上)以外の製造業(左上)、建設業(右下)とともにマイナス圏内に留まっています。 景気サイクル的<縦軸:期待、横軸:現況>に見ても、リセッション領域(第3象限)から…
20231107 ドイツの気になるデータ5選(ifoCAST、鉱工業生産、SENTIXなど)
①ifoCAST(ifoのGDPナウキャスト)~Q4は前期比▲0.02%(市場は結構なマイナスが不可避と思っている)。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ちなみにこのifoCASTが当たれば、通年▲0.12%と市場予想(▲0.4~▲0.5%)よりマシな着地に。 ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~他の指標と異なり、結構好調。四半期GDP換算で前期比+0.3%ペースまで急回復。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex …
20231106 ドイツの気になるデータ5選(住宅受注キャンセル増、天然ガス備蓄100%など)
①ifo住宅業者アンケート~回答企業の48.7%が受注不足、22.2%が受注のキャンセルを報告(受注額の2割がキャンセルされているわけではない点には注意)。 https://www.ifo.de/en/facts/2023-11-06/order-cancellations-german-residential-construction-reach-new-high ②製造業受注(9月)~海外分(青)堅調/国内分(黒)不調⇒全体(赤)としては前月比+0.2%と市場予想(▲1%)比やや強め。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen…
先ほど10月ifo景況指数が発表され、上図(+下図赤線)の通り、予想をやや上回る改善を見せていました。原油価格が大して上がっていないこともあり、中東情勢の悪影響は少なくとも今のところ限定的なようです。 https://www.ifo.de/fakten/2023-10-25/ifo-geschaeftsklimaindex-gestiegen-oktober-2023 水準はまだまだ低いとはいえ、現況(黒)、期待(青)ともそろって上向きで、ようやく底を打ったかなという感じにはなっています。 業種別で見ると、上記のそこはかとない底打ち感はサービス業(右上)での改善に支えられていることが判ります。…
●9月ifo景況指数(上図)は市場予想(上表左)ほどには落ち込まなかったものの、ドイツ経済反転上昇の兆しが見られない弱い内容となっていました。 景気サイクル図的に見ても、リセッション領域(第3象限)の奥深くに入り込んでいます。さすがにそろそろこの辺が底かも知れない、くらいの期待は持てるかもませんが、改善の具体的手応えは全く見つからない感じです。 業種別で今なお好調(赤色)と言えるのは、WZ 79:旅行関連と S:その他サービス(恐らくIT関連のメンテやエステ類など)の二つだけとなっています。 ●9月PMI速報は予想よりはややマシだったものの、Q3の前期比GDPはマイナス(▲1%程度か)となるこ…
note.com <Japanese> 在宅勤務(Home Office)は、コロナのおかげで意外と急速かつ広く普及し、今でも一部定着するようになっていますが、多くの研究の結果、仲間が近くにいて機器類も整っているオフィス勤務には生産性面で劣るという評価が定着しています。そのため、特に大手米銀などでは「ちゃんとオフィスに毎日来てバリバリ働かないやつは低評価」という雰囲気になっています。とはいえ、引き続き在宅勤務活用希望者は圧倒的に多いので(8~9割)、企業側は一種のフリンジ(人材の引き留め/獲得手段)とみなすようになっているようです。 ifo研の直近調査(9/8発表)によると、足元ドイツでは総労…
本日ドイツ第2四半期GDP確報値が発表されましたが、速報から修正はなく(前期比プラスゼロ)で軌道は上図の通り弱含み横ばい継続となっていました。 しかしドイツ経済省のGDPナウキャスト(直近8/14時点)は前期比▲0.4%となっており、足元の軌道は非常に軟調のようです。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2023/09/14-konjunktur-BIP-nowcast.html 総合PMIも、前期比▲0.5%(年率▲2%)あたりを示唆しています。 https://www.pmi.spglo…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/07/PD23_299_811.html 今朝発表されたドイツ第2四半期GDPは前期比フラットと市場予想の+0.1~0.3%より弱目ではあったものの、第1四半期分が前期比▲0.3%から▲0.1%に0.2%上方修正されていましたので、全体としてみれば概ね市場予想通りの結果となりました。 水準で見ると冒頭の図の通り、昨年以降ほぼ横ばいが続いている状況ですが、3期連続の前期比マイナスは何とかギリギリ回避された格好です。 但し、このようにGDPが低迷して見えるのはあくまでインフレ(デフレ…
20230726 ドイツ経済省のGDPナウキャスト、悲惨な内容
ドイツの潜在成長率は、コロナ後、年+0.8%程度に低下しつつあります。主因は日本と同様に労働投入のマイナス転換で、四半期ベースのGDP成長率も日本と同様に前期比マイナスが出やすくなっています。 実際、昨年第4四半期と今年第1四半期は二期連続でマイナス、直近12四半期中5回のマイナスは日本と同じです。 7月28日朝発表予定のドイツ第2四半期実質GDPは、ドイツ連銀が直近月報で「小さなプラスになった可能性が高い」と言っていることもあり、市場予想も前期比+0.1~0.3%となっています。 ★しかし、昨夕ドイツ経済省から発表されたGDPナウキャストを見ると 第2四半期:前期比▲0.4% 第3四半期:前…
https://tradingeconomics.com/germany/business-confidence 先ほど7月ifo景況指数が発表され、上表・下図の通り、現況指数(下図では黒線~その時点でのGDP/生産活動と強い相関)主導で予想以上の低下となっていました。 昨日のPMIの弱さと併せて考えると、第3四半期(7-9月期)のドイツ実質GDPは前期比マイナスとなるリスクを警戒する必要がありそうです(まもなくドイツ経済省から発表されるGDPナウキャストに注目しています)。 製造業(左上)と小売・卸売業(左下)では引き続き全指数が下向きかつマイナス圏。サービス業(右上)でも年初の回復の勢いが…
20230724 好対照のドイツ景気先行指数2件(PMI、WAI)
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c23ef113fdfb4d149593c3b3d2840fe9 7月のドイツ総合PMIは48.3と、6月の50.6から低下し、予想の50.3を大きく下回りました。 上図の通り製造業(青)、サービス業(黒)ともに低下しているのですが、特に製造業の悪化継続度合いと水準の低さはかなり悲惨です。製造業主導の景気低迷を、サービス業がカバーしきれなくなりつつあるという構図です。 ドイツの航空旅客(青)が回復しているのに対し、航空貨物(赤)が冴えないという状況も最近定着しています。 第2四半期(4-…
最近続々と発表されているドイツ景気先行指標類を以下まとめてご紹介します。 ●ドイツで最も重要視される景気先行指標である、ifo景況指数(6月分)は、本日市場予想(91前後)を大きく下回る88.5と出ました。 景気サイクルとしても「リセッション領域」内で一段とバランスが悪化する方向に進んでいます。 業種別では特に製造業(左上)の期待指数(青線)の低下が顕著になっています。サービス業(右上)は比較的しっかり持ち堪えており、PMIと整合的です。 ●先日(6/23)発表されたドイツ総合PMIでは、Q2後半に向けて成長モメンタムが急減速した格好となっており(左)、その主因は製造業景況感の一段の悪化(右)…
毎月下旬に上図のような景気先行指標「ifo景況指数」が発表され、市場から注目を集めているのですが、そのブレークダウンは「ifo Konjunkturperspektive」という冊子で発表されています。 www.ifo.de 本稿ではその中から興味深い部分をピックアップしてご紹介します。 ●全体としては冒頭図のような回復基調にありますが、建設(左)と小売(右)は、インフレ(と建設は金利上昇)によりマイナス圏で低迷しています。 <赤:総合、灰:現況、青:期待> ●製造業は、昨年大きく落ち込んだ期待指数(青)がゼロまで回復。 内訳をみると、最近受注指数(下図左)が弱い(実際3月分統計で顕在化)もの…
20230428 ドイツ第1四半期実質GDP、前期比プラスゼロ
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/04/PD23_169_811.html 先ほどドイツ連邦統計局からドイツ1-3月実質GDP速報が発表され、前期比フラット(細かく見ると+0.047%)と、2期連続マイナスのテクニカルリセッションは辛うじて回避されたものの、昨年10-12月期は▲0.4%⇒▲0.5%へと下方修正されるというやや弱い内容でした。 https://tradingeconomics.com/germany/gdp-growth 速報なのでヘッドラインのみの発表で、内訳については5月25日を待つ必要があり…
https://www.ifo.de/en/facts/2023-02-22/ifo-business-climate-index-rises-february-2023 【今回のメインメッセージ】 現況指数(黒線)はまだ下向きで、昨年Q4以降のマイナス成長モメンタムが足元もまだ続いていることを示唆。 但し期待指数(上図青線)主導で大きく回復しており、今後のモメンタムプラス転換に強い期待が持てる。 ●景気サイクル図的には「リセッション領域(第3象限)」にどっぷりハマっていますので、まだまだ脆弱な状況であることには変わりありません。足元はまだ小幅マイナス成長モメンタムということを示唆しています(…