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https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-zwei-jahres-hoch-auf-niedrigem-niveau ドイツ経済復活のカギを個人消費(実質所得上昇の帰結)が握っているものの、今のところその回復は予想以上に遅れている。今局面では個人消費や所得周りのデータを特に注視しておく価値があるので、今月のGfKデータのエッセンスを以下の通りまとめておく。 ドイツの消費者心理は回復を続けているが、水準はまだかなり低い(冒頭図)。 所得期待(下表2行目)は顕著に改善、経済期待(1行目)と購買性向(3行目)は緩やかに増加。貯蓄性向(下から2行目)は高水準維…
20240425 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、労働コスト、ECB経済月報など)
①ifoCAST(GDPナウキャストの一種)~Q1実質GDP(4/30速報発表)前期比▲0.43%と弱目の予想。但し、Q2予想が+0.97%まで切り上がっており、イリクリなどで高めに出る可能性あり。ちなみに市場予想はゼロ近傍でプラスマイナス0.3%程度に割れている模様。 ifoCAST Facts ifo Institute <構成要素> https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②時間当たり労働コスト(全産業、2023年、社会保険料などの労働副次コスト等含む)~ドイツは41.30EUR/時でEU平均の31.80EUR比で3割高。うち製造業は46EUR(EU平均32E…
20240424 ドイツの気になるデータ5選(ifo、週次食品売上など)
①ifo景況指数~市場予想比やや強めの改善。現況指数(黒)、期待指数(青)とも上昇傾向鮮明で、底打ち感が強く出ている。但し、水準が低いので、ECBの6月利下げ開始に疑問を抱かせるにはほど遠い。 総合PMIの回復基調とも整合的。 ②ifoサイクル図~いい方向への動きではあるが、「不況領域(第3象限)」にまだどっぷりとハマっている。 ③ifo業種別景況感~全体に改善方向ながら、総合指数(赤線)がゼロを上回っている(拡大基調にある)のはサービスだけ。 (ifo業種別ヒートマップは更新データ発表次第掲載) 上記①~③のソース: https://www.ifo.de/en/facts/2024-04-2…
https://www.zew.de/publikationen/zew-gutachten-und-forschungsberichte/forschungsberichte/konjunktur/zew-finanzmarktreport 4月ZEW景況指数のヘッドライン(期待指数:上図赤線および下図)は42.9と市場予想(30台)を大きく上回る改善。調査対象となったアナリストの半数が、輸出増やユーロ安などを背景に、ドイツ経済が今後6カ月で改善すると予想している模様。 但し、現況指数(上図茶線:足元のGDPの走りに近い)は低迷継続。 (同指数は金融アナリスト約300人に対する月次アンケート…
人口動態要因(団塊世代の大量退職>移民)に基づく構造的人手不足は緩和していないので、失業急増は回避されているが、経営環境の変化と共にオーバーキャパになっている領域では思い切った人員削減が進められている。 以下は今年に入ってからアナウンスされた主な人員削減計画の一覧表。 <関連ご参考:今年の主な賃金交渉一覧> <ドイツ労働市場関連> www.newsdigest.de dateno.hatenablog.com dateno.hatenablog.com <日独経済日記> www.youtube.com
20240415 ドイツの気になるデータ5選(ジニ係数、住宅用不動産市況など)
①ジニ係数(数字が大きいほど所得格差大)~所得格差問題はひと頃より大きく改善していたが、最近再び拡大傾向(各種資産効果のため)。ドイツは欧州の中でも格差がかなり大きい方。 https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=distributional-wealth-accounts-zeitnahe-daten-zur-vermoegensverteilung-der-privaten-haush…
20240404 ヘッセン州立銀行による独DAXの総合評価:ホールド
私自身がドイツで保有する証券ポートフォリオの中の約1割を占めるDAXのポジション調整の際に参考にしているヘッセン州立銀行の「株式チャートブック」がアップデートされたのでそのエッセンスをご紹介します。 https://mailing.helaba.de/-link2/15466/16757/5/11/8115/R3k1slkG/n1ZZpgmjim/0 ★以下①~④の総合評価:ホールド~連日高値更新中で、ドイツの不景気との対比ではやや違和感のあるDAXですが、ここで大きく利食い売りしてしまうのはもったいない/一部利食うならBEST指数(青線)が過熱領域(上の線:1σ以上)に来るまでは引き付けたい…
https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-erholung-kommt-nur-muehsam-voran 先ほどGfK(消費者市場調査会社@ニュルンベルク)の消費者センチメントが発表されましたが、▲28.8と前月(▲29.6)比わずかに上昇はしたものの、相変わらずの低水準横ばいで、ドイツ個人消費回復の兆しは見つかりませんでした。 内訳を見ると引き続き、自分の所得に対してはさほど悲観的でないのに、購買意欲は低く、貯蓄にいそしんでいる、という構図になっています。 なお、実質賃金(名目賃金-インフレ)は昨年後半から既にプラスに転じており、多くのエコノミスト…
20240325 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、田中碧の市場価値など)
①建設受注(1月)~前年同月比ベースで実質+1.3%/名目+4.3%。前月比実質▲7.4%が一見悲惨に見えるが、トレンド(下図赤線)としての低位横ばい推移を見るべき。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_119_441.html ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~四半期実質GDP前期比換算で▲0.2%と、Q1期末に向けてマイナス圏での推移継続。ifoCASTの▲0.21%やドイツ銀行の予想▲0.2%とも整合的。Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.d…
20240322 ドイツの気になるデータ5選(ifo、PMI、ZEWなど)
①ifo景況指数(3月)~期待(青)と現況(黒)がそろって改善。わずかながらも底打ちを期待させる動き。 <業種別>4業種すべてで上向き。サービス業(右上)では中立レベル回復。 <サイクル図>不況領域(第3象限)からの脱却はそう簡単ではなさそう。 <ヒートマップ>~好調を維持している航空機(30)と旅行関連(79)以外にも、飲料(11)、石油精製(19)、その他製造業(32)で好転(赤色化)。 https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-22/ifo-business-climate-index-rises-march-2024 <市場予想対比>~ECBの6月利下げが…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-maerz-2024-926690?article=kurzberichte--928232 本日発表されたドイツ連銀月報(3月)の経済分析部分のエッセンスをまとめると以下の通りです。 ドイツ経済の景気回復は遅れており、第1四半期の実質GDPは前期比で再びわずかに低下する可能性がある(これまでの弱気評価に変化なし)。 特に製造業は今後も低迷する可能性が高い。国内外の受注不振が続いている。 製造業の受…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2024/20240214-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-maerz-2024.html ドイツ経済省の3月経済月報(まもなく出るドイツ連銀月報と併せてみることをお勧め)のエッセンスは以下の通りです。 1月は鉱工業生産(含む建設)と輸出がやや大きめの前月比プラスで明るい兆し。 しかし小売売上は続落、各種先行指標も底打ちの気配あるものの低水準横ばい。 紅海での船舶攻撃や国内でのストライキの影響で、…
20240314 独DAX18000ポイント超えについてのドイツメディアの報道ぶり
ドイツのベンチマーク株価指数DAX40が節目の18千ポイントに到達していることについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツの株価指数が連日過去最高値を更新し、節目の18千ポイントをクリアしたことは大変感慨深い。 これは恐らく今後の上昇トレンド継続の中でのひとつの通過点に過ぎない。 こういった株式市場の高揚感とは対照的に、ドイツ経済の足元の状態は非常に悪く、回復の兆しがほとんど見られない。 一般国民の経済に対する不安と政府に対する不満は高まるばかりである。 しかし、株式市場は国内経済の状態以外の他の多くの要因によっても左右されていることを認識する必要がある。 グローバル市場を股に…
20240306 ドイツの気になるデータ5選(PMI、輸出動向など)
①総合PMI~製造業、サービス業とも軟調で、GDPベースでかなりのマイナスペースとなっていることを示唆。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c3ca100bd86d4b528803a06337a6220f ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP3m/3m換算で前期比▲0.1%のモメンタム。経済省GDPナウキャストのQ1前期比予想は+0.1%、ifoCASTは▲0.24%であり、いずれにせよゼロ近傍の攻防となっている模様。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/kon…
20240303 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、ウクライナ支援など)
①経済省GDPナウキャスト~Q1前期比+0.1%を予想。一方、ドイツ銀行は▲0.1%、ドイツ連銀は「恐らく(小幅)マイナス」との読み。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/03/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②新車販売に占める動力のシェア~いい時は3割を超えていたEVは1月に10.6%まで急低下(PHVは6.7%)。昨年末急遽補助金が打ち切られたため(財政憲法違反判決の余波)。ガソリン(52.1%)、ディーゼル(26.0%)でほぼ8割を占める。 ht…
youtu.be ◆もしこの生産性向上(ディスインフレ要因)が持続的なら、景気が強くても金融を引き締める必要は乏しくなる。◆在宅勤務普及などで需要が戻らない郊外のオフィス不動産はまだ価格下方修正の途上にあるが、もう少し下がればそれらをうまく拾おうと待ち構えているカネが見えている。米地銀発金融不安が再燃する可能性は低そう。◆①FEDはもう利上げではなく、利下げ方針に転じているという安心感、②マチュリティウォールはまだ先なので多少利下げが遅れてもリファイナンスコストに大した影響はないとの読み、③適度なインフレとリセッション回避のおかげで企業業績堅調、といった要因を背景に、S&P500は高値更新を続…
20240229 ドイツの気になるデータ5選(賃金、小売売上、インフルなど)
①賃金~2023年通年ベースでは、インフレ+5.9%に対し、名目賃金+6.0%で実質賃金が辛うじてプラス転換(+0.1%)。2023年Q4では各+3.5%/+5.4%/+1.8%と実質ベースでしっかりプラス転換。 労組はコロナ後数年間続いた実質賃金のマイナスを取り返すべく、今年も強気の高賃上げ要求(+10%前後)を続けてくる見込み。 マクロベースでの今年の名目賃金上昇率見込みは+5~6%。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_076_62321.html ②小売売上(1月)~実質(赤)/名目(ピンク…
20240227 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャストなど)
①ifoCAST(ifo研が2週間毎に発表しているGDPナウキャスト)~Q1が前期比▲0.27%、Q2が+0.17%と軟調継続。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②WAI(ドイツ連銀が毎週月曜夕刻に発表しているGDPナウキャスト系指標)~実質GDP換算(3m/3m前期比)で+0.3%とプラス圏ながら、足元モメンタムは下向き(右図)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③ifo輸出期待~低水準ながらも底打ちの気配。…
実態を伴わない株価高騰が進んでいる。 原因は中国のバブル崩壊疑念に伴う日本への資金流入とも言われるが、以前のバブルの様に好景気を実感するものでは全く無い! 日本企業の景況が抜群に良くなっている訳ではなく、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性もあるんじゃなかろうか・・・ 銀行などでは盛んに「積み立てNISA」を薦めてきたりするが、あくまでも利益が出た場合には有利という事で、損をしても自己責任であ...
youtu.be ◆FED高官は軒並み「早すぎる利下げ」に警鐘。「Slower to lower」。◆2年物米国債利回りは今年のボトムから約50bp上昇し、利下げ期待は6月スタート/年内3.4回(ほぼ12月時点でのFED予想)にまで後退。◆6月に実際にFED利下げに踏み切るには、サービスインフレ減速の確信が必要。◆逆に市場が「次は利上げもありうる」と怖れ始めるには、インフレ反転上昇の確信が必要。◆これまでのところ、「(多少遅れるかも知れないが)次は利下げ」という確信があるので、債券の大量発行も根強い投資家の「押し目買い」でうまく消化されているが、その確信が揺らぐと消化が困難になりうる。◆企業業…
20240223 ドイツの気になるデータ5選(PMI、ifoなど)
①総合PMI(2月)~製造業の状況(右)が再び悪化し、総合アウトプット指数(左)から見てQ1GDPは前期比マイナス不可避の情勢(市場予想は前期比▲0.1%程度)。景気回復の手がかりが全く見えない状態が続いてしまっている。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Release/PressReleases ②ifo景況指数(2月)~ほぼ市場予想通りの低水準横ばい。頼みのサービス業(下右上)もマイナス圏入り。 https://www.ifo.de/fakten/2024-02-23/ifo-geschaeftsklimaindex-gestiegen-februar…
20240221 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注残、企業倒産件数など)
①製造業受注残(12月)~コロナ後に蓄積された受注残(受注急回復VS人手・資材不足+サプライチェーン障害)は、月商の7.0か月分と高水準が維持され、一層の景気悪化を防ぐためのクッションとなっている。但し、海外分(青)の減少はきつめ。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_063_421.html ②ホテル・レストラン売上(2023年)~コロナ前(2019年)比実質ベースで▲11.3%(ホテル▲5.2%、レストラン▲12.9%)。但し大幅なインフレのため名目ベースではコロナ前の水準を大きく上回っている。…
www.bundesbank.de 昨日発表されたドイツ連銀2月月報の経済分析部分のエッセンスは以下の通りです: 景気低迷とディスインフレーションの流れが続いている。 コロナ後にたまった受注残はまだ高水準にあるものの、長期にわたる受注低迷(37%の製造業企業が受注不足を実感)が生産を一段と慎重化させている。 外需の回復もまだ手ごたえがない。 加えて利上げによる資金調達コスト増加と財政緊縮で投資も減少。 冬場の悪天候(北部では長雨で洪水発生)も、建設業に逆風となった。 繰り返される鉄道や空港のストライキもダメージになる可能性あり。 インフレ低下、堅調な労働市場、力強い賃金の伸びが個人消費を支えて…
20240216 ドイツ商工会議所(DIHK)「立ち直れないドイツ経済」
https://www.dihk.de/de/aktuelles-und-presse/aktuelle-informationen/deutsche-wirtschaft-kommt-nicht-auf-die-beine-112962 ドイツ商工会議所(DIHK)が27千社を対象に実施した年頭経済アンケート調査結果(上記リンク)のエッセンスは以下の通りです。 タイトルは「立ち直れないドイツ経済」(Deutsche Wirtschaft kommt nicht auf die Beine)。景況感の更なる悪化を強く懸念。 DIHKとしては今年▲0.5%の実質マイナス成長を予想(世の中で最も悲…
https://economy-finance.ec.europa.eu/economic-surveillance-eu-economies/germany/economic-forecast-germany_en 先ほどEU委員会から発表された「欧州経済予測(2024冬版)」のドイツ部分のエッセンスは以下の通りです。 今年の実質GDP予想+0.3%と、昨年1月の予測+1.2%から大幅下方修正。2025 年は+1.2%で据え置き。 今年のGDPの弱さは、ドイツ政府(+0.2%へ下方修正見込み)やOECDと同じレベル感(上表)。当局としての共通認識と言ってよい。 昨年▲0.3%とマイナス成長に…
20240213 ドイツの気になるデータ5選(ZEW、SENTIXなど)
①ZEW景況感指数(1月)~期待指数(赤)は+19.9と市場予想以上に改善する一方、現況指数(緑)は▲81.7と市場予想以上に一段の悪化。欧米中銀の利下げが心待ちにされている状況。 https://www.zew.de/presse/pressearchiv/lageeinschaetzung-auf-tiefstem-wert-seit-juni-2020 ②SENTIX投資家景況感~上記ZEW同様、将来に対する期待は悪くないが、現況は悲惨なまま。 投資家相場サーベイでは、米欧株に「過度の楽観」「ロング蓄積」⇒売り警戒シグナル点灯中(中国株や米欧国債には「売られ過ぎ」⇒買いシグナル)。 ③ド…
20240130 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト類、インフル流行度合いなど)
①ドイツ経済省GDPナウキャスト~2024Q1は前期比+0.1%予想。(2023Q4は前期比▲0.3%で着地する見込み)。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/02/11-konjunktur-bip-nowcast.html ②ifoCAST~2024年Q1は前期比▲0.21%の予想(今回大幅に悪化)。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ③ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元のGDP換算3m/3mモメンタム+0.54%。但し、ドイツ連銀は1月月報で…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/920552/c9c89e23644dee70a9db8691087b8aa3/mL/2024-01-monatsbericht-data.pdf 欧州中央銀行(ECB)のドイツ担当支店であるドイツ連銀(Deutsche Bundesbank)が毎月20日頃に発表している月報(Monatsbericht)の経済分析部分(Kurzberichte/Konjunkturlage)のエッセンスを以下まとめておきます。 2024年第1四半期GDPは良くて前期比横ばい(マイナス継続可能性大) 外需が弱く、金利/借入コストの上…
先ほど1月ifo景況指数が発表され、上図の通りモメンタム下向きかつ予想(下表)をやや下回る弱い内容となっていました。ドイツ経済復活の兆しは全く感じられません。 業種別で見ると、サービス業(右上)だけ何とか現況プラス、総合ゼロ近傍ですが、それ以外の製造業(左上)、建設業(右下)、小売・卸売業(左下)3指数ともすべてマイナス圏内に留まっています。 景気サイクル的<縦軸:期待、横軸:現況>に見ても、リセッション領域(第3象限)からの脱出はまだまだ遠い先といった感じです。 業種別ヒートマップを確認すると、好況(赤)業種が再び減少しており、旅行関連(79)、その他運送機器<航空機、鉄道など>(30)の2…
20240116 ドイツの気になるデータ5選(ZEW、ガス備蓄など)
①ZEW景況感指数(企業ではなく市場参加者の景況感)~現況(カーキ色線)は▲77.3と引き続き悪いものの、期待(赤線)は+15.2と予想以上に改善。拠りどころは米欧利下げ期待。 https://www.zew.de/presse/pressearchiv/konjunkturerwartungen-trotzen-inflation ②2023年通年のCPI~前年比+5.9%(HICPでは+6%)と市場予想よりやや低めの着地。 エネルギー(赤)は前年比+5.3%、食品(ピンク)は同+12.4%と切り上がっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Presse…
こちらのドイツ経済省の月次レポートの主要グラフを私のコメント付きでご紹介します。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Infografiken/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/01/grafiken-und-tabellen-download.pdf?__blob=publicationFile&v=6 ドイツ経済の足元の全体感把握のお役に立てれば幸甚です。 ●実質GDP~2022年初あたりからほぼ横ばいが続いている 内外主要機関の予測によると、今年▲0.3%、来年+0.3~+0.8% 業種的には製造業(左、ウェ…
https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/michael-groemling-miserable-lage-duesterer-ausblick.html ドイツ経営者系シンクタンク、ドイツ経済研究所(IW、ケルン研)のアンケート調査結果によると、ドイツ企業の足元のセンチメントは、エネルギー危機まっただ中だった去年末とほぼ同様の悪さで、低迷した今年より来年さらに悪化を見込んでいるという意味では過去最悪に悪いと言ってよい状況です(上図)。 ちょうど1年前の経済専門紙ハンデルスブラットの見出しが「企業のムードは最悪の状態」のデジャブを見ている…
20231218 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、政党別支持率など)
①ifoCAST(GDPナウキャストの一種)~今年Q4の四半期実質GDP前期比▲0.53%(上)、来年Q1+0.12%(下)。 次のWAIよりはもっともらしそうな予測。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元実質GDP前期比+0.4%ペースを示唆(他の景気先行指標が軒並み弱い中、これだけ例外的に強い)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③住宅着工許可件数~10月単月では前年…
https://www.ifo.de/fakten/2023-12-18/ifo-geschaeftsklimaindex-gefallen-dezember-2023 先ほど12月ifo景況指数が発表され、上図の通りモメンタム下向きかつ予想(下表)をやや下回る弱い内容となっていました。ドイツ経済復活の兆しは全く感じられません。 業種別で見ると、サービス業(右上)だけ何とか現況プラス、総合ゼロを保っていますが、それ以外の製造業(左上)、建設業(右下)、小売・卸売業(左下)3指数ともすべてマイナス圏内に留まっています。 小売の年末商戦は期待外れ、建設不況は底なし沼、という感じです。 景気サイクル…
20231213 ドイツの気になるデータ5選(ZEW、ライン川水位、インフル流行など)
①ZEW景況指数(12月)~現況は低水準底這い(茶)ながら、半年後の期待(赤)は改善。 https://www.zew.de/presse/pressearchiv/zew-index-steigt-trotz-haushaltskrise ②ライン川水位~数日後のピークは凌げそうながら、上流地域での雨が続いた場合、次のヤマは要警戒。 https://vorhersage.bafg.de/14-Tage-Vorhersage/Duesseldorf_14Tage.pdf ③インフルエンザ等(呼吸器系疾患/含むコロナ)流行状況~710万人(人口の8.5%)が感染中。会社の人繰り注意。 https…
https://tradingeconomics.com/germany/business-confidence 先ほど11月ifo景況指数が発表され、上図(+下図赤線)の通り、予想をやや下回るわずかな改善となっていました。 現況(黒)、期待(青)ともわずかに上向きですが、ようやく底は打ったかなという程度であり、ドイツ経済復活の兆しはあまり感じられません。 業種別で見ると、今月は小売・卸売業(左下)の改善が目立ちますが、サービス業(右上)以外の製造業(左上)、建設業(右下)とともにマイナス圏内に留まっています。 景気サイクル的<縦軸:期待、横軸:現況>に見ても、リセッション領域(第3象限)から…
20230523 ドイツ商工会議所(DIHK)中小企業景気調査結果
https://www.dihk.de/de/themen-und-positionen/wirtschaftspolitik/konjunktur-und-wachstum/konjunkturumfrage-fruehsommer-2023 年3回実施されているドイツ商工会議所(DIHK)の景気調査結果(対象:ドイツ国内中小企業21千社)が発表されましたので、使えそうなデータを一通りピックアップしておきます。 ●総合的景況感:昨年のボトムから反発継続も、長期平均水準(水色)以下 ●景況感DI(黄:製造業、黒:建設業、橙:小売・卸売業(商業)、青:サービス業) 現状は、サービスで上向き、建設…