メインカテゴリーを選択しなおす
20240425 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、労働コスト、ECB経済月報など)
①ifoCAST(GDPナウキャストの一種)~Q1実質GDP(4/30速報発表)前期比▲0.43%と弱目の予想。但し、Q2予想が+0.97%まで切り上がっており、イリクリなどで高めに出る可能性あり。ちなみに市場予想はゼロ近傍でプラスマイナス0.3%程度に割れている模様。 ifoCAST Facts ifo Institute <構成要素> https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②時間当たり労働コスト(全産業、2023年、社会保険料などの労働副次コスト等含む)~ドイツは41.30EUR/時でEU平均の31.80EUR比で3割高。うち製造業は46EUR(EU平均32E…
20240424 外国人労働者人気国ランキング:ドイツは5位、日本は6位
https://www.bcg.com/press/24april2024-deutschland-beliebtestes-nicht-englischsprachiges-land 経営コンサル会社ボストン・コンサルティング・グループや職業斡旋会社ステップストーンなどが共同で発表した国際調査結果「Dream Destinations and Mobility Trends」の内容が大変興味深かったので、そのエッセンスをご紹介する。 4月24日に発表された上記報告書は、188か国の従業員15万人を対象として昨年10~12月にかけて調査されたかなり大規模なもの(下添)。 ドイツは最も人気のある…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2024/04/20240424-fruehjahrsprojektion-2024.html ドイツ政府が昨日発表した春季経済見通しのエッセンスは以下の通り: 概ねコンセンサス通り(上表ご参照)の予測値ながら、今年の成長率0.1%上方修正(0.2⇒0.3%)がニュースのヘッドラインとなっている。 まもなくドイツ経済が好転する兆候が増えてきている。 エネルギー価格が予想よりも早く/大きく下落した結果、エネルギー集約型産業が(まだ低水準ながらも)年初から生産を拡大し始めている。 エネルギー価格…
20240424 ドイツの肉類に表示されている「飼育状況」ラベルについて
https://haltungsform.de/ ドイツのスーパーで売られている肉・卵類の多くに、食品比較用参考情報として上図のようにカラフルな「飼育状況(Haltungsform)」ラベルが表示されている。特設サイト(上記)での解説をベースにエッセンス(活用法)をまとめると、以下の通り: 消費者に対して、動物が飼育されていた状況に関する透明性と信頼性の高い情報を提供することを目的とする統一畜産表示。 動物福祉のレベルを4(プレミアム)/3(放し飼い)/2(優良畜舎)/1(畜舎)の4段階で表示。 【牛肉の例】1 400kg超の1頭あたり最低2.2㎡/畜舎内係留あり/QS基準準拠の飼料 など2 …
20240424 ドイツの気になるデータ5選(ifo、週次食品売上など)
①ifo景況指数~市場予想比やや強めの改善。現況指数(黒)、期待指数(青)とも上昇傾向鮮明で、底打ち感が強く出ている。但し、水準が低いので、ECBの6月利下げ開始に疑問を抱かせるにはほど遠い。 総合PMIの回復基調とも整合的。 ②ifoサイクル図~いい方向への動きではあるが、「不況領域(第3象限)」にまだどっぷりとハマっている。 ③ifo業種別景況感~全体に改善方向ながら、総合指数(赤線)がゼロを上回っている(拡大基調にある)のはサービスだけ。 (ifo業種別ヒートマップは更新データ発表次第掲載) 上記①~③のソース: https://www.ifo.de/en/facts/2024-04-2…
20240423 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ車の中国シェアなど)
①中国市場におけるドイツ車のシェア~年々減少が続く。中国車の台頭と共に、中国経済低迷に伴う高級車需要の減退が背景。 ちなみに各メーカーの売上に占める中国シェア(2022年)は、VW:40.0%、ベンツ:36.8%、BMW:33.0%、テスラ:33.5%、トヨタ:17.1% ②総合PMI~製造業はまだまだ駄目ダメながらも、サービス業(新規採用にも価格設定にも強気化)を含めた「総合」ではGDPで前期比横ばいくらいまで回復。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/1d090f0c23304ee1acefc402e99a56aa ③…
20240423 中国スパイ逮捕についてのドイツメディアの報道ぶり
先週ロシアの破壊工作員容疑者2人が逮捕されたばかりだが、今度は中国のスパイ3人が逮捕された。本件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り。 サイバー攻撃に加えて、産業技術や軍事関連の情報入手を狙った中国によるスパイ活動は、ドイツ最大の脅威の一つとみなされている。 今回の事件では、スパイ活動が中国人によって直接行われたのではなく、中国国家安全省にドイツ人経営のフロント企業が利用されていた。 連邦憲法擁護局は、容疑者3人を長い間ターゲットとして監視しており、決定的証拠を得て逮捕に踏み切った。 被告らは中国の軍事力強化に役立つ可能性のある研究プロジェクトについて交渉中だった。特殊なレーザーなど…
www.ecb.europa.eu 本日ECBから発表されたユーロ圏住宅市場に関する分析レポート「ユーロ圏の住宅投資と住宅使用者コスト」(上記リンク先)のエッセンスは以下の通り: ユーロ圏の住宅投資は、2022年第1四半期から2023年第4四半期にかけて約4%減少。特にドイツとフランスで大幅に減少。 住宅投資減少の背景は、パンデミック中の建設コスト急上昇と、長期金利の大幅上昇/銀行の審査基準厳格化。 住宅使用者コスト:以下6つの要因を勘案したネットコスト(収益は差し引く)の対住宅価格比率と住宅投資の関係を今回分析。①債務返済コスト、②機会損失(住宅以外の資産への投資から得られたはずの金利収入な…
20240422 独Scopeによるドイツ信用格付けコメントのエッセンス
https://scoperatings.com/ratings-and-research/research/EN/176796 ドイツの格付機関スコープ社(@ベルリン)が本日発表したドイツのソブリン格付についてのコメントのエッセンスは以下の通り(経済低迷長期化でも財政が極めて健全なのでAAAは当面安泰という結論): 短期的に経済停滞や財政運営上の問題はあるものの、ドイツの格付け(AAA/安定的)に懸念なし。 コロナ以降の5年間、累積ベースでほぼゼロ成長というドイツ経済の停滞は、歴史上前例がない。 GDP(2019年末=100)の回復力の面で、ドイツ(赤線)は他のヨーロッパ諸国やAAA諸国に比…
ドイツ連邦雇用庁のデータによると、ドイツで受け入れた難民が着実に労働力として戦力化し始めており、人手不足問題の緩和に寄与している模様。 https://statistik.arbeitsagentur.de/Statistikdaten/Detail/Aktuell/arbeitsmarktberichte/faktenblatt-asyl8-ukr/faktenblatt-asyl8-ukr-d-0-pdf.pdf;jsessionid=3D4381A6BC8D160A73B56C4C3FAE50D5?__blob=publicationFile&v=1 ①難民の労働力人口(15~65歳) …
20240418 ドイツの気になるデータ5選(受注残、投資計画など)
①製造業受注残(2月)~前月比▲0.2/前年同月比▲5.8%とかなり減少してきたものの、月商の7.0か月分と依然高水準。低調な新規受注のバッファとなっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/04/PD24_159_421.html ②ホテル・レストラン売上(2月)~名目ベース(薄青)では前月比+1.2%/前年同月比+1.8%とかなり健闘しているものの、実質ベース(濃青)では前年同月比▲1.1%、コロナ前比▲14%とまだまだ凹んでいる。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pre…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=kurzberichte-928518 本日発表されたドイツ連銀月報(今回からWEB上で見やすくなっている/ドイツ連銀がどの指標をどんなグラフで見ているかがわかる)の経済分析部分(Kurzberichte)のエッセンスを以下紹介する。 ●鉱工業生産、建設生産、輸出が思ったより強かったため、実質国内総生産 (GDP)は第 1 四半期にわずかに増加した…
●ドイツ駐在員幹部向けアドバイス集「ドイツニュースダイジェスト・ビジネスコラム」 www.newsdigest.de ●ドイツ人同僚(幹部)とのビジネス雑談ネタ集「YouTube」(日本語/ドイツ語) www.youtube.com ●ドイツのオフィスでのサバイバルドイツ語集 dateno.hatenablog.com ●WEB翻訳を活用して独力でドイツ語ニュースをチェックする方法 dateno.hatenablog.com ●私の情報発信総合ポータルサイト「note」 note.com ●(本社からの要人出張受け入れ直前などに)ドイツ経済について短時間でざっと理解したい時「ドイツ経済直近断面…
20240417 ショルツ首相訪中についてのドイツメディアの報道ぶり
今回のショルツ首相2回目の訪中についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り。 今回の訪中の主な目的は、①【最重要】ウクライナ問題への協力要請/ロシア支援阻止、②補助金で支援された輸出ダンピング(特にEVや再エネ関連)の阻止、③中国市場へのアクセス改善、④その他経済協力の可能性模索、⑤地政学的野心の牽制、⑥人権尊重要請など。 ショルツ首相は中国行きの政府専用機の中でイランによるイスラエル攻撃を知った。上記に中東和平への協力要請/イラン支援阻止が加わり、もともと複雑だった今回の訪中がさらに難しいものになった。 独中両首脳の会談は3時間20分にもわたったが、ウクライナ問題(平和会議への参加要請)や…
20240416 IMF世界経済見通しのエッセンス(ドイツ視点)
www.imf.org www.imf.org ●全体感としては、GDP上方修正/インフレ下方修正という概ね良好な内容。リスクも上(AI、利下げなど)/下(地政学、中国など)バランス。 ●グローバル総括表~日本は今年+0.9%、来年+1.0%と潜在ペースを上回る成長継続でインフレ2%強が定着する見込み(暦年ベース)。 ●昨年+0.3%と低迷したグローバル貿易量は、今年+3.0%、来年+3.3%としっかり回復する見込み。 ●前提とする政策金利着地点:米3.5%、英3.0%、ユーロ圏2.5%、日:0.5%。 ●【ユーロ圏に対する総評】ユーロ圏の成長率は回復するものの、過去のショックと金融引き締めが…
①少子高齢化の深刻さ度合いを、労働力人口(15~64歳)に占める65歳以上の高齢者の割合でみると、ドイツ(赤)はイタリア(緑)に続いて日本(灰)に急速に追いつこうとしている。 ②20歳と65歳の人口差は、足元の27万人から、10年後には62万人に拡大見込み。 ③ドイツは移民(含む難民)を年平均29万人程度受け入れる見込みなので、総人口はほぼ横ばいを維持できる見込み(赤線)。 ④但し、移民(含む難民)のうちで、労働力として戦力化できるのはせいぜい6割程度。 ⑤加えて、ドイツの労働時間は極端に短い上。。。 ⑥病欠も多い(有給を使うことなく遠慮なく休む)。 ⑦その結果が深刻な人手不足の恒常化。 ⑧労…
https://www.zew.de/publikationen/zew-gutachten-und-forschungsberichte/forschungsberichte/konjunktur/zew-finanzmarktreport 4月ZEW景況指数のヘッドライン(期待指数:上図赤線および下図)は42.9と市場予想(30台)を大きく上回る改善。調査対象となったアナリストの半数が、輸出増やユーロ安などを背景に、ドイツ経済が今後6カ月で改善すると予想している模様。 但し、現況指数(上図茶線:足元のGDPの走りに近い)は低迷継続。 (同指数は金融アナリスト約300人に対する月次アンケート…
人口動態要因(団塊世代の大量退職>移民)に基づく構造的人手不足は緩和していないので、失業急増は回避されているが、経営環境の変化と共にオーバーキャパになっている領域では思い切った人員削減が進められている。 以下は今年に入ってからアナウンスされた主な人員削減計画の一覧表。 <関連ご参考:今年の主な賃金交渉一覧> <ドイツ労働市場関連> www.newsdigest.de dateno.hatenablog.com dateno.hatenablog.com <日独経済日記> www.youtube.com
20240415 ドイツの気になるデータ5選(ジニ係数、住宅用不動産市況など)
①ジニ係数(数字が大きいほど所得格差大)~所得格差問題はひと頃より大きく改善していたが、最近再び拡大傾向(各種資産効果のため)。ドイツは欧州の中でも格差がかなり大きい方。 https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-april-2024-928516?article=distributional-wealth-accounts-zeitnahe-daten-zur-vermoegensverteilung-der-privaten-haush…
www.bmwk.de 先週末リリースされたドイツ経済省4月月報のエッセンスは以下の通り。 輸出の改善と、鉱工業・建設の生産増(もともと受注残が大きい上、好天と高水準の病欠正常化が追い風)にわずかながらも明るい兆しが見え始めている。 グローバルベースで鉱工業生産と貿易量が回復し始めており、ドイツの輸出へのサポートが期待できる。 消費者が慎重で小売が弱い中、可処分所得増加で期待されている個人消費の回復の手応えはまだない。 インフレは3月+2.2%とかなり低下。特に食品価格(下図ピンク線)があまり上昇しなくなってきていることはポジティブ。但し、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇はリスク。 …
20240411 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、ECB利下げ織込みなど)
①欧州議会選(6/9)での政党別支持率~連邦議会選と概ね同様の分布。 https://dawum.de/Bundestag/ ②ifoCAST(GDPナウキャスト)~2024年第1四半期(4/30発表予定)前期比▲0.45%、第2四半期同+0.85%。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ③宿泊件数(2月)~2,820万人泊:前年同月比+6.9%と好調継続(国内+7.3%増:2,310万人泊/海外+5.1%増の510万人泊)。 ドイツで観光業は数少ない好況業種。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2…
www.ifo.de 産業立地としてのドイツの評価はかなり悲観的なものにならざるを得ない。 過去10年間を振り返ると、産業立地としてのドイツの評価(右)は欧州全体(左)よりずっと低い(ドイツは79%が「悪化」と回答、欧州全体では37%)。 半数近くが、今後10年間でドイツの魅力はさらに低下すると予測(右、改善予想はわずか15%)。欧州の中でも悲観的な部類(左)。 ドイツ政府の次の一手として最も重要なのは、①官僚主義の削減。次いで②インフラへの投資と③移民の促進(労働供給の拡充)。 ●ドイツの産業立地のネガティブ要因: ①官僚主義、②デジタル化(の遅れ)、③エネルギー/資源(不足)、④スキル人材…
china.ahk.de 今週、ショルツ首相が独大企業トップ(シーメンスやメルセデスなど)を引き連れて中国を訪問する直前のタイミングで公表された、在中国ドイツ商工会議所のアンケート調査(上記リンク)結果がなかなか興味深いので、そのエッセンスをまとめておく。 調査対象ドイツ企業の約3分の2が中国で不公平な競争環境に置かれ、当局者と対話する機会や情報共有、許可の取得で不利な立場にあると感じている。 ドイツ企業は、製品の品質、技術的リーダーシップ、イノベーションの強さで、中国の競合他社よりも優れている一方、中国の競合他社と比較して、コスト効率、市場投入までの時間、イノベーションのスピードが最も弱い、…
https://www.iwkoeln.de/fileadmin/user_upload/Studien/Report/PDF/2024/IW-Report_2024-Importabh%C3%A4ngigkeiten-China.pdf ドイツ経営者団体のシンクタンクIW(@ケルン)から「2023年対中輸入におけるデリスキング」というタイトルの興味深いレポートが出ていましたので、そのエッセンスを簡潔にご紹介します。 昨年(2023年)中国からドイツへの輸入は▲19%減少した。 対中依存度を引き下げようという努力は一部に認められるものの、全体としてみれば、対中デリスキングはあまり進捗していない…
●IAB(連邦雇用庁のシンクタンク)が毎月発表している「人手不足指数」は、3月も高止まり。少子高齢化の進捗に伴う労働力人口減少(移民・難民では補いきれない)がその背景。 https://iab.de/daten/arbeitskraefteknappheits-index-3/ ●単純に現在の求人(未充足ポスト)の数で見ると、①その他サービス460千人、②企業向けサービス425千人、③製造業204千人、④商業204千人、⑤建設業168千人の順。 https://iab.de/das-iab/befragungen/iab-stellenerhebung/aktuelle-ergebnisse/…
ドイツ・Stuttgart中央駅前にあるレストラン Ritziが倒産を発表。ミシュランガイド2024で一つ星を更新したばかりのグルメなお店。ワクワクするそのお料理もご紹介。人気店の破産の原因は物価高?コロナ?地元の飲食店・小売店の閉店が続き、外資系企業が入り込む事態に。ドイツ経済は大丈夫なのか?
20240407 ドイツの気になる世論調査結果5選(政党別支持率など)
①政党別支持率~1位CDU/CSU、2位AfD、3位SPD、4位Greenの序列とシェアにほぼ変化なし。極左ポピュリズム新党BSW(濃紫)はやや失速気味。 FDP(黄)は5%条項抵触で議席を失い、事実上CDU/CSU(黒)+SPD(赤)の大連立一択になる(AfDは全党から連立拒否されている/CDU/CSUは連邦レベルでGreenと相性が悪い)。 https://dawum.de/Bundestag/ ②今年の欧州/州議会選挙での政党別支持率~ 6/9(日)に欧州議会選~上記①と同様のシェア割りとなりそう 9/1(日)にザクセン州とチューリンゲン州で州議会選~AfDトップ維持 9/22(日)にブ…
https://report.europace.de/alle-news/europace-hauspreisindex-marz-2-2-2-6/ ドイツ最大の住宅ローンポータルサイトEuropaceの住宅価格指数(EPX)は、上図の通り、全てのカテゴリーで上昇に転じており、Europaceは今後も上昇が続く見通し、と評価しています。 下表上から順に 総合: 前月比+0.6%(冒頭グラフ紫色) 分譲マンション:前月比+0.79%(濃緑色) 新築住宅 :前月比+0.28%(水色) 中古住宅 :前月比+0.80%(灰色) その背景としては以下3点の影響が大きいと考えられます: ①手頃な家賃の賃貸…
20240405 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注、HICPなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~2024年第一四半期実質GDP換算(統計発表は4/30)で前期比+0.2%まで急回復!実際の着地がプラスかマイナスか微妙な情勢。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②製造業受注(2月)~前月比+0.2%と、1月の▲11.4%からの反動としてはかなり弱め。除く大口受注ベース(下図薄赤)でも減少トレンド継続。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilu…
ドイツの3月CPI速報値は、総合で前年同月比+2.2%、コアで3.3%とまあ良好な内容となっていました。ウェート7.4%のエネルギー価格が、前年同月比▲2.7%と押し下げに寄与しています。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/04/PD24_133_611.html エネルギーと食品を除くコアがまだ高水準かつ低下速度が鈍いものの、フランス、イタリア、スペインのデータも落ち着いた内容だったので、ユーロ圏ベースでは前年同月比+2.4%まで低下し、ECBの利下げの背中を押してくれている感じになっています。 trading…
20240402 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ連銀HPより)
今回はこちら(ドイツ連銀HPの統計サイト)から重要なデータ(インデックス/水準の推移をチェックできる)を5つピックアップしてご紹介します。 www.bundesbank.de ①(経営サイドから見た時給ベースでの)労働コスト(2023Q4)~前期比+1.2%/前年同期比+2.5%と上昇トレンド継続。今年もこの程度の上昇が継続する見込み(リスクは上振れ方向)。 <EU全体のデータはこちら> https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php?title=Labour_cost_index_-_recent_trends ②製造…
20240329 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、IMFブログの分析データなど)
①経済省GDPナウキャスト~実質GDP2024Q1:前期比▲0.2%。ifoCAST、ドイツ連銀WAI、市場予想などとも整合的。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/04/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②時間当たり労働コスト(2023年)~ドイツは41.3ユーロ(前年39.4ユーロ、前年比+4.8%。ユーロ圏全体では34.0⇒35.6ユーロで+4.7%。ユーロ圏の中では高い部類。 (社会保険料などを含む雇用者側から見た1時間当たりの総労働コスト) h…
先ほどドイツの3月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+4千人と、市場予想(+10~20千人)より気持ち強めの内容となっていました。 ちなみに米雇用統計からの連想で、これがヘッドラインであるかのように誤解しがちですが、ドイツでは全く重視されていませんのでご注意ください(日曜祝祭日に経済活動がほぼ止まるため、季節調整が難しい欧州では前年同期比が重視される)。 ●失業率<国内基準>~5.9%で横ばい。2022年以降の失業率上昇の大半は2022年6月からのウクライナ難民カウント開始によるもの。連邦雇用庁は「経済低迷の割にしっかり」との評価継続。 <以下◆3つはドイツ連邦雇用庁月報より抽出したも…
20230328 ドイツの気になるデータ5選(5大研予測、インフルエンザなど)
①雇用増分に占める外人の割合~最近の雇用増加分はほぼ全て外人によるもの(水色:移民、灰色:難民、黒:ウクライナ)。 ②アウトプットギャップ~ディスインフレ圧力は当面健在(青棒)。設備稼働率(黒線)も低め。 ④OECDの製造業の対GDPシェア~このような低下傾向はドイツに限ったことではない(経済のサービス化がじわじわと進んでいる)。 ④対米、対中貿易の推移~対米:輸出(黒)も輸入(青)も順調に増加。ドイツの貿易黒字は国別で最大(トランプが問題視する可能性大)。対中:輸出はすでにじり貧、輸入は急増後反落(デリスキングが強く意識されたため)。ドイツの貿易赤字は国別で最大。 上記①~④のソース:htt…
https://www.ifo.de/fakten/2024-03-27/gemeinschaftsdiagnose-fruehling-2024 先ほど発表されたドイツ5大研究所の春季合同経済予測のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済の低迷が続いている。まもなく回復が始まると思われるが、全体としての勢いはそれほど強くないだろう。 GDPはコロナ前をかろうじて上回る水準にとどまっている。 今年の実質GDP成長率予測は、昨秋の+1.3%から+0.1%に大幅下方修正。 就業者は増え続けているが、労働時間は縮み(病欠増加も一因)、生産性も伸び悩んでいる。 予想以上に個人消費の回復が遅れ、輸出が低…
20240327 ドイツ鉄道労使交渉決着についてのドイツメディアの報道ぶり
これまで5か月間にわたる交渉と計6回のストライキを経て、昨日3月26日、ドイツ鉄道とGDL(運転手組合)の労使交渉がようやく決着し、イースター休暇中のストライキ回避が確実になりました。GDLは大幅な賃上げ(免税一時金を含む)と週35時間労働に向けての段階的時短(詳細については下添一覧表ご参照)を勝ち取り、ドイツ鉄道は収益性と人繰りの確保に苦労することになります。本件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 GDLは2029年からの週35時間労働の実現を歴史的成果として自賛しているが、その評価については意見が割れている。 今秋に引退する予定のGDLヴェセルスキー組合長は、最後の闘いで…
https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-erholung-kommt-nur-muehsam-voran 先ほどGfK(消費者市場調査会社@ニュルンベルク)の消費者センチメントが発表されましたが、▲28.8と前月(▲29.6)比わずかに上昇はしたものの、相変わらずの低水準横ばいで、ドイツ個人消費回復の兆しは見つかりませんでした。 内訳を見ると引き続き、自分の所得に対してはさほど悲観的でないのに、購買意欲は低く、貯蓄にいそしんでいる、という構図になっています。 なお、実質賃金(名目賃金-インフレ)は昨年後半から既にプラスに転じており、多くのエコノミスト…
20240325 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、田中碧の市場価値など)
①建設受注(1月)~前年同月比ベースで実質+1.3%/名目+4.3%。前月比実質▲7.4%が一見悲惨に見えるが、トレンド(下図赤線)としての低位横ばい推移を見るべき。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_119_441.html ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~四半期実質GDP前期比換算で▲0.2%と、Q1期末に向けてマイナス圏での推移継続。ifoCASTの▲0.21%やドイツ銀行の予想▲0.2%とも整合的。Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.d…
20240323 ドイツ代表のメインスポンサー、アディダスからナイキに変更
<Japanese> ドイツサッカー連盟(DFB)は、これまで70年以上続いていた独アディダス社とのサプライヤー契約(ドイツ代表チームへのユニフォーム/用具類供給)を解消し、2027年から2034年まで米ナイキ社と契約することを決定しました。今年ドイツが主催する欧州選手権直前のタイミングで、ドイツ代表のサポートをドイツを代表するスポーツメーカーであるアディダス社から同社最大のライバルである米ナイキ社への変更を発表したことは、ドイツ内外に大きな衝撃を与えました。 ドイツ代表の成績不振などが原因でDFBが財政的苦境に陥る中、ナイキが年1億ユーロとアディダス(5千万ユーロ)の2倍のオファーを提示し、…
20240322 ドイツの気になるデータ5選(ifo、PMI、ZEWなど)
①ifo景況指数(3月)~期待(青)と現況(黒)がそろって改善。わずかながらも底打ちを期待させる動き。 <業種別>4業種すべてで上向き。サービス業(右上)では中立レベル回復。 <サイクル図>不況領域(第3象限)からの脱却はそう簡単ではなさそう。 <ヒートマップ>~好調を維持している航空機(30)と旅行関連(79)以外にも、飲料(11)、石油精製(19)、その他製造業(32)で好転(赤色化)。 https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-22/ifo-business-climate-index-rises-march-2024 <市場予想対比>~ECBの6月利下げが…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-maerz-2024-926690?article=kurzberichte--928232 本日発表されたドイツ連銀月報(3月)の経済分析部分のエッセンスをまとめると以下の通りです。 ドイツ経済の景気回復は遅れており、第1四半期の実質GDPは前期比で再びわずかに低下する可能性がある(これまでの弱気評価に変化なし)。 特に製造業は今後も低迷する可能性が高い。国内外の受注不振が続いている。 製造業の受…
本日発表されたドイツ銀行協会の経済見通し(民間銀行のチーフエコノミストらの共同作業の結果)のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済は依然として顕著な低迷状態にあり、今年の実質成長率はマイナスゼロどまりを予想。 これまでのドイツ経済低迷の主因だったエネルギー危機が完全に終了していることは朗報。来年は+1.2%と強めの成長が期待できる。 世界貿易は昨年わずかに縮小したが、今年は増加に転じる。そのデルタ(変化分)が小さくないため、相応にドイツ経済のサポートになるはず。 インフレ低下+賃上げに伴う購買力増加も景気回復の原動力になる。 ECBは6月から利下げを開始し、年内2回追加(四半期毎)を予想。こ…
本日連邦雇用庁のシンクタンクIABと労組系シンクタンクIMKが揃ってドイツ経済予測をアップデートしていましたのでそのエッセンスを簡単にご紹介します。 ①IAB(今年の雇用関連計数の予測が中心で、インフレや2025年の計数の予測はない) ドイツ経済は低迷局面に陥っているが、その回復はさらに遅れ、今年通年での実質GDP成長率はわずか0.1%にとどまる見込み。 2024年前半は全く冴えないが、年が進むにつれて回復に転じるはず。 労働市場は、景気低迷の割にはよく持ちこたえている。 就業者数は今年19万人増の4,612万人に達する見込み。 しかし、失業者数も273万人に増加見込み。長期失業率はコロナ前の…
20240320 ドイツの気になるデータ5選(受注残、PPI、幸福度など)
①製造業受注残(1月)~新規受注の不調が続いているので、じりじり減ってはいるものの、まだ月商の6.9か月分と高水準(資本財メーカーでは9.2か月分)。景気落ち込みを避けるためのクッションになっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_112_421.html ②生産者物価(2月)~前月比▲0.4%/前年同月比▲4.1%(除くエネルギー/下図赤でも▲0.8%)と、国内景気の低迷を素直に反映して低迷(川上のディスインフレ圧力)継続。 https://www.destatis.de/DE/Presse…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2024/20240214-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-maerz-2024.html ドイツ経済省の3月経済月報(まもなく出るドイツ連銀月報と併せてみることをお勧め)のエッセンスは以下の通りです。 1月は鉱工業生産(含む建設)と輸出がやや大きめの前月比プラスで明るい兆し。 しかし小売売上は続落、各種先行指標も底打ちの気配あるものの低水準横ばい。 紅海での船舶攻撃や国内でのストライキの影響で、…
20240318 ドイツの気になるデータ5選(企業倒産、住宅関連など)
①企業倒産件数~2023年通年で前年比+22.1%と大きめの増加かつ先行指標も上昇傾向(下図赤線)ながら、コロナ前(2019年)比では▲5%とまだまだ低水準。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_103_52411.html 超長期チャートで見てもこのような感じなので、現在の不景気が企業の倒産やそれによる大量失業を生むようなものではない(高い名目成長~失業や倒産は起こりにくい~がインフレで食われて実質マイナスになっているだけである)ことが判る。 ②住宅着工許可件数(1月)~1月単月ではわずか1680…
IFH(ケルン商業研究所)の「持続可能性消費者モニター」(やハンデルスブラットの解説記事)によると、インフレとエコ意識の高まりのため、ドイツで中古品の売買が活発化している模様です。ポイントは以下の通り。 ドイツにおける持続可能性の重要性/意識は年々高まっている。 特にZ世代は地球環境問題への関心が高く、積極的に街頭デモに参加するし、小売業には具体的なサステナビリティの追求を求めている。 小売においては、修理(Repair)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycle)への対応が重視されている。 一部の小売店はこのトレンドを捉え、中古品を積極的に取り扱ったり(H&M、Zalandoなど)、…
20240314 独DAX18000ポイント超えについてのドイツメディアの報道ぶり
ドイツのベンチマーク株価指数DAX40が節目の18千ポイントに到達していることについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツの株価指数が連日過去最高値を更新し、節目の18千ポイントをクリアしたことは大変感慨深い。 これは恐らく今後の上昇トレンド継続の中でのひとつの通過点に過ぎない。 こういった株式市場の高揚感とは対照的に、ドイツ経済の足元の状態は非常に悪く、回復の兆しがほとんど見られない。 一般国民の経済に対する不安と政府に対する不満は高まるばかりである。 しかし、株式市場は国内経済の状態以外の他の多くの要因によっても左右されていることを認識する必要がある。 グローバル市場を股に…
20240313 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、CPIなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元の実質GDPモメンタム(3m/3m)は▲0.3%まで急低下。ちなみに、ドイツ経済省の2024/Q1のGDPナウキャストは前期比+0.1%。ifoCASTは同▲0.52%。ドイツ銀行の予想は同▲0.2%、総合PMIはかなりの大幅マイナス示唆となっている。2024/Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②インフレ2月確報~2020年平均(ほぼコロナ前の水準と考えてよい)…
https://www.bundesbank.de/en/statistics/sets-of-indicators/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market-795270 掲題についてのドイツ連銀のデータがアップデートされましたので、そのエッセンスを以下ご紹介します(少なくともドイツ連銀がどんなデータを重視して見ているかが把握できます)。 ●商業用不動産価格は小売店舗用物件を中心にピー…