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ラジオから流れる「花」に合わせて声に出して低音部を歌った、いい気持の朝だ。日を浴びた洗濯物が風に揺れているのを、花を愛でるように見る。マーチたらちったかた...
20241210 シリア国内情勢についてのドイツメディアの報道ぶり
中東の転換期が始まりつつある。まずシリアに対するイランの影響力は少なくとも一時的には大きく低下する。 シーア派アラウィー派に属していたアサド政権は、同じシーア派の仲間として、イランとヒズボラ、ハマスの架け橋の役割を果たしていた。 2つめのポイントは、欧州のような民主主義を期待するのは無理筋だということ。 新シリア政権も原理主義的イスラム勢力であり、女性や宗教的少数派の権利にどの程度寛容なのかは未知数である。 アサド政権崩壊に対して、間接的ながらもイスラエルは非常に重要な役割を果たした。イスラエルがハマス、ヒズボラを徹底的に弱体化させたため、イランはアサドをうまく助けられなくなった。 反政府組織…
先日、公明党が結党60周年を迎えたが公明党の衰退は止まらない。支持母体の創価学会の衰退もさることながら今の公明党に存在価値を見出せない。公明党結党時は「大衆とともに」との立党精神そのもの政党だった。当時の既成政党は政治エリートだけの政治で多くの民衆は政治に参加しているという実感がなく政治と民衆が乖離した状態だった。また国内の保守対革新というイデオロギー対立に属さない中道政治は望ましかった。そんな中で「大衆政治」「中道政治」を旗揚げした公明党の存在意義は大きかったと思う。公明党は当時ではそれまで日本国内に存在しなかった先鋭的な「ポピュリズム政党」だったのである。通常ポピュリズム政党は拡大するまで…
20241004 ドイツ統一記念日についてのドイツメディアの報道ぶり
34回目を迎えたドイツ統一記念日に関するドイツメディアの報道ぶりは以下の通り: シュヴェリンで開催された祝賀式典でのショルツ首相の演説:「ドイツ統一は34年経った今でもまだ完全ではない」「より良い生活の機会と平等な生活条件を政治が生み出さなければならない」「但し、多様性は強みであり、西とまったく同じにするのでは意味がない。」 10月3日は、自由と統一のために戦った東ドイツ国民に感謝する日。 東独から西独に「何とかしてくれ」と毎年訴えかける日ではない。 東独における最近の極右/極左ポピュリズムの台頭を考えると、これまでの政治が人々の不安と不満に対して正しい手を打てていないことは明らか。 経済格差…
20240902 東独2州でのポピュリズム台頭についてのドイツメディアの報道ぶり
チューリンゲンとザクセンにおける州議会選挙で極右政党AfDと極左新党BSWが躍進したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り: 極右AfDはチューリンゲン州で第一党、ザクセン州は僅差の2位で着地。極左ポピュリズム新党BSWは、両州で二桁の高い支持を得た。 過去何十年にもわたってドイツの歴史を形作ってきたすべての中道政党は、多かれ少なかれ厳しく罰せられた。 エアフルトとドレスデンの政府と議会は、もはや以前と全く異なるものになりそうだ。古典的連合の時代は終わった。 両州でCDUが連立政権樹立を目指すことになるが、ベルリン本部からのガイドラインより両州の有権者の声を優先しつつ、他党との新し…
20240801 ドイツの気になるデータ5選(住宅価格/家賃、インフル流行など)
①住宅価格/家賃(Q2)~住宅価格は早くも下げ止まり/反転上昇し始めている(前期比+1%程度)。家賃(グレー)はコンスタントな上昇継続(年+5.5%)。背景には圧倒的な供給不足(年40万戸が必要なのに20~30万戸しか供給できていない)。 https://www.iwkoeln.de/studien/pekka-sagner-michael-voigtlaender-angebot-und-nachfrage-bestimmen-preise.html ②インフル流行度合い~週あたり新規感染率4.4%(うちコロナ分0.8%と高め)で横ばい。水準としては直近7年間で最高水準。患者数370万人。病…
202407XX ドイツの気になるデータ5選(最近の人員削減アナウンスなど)
①人員削減アナウンス~製造業での人員削減アナウンス/上乗せが目立ち始めてきた。 https://www.tagesschau.de/thema/stellenabbau ②年初来株価上昇率~大幅下落後でも円株は年初来+約2割とトップクラス。DAXは欧州議会選挙以降頭が重く、年初来+8.5%。 https://www.sekaikabu.com/windex/priceuprate-1y.html www.finanzen.net ③経済省GDPナウキャスト〜Q2、Q3とも実質GDPは前期比▲0.3%と低調を予想。Q2の速報は7/30発表予定で、市場予想は+0.1%(ドイツ連銀も小幅プラスだった…
菅(すが)内閣が発足しました。総理大臣就任後の初の記者会見をテレビの生中継で見ていて、空虚感を禁じ得ませんでした。縦割り、既得権益、前例主義の打破。聞こえはいいけど、結局、「当たり前」でなかった安倍政権の継承であれば、そこに説得力はなく、それどころか、それを言葉の傘にしてもっと「当たり前」でないことをしでかしそうで怖いです。さらに、大阪人としては既にどこかで聞いたようなセリフ…。そうです、維新がまったく同じようなことを言う人たちです。しかし、実際やっていたのは「公務員いじめ」。大阪の行政を一部の人たちへの優遇と弱者切り捨てのような状態…。また、菅氏と維新の関係もこれまでに周知のとおりです。それはさておいても、まずは菅内閣が実際にどういう政治をするのか?注視したいです。さらに、来年の今頃には、またどうなっているの...まぁ、また憂鬱な日々は続くようですね。
20240719 フォンデアライエンEU委員長再選についてのドイツメディアの報道ぶり
ドイツ人女性政治家であるウルズラ・フォン・デア・ライエン氏(写真)の欧州委員会委員長再選が決まったことについての、ドイツメディアのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り: 欧州議会議員401人がフォンデアライエン氏に投票し、今後5年間のEU委員長再任が決定した(反対284票、棄権者15票)。 今後数週間でEU委員会各委員の人選が進められるが、その際男女比のバランスが強く意識されることになりそう。 多民族で構成されるEU議会では強い党規律が機能しないので、同氏の過半数確保は不安視されていた。 そんな中で5年前より多い56%の賛成票獲得(スムーズな再選)は明るいニュース。 今回の再選は、EU市民に対…
20240707 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、EURO2024オッズなど)
①ifoCAST~Q2実質GDP予測は前期比▲0.09%にまで低下。Q3(下)については▲0.58%とさらに悲惨な悪化度合い。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②ドイツ国内航空~バカンスシーズンに向けて旅客数(青)は絶好調な一方、貨物(赤)はずっと冴えない。 https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/pulsmesser_wirtschaft ③EURO2024オッズ~優勝確率では①スペイン33%、②イングランド27%(但し準決勝でオランダにかなり苦戦しそう)、③フランス25%、④オランダ17…
20240707 週末のBloombergより(米雇用統計など)
youtu.be ◆失業率の上昇などをみる限り、雇用の実態は事業所統計の表面の数字以上に減速している可能性(月+20万ではなく実は月+10万)があり、債券市場は素直に金利低下で反応。9月利下げに大きく前進。 ◆民主党議員の間でもバイデンのままでは自分も落選するという危機感が高まっている一方、市場では「トランプトレード」が進み始めている。 ◆いずれにしても人気取り的財政拡大と関税拡大によるインフレ上昇→長期金利上昇のリスクは高まっており、これが債券市場だけでなく株式市場(現時点では比較的強い景気+利下げだけに注目している)にも悪影響を与える展開には注意が必要。 ◆財政拡張は短期的には景気や企業業…
国民分断ヤバい今のフランス、百年ぶりオリンピック開催どころではない
こんにちは、人生探求家のskystarです。さてあと26日後に迫ったパリ・オリンピックだが、今の政治状況が極度に不安定化していて、一体、オリンピックが無事に開催されるのかと不安になっています。7日後に極右政党が過半数か第一党になったら、大規模なデモやら暴動がまた
20240630 米大統領選TV討論についてのドイツメディアの報道ぶり②
★世論調査ではバイデンの支持率が前代未聞の大暴落。ニューサム加州知事への期待が急上昇。 https://www.realclearpolling.com/betting-odds/2024/president ja.wikipedia.org トランプ再選を他のどの国よりも恐れているドイツのメディアは、本件を熱心に採り上げており、気持ちのこもった書きぶりがなかなか面白いので、印象に残ったものを以下続報としてご紹介する<第一報はこちら↓>: dateno.hatenablog.com バイデンは、ワックスのような顔とうつろな表情で、アトランタCNNスタジオの演壇に上がった。彼の声はかすれ、ろれつ…
20240628 米大統領選TV討論についてのドイツメディアの報道ぶり
ドランプ優勢と評価され、当選確率格差は拡大。 6月27日夜に開催された、バイデン氏とトランプ氏による米大統領候補の第1回TV討論会についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り: 異例に早いタイミングでCNN主催により開催(次回は9月10日にABC主催)。 今回の選挙で最初(2020年10月以来)のTV討論会。 厳格に規制された無観客の場で、経済情勢、中絶の権利、移民、ウクライナ戦争などが主な議題となった。 バイデン、トランプとも個人攻撃に終始した。 発言時間はトランプ氏41分2秒/バイデン氏36分12秒。 バイデンはトランプが嘘つきで、全てを誇張していると非難し、トランプを犯罪者(議会襲撃扇…
youtu.be ◆弱目の小売などを受けて、FEDはバックミラーだけ見ていて利下げに出遅れているのではないか、といった期待が台頭。市場は引き続き9月利下げ6割を見込む。◆最初の利下げは、FEDが現行の金融政策スタンスをどう評価しているかを見極める上で極めて重要。その後どれくらいのペースでどれくらい深く下げるかは2次的な話。◆逆に言うと、本局面ではFEDが保険的にちょっとだけ金利を下げた後、ずっと様子を見るという可能性も十分あるので、長期金利のトレンド的な低下に期待し過ぎてもいけない。◆FEDは利下げ開始後も「データ次第」モードを継続する。断続的利下げとなるためには、インフレが多少減速するだけで…
20240614 ドイツの気になるデータ5選(政治家人気トップ10、EURO2024など)
①ZDF/Politbarometer政治家人気トップ10~ショルツ首相が9位まで後退 https://www.forschungsgruppe.de/Aktuelles/Politbarometer/ ②前倒し総選挙に対する国民の考え方~欧州議会選惨敗を受けて、ショルツ政権は来年秋の総選挙までもたないのではないかという見方が3割(左)。(フランスのようにいっそ)前倒し総選挙に打って出るべきと考える人たちが5割(右)。 (注:首相に事実上の解散権がある日本と異なり、ドイツでは下院での不信任成立が前提となるので、総選挙前倒しは実務上非常に困難/過去にもほとんど例がない、という点には注意が必要) …
20240610 欧州議会選についてのドイツメディアの報道ぶり
欧州議会選結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り: 【今回の選挙における最も重要なインプリケーション】①プーチンシンパであるワーゲンクネヒト氏の台頭、②スキャンダルをものともしないAfDの躍進(特に東独)、③ショルツ政権崩壊リスクの高まり(特にFDP)、④Greenの政策に対する拒絶反応顕在化。 【今回の選挙における主な争点】①難民問題②ロシア/ウクライナ問題③環境問題/脱炭素 ドイツ政府にとってはほぼ事前の予想通りの悪い結果となった。 欧州議会選挙は常に、EU全体の政治というよりは各国国内政治に大きく左右される。地域固有の問題に大きく左右される州議会選や市町村選よりは、欧州議会選…
20240526 ドイツの気になる世論調査結果5選(政治家人気トップ10、欧州議会選など)
①政治家人気トップ10~ピストリウス国防相がトップ独走継続。来秋の選挙ではショルツ首相の代わりに首相(筆頭)候補に推すべきとの声も出始めている(が本人は固辞)。メルツCDU党首株が浮上する一方で、ショルツ首相の人気低迷は継続。 ②欧州議会選(6月9日)~極右AfD(青)が前回(2019年)から5.7%pt得票を伸ばし、第2党に躍り出る見込み。但し、ここ半年くらい、各種スキャンダル発覚/反極右デモ/極左ポピュリズム新党誕生などを背景に支持率の低下が続いている(④ご参照)。 ③東独3州(9月1, 22日)~3州とも(全独ベースでは失速気味の)AfDがしっかりトップを維持しており、「極右躍進」とドイ…
20240512 ドイツの気になるデータ5選(欧州議会選、ユーロ円など)
①欧州議会選政党別支持率~CDU/CSU(黒)とSPD(赤)は前回(2019年5月)並みの支持率維持。Greenが大幅減/極右AfD(青)が大幅増見込み。 https://dawum.de/Europawahl/#Umfrageverlauf ②ユーロ円~介入直前の高値:1ユーロ171.62円からの下落をほぼ半分取り戻して越週。次にこの高値をトライする時が正念場。 www.gaitame.com ③ドイツの銀行シニア債のスプレッド~超定位で安定。現状、金融システムリスクはほとんど懸念されていないが、サイバーリスクについては一応要警戒。 ④女性議員比率~連邦議会で35.3%(日本の衆議院は10.…
20240428 ドイツの気になる世論調査結果5選(選挙関連)
①来年秋の連邦議会選~極右AfD(青)は、年初来活発だった反極右大規模デモに加えて、中露とのつながり(収賄、スパイ関与など)が嫌気されて支持率低下。 ②6月9日の欧州議会選~政党支持率バランスは上記(ドイツの下院)とほぼ同じ。 ③9月1日のザクセン州議会選~極左ポピュリズム新党BSWに大半の他党が食われている。AfDの第一党の地位は、CDUに脅かされ始めている。 ④9月1日のチューリンゲン州議会選~AfD(極右)、Linke(左)がBSW(極左)に票を奪われている様子が鮮明に出ているが、AfDはトップ堅持。 ⑤9月22日のブランデンブルク州議会選~AfDの支持低下もトップは堅持。 上記①~⑤の…
20240412 ドイツの気になる世論調査結果5選(政治家人気ランキングなど)
https://www.forschungsgruppe.de/Aktuelles/Politbarometer/ 先ほど、ZDFのPolitbarometerの最新データが発表されたので、そのエッセンスを以下紹介する。 ①政治家人気トップ10~今回からブストNRW州首相の代わりにラウターバッハ保健相がランクイン。ピストリウス国防相のトップ独走継続。 ②ショルツ政権(SPD+Green+FDP)に対する評価~満足(評価する)は31%。65%が不満(その責任は、29%がFDP、23%がGreen、4%がSPDにあると回答)。 ③欧州議会選への関心~関心あり44%/関心なし56%(前回2019年と…
20240407 ドイツの気になる世論調査結果5選(政党別支持率など)
①政党別支持率~1位CDU/CSU、2位AfD、3位SPD、4位Greenの序列とシェアにほぼ変化なし。極左ポピュリズム新党BSW(濃紫)はやや失速気味。 FDP(黄)は5%条項抵触で議席を失い、事実上CDU/CSU(黒)+SPD(赤)の大連立一択になる(AfDは全党から連立拒否されている/CDU/CSUは連邦レベルでGreenと相性が悪い)。 https://dawum.de/Bundestag/ ②今年の欧州/州議会選挙での政党別支持率~ 6/9(日)に欧州議会選~上記①と同様のシェア割りとなりそう 9/1(日)にザクセン州とチューリンゲン州で州議会選~AfDトップ維持 9/22(日)にブ…
20240317 ドイツの気になる世論調査結果5選(トランプ/バイデン、タウルス関連など)
①バイデンとトランプどちらを望みますか?という質問に対して、ドイツ市民の間では、70.4%対21.4%で圧倒的にバイデンを支持。 ちなみに米国での世論調査では46.5%対34.5%でトランプ優位。 https://www.realclearpolitics.com/elections/betting-odds/2024/president/ ②タウルス(長距離ミサイル)のウクライナ提供の是非については41.9%対49.7%で反対優勢。 ③中国と台湾の軍事衝突が起こると思うか~何も起こらないと信じている人は計13.5%と少数派。上から「どちらかといえばYes」38.6%、「わからない」27.5%…
20240309 国際関係のニューノーマルにおける日独連携の可能性
<Japanese> 英国メディアがドイツをシャーデンフロイデを伴う形でシニカルに面白おかしく語るのはいつものことですが、英Economistは「ドイツはこれまで、安全保障を米国に、エネルギー確保をロシアに、販売市場を中国にアウトソースしてきた。」と表現しています。今やドイツはそのすべてを失いつつあり、大変苦しい状況に陥っているが、それは所詮自業自得だ、とでも言いたいのでしょう。個人的には、BrexitでEUに大迷惑をかけた上に自らの衰退を加速させている英国からそんな風に言われる筋合いはないように思います。但し、ドイツの政治家人気ランキング(Politbarometer)で、メルケル前首相は常…
20240223 ドイツの気になる世論調査結果5選(人気政治家トップ10など)
ドイツ第2公共放送(ZDF)のPolitbaromerが先ほどアップデートされましたので、そのエッセンスをお届けします。 www.forschungsgruppe.de ①人気政治家トップ10~ショルツ首相、破格の低迷継続 ②政党別支持率~極右AFD下げ止まり。極左ポピュリズム新党BSWは足切りの5%確保(FDPとLinkeは5%割れ)。 ③ウクライナへの軍事支援~武器・弾薬の供給強化を61%が支持(1月の51%から上昇)32%が反対(1月42%)。 46%はロシアが他国を攻撃するのではないかと懸念。45%は戦争がウクライナに限定されると予想。 ④戦争終結が可能ならウクライナがロシアに占領され…
20240218 ドイツの気になる世論調査結果5選(政党別支持率など)
①政党別支持率(有力7社平均)~極右AfD(青)の支持率低下継続 仮に今選挙した場合の議席配分:大連立(黒+赤)政権誕生の可能性大 https://dawum.de/Bundestag/ ②東独3州(いずれも今年9月に州議会選)政党別支持率~AfDのトップ揺るがず 上二つ(ザクセン、チューリンゲン)は9/1、一番下のブランデンブルクは9/22投開票 https://www.rnd.de/politik/aktuelle-wahl-umfragen-wie-schneiden-die-parteien-in-deutschland-derzeit-ab-18-2-2024-462SFUR3SNB…
20240213 ベルリンやり直し選挙に対するドイツメディアの報道ぶり
2021年9月のドイツ連邦議会(下院)選挙のやり直し(投票用紙不足など投票所の運営に多数の不備があったため憲法裁に命じられた)が11日、ベルリンの一部(上図)で行われました。 ドイツの下院選挙は比例代表(併用)制ですので、ごく一部の有権者(55万人:全独の0.9%)の投票で議席の変動は予想されていませんでしたが、6月9日の欧州議会選挙と9月の東独3州議会選の前哨戦として注目を集めていました。 ショルツ政権(赤緑黄)の与党の得票率が減少し、FDP(黄)が比例分1議席を喪失しました。一方で野党のCDU(黒)とAfD(青)は得票を伸ばしました。 本件に関するドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです:…
ドイツ全土で連日繰り広げられている反極右大規模デモの効果もあって、AfD(青、極右)の支持率の急低下が続いています。 https://dawum.de/Bundestag/ それでも今もし仮に選挙があったとすれば(日本と違って首相が簡単に議会を解散することはできず、連立内からの離反⇒不信任成立⇒大統領のGOサインが必要)、AfDは全630議席中146議席(シェア23%)を獲得し、野党第一党となることが確実な情勢となっています。 また、極左ポピュリズム新党BSWは43議席(Linkeからの分離独立で現有10議席)に躍進する一方、連立ジュニアパートナーのFDP(現有92議席)と野党Linke(分裂…
20240126 トランプ再選可能性の高まりに対するハンデルスブラットの報道ぶり
「3年前の2021年1月20日にドナルド・トランプ氏がホワイトハウスから姿を消したときのあの(ドイツ人の)安堵感を覚えているだろうか。」という書きぶりに表現されている通り、ドイツ(と欧州)にとって、ウクライナ支援を打ち切り、NATOから脱退し、脱炭素の流れを大逆流しかねないトランプ再選は最悪のシナリオであり、その最悪シナリオが今やメインシナリオになっていることに恐怖すら感じているようです。ドイツの経済専門紙ハンデルスブラットの報道ぶりは以下の通りです。 トランプ落選により、歴史上のグロテスクな誤りが正されたと思った。 トランプは晩年をゴルフコースで過ごすのか、それとも刑務所で過ごすのかだけが残…
20240121 ドイツ全土で多発している反極右デモについてのドイツメディアの報道ぶり
最近ドイツ各地で、極右反対/民主主義の保護強化を訴える大規模デモが多発しています。これらについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 これらの抗議の波は、右翼勢力の過激派、AfD、WerteUnionの代表者や起業家らが昨年11月に秘密会合の場で外国人の大量国外追放について議論していたことが明らかになったことによって引き起こされた。 昨日は全国で推定30万人が右翼過激思想に反対して街頭に立った(フランクフルトとハノーファーで各35千人、ブラウンシュヴァイクとシュトゥットガルトで各20千人など)。 極右が圧倒的に優勢な旧東独地区(ハレ、エアフルトなど)でも人々が立ち上がっていることは大変…
20231226 ドイツ大統領XMAS講話「自分自身を信じましょう」
https://www.bundespraesident.de/SharedDocs/Reden/DE/Frank-Walter-Steinmeier/Reden/2023/12/231225-Weihnachtsansprache.html 毎年恒例のクリスマス大統領スピーチ(昨夜20:10放送、全文リンク下添)のポイントをまとめておきます(わかりやすくなるように一部意訳/補記しています)。 平和、連帯、民主主義の大切さを国民に語り掛け、今年一年の国民の頑張りに対して感謝の気持ちを伝える素晴らしいスピーチだったと思います。 冒頭のつかみ:「今年ほど『(ネガティブなものばかりなので)もうニュー…
20231219 独Focus/英Economist誌「2024年の世界」のエッセンス
https://pdf.focus.de/Die-Welt-in-2024/Die-Welt-in-2024-01-2023 毎年この時期になると、このシリーズをしっかり読んだ上で、来る年に備えることにしているのですが、今回号の中から来年のドイツにとって私なりに最も重要と思った5つのポイントを以下ご紹介します。 ①来年ドイツで最も注目を集めそうな人物~極左ポピュリズム新党BSWを立ち上げたこちらのヴーゲンクネヒト氏。国内的には極左かつ反難民/反EU/親ロシアで、来年のドイツ政局の台風の目になりそうです。 <ヴァーゲンクネヒト新党関連投稿> dateno.hatenablog.com daten…
20231210 雑誌の表紙で振り返る今年(2023年)のドイツ
https://www.ikiosk.de/shop?lang=de 私は日本にいた頃から、ドイツの世相をざっくり掴むために、上記のiKioskの新聞や雑誌の表紙を毎日ざっとチェックするようにしています(特にドイツ語学習者にはオススメの方法です)。 今週になって以下のような「今年を振り返る特集」的なものがいくつか出始めているので(これらを買う代わりに)、ドイツの有力雑誌の表紙を使って今年のドイツを私なりに振り返ってみたいと思います。 ●昨冬のガス危機は、LNG調達(ハーベック経済相が奔走)+節約+暖冬のおかげで、何とか凌ぎました。 ⚫️ドイツの最新鋭戦車レオパルト2をウクライナに出す出さない(…
Forschungsgruppe Wahlen > Aktuelles > Politbarometer ZDF Politbarometerのランキングをご紹介します。私なりにポイントをまとめると以下の通りになります。 ピストリウス国防相のトップ独走が就任以降ずっと続いている。 ショルツ首相は現職首相として異例の低ランキングで低迷(メルケル前首相は常時トップを維持し、信頼を集めていた)。リーダーシップなき政権運営が何とも冴えない。 年初来、Greenに対する支持率低下(環境政策強行への反発や幻滅)が顕著な割に、ベアボック/ハーベック両氏は健闘。 来年発足するバーゲンクネヒト新党(BSW、極左…
20231120 アルゼンチン大統領選でのミレイ氏勝利に対するドイツメディアの報道ぶり
アルゼンチン大統領選で、ドル化/中銀廃止や歳出大幅削減などを主張するリバタリアン(自称:無政府至上主義者)のアウトサイダー、ハビエル・ミレイ氏が勝利したことに対するドイツメディアの(当確直後の現時点での)報道ぶりは以下の通りです。 56%対44%という大差での勝利はサプライズ。ミレイ氏の正式就任は12月10日。 ダークホースを最終的に当選させた原動力は、アルゼンチン人の怒りと失望。特に若者から支持を集めた(アルゼンチンでは16歳から投票できる)。 アルゼンチンでは、20年以上にわたって左翼ペロン派が政権を握り、国家が経済に大規模な介入を行い、公共サービスには多額の補助金が出され、多くの地方では…
米大統領選はまだ1年先(かつ実際の就任は2025年1月から)なので、具体的に深い議論が始まっているわけではありませんが、欧州、特にドイツが恐れているトランプ大統領再選の可能性について、最近ドイツのメディアで見受けられる論調を以下簡単に整理しておきます。 現時点でトランプ氏は共和党内の指名獲得はほぼ確実で、バイデン大統領との一騎打ちでもやや優勢とされている(下添世論調査、オッズご参照)。 数多くの裁判(特に選挙妨害の件は本来政治的にも深刻)を抱え、有罪判決が出る可能性があるにもかかわらず、大統領就任が妨げられないというのは、常軌を逸している。 昨今の地政学的に極めて不安定な情勢下でのトランプ大統…
note.com <Japanese> 海外に長く住んでいると、日本にどっぷりと漬かっていた時には見えなかった日本の良さがよく見えるようになります。自動販売機を外に置いても壊されない日本の治安は、何かと物騒なことが増えてきた現代社会においてはこの上なく希少な強味と言うべきでしょう。比較的安全とされているドイツですら、わずかな現金目当てで銀行のATMコーナーが丸ごと爆破されています。人口10万人当たりの殺人件数(2021年)を比較すると、日本の0.23件は、米国の6.81件、英国の1.00件、ドイツの0.83件に比べて、圧倒的に低いことがわかります。 日本は、左右のポピュリズム台頭や社会の政治的…
20231020 ヴァーゲンクネヒト新党結成についてのドイツメディアの報道ぶり
先日人気左翼政治家ヴァーゲンクネヒト氏(写真、54歳)が新党結成に動く可能性について以下の通り速報しましたが、その新党結成に向けての具体的動きが始まったことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 dateno.hatenablog.com 今回発足する新組織(新党)『サーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟(BSW)』は、2025年秋の連邦議会選を揺るがす可能性が高い。早ければ来年の欧州議会選や東独州議会選にも影響を与えうる。 この左派ポピュリズム新党(反移民/ドイツ人弱者保護優先、親ロシア/反NATO)は、現在の民主主義に対する不満の有力な受け皿となる。 特にAfD(極右)と左派党(Li…
20231009 ドイツ州議会選(バイエルン・ヘッセン)結果についてのドイツメディアの報道ぶり
昨日実施された、バイエルン州とヘッセン州の州議会選挙結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです(極右の躍進を憂慮するトーンが強い)。 両州での選挙結果は、ベルリンの信号機連立政権の一貫性のない政策に対する国民の不満を如実に表している。 AfD(極右)が州議会で多数の議席を獲得し続けていることを憂慮すべき。 AfDは、特に難民政策での迷走から恩恵を受けている。 ヘッセン州では、フェイザー内相(SPD、同州リーダー)の移民政策が政府の制御不能を強く印象付け、SPDが得票を大きく落とした。 ヘッセン州のCDUは、左派&緑のカオスを批判して得票を伸ばした。 ショルツ首相には新たな内相が必要…
20230603 最近のAfD(極右)支持率急上昇についてのドイツメディアの報道ぶり
https://dawum.de/Bundestag/ 最近の政党別支持率世論調査(上図は主要6機関平均値)で、極右AfD(青)が政権与党のGreen(緑)を有意に(誤差の2-3%以上)上回り、ショルツ首相の母体であるSPD(赤)にも肉薄して(一部調査では追い抜いて)います。 こういったAfD(ドイツのための選択肢)の支持率上昇傾向についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 AfDの支持率上昇の責任はひとえにショルツ連立政権にあり、野党第1党であるCDU/CSUのせいにはできない。 特に、石油・ガス暖房禁止新法やハーベック経済相の腹心辞任を巡るドタバタと連立政権内の亀裂は致命的だった…
維新の会について思うこと(その2)~小泉がターゲットにした「B層」とポピュリズム
これは5月29日、2本めの記事です。 東日本大震災をはじめ全国の自然災害の被災地の方々へ 前向きに新たな生活を送れるようにガンバです。o(^-^)o、災...
2週間前の前半の記事と同様、大事なことなので今回も書きますが、明日の投票日で僕がお願いしておきたいこと、2つ。・必ず投票所に行って権利を行使していただきたいです。・そして投票用紙には維新以外、できれば自公維国とそのほかポピュリストや陰謀論を振りまく集団以外の候補者の名前を!以降も同じ文章を掲載しますが、このブログでは以前から書いておりますように、維新の候補者に投票することはおすすめしていません。当然、僕自身も2008年1月以降、橋下氏が大阪府知事選に立候補してから、現在に至るまで維新の候補者には一切投票はしていません。世の中に生きる人達の「分断」あおり、議論を単純な2極化へ強制的に誘導し、対極になるものを否定・批判・排除しようとするやり方は、もうそれ自体「政治」ではありません。「政治」とはこの世の中に生き...明日は投票日(統一地方選挙2023・後半)
こんなタイトルにするといつも脳内でDREAMSCOMETRUEの「決戦は金曜日」が鳴ります。明日は日曜日ですが。さて、本日で選挙戦が終わり明日有権者の審判が下されるわけですが、その前にいつものように、そして大事なことなので今回も書きますが、明日の投票日で僕がお願いしておきたいこと、2つ。・必ず投票所に行って権利を行使していただきたいです。・そして投票用紙には維新以外、できれば自公維国とそのほかポピュリストや陰謀論を振りまく集団以外の候補者の名前を!このブログでは以前から書いておりますように、維新の候補者に投票することはおすすめしていません。当然、僕自身も2008年1月以降、橋下氏が大阪府知事選に立候補してから、現在に至るまで維新の候補者には一切投票はしていません。世の中に生きる人達の「分断」あおり、議論を...明日は投票日(統一地方選挙2023・前半)
20230403 トランプ起訴に関するドイツメディアの報道ぶり
トランプ元大統領が、ポルノ女優に対する口止め料支払いスキャンダルで起訴されたことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 なお、ドイツにとってトランプは最も苦手な米国政治家であり(実際、メルケル前首相とは犬猿の仲だったとされています)、できれば早くつぶれて欲しいという思いがあります。 支払われた金銭が違法な選挙資金を構成するかどうかがポイントだが、マスコミの関心は、本件がトランプの今後の選挙戦にどう影響するかという点に集中。 米国史上、初めて起訴された元大統領となったトランプは、司法を軽視し、ブラッグ検事/バイデン/ソロスによる陰謀だと非難し、支持者の結束を呼び掛けている。 トラン…
これまでにも僕はこのブログで、SNSで、維新の候補者に投票することはおすすめしていません。当然、僕自身も2008年1月以降、橋下氏が大阪府知事選に立候補してから、現在に至るまで維新の候補者には一切投票はしていません。なぜか?橋下氏を代表するような論破の手法というのが本当の意味での議論というものにならず、本来の政治の意味を歪ませる可能性を大いに感じていたからです。そして、実際に大阪府市政は歪んでいきました。「身を切る改革」をスローガンに実際は府市民の身を切るような改悪が行われてきました。特に住吉市民病院の廃止に代表される行政の医療機能・社会福祉機能の削減は、単に数字上での問題しか解決しておらず実際の府市民の生活については逆に問題を生み出しているという現実には腰が引けています。またそれが悪い方向に影響したのが...維新の候補者を選ぶことは死を選ぶことに近い。