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ヒトラーによる政治(1933年〜1945年のナチス政権)について、歴史的な観点から「メリット」と「デメリット」を以下に整理して解説します。なお、**これは歴史を理解するためのものであり、ナチズムや差別・戦争犯罪を正当化する意図は一切ありません**。 --- ## ヒトラー政権の「メリット」(一部国民が当時感じた利点) 1. **経済の回復と失業率の改善** - 世界恐慌後の混乱期に、アウトバーン建設や軍需産業の…
家のポストに「極右政党に入れないで」とAfD党を名指しで批判の選挙ビラ。右翼党の思想や政策をわかりやすく解説。世界でアメリカに次ぐ第二の移民大国ドイツ。移民、難民の犯罪や問題は多いが、一斉排除はドイツ国民にとっても大きなマイナスか?永住権保持者や国籍変更した人の行方は?ドイツ移住者の先行きは不安です
20240614 ドイツの気になるデータ5選(政治家人気トップ10、EURO2024など)
①ZDF/Politbarometer政治家人気トップ10~ショルツ首相が9位まで後退 https://www.forschungsgruppe.de/Aktuelles/Politbarometer/ ②前倒し総選挙に対する国民の考え方~欧州議会選惨敗を受けて、ショルツ政権は来年秋の総選挙までもたないのではないかという見方が3割(左)。(フランスのようにいっそ)前倒し総選挙に打って出るべきと考える人たちが5割(右)。 (注:首相に事実上の解散権がある日本と異なり、ドイツでは下院での不信任成立が前提となるので、総選挙前倒しは実務上非常に困難/過去にもほとんど例がない、という点には注意が必要) …
20240606 ドイツの気になるデータ5選(ライン川水位、インフル流行など)
①ライン川水位(@デュッセルドルフ)~今日明日くらいは警戒水位(7.1m)ぎりぎりまで上がるものの、その後は落ち着く見込み。 https://vorhersage.bafg.de/14-Tage-Vorhersage/Duesseldorf_14Tage.pdf 洪水警報自体は続いているものの、南部洪水被災地域でも水位は下がり始めている。今後被害状況が徐々に明らかになってくる見込み。 https://www.hochwasserzentralen.de/warnungen ②インフルエンザ流行状況~週あたり人口の4.9%が新規感染(うちコロナ分0.3%)、患者数410万人。徐々に減ってきてはい…
20240531 ドイツの気になるデータ5選(インフル流行度、小売売上など)
①インフルエンザ流行度合い~週あたり新規感染者数(人口比)4.6%(うちコロナ0.1%程度)。患者数390万人にまで減少。但し、まだまだ比較的高水準。 https://influenza.rki.de/Wochenberichte/2023_2024/2024-21.pdf ②DIW(ベルリン研)景気バロメータ(5月)~4月までの改善傾向から製造業主導で急反落(左)。長期的に見てもかなりの低水準(右)。最近の景気回復の不安定さを示唆。ifoも横ばいであり、過度の期待は禁物か。 https://www.diw.de/de/diw_01.c.903641.de/diw-konjunkturbaro…
20240530 株式投資収益で年金給付を補強する改革案についてのドイツメディアの報道ぶり
年金給付を現役所得の48%以上の水準に維持するため、ドイツ政府が株式投資資金を拠出し、その株式投資(株式需給改善要因ではあるが、数年来のネタであり市場織込済)からの収益を年金給付の足しにしようとする年金改革案(上図)が閣議決定されたことに対するドイツメディアの報道ぶりは以下の通り: 少子高齢化の進行とともに、退職までまだ遠い若者たちは、増加する高齢者に対する高額な年金を、年金拠出金と税金という形負担させられている。 今の若者たちは、年金制度を支えるため、より長く働かされる(年金支給開始年齢がどんどん引き上げられる)可能性もある。 その負担軽減のため、金融市場から得られる潜在的収益を年金保険給付…
20240526 ドイツの気になる世論調査結果5選(政治家人気トップ10、欧州議会選など)
①政治家人気トップ10~ピストリウス国防相がトップ独走継続。来秋の選挙ではショルツ首相の代わりに首相(筆頭)候補に推すべきとの声も出始めている(が本人は固辞)。メルツCDU党首株が浮上する一方で、ショルツ首相の人気低迷は継続。 ②欧州議会選(6月9日)~極右AfD(青)が前回(2019年)から5.7%pt得票を伸ばし、第2党に躍り出る見込み。但し、ここ半年くらい、各種スキャンダル発覚/反極右デモ/極左ポピュリズム新党誕生などを背景に支持率の低下が続いている(④ご参照)。 ③東独3州(9月1, 22日)~3州とも(全独ベースでは失速気味の)AfDがしっかりトップを維持しており、「極右躍進」とドイ…
20240509 頻発するドイツの政治家襲撃についてのドイツメディアの報道ぶり
6月9日の欧州議会選を前に、ドレスデン、ベルリン、エッセンなどで緑の党やSPDの政治家が相次いで襲撃されている件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り: 選挙活動は民主主義の根幹であり、一連の暴力行為は断じて許されない。 シュタインマイヤー大統領は、政治討論を平和的かつ敬意を持って実施するように訴え、自由民主主義の支持者は党派を超えて攻撃に対して団結するよう呼び掛けた。 内務相はもっと選挙活動に十分な警備を提供すべき。 一方、近年は経費削減のため、警察の人員がかなり削減されてしまっており、余力に乏しい。 警察だけでは民主主義を敵から守ることはできない。過激派の跋扈を許さないために、日頃…
20240505 ドイツの気になる世論調査結果5選(政策満足度、移動手段など)
①経済政策満足度~非常に不満が65.5%でダントツトップかつじりじり増加傾向。 ②中長距離国内移動手段~男性(上段)も女性(下段)もクルマ(黄)が約2/3を占めており、鉄道は約1/4と低い。鉄道へのシフトにまだまだポテンシャルがあると言える一方、EVは航続距離や充電ステーションの問題で使いにくいという話にもなりやすい。 ③核廃棄物受容度~「自分の住んでいる地区がもし核最終処分場に適していたとして、核廃棄物を受け入れられるか?」:絶対イヤ35.7%、どちらかというとイヤ9.9%(計45.6%) vs もちろんOK22.3%、どちらかといえばOK18.0%(計40.3%)、わからない13.9%。ド…
https://www.ifo.de/en/facts/2024-05-03/economists-panel-reform-proposals-for-germany 本日発表されたifo研によるドイツの産業立地分析レポートのエッセンスは以下の通り: ●学校の評点で言うと3.4(平均よりやや下/イマイチといったイメージ)。 ●計13の評価項目のうち高評価は、①政治制度、②教育と人的資本、③治安と地政学的リスク、金融へのアクセス。低評価は、⑬デジタル化、⑫賃金以外の労務コスト、⑪規制と官僚主義、⑩エネルギーと原材料、⑨税金。 【改善提案】 入札手続きや建設/投資の承認手続きの迅速化。 新規およ…
20240502 OECD経済見通しのドイツ部分のエッセンス
<全体> https://www.oecd.org/economic-outlook/may-2024/ https://read.oecd-ilibrary.org/view/?ref=1265_1265108-ee6rdghes4&title=oecd-economic-outlook-presentation-may-2024 以下がこちらのドイツ部分のエッセンス: https://www.oecd-ilibrary.org/sites/69a0c310-en/1/3/2/19/index.html?itemId=/content/publication/69a0c310-en&_csp…
20240428 ドイツの気になる世論調査結果5選(選挙関連)
①来年秋の連邦議会選~極右AfD(青)は、年初来活発だった反極右大規模デモに加えて、中露とのつながり(収賄、スパイ関与など)が嫌気されて支持率低下。 ②6月9日の欧州議会選~政党支持率バランスは上記(ドイツの下院)とほぼ同じ。 ③9月1日のザクセン州議会選~極左ポピュリズム新党BSWに大半の他党が食われている。AfDの第一党の地位は、CDUに脅かされ始めている。 ④9月1日のチューリンゲン州議会選~AfD(極右)、Linke(左)がBSW(極左)に票を奪われている様子が鮮明に出ているが、AfDはトップ堅持。 ⑤9月22日のブランデンブルク州議会選~AfDの支持低下もトップは堅持。 上記①~⑤の…
20240426 ドイツの気になるデータ5選(税負担、インフル流行など)
①税・社保負担(OECD、2023年)~ドイツでは総労働コスト(賃金+所得税+労使が負担する社会保険料等)のほぼ半分(47.9%)が租税/保険料でベルギーに次ぐ世界2位の高負担。OECD平均は34.8%。日本は33%と低い方。 https://www.oecd.org/newsroom/labour-taxes-rise-across-oecd-countries-amid-persistent-inflation.htm ②インフルエンザ流行度~患者数490万人、新規感染率5.9%(最近コロナはほとんどなし)と、例年比やや高めながらも減少傾向(下図赤線)。 https://influenza…
20240421 ドイツの気になる世論調査結果5選(中東情勢、ベーシックインカムなど)
①中東情勢~イランのイスラエル直接攻撃後、更なるエスカレーションを恐れる人が74.6% ②一日の労働時間~生産性と労働者保護のバランス的にベストな労働時間は①7-8時間:37.7%(増加傾向)、②6-7時間:24.0%(横ばい)、③8-9時間:13.8%(横ばい)、④5-6時間:12.8%(減少傾向) ③脱原発~「歴史的間違いだった」という表現に賛同する人が64.7% ④ベーシックインカム~64%が(うち53.1%は強く)反対 以上①~④のソース: https://civey.com/ ⑤政党別支持率~ほぼ動きなし https://dawum.de/Bundestag/ <日独経済日記> ww…
20240412 ドイツの気になる世論調査結果5選(政治家人気ランキングなど)
https://www.forschungsgruppe.de/Aktuelles/Politbarometer/ 先ほど、ZDFのPolitbarometerの最新データが発表されたので、そのエッセンスを以下紹介する。 ①政治家人気トップ10~今回からブストNRW州首相の代わりにラウターバッハ保健相がランクイン。ピストリウス国防相のトップ独走継続。 ②ショルツ政権(SPD+Green+FDP)に対する評価~満足(評価する)は31%。65%が不満(その責任は、29%がFDP、23%がGreen、4%がSPDにあると回答)。 ③欧州議会選への関心~関心あり44%/関心なし56%(前回2019年と…
www.ifo.de 産業立地としてのドイツの評価はかなり悲観的なものにならざるを得ない。 過去10年間を振り返ると、産業立地としてのドイツの評価(右)は欧州全体(左)よりずっと低い(ドイツは79%が「悪化」と回答、欧州全体では37%)。 半数近くが、今後10年間でドイツの魅力はさらに低下すると予測(右、改善予想はわずか15%)。欧州の中でも悲観的な部類(左)。 ドイツ政府の次の一手として最も重要なのは、①官僚主義の削減。次いで②インフラへの投資と③移民の促進(労働供給の拡充)。 ●ドイツの産業立地のネガティブ要因: ①官僚主義、②デジタル化(の遅れ)、③エネルギー/資源(不足)、④スキル人材…
https://www.iwkoeln.de/fileadmin/user_upload/Studien/Report/PDF/2024/IW-Report_2024-Importabh%C3%A4ngigkeiten-China.pdf ドイツ経営者団体のシンクタンクIW(@ケルン)から「2023年対中輸入におけるデリスキング」というタイトルの興味深いレポートが出ていましたので、そのエッセンスを簡潔にご紹介します。 昨年(2023年)中国からドイツへの輸入は▲19%減少した。 対中依存度を引き下げようという努力は一部に認められるものの、全体としてみれば、対中デリスキングはあまり進捗していない…
20240407 ドイツの気になる世論調査結果5選(政党別支持率など)
①政党別支持率~1位CDU/CSU、2位AfD、3位SPD、4位Greenの序列とシェアにほぼ変化なし。極左ポピュリズム新党BSW(濃紫)はやや失速気味。 FDP(黄)は5%条項抵触で議席を失い、事実上CDU/CSU(黒)+SPD(赤)の大連立一択になる(AfDは全党から連立拒否されている/CDU/CSUは連邦レベルでGreenと相性が悪い)。 https://dawum.de/Bundestag/ ②今年の欧州/州議会選挙での政党別支持率~ 6/9(日)に欧州議会選~上記①と同様のシェア割りとなりそう 9/1(日)にザクセン州とチューリンゲン州で州議会選~AfDトップ維持 9/22(日)にブ…
ドイツの反極右デモに参加〜シュトゥットガルト/Stuttgart gegen Rechts〜
ナチス、右翼、極右政党ドイツのための選択肢(AfD)への反対デモが開催。15000人が集まり、人種差別やファシズムに声をあげました。多くのこどもや若者たちがデモに参加!もちろんお年寄りの方々も手作りプラカードを持って参戦。ヨーロッパの右傾化の波を止められるのか。ドイツのデモ行動について考えてみました
20240326 ドイツの気になる世論調査結果5選(政治家人気ランキング、政治不信度合いなど)
①政治家人気ランキングトップ10(Politbarometer)~ショルツ首相が7位から4位に浮上。 ②最大野党CDU/CSUの次期首相(筆頭)候補~ 1位:ゼーダーCSU党首(27%)、2位:ブストNRW州首相(25%)、3位メルツCDU首相(15%)、4位:ギュンターSH州首相(9%)。 ③米国抜きでの欧州防衛~63%が非常に重要、30%が重要と回答。トランプ再選が現実味を帯びる中、欧州の自律的防衛力強化を圧倒的多数が支持。 上記①~③のソース:https://www.forschungsgruppe.de/Aktuelles/Politbarometer/ ④脱炭素/気候変動対策~これ以…
20240324 ドイツの気になる世論調査結果5選(政党別支持率、大麻合法化など)
①政党別支持率推移~極右AfD(青)が支持率を切り下げる一方で、ショルツ首相のSPDが(赤)やや盛り返し。極左ポピュリズム新党BSWは5%条項クリア継続。 https://dawum.de/Bundestag/ ★但し、今年9月に州議会選を控える東独3州では引き続きAfDがリード。 9/1:チューリンゲン、ザクセン 9/22:ブランデンブルク https://www.rnd.de/politik/aktuelle-wahl-umfragen-wie-schneiden-die-parteien-in-deutschland-derzeit-ab-24-3-2024-462SFUR3SNBCLN…
20240314 独DAX18000ポイント超えについてのドイツメディアの報道ぶり
ドイツのベンチマーク株価指数DAX40が節目の18千ポイントに到達していることについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツの株価指数が連日過去最高値を更新し、節目の18千ポイントをクリアしたことは大変感慨深い。 これは恐らく今後の上昇トレンド継続の中でのひとつの通過点に過ぎない。 こういった株式市場の高揚感とは対照的に、ドイツ経済の足元の状態は非常に悪く、回復の兆しがほとんど見られない。 一般国民の経済に対する不安と政府に対する不満は高まるばかりである。 しかし、株式市場は国内経済の状態以外の他の多くの要因によっても左右されていることを認識する必要がある。 グローバル市場を股に…
20240303 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、ウクライナ支援など)
①経済省GDPナウキャスト~Q1前期比+0.1%を予想。一方、ドイツ銀行は▲0.1%、ドイツ連銀は「恐らく(小幅)マイナス」との読み。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/03/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②新車販売に占める動力のシェア~いい時は3割を超えていたEVは1月に10.6%まで急低下(PHVは6.7%)。昨年末急遽補助金が打ち切られたため(財政憲法違反判決の余波)。ガソリン(52.1%)、ディーゼル(26.0%)でほぼ8割を占める。 ht…
20240227 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャストなど)
①ifoCAST(ifo研が2週間毎に発表しているGDPナウキャスト)~Q1が前期比▲0.27%、Q2が+0.17%と軟調継続。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②WAI(ドイツ連銀が毎週月曜夕刻に発表しているGDPナウキャスト系指標)~実質GDP換算(3m/3m前期比)で+0.3%とプラス圏ながら、足元モメンタムは下向き(右図)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③ifo輸出期待~低水準ながらも底打ちの気配。…
20240225 ウクライナ開戦2周年についてのドイツメディアの報道ぶり
ロシアによるウクライナ攻撃から2月24日で2周年を迎えることについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 この戦争で数万人が死亡し、ここ数十年で最も地政学的に危険な時代が到来した。イスラエルとハマスの悲惨な紛争を含め、さらなる暴力が勃発している。世界のあちこちで緊張が高まっている。 ドイツはこの過去2年間、実に多くのことを学び、変化してきた。 ドイツは年間70億ユーロを負担し、米国に次ぐウクライナ最大の支援国となっている。 しかしショルツ首相が宣言した転換点(Zeitenwende)は、ドイツ国内においても、ウクライナとの関係においても、まだまだ不十分。 ドイツと欧州は、トランプ氏が大…
20240223 ドイツの気になる世論調査結果5選(人気政治家トップ10など)
ドイツ第2公共放送(ZDF)のPolitbaromerが先ほどアップデートされましたので、そのエッセンスをお届けします。 www.forschungsgruppe.de ①人気政治家トップ10~ショルツ首相、破格の低迷継続 ②政党別支持率~極右AFD下げ止まり。極左ポピュリズム新党BSWは足切りの5%確保(FDPとLinkeは5%割れ)。 ③ウクライナへの軍事支援~武器・弾薬の供給強化を61%が支持(1月の51%から上昇)32%が反対(1月42%)。 46%はロシアが他国を攻撃するのではないかと懸念。45%は戦争がウクライナに限定されると予想。 ④戦争終結が可能ならウクライナがロシアに占領され…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2024/02/20240221-jahreswirtschaftsbericht-2024.html 本日ドイツ経済省から発表されたドイツ政府の年次経済報告(単なる経済予測というよりは経済政策のベースとなるもの)のエッセンスは以下の通りです。 メインテーマは「競争力の持続的強化」(10の取り組み分野後述、筆者としては日本がやるべきことと完全に重なっているものと思料)。 ドイツ経済は困難な状況にあり、昨年▲0.3%のマイナス成長の跡、今年も成長率は+0.2%どまり。 短期的には、外需低迷、イ…
20240218 ドイツの気になる世論調査結果5選(政党別支持率など)
①政党別支持率(有力7社平均)~極右AfD(青)の支持率低下継続 仮に今選挙した場合の議席配分:大連立(黒+赤)政権誕生の可能性大 https://dawum.de/Bundestag/ ②東独3州(いずれも今年9月に州議会選)政党別支持率~AfDのトップ揺るがず 上二つ(ザクセン、チューリンゲン)は9/1、一番下のブランデンブルクは9/22投開票 https://www.rnd.de/politik/aktuelle-wahl-umfragen-wie-schneiden-die-parteien-in-deutschland-derzeit-ab-18-2-2024-462SFUR3SNB…
20240216 ドイツ商工会議所(DIHK)「立ち直れないドイツ経済」
https://www.dihk.de/de/aktuelles-und-presse/aktuelle-informationen/deutsche-wirtschaft-kommt-nicht-auf-die-beine-112962 ドイツ商工会議所(DIHK)が27千社を対象に実施した年頭経済アンケート調査結果(上記リンク)のエッセンスは以下の通りです。 タイトルは「立ち直れないドイツ経済」(Deutsche Wirtschaft kommt nicht auf die Beine)。景況感の更なる悪化を強く懸念。 DIHKとしては今年▲0.5%の実質マイナス成長を予想(世の中で最も悲…
20240213 ベルリンやり直し選挙に対するドイツメディアの報道ぶり
2021年9月のドイツ連邦議会(下院)選挙のやり直し(投票用紙不足など投票所の運営に多数の不備があったため憲法裁に命じられた)が11日、ベルリンの一部(上図)で行われました。 ドイツの下院選挙は比例代表(併用)制ですので、ごく一部の有権者(55万人:全独の0.9%)の投票で議席の変動は予想されていませんでしたが、6月9日の欧州議会選挙と9月の東独3州議会選の前哨戦として注目を集めていました。 ショルツ政権(赤緑黄)の与党の得票率が減少し、FDP(黄)が比例分1議席を喪失しました。一方で野党のCDU(黒)とAfD(青)は得票を伸ばしました。 本件に関するドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです:…
ドイツ全土で連日繰り広げられている反極右大規模デモの効果もあって、AfD(青、極右)の支持率の急低下が続いています。 https://dawum.de/Bundestag/ それでも今もし仮に選挙があったとすれば(日本と違って首相が簡単に議会を解散することはできず、連立内からの離反⇒不信任成立⇒大統領のGOサインが必要)、AfDは全630議席中146議席(シェア23%)を獲得し、野党第一党となることが確実な情勢となっています。 また、極左ポピュリズム新党BSWは43議席(Linkeからの分離独立で現有10議席)に躍進する一方、連立ジュニアパートナーのFDP(現有92議席)と野党Linke(分裂…
20240202 ドイツの気になる世論調査結果5選(ショルツ政権支持率、週休3日制など)
①政党別支持率~AfD(青線、極右)の支持率が2割以下まで急低下。多数の大規模反極右デモや主要政治家による「政府への不満を極右への投票で表現するのは大変危険なので絶対にやめて欲しい」といった警告などの効果が少し出てきたとの評価。 現時点で総選挙を実施すると、連立ジュニアパートナーのFDP(黄色、自由経済重視)が5%条項抵触で議席を失い、極左ポピュリズム新党BSW(紫色)が7%の議席を獲得することに。 <最近ドイツ全土で大規模に展開されている反極右デモの直近報道例> www.deutschlandfunk.de ②ショルツ政権支持率~政府の仕事ぶりに満足している人のシェアはわずか17%と過去最低…
<現在交渉中/今後交渉開始予定の賃金交渉一覧>足元はドイツ鉄道を6日麻痺させようとしているGDL(組合員はごく少数)に注目が集まりやすいですが、今年通年では夏のIGメタル/年末のヴェルディ(ドイツ2大労組)が重要です。 <2022年以降の主な妥結結果一覧> <ドイツの労働組合の全体感> <ドイツ連銀マクロ経済予測(賃金関連)> <ドイツ経済の全体感> note.com <ドイツで生き残るためのビジネス塾> www.newsdigest.de
20240121 ドイツ全土で多発している反極右デモについてのドイツメディアの報道ぶり
最近ドイツ各地で、極右反対/民主主義の保護強化を訴える大規模デモが多発しています。これらについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 これらの抗議の波は、右翼勢力の過激派、AfD、WerteUnionの代表者や起業家らが昨年11月に秘密会合の場で外国人の大量国外追放について議論していたことが明らかになったことによって引き起こされた。 昨日は全国で推定30万人が右翼過激思想に反対して街頭に立った(フランクフルトとハノーファーで各35千人、ブラウンシュヴァイクとシュトゥットガルトで各20千人など)。 極右が圧倒的に優勢な旧東独地区(ハレ、エアフルトなど)でも人々が立ち上がっていることは大変…
20240117 アイオワでのトランプ圧勝についてのドイツメディアの報道ぶり
オンライン世論調査Civeyの直近調査結果(上図)によると、ドイツ人の7割(確実36.2%+どちらかというと34.7%)がトランプ再選を覚悟しています。 極寒の中で実施されたアイオワ州共和党予備選では、トランプ氏が51%を獲得して圧勝し、フロリダ州知事デサンティス氏が21%で2位、元国連大使ヘイリー氏が19%、起業家ラマスワミ氏が8%というほぼ事前予想通りの結果で着地し、トランプ再選の可能性が大きく高まりました。本件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 アイオワ州は全米共和党のほんの一部を代表するに過ぎないが、大統領選のその後展開の方向性を探るための重要な出発点とみなされている…
20240116 ドイツマイナス成長についてのドイツメディアの報道ぶり
ドイツは昨年実質GDP成長率前年比▲0.3%と先進国唯一のマイナス成長に陥りました。この経済不振についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです(日本を抜いたかどうかなどという議論は皆無です)。 https://tradingeconomics.com/germany/full-year-gdp-growth 高インフレ(含むエネルギーコスト)、海外経済の低迷、高金利、財政緊縮のため、ドイツ経済はマイナス成長に終わった。 多くのドイツ国民とドイツ企業にとって、できれば忘れたい最悪の1年となった。 この状況は当面大きく改善する見込みはなく、今年もわずかなプラス成長に留まる見込み。 債務ブレーキ…
20240115 ドイツの気になるデータ5選(2023年GDP、政治家ランキング、政党別支持率など)
①実質GDP(2023年通年)~市場の予想通り前年比▲0.3%で着地。但し名目成長は+6.3%(2022年は+7.2%)と非常に高く(高インフレのせいだけで実質ベースでマイナスに転じている)、売上げを落としてよい言い訳にはならない。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_019_811.html ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~若干のプラス成長モメンタムを回復。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woe…
20240108 ドイツ農民の抗議活動に関するドイツメディアの報道ぶり
ドイツ政府が財政緊縮の必要に迫られて導入を計画しようとしている農業用ディーゼル補助金の段階的廃止に対して、全国の農家が、トラクターなどによるアウトバーン入口の閉鎖や大規模抗議集会などを始めようとしています。これに対するドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 道路封鎖、車両パレード、大規模デモなどにより、今週月曜日から、ドイツの農民たちが一週間、ドイツを試練にさらそうとしている。 休暇中のハーベック経済相に対する脅迫事件(搭乗中のフェリーに大挙して殺到しようとした)は環境過激派の活動(絵画や歴史的建造物を汚すなど)同様、一線を超えている。 農民協会はこういった過激な抗議活動から距離を置いてい…
20240105 昨年の排出量大幅減についてのドイツメディアの報道ぶり
昨日、気候変動対応関連シンクタンク「Agora Energiewende」が昨年のドイツのCO2排出量について以下の内容の調査レポートを発表しました。 2023年のドイツ温室効果ガス排出量は、推計6億7,300 万トン。 1990年(基準年)比46% 減少。1950 年代以来の最低レベル。 気候保護法に基づく年間目標7億2,200万トンを約4,900万トン下回る。 主因1)石炭火力発電が1960年代以来の最低レベルに低下。4,400万トン削減に寄与。電力需要の大幅な減少、近隣諸国からの電力輸入の増加(その約半分は再生可能エネルギーによるもの)/電力輸出の減少、グリーン電力の発電量増加、がその背…
www.bundeskanzler.de (新年おめでとうございます。今年も日独経済日記をどうぞよろしくお願いします) https://note.com/nobuo_date 昨夜放送された「Neujahrsansprache:年頭演説」(約3分、上記リンク)で、ショルツ首相はドイツ国民に対して、ドイツは困難に耐えることができる強い国であり、環境保護や社会正義などの重要課題に取り組むことで、より良い未来を築くことができるので、楽観と連帯の心を持って共に行動して欲しいと呼びかけていました。ポイントを簡単にまとめると以下の通りです。 コロナ、ウクライナ戦争、ハマスのテロなど、ネガティブな事象が続い…
20231231 来年も日独経済日記をどうぞよろしくお願いします
今年も1年間、ご愛読ありがとうございました。ドイツ関連の日本語情報(特にビジネスに役立つもの)はまだまだ意外に少ないので、毎日しつこく発信してゆくつもりです。来年も引き続きどうぞよろしくお願いします。皆さま、良いお年を! ●ブログ、コラム、動画のすべてをこちらのnoteに束ねています。 note.com 各種ドイツ関連情報を「ドイツ経済」「マーケット」「対中依存度」「ドイツ語学習」「小ネタ」などのカテゴリーで「マガジン」に束ねています。 ●YouTubeには日本語とドイツ語の動画を上げています。スライドのデータをスクショなどしてご活用いただければと思います。 www.youtube.com ●…
https://www.dbresearch.de/MAIL/RPS_DE-PROD/PROD0000000000531099.pdf?undefined&realload=gpxDjNuqm3/mrg2bF5kv0g8kxpqZ86WayKyDOQuWpAcEZ32EBAAZ1vBvcsdzX9vm ドイツ銀行の経済見通し(ドイツ語版)が公開されていますので、そのエッセンスを私なりに抽出して以下まとめておきます。 2024年は「幻滅の年」か? 海外経済、金利、財政政策は引き続き強い逆風となる可能性が高い。 不況が長引く中で各種構造問題への不満も高まり、景況感が圧迫される。 違憲判決後難航して…
https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/michael-groemling-miserable-lage-duesterer-ausblick.html ドイツ経営者系シンクタンク、ドイツ経済研究所(IW、ケルン研)のアンケート調査結果によると、ドイツ企業の足元のセンチメントは、エネルギー危機まっただ中だった去年末とほぼ同様の悪さで、低迷した今年より来年さらに悪化を見込んでいるという意味では過去最悪に悪いと言ってよい状況です(上図)。 ちょうど1年前の経済専門紙ハンデルスブラットの見出しが「企業のムードは最悪の状態」のデジャブを見ている…
20231226 ドイツ大統領XMAS講話「自分自身を信じましょう」
https://www.bundespraesident.de/SharedDocs/Reden/DE/Frank-Walter-Steinmeier/Reden/2023/12/231225-Weihnachtsansprache.html 毎年恒例のクリスマス大統領スピーチ(昨夜20:10放送、全文リンク下添)のポイントをまとめておきます(わかりやすくなるように一部意訳/補記しています)。 平和、連帯、民主主義の大切さを国民に語り掛け、今年一年の国民の頑張りに対して感謝の気持ちを伝える素晴らしいスピーチだったと思います。 冒頭のつかみ:「今年ほど『(ネガティブなものばかりなので)もうニュー…
20231224 独経済専門誌(Wiwo)の2024年ドイツ経済展望
ドイツ経済専門誌「Wirtschaftwoche」(ヴィルトシャフト・ヴォッヘ)の2024年経済展望特集部分のエッセンスをご紹介します。 https://www.wiwo.de/my/politik/konjunktur/konjunkturausblick-das-sind-2024-die-groessten-risiken-und-chancen-fuer-die-deutsche-wirtschaft/29569180.html 多くのドイツ企業が、投資をするなら海外でと考え始めている。 高どまるエネルギーコスト、激しく上昇する賃金/人手不足、経済政策迷走、高い金利と税・社保負担、官僚…
note.com <Japanse> ドイツでは去年の今頃、天然ガスの価格が高騰しただけでなく、そもそも手に入らなくなって、冬が越せないのではないかという不安でいっぱいでした。その後、ショルツ政権の奮闘でエネルギー危機は何とか乗り切れたものの、国民生活をまんべんなく圧迫するインフレと先進国唯一のマイナス成長によって、ドイツにとっては散々な一年となりました。今年の流行語大賞には「Krisenmodus~危機モード」が選ばれましたが、今後もこの危機がずっと続いてしまい、来年も「Krisenmodus 2.0」が大賞受賞なんてことにもなりかねません。あくまで私見ですが、ドイツは他のどの先進国よりも健…
20231219 独Focus/英Economist誌「2024年の世界」のエッセンス
https://pdf.focus.de/Die-Welt-in-2024/Die-Welt-in-2024-01-2023 毎年この時期になると、このシリーズをしっかり読んだ上で、来る年に備えることにしているのですが、今回号の中から来年のドイツにとって私なりに最も重要と思った5つのポイントを以下ご紹介します。 ①来年ドイツで最も注目を集めそうな人物~極左ポピュリズム新党BSWを立ち上げたこちらのヴーゲンクネヒト氏。国内的には極左かつ反難民/反EU/親ロシアで、来年のドイツ政局の台風の目になりそうです。 <ヴァーゲンクネヒト新党関連投稿> dateno.hatenablog.com daten…
●ショルツ首相、7位にまで転落。 www.forschungsgruppe.de ●政党別支持率でもショルツ首相のSPD(赤)はGreenに抜かれる寸前(14.6%対14.1%)。信号機連立3党の支持率合計は33.8%まで低下(FDP:5.1%)。保守2党(CDU/CSU~黒とAfD~青)がじりじりと上昇し、右傾化進行を示唆。 https://dawum.de/Bundestag/ ●来年9月の東独3州州議会選挙ではいずれもAfDが第一党を獲得しそうな勢い。 ①ザクセン州(2024/9/1) https://dawum.de/Sachsen/ ②チューリンゲン州(2024/9/1) https…
20231210 雑誌の表紙で振り返る今年(2023年)のドイツ
https://www.ikiosk.de/shop?lang=de 私は日本にいた頃から、ドイツの世相をざっくり掴むために、上記のiKioskの新聞や雑誌の表紙を毎日ざっとチェックするようにしています(特にドイツ語学習者にはオススメの方法です)。 今週になって以下のような「今年を振り返る特集」的なものがいくつか出始めているので(これらを買う代わりに)、ドイツの有力雑誌の表紙を使って今年のドイツを私なりに振り返ってみたいと思います。 ●昨冬のガス危機は、LNG調達(ハーベック経済相が奔走)+節約+暖冬のおかげで、何とか凌ぎました。 ⚫️ドイツの最新鋭戦車レオパルト2をウクライナに出す出さない(…
20231208 今年(2023年)のドイツ流行語大賞は「危機モード」
https://gfds.de/wort-des-jahres-2023/ 先ほど(ドイツ時間午前10時)公益財団法人GfdS(Gesellschaft für deutsche Sprache e. V.)から今年(2023年)のドイツ流行語大賞(Wort des Jahres)が発表されました。活きたドイツ語として最高の教材なので、ドイツ語学習者としては当然要チェックアイテムです。 今年の大賞には、今年ドイツに次から次へと降りかかってきた危機(戦争/テロ、気候変動、経済/インフレ/債務~憲法違反、教育~PISA成績不振)への対応に追われる状態を表現する言葉「Krisenmodus~危機モー…