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イギリスの穀物法廃止後に農業の‘黄金時代’が訪れたのは、高度集約農業、とりわけノーフォーク農業と称される先端的な農法の普及が指摘されています。ノーフォーク農業自体は四輪作農業に畜産業を組み合わせた混合農業なのですが、産業革命の発祥の地だけあって、農作業の機械化や化学肥料の開発等も農業の繁栄に寄与したことでしょう。この成功例を見れば、日本国の米市場の自由化も、技術力をもって克服できるとする見方が登場するのも故なきことではありません。しかしながら、この楽観的な予測も、グローバル時代が裏目に出る可能性が極めて高いように思えます。メディアやネットにありましては、今やAI時代が到来し、あらゆる分野にあってその導入が進んでいるとする印象を持ちます。日本国政府も、「AI法」の制定を急いでおり、政府もAI普及の旗振り役を...AI・ロボット導入は日本農業に国際競争力をもたらすのか
Konjunktur in Deutschland Publikationen der Bundesbank ドイツQ3GDPは前期比+0.2%と予想外のプラスとなったが、Q2分の▲0.2%pt下方修正や製造業(下図左)・建設業(同右)の低迷継続などもあり、見通しは依然として弱い。 個人消費は実質賃金大幅上昇の恩恵を受けたが、その後の労働市場の雲行きはますます不透明になっており、個人消費の伸びを鈍化させている可能性が高い。 期にわたる景気低迷で労働市場は冷え込んできたが、賃金は依然として大幅に上昇(下図左)している。 失業者が増加する中(下図右)、製造業では操短の導入も進んでいるが、まだそ…
www.sachverstaendigenrat-wirtschaft.de 本報告書のエッセンスは以下の通り: 昨年の▲0.3%成長に続いて今年も▲0.1%とマイナス成長に陥る見込み。 ユーロ圏経済の足を引っ張り続けているだけでなく、他の先進諸国との競争にも負けている(冒頭表)。 インフラ、教育、防衛への支出(「未来志向の投資」)がドイツでは過小。欧州他国の対象支出GDP比(下図赤線)をドイツ(積み上げ棒グラフ)はずっと下回っている。 特に国防と教育で他国比見劣りが顕著。 「未来志向の投資」不足は長年定着してしまっている。これを確実に打破するためには、対象分野への最低割当額設定などの制度的対…
以下、ドイツ連銀月報2024年10月号掲載の論文(下添リンク先)のエッセンス5点: https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-oktober-2024-935528?article=internationale-verflechtung-deutschlands-ueber-direktinvestitionen-aktuelle-entwicklungen-941662 ①海外からのドイツへの対内直接投資は急減速。(明確な因果関係は証明不…
<Japanese> 為替市場では円安ユーロ高がまたじわじわと進んでいます。ドイツの雑誌などでは、日本では金利がユーロ圏より遥かに低い上、政府債務が巨大なので今後も金利を簡単に上げられそうになく、金利差がずっと残るので円安ユーロ高になりやすい、と説明されていますが、市場関係者だけでなく多くの一般の人たちからもそのように信じられているのではないかと思います。 在日ドイツ商工会議所(AHK)は、この「どうにも止まらない」円安ユーロ高を受けて在日ドイツ企業宛に臨時アンケート調査を実施(5/16~20、130社が回答)しました。その結果を一言でまとめると、過度の円安により、ドイツ企業は利益率低下を補う…
www.ifo.de 産業立地としてのドイツの評価はかなり悲観的なものにならざるを得ない。 過去10年間を振り返ると、産業立地としてのドイツの評価(右)は欧州全体(左)よりずっと低い(ドイツは79%が「悪化」と回答、欧州全体では37%)。 半数近くが、今後10年間でドイツの魅力はさらに低下すると予測(右、改善予想はわずか15%)。欧州の中でも悲観的な部類(左)。 ドイツ政府の次の一手として最も重要なのは、①官僚主義の削減。次いで②インフラへの投資と③移民の促進(労働供給の拡充)。 ●ドイツの産業立地のネガティブ要因: ①官僚主義、②デジタル化(の遅れ)、③エネルギー/資源(不足)、④スキル人材…
china.ahk.de 今週、ショルツ首相が独大企業トップ(シーメンスやメルセデスなど)を引き連れて中国を訪問する直前のタイミングで公表された、在中国ドイツ商工会議所のアンケート調査(上記リンク)結果がなかなか興味深いので、そのエッセンスをまとめておく。 調査対象ドイツ企業の約3分の2が中国で不公平な競争環境に置かれ、当局者と対話する機会や情報共有、許可の取得で不利な立場にあると感じている。 ドイツ企業は、製品の品質、技術的リーダーシップ、イノベーションの強さで、中国の競合他社よりも優れている一方、中国の競合他社と比較して、コスト効率、市場投入までの時間、イノベーションのスピードが最も弱い、…
標語ってご存じですか?・・・・標語とは「主張・信条や行動の目標」を簡潔にしたもので一般的には信仰の対象が元になっているようです。ちなみに日本やイタリアは標語…
IMD国際競争力ランキング(2023年)の結果をまとめてみました。 www.imd.org これにより浮かび上がった各国の特徴は以下の通りです。 ドイツ:大国としてはかなり総合力高いが、税・社保負担が重い 日本 :財政、マネジメントを中心に弱点がかなり多い 米国 :科学インフラと金融で世界トップに君臨 中国 :特段大きな弱みなく(??)、総合ランクドイツ並み インド:マクロ経済への期待大きいが、健康・環境、教育面で大きく見劣り 韓国 :科学インフラで米国に次ぐ高い評価を獲得 上位は①デンマーク、②アイルランド、③スイス、④シンガポール、⑤オランダといった常連小規模諸国。近年はUAEやカタールも…
20231110 ドイツ新経済対策に対するドイツメディアの報道ぶり
ショルツ政権が昨日打ち出した新経済対策(2028年まで総額280億ユーロ/来年最大120億ユーロ、産業用電力税のEU許容限度いっぱいまでの大幅引き下げがメイン)についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 他にも補助金や負担金などが複雑に絡むので、厳密な国際比較は難しいが、ドイツの産業用電力料金は、米国、中国、カナダの3倍近く、日本より3割高く、ほぼEU平均並みとなっている(上図)。 ドイツの国際競争力回復のため、企業からの電力料金引き下げ要求は以前から根強かったが、今般の景気低迷長期化で(数か月にわたる議論迷走の後)政府も動かざるを得なくなった。 特定業種だけで手続きにも手間のかかる…
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531001/20220531001-1.pdf note.com <Japanese> IMFの世界経済見通し(WEO)2023年10月版のデータによると、米ドル換算した名目GDPで、日本は今年ドイツに、2026年にはインドにも追い抜かれるという予想になっています。昨年時点での自国通貨建て名目GDPは、日本が557兆円、ドイツが3.88兆ユーロということで、ユーロ円レートが147.73以上でドイツが日本を上回る計算になります。現在のユーロ円実勢レートは157円ですので、日本の名目GDPは既にドイツに大きく抜か…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/915916/f62f192dfc5d6ebac39e415e41640ea1/mL/2023-09-wirtschaftsstandort-data.pdf ドイツ連銀が9月月報内の特別論文の中で「ドイツの産業立地」について分析し、政策提言をまとめていますので、以下そのエッセンスをご紹介します。 ドイツの産業立地が危機にさらされており、迅速な対応が必要。 主な逆風は、①人口動態、②対中依存、③エネルギーの3つ。 ①人口動態:進捗する少子高齢化が、熟練労働者の獲得競争を激化させ、成長見通しを暗くしている。 ②対中依…
20230830 経営者系シンクタンクIWによるドイツ経済診断
www.iwkoeln.de ドイツ経済の見通し発表は、3/6/9/12月や4/10月となっていることが多いので、8月はとかく品薄になりがちです。 そんな中、昨日経営者系シンクタンクのケルン研(IW)がドイツ経済の分析コメント(予測値を一覧表にしたような経済予測ではありません)を発表しましたので、そのエッセンスを簡単にご紹介します。 ドイツ経済は各種のショック(地経学的(特に対中露)軋み+持続的なコスト上昇+世界需要の低迷など)に苦しめられている。これらのショックの中にはこれからもずっと続く部分もある。 特に(エネルギーの)コスト上昇は、ドイツ製造業の国際競争力を著しく低下させている。 今年の…
「選挙で勝ってるからアベノミクスは成功」(世耕弘成・自民党参院幹事長)
「選挙で勝ってるから政策は成功」 こんなことを臆面もなく言ってのける。 呆れたものである。掲げた目標をどれだけ達成したかどうかで政策の成功・失敗を検証するのではなく国民が別に嫌がっていないからいいんじゃないのとどこまでも人を舐めた世耕の物言いだ。 国民の声をしっかり聞くだの、 丁寧に説明をする、 などとほざいてきた政権与党が、 こうなのである。こんな言い分が通るならプーチンなんか選挙で何回勝ってる。 ロシアの政策、成功してるのか?! 働けど生活苦しい国民を 目の前にしてそれ言ってみろ 未来への希望もビジョンもなく、 ズルズルと没落してゆくこの国。 政策の間違い、政策の失敗 でしかないだろう。 こんな政権を6回も選んで依然支持率30%台。 間違った失敗した政権を選び続けている。 これはつまり国民、有権者の間違い、失敗 でもあるのだ。 そのことに国民が気づいてゆかねば、 この国はこのま..