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20240417 ショルツ首相訪中についてのドイツメディアの報道ぶり
今回のショルツ首相2回目の訪中についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り。 今回の訪中の主な目的は、①【最重要】ウクライナ問題への協力要請/ロシア支援阻止、②補助金で支援された輸出ダンピング(特にEVや再エネ関連)の阻止、③中国市場へのアクセス改善、④その他経済協力の可能性模索、⑤地政学的野心の牽制、⑥人権尊重要請など。 ショルツ首相は中国行きの政府専用機の中でイランによるイスラエル攻撃を知った。上記に中東和平への協力要請/イラン支援阻止が加わり、もともと複雑だった今回の訪中がさらに難しいものになった。 独中両首脳の会談は3時間20分にもわたったが、ウクライナ問題(平和会議への参加要請)や…
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中東の緊張が再び高まり、原油価格の上昇に対する注目が高まっています。本記事は、国際エネルギー機関(IEA)の2024年4月の月報概要を要約したものです。
youtu.be ◆強めのCPIでディスインフレ傾向への自信が揺らぎ、米金利急騰。FED年内利下げ期待は1~2回に後退。10年金利は4.5%強まで上昇。中東リスクの高まりもあり株価も軟調。◆企業収益については弱めの景気をベースに慎重目に置いた以前の予想がまだ残っているため、上方修正方向。◆株にも債券にもリーズナブルなバリューがあるので、地政学リスク(タイミングが計りづらい)を少し金や原油でヘッジしつつ、広く分散して持っておくべき局面か。◆最近のインドの経済成長は、インフレの苦しみをうまく回避できている上、中国経済がヘタっている中でのものだけに、価値がある。来週19日開始(6/4開票)の総選挙で…
china.ahk.de 今週、ショルツ首相が独大企業トップ(シーメンスやメルセデスなど)を引き連れて中国を訪問する直前のタイミングで公表された、在中国ドイツ商工会議所のアンケート調査(上記リンク)結果がなかなか興味深いので、そのエッセンスをまとめておく。 調査対象ドイツ企業の約3分の2が中国で不公平な競争環境に置かれ、当局者と対話する機会や情報共有、許可の取得で不利な立場にあると感じている。 ドイツ企業は、製品の品質、技術的リーダーシップ、イノベーションの強さで、中国の競合他社よりも優れている一方、中国の競合他社と比較して、コスト効率、市場投入までの時間、イノベーションのスピードが最も弱い、…
https://www.iwkoeln.de/fileadmin/user_upload/Studien/Report/PDF/2024/IW-Report_2024-Importabh%C3%A4ngigkeiten-China.pdf ドイツ経営者団体のシンクタンクIW(@ケルン)から「2023年対中輸入におけるデリスキング」というタイトルの興味深いレポートが出ていましたので、そのエッセンスを簡潔にご紹介します。 昨年(2023年)中国からドイツへの輸入は▲19%減少した。 対中依存度を引き下げようという努力は一部に認められるものの、全体としてみれば、対中デリスキングはあまり進捗していない…
<Japanese> 在日ドイツ商工会議所が最近発表した、在日ドイツ企業164社(うち機械22%、自動車10%、電機9%、大半が販売機能中心)に対するアンケート調査を私なりにチェックしてみました。 日本のビジネス環境に関する評価は、全体として概ねポジティブなものとなっています。特に、①2022年は93%、2023年は92%の企業が税引き前収支が黒字②今年は60%、来年は72%が利益増加を見込む③日独間協力の有望分野として1)環境保護、2)科学技術、3)エネルギーが注目されている④38%が生産拠点の/23%がアジア統括機能の「中国→日本シフト」を意識しているといったあたりは、注目すべき価値がある…
https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html www.youtube.com ◆強めの製造業PMIと雇用統計でFED利下げ軌道がさらに後倒しされ、年内利下げも3回以下に。◆次に市場センチメントを変えうるのは、この強い景気が賃金/インフレの再加速につながる可能性。これまでは強い景気とインフレ低下が共存していたが、そのバランスが崩れると危うい。◆但し、今のところインフレが再加速するという兆しはないし、大統領選前に「次は利上げ」となるまでのハードルはかなり高い。これまで3回分利下げを吐き出したが、さらに追…
金(ゴールド)価格が歴史的な高値圏で推移しています。「反教科書」的な動きの背景には、地政学リスクと代替需要があるとみられています。
20240331 ドイツの気になる世論調査結果5選(政党別支持率など)
①TikTokの個人データに対する懸念~心配する人が半分以下(45.5%)と、危機感はさほど強くない。中国は所詮遠い国であり、近くのロシアほど怖くはないということか。 ②米大統領選~トランプ45.2%、バイデン37.8%、オバマ夫人4.2%。ドイツ/欧州人が恐れる「ほぼトラ」状態が継続。 https://www.realclearpolitics.com/elections/betting-odds/2024/president/ ③政党別支持率~SPD(赤)がやや回復したものの、政権与党3党(SPD、Green、FDP)計34.5%というショルツ首相にとって厳しい状況は継続。FDPとLink…
youtu.be ◆医療テクノロジーの飛躍的進歩(がんや肥満の治療薬など)で長寿リスク(年金生活入りで貧困に陥るなど)が恐ろしく急速に高まっている。◆米国を含む多くの国では、昔の人口動態や平均寿命をべースとする古い年金制度が維持されており、このままでは財政がとても持たない。◆より長く働くようにする、退職後に備えて自分でしっかり投資する、新たな時代に適応するためのインフラ(デジタル化、脱炭素など)を整備する、などについて、今すぐ国民的議論が必要。◆すでに米政府債務は危険なくらいに膨れ上がっており、このまま利払い負担で雪だるま式に増え続ければ、民間資本をクラウドアウトして金利高止まりが定着し、さら…
youtu.be ◆ややハト的だったパウエル議長発言で、市場は7月までスタートで年内計3.4回の利下げを織り込み。◆株式市場は利下げが2回か3回かにはあまり拘っておらず、AIにサポートされた企業業績改善への期待で堅調を維持している。◆GDPとインフレ予想が上方修正、失業率が下方修正されているが、足元の金利水準がかなり引き締め的であることが確実な中、インフレが遅行指標であること、金融政策が効き始めるのに1〜2年はかかること、さらには大統領選挙年であることを考えると早めに利下げに動くことは十分に正当化されうる。◆株は上昇トレンドの中でしっかり、金利は相応に魅力的(実質金利が2%確保できる)、かつ両…
20240319 ロシア大統領選結果についてのドイツメディアの報道ぶり
ロシア大統領選挙でプーチン氏が87%余りの得票率で圧勝したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツ外務省のXへの投稿は「偽の選挙であり、誰も結果に驚きはしない。プーチン大統領の統治は権威主義的で、検閲と抑圧、暴力に頼っている」というもの。 これほど綿密に演出された選挙は他に例がない。 見かけだけ選挙の形式にしたプーチン独裁政権プロパガンダイベントでは、他に3人が出場を認められていたが、全てプーチンの言う通りの演技を成し遂げた。 プーチンは、ずっと前からすべてのメディアを支配し、対立候補の立候補を阻止し、孤立した抗議者を閉じ込めてきた。 治安当局や国有企業が投票者をコント…
20240317 ドイツの気になる世論調査結果5選(トランプ/バイデン、タウルス関連など)
①バイデンとトランプどちらを望みますか?という質問に対して、ドイツ市民の間では、70.4%対21.4%で圧倒的にバイデンを支持。 ちなみに米国での世論調査では46.5%対34.5%でトランプ優位。 https://www.realclearpolitics.com/elections/betting-odds/2024/president/ ②タウルス(長距離ミサイル)のウクライナ提供の是非については41.9%対49.7%で反対優勢。 ③中国と台湾の軍事衝突が起こると思うか~何も起こらないと信じている人は計13.5%と少数派。上から「どちらかといえばYes」38.6%、「わからない」27.5%…
youtu.be ◆来週(3/20)のFOMCを前にStickyなインフレ指標を見せられて、久々に大きめの金利上昇となった一週間。◆一時は年内6回くらいにまで膨れ上がっていた利下げ期待は、年内3回ピッタリにまで後退。来週ドットが年内2回に減る可能性もある。◆利下げ開始タイミングや利下げ幅への不透明感は増しているが、小売や各種サーベイ類の経済指標軟化は確認できており、来年金利が3%台半ばくらいには下がりそうという市場の期待までは揺らいでいない。◆FEDとてインフレを2%に近づけるためだけに米経済をリセッションにまで追い込もうとはしていないはず。◆インフレ低下で実質金利が上がっている上、低金利時代…
20240309 国際関係のニューノーマルにおける日独連携の可能性
<Japanese> 英国メディアがドイツをシャーデンフロイデを伴う形でシニカルに面白おかしく語るのはいつものことですが、英Economistは「ドイツはこれまで、安全保障を米国に、エネルギー確保をロシアに、販売市場を中国にアウトソースしてきた。」と表現しています。今やドイツはそのすべてを失いつつあり、大変苦しい状況に陥っているが、それは所詮自業自得だ、とでも言いたいのでしょう。個人的には、BrexitでEUに大迷惑をかけた上に自らの衰退を加速させている英国からそんな風に言われる筋合いはないように思います。但し、ドイツの政治家人気ランキング(Politbarometer)で、メルケル前首相は常…
https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-06/ifo-economic-forecast-spring-2024-german-economy-paralyzed ifo研のドイツ経済見通しのアップデートが発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。 景気回復の兆しが見られず、年前半も不調が続きそうなので、今年のGDP見通しは+0.2%と12月予測比▲0.7%下方修正。 冬の悪天候や病欠(インフルエンザ流行)も悪影響。 インフレは来年+1.6%に低下するが、高めの賃金上昇が続くため、コアは+2.2%と高止まり。 リスクは①地政学的背景などによるエネルギー価…
https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/juergen-matthes-thomas-obst-samina-sultan-zweite-trump-aera-koennte-die-deutsche-wirtschaft-bis-zu-150-milliarden-euro-kosten.html 経営者団体系シンクタンクIWが「もしトランプが再選されたら」という興味深いレポートを発表していますので、そのエッセンスをご紹介します。 このまま第2次トランプ政権が誕生すれば、ドイツ経済に4年間で最大1,500億ユーロ(24.5兆円相当@1…
youtu.be ◆もしこの生産性向上(ディスインフレ要因)が持続的なら、景気が強くても金融を引き締める必要は乏しくなる。◆在宅勤務普及などで需要が戻らない郊外のオフィス不動産はまだ価格下方修正の途上にあるが、もう少し下がればそれらをうまく拾おうと待ち構えているカネが見えている。米地銀発金融不安が再燃する可能性は低そう。◆①FEDはもう利上げではなく、利下げ方針に転じているという安心感、②マチュリティウォールはまだ先なので多少利下げが遅れてもリファイナンスコストに大した影響はないとの読み、③適度なインフレとリセッション回避のおかげで企業業績堅調、といった要因を背景に、S&P500は高値更新を続…
半導体世界最大手TSMC~熊本工場がいよいよ始動~ 半導体受託生産の世界でも最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が、国内初となる工場を、熊本県菊陽町に第一工場を建て、開所式が開かれた。 このプロジェクトは、年内に建設を始める第二工場と合わせ
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2024/02/20240221-jahreswirtschaftsbericht-2024.html 本日ドイツ経済省から発表されたドイツ政府の年次経済報告(単なる経済予測というよりは経済政策のベースとなるもの)のエッセンスは以下の通りです。 メインテーマは「競争力の持続的強化」(10の取り組み分野後述、筆者としては日本がやるべきことと完全に重なっているものと思料)。 ドイツ経済は困難な状況にあり、昨年▲0.3%のマイナス成長の跡、今年も成長率は+0.2%どまり。 短期的には、外需低迷、イ…
20240214 トランプのNATO発言に対するドイツメディアの報道ぶり
トランプ前米大統領が、十分な軍事費(GDPの2%)を負担しないNATO加盟国は防衛しないと発言したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 米国は世界の警察官としての役割を放棄しようとしており、もはや欧州の安全保障上、米国が全く当てにならない局面に突入しつつある。 トランプ氏が選挙キャンペーンのためだけにNATOの連帯を疑問視するような発言を繰り返すのは非常に腹立たしい。大統領選の前のプーチンを利するだけ。 しかし、トランプ氏を支持する有権者から見れば、ウクライナや欧州を支援する資金を米国内で自分たちのために使って欲しいと考えるのは当然である。 欧州はトランプ氏が再選されるかど…
20240214 ドイツの貿易相手国トップ、米国が中国に肉薄
<2023年 ドイツ貿易相手国 ランキング> https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_056_51.html 今朝ドイツ連邦統計局から発表された2023年国別貿易統計速報(上リンク)を集計したところ、ドイツと中国の間の貿易額(輸出+輸入)は前年比▲15.5%と激減し、米国がほぼ同額(前年比+1.1%)でトップに肉薄していることが判明しました。 中国は8年連続でドイツの貿易相手国トップの座を守りましたが、今年は米国に抜かれる可能性が高くなっています。 トップ10の顔ぶれはほぼ同じですが、昨年11位の英国が…
20240206 OECD世界経済予測:ドイツ成長率下方修正
https://www.oecd.org/economic-outlook/february-2024/ https://www.oecd-ilibrary.org/sites/0fd73462-en/index.html?itemId=/content/publication/0fd73462-en 昨日発表されたOECD世界経済予測では、ドイツのGDP/CPI(2023/24/25年)は、 実質GDP: ▲0.1%/0.6%(11月予想比修正▲0.3%)/1.1%(同▲0.1%) CPI : 6.0%/2.6%(同▲0.1%)/2.0%(同▲0.1%) と今年分の成長予測が大きく下方修正さ…
20240114 台湾総統選結果に対するドイツメディアの報道ぶり
台湾総統選で民進党の頼清徳氏が勝利したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 台湾と中国の関係が選挙戦の主要な争点となっていたが、頼氏の勝利は、対中国での緊張継続/悪化(軍事的威嚇、外交的孤立推進、各種制裁発動など)、台湾の更なる米国(西側)接近を意味する。 頼氏は、台湾が民主主義側につくことを世界に示したと宣言するとともに、中国に対し両国間の平和を維持するよう呼び掛け、台北での選挙後の世界の平和は台湾海峡の平和にかかっていると語った。 これに対し中国政府側は、台湾統一は不可避であり、同島での分離主義的活動は選挙後も容認されない、民進党は(過半数を得ておらず)台湾の民意を代表…
はじめまして、はるパパです。 さて本日は、コチラの本をご紹介します。 『20歳の自分に教えたい地政学のきほん』 2022
べんきょー好きなひとーーっ!? 好きなひとはどうでもいい。何があろうと自分で努力できるひとだから。嫌いな人が多いんじゃないかな。それはきっと、小中高の学校での勉強がつまらなかったから。 日本の教育制度が遅れているのは、軍国主義時代のやり方がまだま
ミサイル! 今日の日本市場(11/16) 地政学リスクでも底堅さは変わらず!
相場格言:上り坂の悪材料は買い、下り坂の好材料は売れ上昇相場中は悪材料が出ても売らなくて上昇を続けたり、下落相場中は好材料が出ても買われなくて逆に売られてしまう事があり、強い相場の流れには逆らってはいけないと言う格言です。今日の各指数東証プ
近年の米中関係は、政治主導の貿易摩擦に端を発し、米国政府にみられるファーウェイなどの先端中国企業排除や規制などの常態化にみられるように、対話と協力の対極にあり、解決困難の様相を呈する。米中関係の緊張とせめぎあいは国際社会に深刻な影を落とし、経済のオープンで健全な発展と技術開発やビジネス経営の革新にとって負の影響を及ぼしている。 こうした政治的冷え込みの米中関係のなかで、ナンシー・ペロ...