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https://www.bundesbank.de/resource/blob/844970/a5a1f26d59d1e1ef7c4f33786fada36b/mL/2024-01-china-data.pdf 本日発表されたドイツ連銀月報の中に、ドイツ経済の対中依存問題についての分析レポートが出ていましたので、そのポイントをご紹介します。 中国が2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、ドイツは経済面で中国とますます緊密な関係を築き、中国経済の成長から大きな恩恵を受けてきた。 しかし、今やこうした相互依存関係に対するリスクが高まっている。 中国は現在、(バブル崩壊で)大きな経済問題に…
https://www.gpif.go.jp/operation/79328564gpif/2022_4Q_0707_jp.pdfnote.com <Japanese> 高齢化社会で世界の先頭を走っている日本では、40百万人(全人口の約1/3)が年56兆円(GDPの約1割)の公的年金を受け取っています。日本の公的年金は、ドイツ同様、基本的に賦課方式(年金給付の財源を現役世代の保険料で担う方式)なのですが、積立金も併用されており、世界最大の年金ファンドであるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がその積立金を運用して、年金給付額の1割程度を支えています。 そのGPIFの2023年3月期の収益…
https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/christian-rusche-geldabfluesse-in-deutschland-so-hoch-wie-nie.html ドイツ経済研究所(IW、@ケルン、経営者団体系)の分析によると、直接投資におけるネット流出超が近年急拡大しており、ドイツの産業空洞化リスクが強く懸念されています。 対外直接投資(青線)、対内直接投資(橙線)、ネット(紺棒) 当該報告書のポイントは以下の通り: 2022年のドイツから海外へ直接投資ネット流出は約1,317億ドル(1,250億ユーロ)で過去最高を記録。 …
20230517 ドイツの対中直接投資残高:1,140億ユーロ(17兆円相当)
本日ケルン研(IW)よりドイツ企業の対中直接投資に関する分析レポートが発表されたので、そのエッセンスを抽出しておきます。 ドイツからの対中直接投資は2021年末時点で1026億ユーロ(対外直投全体に占めるシェアは7.2%)<ご参考:日本は2021年末、中国16兆円、香港4兆円>。 昨年は推計115億ユーロの追加投資があったため、2022年末時点での直投残高は1140億ユーロとなっているはず。 <対中直接投資年次フロー> この2年、毎年100億ユーロ超が対中直投に投下されているが、現地で上げた利益の再投資(上図黄土色部分)によるものが大半。近年は撤退(茶色部分:持分売却)も相応に出ている。 ドイ…
<Japanese> ドイツの今年第1四半期(1-3月)の実質GDP成長率は、前期比プラスゼロ(+0.047%)と意外に低調な結果に終わりました。昨年は第2、第4四半期と2回前期比マイナスとなっており、頻繁に前期比マイナスとなってしまうところは日本そっくりになってきました。これはドイツの潜在成長率が最近年1%以下に低下しているためです。日本の「0%台前半」よりはまだ遥かにマシですが、前期比プラス0.2%強という低水準が潜在成長ペースとなると、ちょっとした在庫減少でも簡単に前期比マイナスに転じてしまいます。 植田新総裁就任後初の日銀金融政策決定会合(4月28日)では、金利正常化にかなり慎重なトー…
20230421 ドイツ企業の対中直投に関する報告書のエッセンス
https://bdi.eu/#/artikel/news/gemeinsame-pressemitteilung-von-bertelsmann-stiftung-iw-merics-und-bdi ドイツ産業連盟(BDI)、ベルテルスマン財団、ドイツ経済研究所(IW)、メルカトル中国研究所が共同で、ドイツ企業の中国への直接投資とその利益還元についての報告書を発表しました。 そのエッセンスをざっとまとめると以下の通りです。 ドイツ企業の対中依存度は一般に思われているほど高いわけではない。 2017年から2021年の在中ドイツ企業からドイツへの利益還元は、年間70~110億EURの規模で、EU…
ドイツ経営者団体のシンクタンクであるIW(ケルン研)は、ドイツの対中直接投資がここ2年間過去最高規模になっていることに対して強い警鐘を鳴らしています。 www.iwkoeln.de 2022年のドイツ企業による対中投資は115億EUR(1.7兆円規模)と過去最高を記録。2021年も既に100億EURと高水準だった。 対中依存度の一層の高まりを示しており、これは大変危険な状況。 中国政府はゼロコロナ政策の間違いを取り戻すべく、ドイツ企業幹部に魅力的なオファーを提示してきている。 中国市場の成長見通しが魅力的なこともあり、多くのドイツ企業が喜んでこれに応じ、生産を中国に移してしまっている。 しかし…