‘象徴天皇’を考える-不可能要求の問題
現行の日本国憲法は、不可能な事を国家並びに国民に強いてきました。常々議論されてきたように、憲法第九条を見ましても、これを文字通りに解釈すれば、日本国は、他国から侵略を受けても自然権ともされる正当防衛権さえも発動できない無防備状態に陥りかねません。そしてもう一つ、不可能条項を挙げるとすれば、それは、第一条が定める象徴天皇なのではないかと思うのです。日本国憲法の第一条には、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」とあります。大日本帝国憲法の第一条は、「大日本帝国ハ万世系ノ天皇コレヲ統治ス」と記していますので、それがポツダム宣言を受け入れた結果としてのGHQの方針であれ、現行の憲法の制定は、統治者、すなわち、政治権力を行使し得る立憲君主に類する立場...‘象徴天皇’を考える-不可能要求の問題
2024/08/30 12:20