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封建時代にありましては、主君に対する家臣の忠誠心は美徳として賞賛されていました。主君は家臣達の領地を保障し、報償や俸禄をも与える存在でしたので、家臣は、自らの命を擲ってでも主君を護るべきとされ、主君に誠心誠意奉仕する忠臣こそが家臣の鏡とされたのです。君主と領主との堅い絆は保護・被保護の関係、あるいは、非対称ながらも相互依存の上に成り立っており、家臣の忠誠心は、運命共同体とも言える同関係を精神面において支えていたこととなりましょう。ヨーロッパの封建制度の場合、両者の封建契約を介しましたので、家臣のモラルという精神面よりも比較的法的義務の側面が強いのですが、こうした関係は、その成立前提としてギブ・アンドテイクの関係を見出すことができます。このことは、武士道や騎士道として現れてきた主君と家臣との間の麗しい主従関...皇族の存在と日本国民の精神性
目下、秋篠宮家の悠仁氏の東大推薦入学の問題をめぐりまして、国民の多くが今後の成り行きを注視する状況が続いています。これまでにも、ネットを中心として皇族については批判が湧き上がることはあったのですが、今般の一件に関しては、遂に国民の許容の限界を超えてしまった感があります。皇族の入学や入試については、特別待遇を疑う同様の疑惑が囁かれたのは、今回が初めてのことではありません。とりわけ、姻族となる小室氏に対する特別の便宜については、日本国内のみならず、アメリカの弁護士資格試験にまで背後から動かした可能性さえあります。このことは、皇室の背後に日本国政府のみならず世界権力が蠢いている可能性を強く示唆しているのですが、東京大学農学部の推薦型選抜の学生募集要項に『国際会議への参加等の活動』が急遽加えられ、第27回国際昆虫...象徴天皇制度こそ議論すべき
現行の日本国憲法は、不可能な事を国家並びに国民に強いてきました。常々議論されてきたように、憲法第九条を見ましても、これを文字通りに解釈すれば、日本国は、他国から侵略を受けても自然権ともされる正当防衛権さえも発動できない無防備状態に陥りかねません。そしてもう一つ、不可能条項を挙げるとすれば、それは、第一条が定める象徴天皇なのではないかと思うのです。日本国憲法の第一条には、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」とあります。大日本帝国憲法の第一条は、「大日本帝国ハ万世系ノ天皇コレヲ統治ス」と記していますので、それがポツダム宣言を受け入れた結果としてのGHQの方針であれ、現行の憲法の制定は、統治者、すなわち、政治権力を行使し得る立憲君主に類する立場...‘象徴天皇’を考える-不可能要求の問題
日本国の歴史において天皇が担ってきた国家祭祀の継承については別に議論するとしましても、少なくとも象徴天皇並びに皇族という存在については、その必要性が著しく低下していることは、否めない事実のように思えます。政界では、皇位の安定的な継承や皇族の人数の減少を‘国家的危機’であるかのようにアピールしておりますが、多くの国民は、既に皇族に冷めてしまっているのではないでしょうか。マスメディアの多くが‘皇室推し’をする背景には、トップの権威を利用したい世界権力の思惑が蠢いていることは、容易に推測されます。三角錐型の国家体制であれば、その頂点さえ手中にしていれば、簡単にその国民ごとコントロールできるからです。古来、政治的実権は、天皇以外の万機摂政、関白、上皇、将軍等によって担われ、御所が荒れ果てようとも、天皇は日本国の最...皇族の存在と国民のメンタリティー
日本国憲法の第一条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する国民の総意に基づく。」とあります。世界広しといえども、天皇という地位を国家・国民の象徴と定め、合わせてその地位の保障を主権者である国民に委ねている憲法は、おそらく日本国憲法のみでありましょう。同条文では、本来両立が殆ど不可能な世襲制と民主主義との間のアクロバティックな折衷が見られるのですが、その背景には、ポツダム宣言の受託に際しての、日本国側からの‘国体の護持’という要求があったとされています。当時の日本国政府は、終戦を遅らせ、戦争を長引かせてでも天皇の地位だけは守りたかったこととなります。この揺るぎない天皇死守の決意は、国民の身を危うくする戦争被害のさらなる拡大の許容を意味しますので、戦後の天皇の地位は...統合の象徴は人ではないほうが良いのでは