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就活におけるグループワーク)【第26話】「言い切る」勇気、「任せる」信頼
【第26話】「言い切る」勇気、「任せる」信頼 「じゃあ発表、誰がいく?」 残り時間3分。誰も手を挙げない。 空気がピリつく中、陽斗がスッと手を上げた。 「じゃあ、俺がやる」 少し驚いた顔でメンバーが見つめる。 「さっきの話、こういう順でまとめたら伝わりやすいと思ってて──」 紙に...
就活におけるグループワーク)【第25話】“時間配分係”の見えない貢献
【第25話】“時間配分係”の見えない貢献 「あと10分です」と、声をかけたのは咲良だった。 特に決めていたわけではないが、議論中ずっと時計を見て、進行のリズムを整える役を自然に引き受けていた。 「あと5分で結論出そう」「発表の準備もそろそろしようか」 その一言が入るだけで、グルー...
就活におけるグループワーク)【第24話】「それ、前に言ってたよね?」の真価
【第24話】「それ、前に言ってたよね?」の真価 「さっき言ったことと、少しかぶるけど…」 議論の途中、裕斗がそう言いながら発言しようとしたとき、周囲が微妙な表情になった。 その瞬間、「あ、それ前に言ってたよね?」と真っ直ぐに言ったのは結衣だった。 一瞬、空気が凍る。 だ...
就活におけるグループワーク)【第23話】「見えている景色」が違うという強み
【第23話】「見えている景色」が違うという強み プレゼンテーマは「都市と地方の働き方の違い」。 都市部出身のメンバーが「リモート前提」「通勤ストレス」などを話す中、真琴は黙って聞いていた。 そして、ふと語り出す。 「私は、最寄りのバスが1時間に1本の地域で育ちました。だか...
就活におけるグループワーク)【第22話】感情が動いたとき、場も動く
【第22話】感情が動いたとき、場も動く 「うまくまとめなきゃ」「論理的に話さなきゃ」 そう思えば思うほど、正解を探すような意見が並ぶ。 そのとき、沙耶がぽつりと語った。 「私は、家族が介護をしていて、働き方ってすごく難しい問題で…」 一瞬、空気が変わった。 今まで“正...
就活におけるグループワーク)【第21話】「その視点なかったわ」がチームを強くする
【第21話】「その視点なかったわ」がチームを強くする 議論は順調に進んでいるように見えた。 全員が似たような意見を出し合い、順調に合意が取れている──でも、どこか違和感があった。 そこで、慎が口を開いた。 「ちょっと逆の立場で考えてみてもいいですか?」 それまでの前提をあ...
就活物語 「グループワークで際立ったリーダー力」 キャリアセンターで開催した学内グループワーク型イベント。5人1組で課題解決型のワークに取り組む中、一人の女子学生、ナナミさんが印象に残った。 彼女は最初から前に出て指示を出すタイプではなかったが、議論が行き詰まると、誰よりも柔...
就活物語 「インターン経験が光った学生の一言」 キャリア面談中、三年生のカズト君が話してくれた。 「昨夏のインターンで、営業チームに配属されて…」という言葉から、私は耳を傾けた。彼は決して声が大きいわけでも、自己主張が強いタイプでもない。ただ、一つひとつの言葉に実感がこもって...
就活におけるグループワーク)【第20話】最後のひとことが、すべてを変える
【第20話】最後のひとことが、すべてを変える 「もう時間ですね。発表、どうまとめましょう?」 残り時間5分。誰かが代表して発表内容をまとめようとするが、うまく整理ができず、全員が焦っていた。 そんなとき、隅で静かにしていた圭吾が、ぽつりとつぶやいた。 「結局、“働きやすさ...
就活におけるグループワーク)【第19話】“発言しない”という選択もある
【第19話】“発言しない”という選択もある グループディスカッションが始まり、メンバーたちは次々に意見を出していった。 その中で、一言も発しない千聖。 司会が「千聖さん、どうですか?」と振っても、「今は特に…」と控えめに返すだけ。 「何も考えていないのかな」と誰かが思った...
就活におけるグループワーク)【第18話】うまく話せなかったけど、伝わった
【第18話】うまく話せなかったけど、伝わった 話す順番が回ってくるのが怖かった。 楓は、グループワークでうまく話せた試しがなかった。声が小さくなり、言いたいことの半分も言えずに終わることが多かった。 今回もそうだった。途中で言葉に詰まり、「あ、すみません」と目を伏せて終えて...
就活におけるグループワーク)【第17話】自分の「ふつう」は、誰かの「すごい」
【第17話】自分の「ふつう」は、誰かの「すごい」 「このテーマ、難しいですね…」 議題は「新しい働き方」。みんながスマートに意見を出すなか、麻衣はなかなか言葉が出なかった。 ようやく発言したのは、終盤だった。 「私は、地元の商店街でアルバイトしてるんですけど、お客さんとの...
就活におけるグループワーク)【第16話】役割がなくても、価値はある
【第16話】役割がなくても、価値はある 「じゃあ、進行は私がやるね」「発表は俺がいくよ」 テキパキと決まっていく役割分担。気づけば、春翔には何も残っていなかった。 「自分がいなくても、このチームは回るな……」 そう思ったとき、少しだけ胸がチクッとした。 でも議論が進むう...
就活におけるグループワーク)【第15話】「何もしてない」は、本当に何もしてないのか?
【第15話】「何もしてない」は、本当に何もしてないのか? 「ごめん、私…今日は何もできなかった気がする」 グループワークが終わったあと、静かにつぶやいたのは遥だった。 たしかに、リーダーをしたわけでもない。発表を担当したわけでもない。 でも、周囲の誰かが詰まりかけたとき、...
就活におけるグループワーク)【第14話】「書く」ことで、つながる
【第14話】「書く」ことで、つながる 話し合いが始まってしばらくしても、議論はどこかかみ合わなかった。 誰かが話せば誰かがかぶせ、意見の方向もバラバラ。焦る空気だけがテーブルを覆っていた。 そのとき、メモをとり続けていた奈々が、ノートをくるりと裏返して皆に見せた。 「今ま...
【第13話】沈黙の3分間 「それでは、これからグループで自由に議論してください」 司会の合図で始まったはずの話し合い。だが、開始早々、テーブルを囲む4人の間に沈黙が流れた。 誰かが話すのを待っている。でも誰も、最初の一言を発さない。 1分、2分、時間だけが過ぎていく。焦り...
就活におけるグループワーク)【第12話】“まとめる”ことは、決めることじゃない
【第12話】“まとめる”ことは、決めることじゃない 「結局、どれにする?」 議論が白熱し、それぞれが意見を出し合ったあと、誰かがぽつりと言った。 全員が黙り込む。どの案も、それぞれに良さがあって、優劣をつけにくい。 そんな中、リーダー役の優斗が静かに口を開いた。 「どれ...
就活におけるグループワーク)【第11話】その“うなずき”が、救いになる
【第11話】その“うなずき”が、救いになる 「私は……その、あんまり自信ないんですけど──」 緊張した面持ちで話し始めたのは、里奈だった。グループワークでようやく手を挙げたものの、声が小さくて自分でも聞き取れないほどだった。 そのとき、対面にいた光一が、うなずきながらじっと...
就活物語 「周囲を巻き込める子」 インターン最終日が近づいたある日、チーム課題が行き詰まりを見せていた。意見が出ず、議論が止まり、全体が沈んだ空気に。 そんな中、ミサキがふと周囲に声をかけた。 「ちょっと一回、深呼吸しません? 飲み物取りに行きながら気分転換しましょう!」 ...
7月17日 メンタルウェルネス 一日一話 日々の暮らしに追われておりますと、ふとした瞬間に訪れる静けさに、深い癒しを感じることがあるものであります。 たとえば、買い物の帰り道、小さな公園のそばを通ったとき。誰もいないブランコが風に吹かれて、ゆるやかに揺れている。その微かな音に耳...
7月16日 メンタルウェルネス 一日一話 人間には、どうしても気が乗らない日というものがあるものであります。何をしてもうまくいかない。スマートフォンの通知も、部屋の片づけも、なぜか煩わしく感じられる。そんな日は、思い切ってこう言ってみたらどうでしょうか。「今日は気圧のせいやな」...
7月15日 メンタルウェルネス 一日一話 やる気が出ない朝というのは、誰しもあるものであります。そんなとき、ふと窓を開けてみれば、やさしい風が部屋に入り、澱んでいた空気が少し軽くなる。窓辺の草花が揺れ、その静かな動きに、「そのままでええんやで」と語りかけられたような気さえいたし...
7月14日 メンタルウェルネス 一日一話 人の心というものは、時に「こうせねば」「やらねば」と自らを縛りつけてしまうものであります。けれども、それらの思いも、時を経てふと和らぎ、「またその気になったらやればよい」と、穏やかな気持ちで向き合えるようになることもある。 気持ちとい...
7月13日 メンタルウェルネス 一日一話 人というものは、とかく他人と自分を比べて、心を乱しがちなものであります。しかしながら、本当に比ぶべき相手は、昨日の自分自身でありましょう。 昨日できなかったことが、今日は少しでもできるようになった。そうした小さな進歩の積み重ねこそが、...
7月12日 メンタルウェルネス 一日一話 人間というものは、常に前へ進もう、努力を重ねようと願うものであります。しかし時には、無理に歩みを進めるよりも、一度立ち止まり、静かに心を整えることの方が、かえって大きな前進につながることがございます。 私たちは、疲れを感じたなら、...
7月11日 メンタルウェルネス 一日一話 人はとかく、何かを成し遂げるには特別な日や大きな出来事が必要だと考えがちであります。しかし、私の歩んだ道のりをふり返って申しますならば、本当に人を育て、力をつけるものは、何でもない「ふつうの日」の連なりであると感じます。 うまくいかぬ...
7月10日 メンタルウェルネス 一日一話 人間というものは、日々の暮らしの中で、思うようにことが運ばず、自信を失うこともあるものであります。そうしたとき、つい自らを責め、否定したくなることもあるでしょう。 しかしながら私は思うのであります。たとえ自信がなくとも、それでも「前へ...
7月9日 メンタルウェルネス 一日一話 人間というものは、ときに自分の心の内がよく見えなくなることがございます。あれこれと考えが交差し、「自分はどうしたいのか」と迷いを覚えることもあるでしょう。しかし私は、そうした時間もまた、人間にとって尊いものだと考えるのであります。 わか...
7月8日 メンタルウェルネス 一日一話 人には誰しも、進もうとするあまりに、つい無理を重ねてしまうことがあるものでございます。けれども、私はこう考えるのであります――ときには思いきって立ち止まることも、実に大切なことであると。 無理をして続けることだけが立派なのではありませ...
7月7日 メンタルウェルネス 一日一話 人間、生きておれば、うまくいかぬ日もあるものでございます。思うように事が運ばず、心細くなり、「自分はこれでええのやろか」と、不安に揺れることもあろうかと思います。 けれども、私はこう申し上げたいのであります――それでもなお、今日という一...
就職物語 「フィードバックを活かす子」 インターン2日目、報告書を提出してきたリョウの資料を読んだ私は、率直にこう伝えた。 「丁寧だけど、ちょっと要点が見えづらいかな。図や箇条書きを使ってもいいかもしれないね」 彼は深くうなずき、ノートにメモを取っていた。 正直、その時は...
就活におけるグループワーク)【第10話】気づける人が、空気を変える
【第10話】気づける人が、空気を変える 「じゃあ、誰から話す?」 司会の声に、視線が交差する。誰もが譲り合って沈黙するなか、片隅の優衣が、小さな声で言った。 「…○○さん、さっき何か言いかけてませんでした?」 指された男子学生は驚きながらも、「あ、うん…」と話し出した。そ...
就活におけるグループワーク)【第9話】「まとめる力」は、経験から生まれる
【第9話】「まとめる力」は、経験から生まれる 「えっと……じゃあ、まとめをお願いします」 突然振られた蒼太は、一瞬言葉に詰まった。全員の意見は出たが、収拾がついているとは言いがたい。 頭の中でぐるぐると思考が回る。何を拾って、どうつなげばいい? 沈黙のあと、蒼太はゆっくり...
【第8話】沈黙の役割 議論が盛り上がっている。誰かが意見を出すと、すぐに別の誰かが反応して、どんどん話が展開していく。 その中で、一言も話さずにうなずくだけの千佳。周囲から見れば、何もしていないように映っていたかもしれない。 でも── 「さっきの話、千佳さんがうなずいてた...
就活におけるグループワーク)【第7話】「それ、さっきも言ってたよ」
【第7話】「それ、さっきも言ってたよ」 「つまり、まとめると──」 慎也が話し出した瞬間、隣の葵がぽつりと言った。 「それ、さっきも言ってたよ」 空気が一瞬、凍った。 慎也の手が止まり、視線が泳ぐ。メンバーの誰かが、空のペットボトルを指でカラカラと転がした。 でも葵は...
【第6話】意見がぶつかるとき 「え、それはちょっと違うと思います」 真剣な表情でそう言ったのは、理沙だった。彼女の向かいに座る悠人が、少し言葉に詰まる。 空気がぴりっと緊張する。周囲の3人も一瞬黙りこくり、視線を下げた。 でも理沙は続けた。「たぶん私の視点がズレてるかもし...
就活におけるグループワーク)【第5話】笑ったら、うまくいった
【第5話】笑ったら、うまくいった 「制限時間、あと5分です」 焦りの気配が、テーブルの上にじわりと広がる。意見は出尽くし、結論がまとまらないまま、時間だけが過ぎていく。 そのとき、緊張でこわばっていた美優が、ふと苦笑いして言った。 「ごめん、ちょっと混乱してきた…!誰か、...
【第4話】目立たない貢献 「発表、誰がやる?」 議論が終わった直後、グループの空気が一瞬だけよどんだ。全員が視線をそらすなかで、和真は静かに言った。 「じゃあ、僕がやるよ」 その場では軽く受け流されたが、実は彼が、タイムキープも板書も、資料整理も黙々とやってくれていたこと...
【第3話】沈黙を破った一言 議題は「理想の職場とは?」。ホワイトボードの前で5人が座るも、会話は止まったまま。 誰もが「正しいこと」を言おうとして、言葉を飲み込んでいた。 そのとき、静かだった康太がぽつりとつぶやいた。 「…昼休みに、ひとりになれる場所がある会社がいい」 ...
就活におけるグループワーク)【第2話】話すことが得意じゃなくても
【第2話】話すことが得意じゃなくても 「進行役、誰かやりますか?」 その一言で、場が静まり返った。誰もが様子をうかがい合うなか、内心「無理だ」と思いながらも、春菜はおそるおそる手を挙げた。 話すのは苦手だ。でも、黙って終わるのはもっとイヤだった。 「じゃあ、まず意見を出し...
就活におけるグループワーク)【第1話】「何も言えなかった、あの日の自分へ」
【第1話】「何も言えなかった、あの日の自分へ」 「では、5人で10分間、自由に話し合ってください」 そう言われた瞬間、空気がぴんと張り詰めた。自己紹介が終わると、隣の斉藤がすぐに話し始め、他のメンバーも次々と意見を出す。 私は、口を開くタイミングを探し続けた。でも、気づけば...
就活物語 「見えない仕事に気づける子」 インターンの最終週、資料作成に追われていた私は、会議室の準備をすっかり忘れていた。開始5分前、慌てて会場に向かうと、すでに机が整えられ、プロジェクターの接続も済んでいた。 準備をしていたのは、リョウくんだった。声をかけると「たまたま近く...
就活物語 「名前を覚える子」 インターン初日の朝、オフィスの空気は少し緊張気味だった。そんな中、真っ先に私に挨拶をしてきたのが、ミホさんだった。「○○部の佐藤さんですよね? 今日からよろしくお願いします!」と名前を添えて言われた瞬間、私は驚いた。 インターン前に会社の組織図を...
履歴書・エントリーシートの作成)【第40話】たった一人に届けば、それでいい
【第40話】たった一人に届けば、それでいい 「こんな内容、誰が読むんだろう…」 夜遅く、志望動機を書きながら、真央はふと手を止めた。 自分の思いを一生懸命言葉にしたけれど、なんだか空回りしている気がする。企業は何百人、何千人と応募者を見る。その中の一枚が、果たしてちゃんと読...
履歴書・エントリーシートの作成)【第39話】書き直すたび、自分に近づいていく
【第39話】書き直すたび、自分に近づいていく 「また書き直しか…」 何度目かわからないエントリーシートの修正に、光は机に突っ伏しそうになった。 でも、よく考えてみたら、最初に書いた文章と今の文章では、まるで別物だ。 はじめは、表面的な言葉ばかりだった。誰かに褒められそうな...
【第38話】「誰かに見せる」ことで気づけること 「この文章、ちょっともったいないかも」 エントリーシートを見せた友人にそう言われて、涼太は少し驚いた。 「もっと自分の良さが出せると思うよ」と言われて、読み返してみる。たしかに、無難にまとめすぎていた。「変に目立たないように」...
履歴書・エントリーシートの作成)【第37話】他人の言葉に、自分を重ねすぎないで
【第37話】他人の言葉に、自分を重ねすぎないで 「こんなことでアピールになるのかな…」 志望動機を書いていた瑛太は、SNSで流れてきた「模範解答」を読んで落ち込んだ。 熱意あふれる言葉、具体的なエピソード、完璧な構成。自分の書いた文章が、急に幼く、頼りなく思えてくる。 で...
履歴書・エントリーシートの作成)【第36話】たった一文が、道をひらいた
【第36話】たった一文が、道をひらいた 「自己PRに書けるようなこと、ないんです」 面談でそう言った美咲に、キャリアセンターの先生は笑いながら言った。 「じゃあ、今日ここに来て話してくれたこと、そのまま書いてみたら?」 帰り道、美咲はスマホにメモを開いて、話したことを思い...
履歴書・エントリーシートの作成)【第35話】書くことで、自分を知っていく
【第35話】書くことで、自分を知っていく 「どうしてこの仕事を選んだんだろう?」 エントリーシートの志望動機を書きながら、湊はふと手を止めた。 最初は、なんとなく「安定してそうだから」とか「知名度があるから」と思っていた。でも、それだけじゃ足りない気がして、調べて、考えて、...
履歴書・エントリーシートの作成)【第34話】空白を見つめる時間
【第34話】空白を見つめる時間 「趣味・特技」の欄が、ぽっかりと空いている。 椿は、ペンを握ったまま動けなくなっていた。 周りの友達はみんな、スポーツや資格の話を書いている。自分には、そんな立派なものなんてない。そう思うと、空欄がどんどん重たくなっていく。 だけど、椿は少...