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20241221 ドイツ最新ニュース速報(12月21日)~クリスマス市に車が突っ込むテロ発生
①【本日の注目点】 (冒頭写真、本日ダントツのトップニュース)マクデブルクのクリスマスマーケットに車が突っ込むテロ事件発生。 2人が死亡し、60名以上が負傷。容疑者はサウジアラビア出身の50歳の医師で、警察が拘留・取調中。動機はまだ不明(ドイツがサウジ難民に対してあまりにも冷淡だと不満を募らせていた可能性大)。 VW労使交渉妥結:レイオフなし/2030年まで▲35千人、当面工場閉鎖なし/2工場はいずれ閉鎖、賃金凍結/ボーナス減額など。年間150億ユーロのコスト削減が可能になったが、業績反転に十分かどうかは疑問視されている。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 h…
https://www.iwkoeln.de/presse/iw-nachrichten/tobias-hentze-martin-beznoska-was-die-entlastungen-von-spd-und-union-bedeuten.html 現時点で判明しているものをざっくり一覧表にまとめると以下の通り:(BSWは策定中、FDPは5%割れにつき割愛) 現時点ではメルツ新首相が率いる大連立政権(CDU/CSU+SPD)誕生の可能性が極めて高い。 なお、ショルツ首相はリントナー元財務相を「道徳心を欠いている」、メルツCDU党首を「ナンセンスばかり言っている」などと酷評してちょっとした…
20241219 ドイツ連銀月報 2023年企業財務分析のエッセンス
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-dezember-2024-947558?article=ertragslage-und-finanzierungsverhaeltnisse-deutscher-unternehmen-2023-waehrend-der-phase-geldpolitischer-straffung-948044 ●企業収益~2023年は実質経済成長がマイナスだったが、非金融企業の税引き前売上高利益率は2022年…
20241220 ドイツ最新ニュース速報(12月20日)~ドイツ経済に朗報なし
https://www.nim.org/konsumklima/detail-konsumklima/konsumklima-leichte-erholung-zum-jahresende-verhaltene-aussichten-fuer-2025 ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)GfK消費バロメータ低迷継続。購入意欲低く/貯蓄性向高く、個人消費の盛り上がりは期待薄。その他、輸出、雇用、倒産でも先行指標が弱い(③a-c)。 輸入ドバイチョコレート(UAE、トルコからの輸入品)に汚染物質検出/注意喚起。 ポピュリズムの干渉や妨害から憲法裁や裁判官を守るための制度改革法案可決。所得税の累進軽…
20241219 ドイツ最新ニュース速報(12月19日)~FOMC後EURUSD軟調など
https://tradingeconomics.com/euro-area/currency ①【本日の注目点】 米FOMC、市場予想通り▲25bpの利下げも、パウエル総裁の記者会見がタカ的で金利上昇。(冒頭グラフ)EUR/USDは中長期的キーサポートレベルである1.05をしっかり割り込み始めており、レンジが切り下がった可能性大。 ザクセン州で大連立政権(CDU+SPD)発足(CDUクレッチマー州首相)。これで今年9月に選挙があった東独3州ともAfD抜きでの政権組成完了。 ゾンビ企業(社歴10年以上かつ3年連続で利払い>営業利益)のシェアはコロナで増加せず(左グラフ、2022年4.4%)。銀…
20241218 ドイツ最新ニュース速報(12月18日)~主な賃金交渉結果/予定など
①【本日の注目点】 (冒頭表)足元は公務員とフォルクスワーゲンの賃金交渉動向に注目が集まっている。来年は州公務員以外に大口なし(関連データ③-a)。 今年の住宅家賃は約4%上昇。新築の供給が細っていて需給がタイトなため、家賃の強めの上昇は今後も続く見込み。 ドイツメディア、2月に2回のメルツ対ショルツのTV討論会を準備中(2/9と2/16になる見込み)。他党は「なぜその二人だけ特別扱いするのか」と反発。 現在のドイツの苦境を論点整理した日本語記事: www.bloomberg.co.jp ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutsch…
20241217 ドイツの景気先行指数、いずれも下向きで厳しい状況継続
①ifo景況指数~現況(灰色線)も期待(青色線)も低水準下向きで、ドイツ企業の景況感が慢性的に悪化している状況継続。 景気サイクル的にもどっぷりリセッション領域(左下第3象限)内で滞留中。 好況業種なし/ほぼ一様に苦しい。 https://www.ifo.de/en/facts/2024-12-17/ifo-business-climate-index-falls-december-2024 ②ZEW景況感指数~期待指数(赤色線)は、前倒し選挙後の新政府が投資支援策を打ち出してくれそうだという期待でやや改善も、足元の景況感(カーキ色の線)は最悪。 https://www.zew.de/pres…
20241217 ドイツ最新ニュース速報(12月17日)~ショルツ首相不信任成立など
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/f6495f457f16478093157ca7c47f0859 ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)12月ドイツ総合PMI(製造業+サービス業)、マイナス成長圏内で越年。景気回復の手がかりいまだ見られず、新政権の手腕に期待するしかない。 ショルツ首相に対する信任投票では、207人の連邦議会議員が賛成票、394人が反対票を投じ、116名が棄権した(過半数367票)。 AfD議員3名が議会混乱を狙って賛成票を投じたが、事前にそれを察知した緑の党が棄権で対応したため、予定通り圧倒的多数による否…
20241216 ドイツ最新ニュース速報(12月16日)~本日午後首相信任投票など
①【本日の注目点】 本日午後、連邦議会はショルツ首相の信任投票へ。予定通り否決されれば、首相は大統領に議会解散を要請(冒頭写真)。選挙戦は火曜日から本格開始。 SPDの選挙公約:食品に対するVAT引き下げ、家賃規制の無期限延長、介護費用の上限設定、学校での給食無料提供、年金48%水準維持/退職年齢引き上げには反対、最低賃金15ユーロへの引き上げ、富裕税、相続、金融取引、不動産利益に対する増税、インフラ整備特別基金(1000億ユーロ)の設置など。 ドイツのトピックスから、今年の3件、来年の3件をセレクト: www.youtube.com ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB…
20241215 ドイツ最新ニュース速報(12月15日)~政党別支持率など
https://dawum.de/Bundestag/ ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)政党別支持率:SPDがやや盛り返しているが、大きなバランス不変。週明け(12/16)にはショルツ首相の信任投票が否決され、大統領が来年2/23の前倒し選挙実施を決断する流れ。メルツCDU党首による大連立(CDU/CSU+SPD)政権誕生がメインシナリオ。 シリア情勢、今のところ概ねポジティブな展開継続。ドイツ(西側諸国)としては、①女性や少数民族/異教徒への弾圧が始まらないこと、②アサド政権への復讐や権力争いのための内戦などにより治安が悪化しないこと、の2点を重視し、(できれば民主主義的な)復興を積極支援…
20241214 ドイツ最新ニュース速報(12月14日)~ドイツ経済低迷長期化など
www.ifo.de ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ドイツ企業、設備投資に一層消極化。ifo担当者:「産業立地上の構造問題と内外経済政策の枠組みに関する高い不確実性のため」。 ショルツ政権、解散前に、子ども手当引き下げ、所得税累進緩和、ドイツチケット財政手当の法案を成立させたい意向。 CDU/CSUの選挙公約発表:法人税25%で制限、電気税/ネットワーク料金引き下げ、連帯付加金完全廃止、徴兵制の段階的再導入、不法移民の受入れ禁止/国境警備強化(ドローン、暗視装置、赤外線カメラなどの活用)。教育に関しては、就学前の語学テストを義務化 ドイツ連銀、今年と来年の経済見通しを大幅に下方修正。トラン…
本日発表されたドイツ連銀の最新経済見通し(半年毎)のエッセンスは以下の通り: https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-dezember-2024-947558?article=deutschland-prognose-wachstumsausblick-deutlich-eingetruebt-inflation-geht-zurueck-auf-2--947440 実質GDPは今年▲0.2%とマイナスの着地。来年もわずか+0.2%止まり…
20241213 ドイツ最新ニュース速報(12月13日)~ECB予想通りの▲25bp利下げなど
https://www.ecb.europa.eu/mopo/devel/ecana/html/table.en.html ①【本日の注目点】 (冒頭表)四半期毎のECBスタッフプロジェクションでは、インフレもGDPも▲0.1~▲0.2%pt下方修正。インフレ(同グラフ)はオンターゲット。 ECBは今後の利下げ軌道を計画しているわけではなく、あくまで毎回の理事会毎にデータ次第で是々非々の判断をするとの方針継続。 但し、マーケットは政策金利(中銀預金金利:現在3%)を来年末までに1.75~2%(中立金利かそれよりやや下くらい)に向けて利下げしていくことを予想。 経営者系シンクタンクIW調査:10…
20241212 ドイツ最新ニュース速報(12月12日)~インフレのベーシス効果など
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/12/PD24_463_611.html①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ドイツのHICP(EU統一基準インフレ率)は、ベーシス効果(前年同期のエネルギー価格が比較的低い)のため、来年2月まで上昇しやすいが、それ以降はかなりの低下圧力がかかる(来春以降、ECBは利下げしやすい)。 本日のECB理事会では▲25bpの利下げがほぼ確実な情勢。 信用保険業界、今年約2万2500社の企業倒産を予想(前年比約+25%)。特に建設関連と自動車関連が厳しい。 ショルツ首相、野党との約束通り、基…
20241211 ドイツ最新ニュース速報(12月11日)~ドイツ住宅市場動向など
①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ドイツの住宅価格は、2010年から約2倍(7大都市:薄青では2.5倍)になったが、2022年央のピークから約1割値下がりし、その後は落ち着いている(③-に続き)。 ドイツ政府は2022年以降、31社(Thyssenkrupp、BASF、Bosch、EWEなど)計46件の水素プロジェクトに120億ユーロの資金を投入。但し、水素は製造/貯蔵/運搬コストが高すぎて、実用化は遠いとの批判も根強い。 2025年の労働日数は248.1日となり、今年より0.7日減少する見込み。今年が閏年で、営業日が1日多かったため(週により異なる祝祭日があるため、小数点が出る)。 ②ドイツ…
20241210 ドイツ最新ニュース速報(12月10日)~モーゼル川水運障害など
①【本日の注目点】 (冒頭写真)事故による閘門(こうもん:水量調節の堰)損傷のため、モーゼル川の貨物輸送が来年3月末頃まで遮断される可能性大。上流で数10隻の貨物船が足止めを食らっており、ディーゼルや鉄鉱石輸送にダメージ与えそう。 シリア情勢見極めのため、シリア人の亡命申請(含む家族呼び寄せ)の手続きを一時停止。但し「シリアはもう安全なのだから全部却下して送り帰す」と決めたわけではない。 メルツCDU党首(最有力次期首相候補)、キエフを訪問し、自身が首相になった場合の徹底支援継続と中距離巡航ミサイルタウルスの供与を約束。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 ht…
20241209 ドイツ最新ニュース速報(12月9日)~SENTIX市場センチメント(調整警戒)など
①【本日の注目点】 (冒頭写真)ドイツ各地でアサド政権崩壊を祝う集会開催(ベルリンでは5千人が集結)。ドイツにはシリア人が90万人強住んでいる(下添)。 dateno.hatenablog.com なお、シリア情勢については多くの有力メディアが以下のようなLivetickerを立ち上げて、刻々と変化する状況を報告している。 https://www.tagesschau.de/newsticker/liveblog-syrien-montag-100.html ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nac…
20241207 ドイツ語流行語大賞「Ampel-Aus」の象徴的意味
<Japanese> 2024年ドイツ語流行語大賞(Wort des Jahres 2024)には大方の予想通り「Ampel-Aus」が選ばれました。直訳すると「信号停止」なのですが、ショルツ首相が率いる信号機連立政権(SPD赤+FDP黄+Green緑)の崩壊を実にうまく表現した秀逸な造語だと思います。ドイツ語メディアの見出し語やタグなどとして広く使われ、今年のドイツの政治状況を象徴する特別な言葉になりました。 「Ampel-Aus」が今年の大賞に選ばれたのは、単に政治的重要イベントを絶妙に表現しているだけでなく、社会の変化に対して募る人々の不安と、早く何か手を打って欲しいという政治に対する切…
20241207 ドイツ最新ニュース速報(12月7日)~鉱工業生産軟調継続など
https://www.destatis.de/EN/Press/2024/12/PE24_457_421.html 【本日の注目点】 (冒頭グラフ)10月鉱工業生産、前月比▲1.0%/前年同月比▲4.5%と軟調継続。特に自動車とエネルギーが弱い。製造業は大規模リストラ報道も多く、雰囲気が暗い。 ドイツ建設業中央協会(ZDB)の予測によると、建設業界の従業員数は今年▲15千人、来年は▲7千人減って90万5000人になる見込み。 メルケル元首相の新著『フリーダム:回想録 1954-2021』は、発売から1週間ですでに20万部を売り上げ、今年のドイツで最も売れた本になる見込み。但し、700ページも…
20241206 ドイツ最新ニュース速報(12月6日)~HDE消費バロメータなど
https://einzelhandel.de/images/2024-11_28_HDE_Konsumbarometer_Dezember.pdf【本日の注目点】 (冒頭グラフ)HDE消費バロメータ(12月)、貯蓄志向(橙)高止まり/消費性向(緑)低迷継続。インフレ差し引き後の実質所得は大きく伸びているが、個人消費が盛り上がる兆しはまだ見られない。 欧州委員会と南米4カ国が本日、メルコスール自由貿易協定に署名する予定。トランプ2.0を前に、25年越しの交渉がようやく結実する見込み。 本日ドイツ時間午前10時に流行語大賞(Wort des Jahres 2024)発表予定(別途速報予定)。 ②…
20241205 ドイツ最新ニュース速報(12月5日)~OECD世界経済予測など
https://www.oecd.org/en/publications/2024/12/oecd-economic-outlook-volume-2024-issue-2_67bb8fac.html ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)OECD世界経済予測、ドイツGDPは0.0%(マイナススは回避)/+0.7%/+1.2%。今年マイナスとなる日本よりはマシな感じ(③-b二関連データ)。 ショルツ首相は選挙までの残り期間、児童手当、減税、Deutschlandticketなど、バラマキ的で選挙運動に役立つ法案の成立しか目指していない。 フランス議会で政府不信任案が可決され、バルニエ政権3ヶ月持た…
20241204 ドイツ最新ニュース速報(12月4日)~DAX2万ポイント到達など
①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)DAX40が史上初の20,000ポイント大台クリア。1988年7月1日にデビューしてから17倍、年初来+19.5%。フランクフルト証取では以下のような記念マフインが配られた。DAX銘柄40社が売上や利益の8割をドイツではなく海外に依存している上、欧米の利下げ期待を背景とする年末ラリーの勢いに乗った格好。但し、ドイツ株を保有するドイツ人は2割未満で、値上がり益の大半が外国人投資家の利益となっている(資産効果は乏しい)。 フランス議会、本日午後政府不信任投票。極左の提案に極右が賛同を表明しており、成立に必要な過半数を獲得する可能性が高い。予算は成立しておらず、解散…
20241203 ドイツ最新ニュース速報(12月3日)~キエフ電撃訪問など
①【本日の注目点】 (冒頭写真)ショルツ首相、キエフを電撃訪問。必要な限り支援継続を再確認も、トーラス巡航ミサイルの配備は引き続き拒絶。ドイツ国内からは「単なる選挙運動/国内向けアピール」との批判強い。 DAX企業、自動車以外は概ね業績好調ながら、自動車の業績不振のため、今年度配当は前年比▲7%に終わる見込み。 バイデンの息子(ハンター)に対する恩赦、トランプに司法を無力化してさらなる暴走を許す格好の口実を与えてしまった、と痛烈に批判。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wo…
20241202 ドイツ最新ニュース速報(12月2日)~SENTIX市場センチメントなど
①【本日の注目点】 (冒頭写真)精神異常者が運転する大型トラックが高速道路(A46、A1)で暴走。車両約50台を巻き込み約20人が負傷。死者0が不幸中の幸い。 ニコチンパウチ(下)、若者の間でかえってニコチン中毒を助長するリスク大。 IGメタルの大規模警告ストのため、フォルクスワーゲンの殆どの工場が一時停止中(12月の鉱工業生産押し下げ要因)。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick ③本日の注目データ~以下、週次SENTIX市場センチメントサーベ…
20241201 ドイツ最新ニュース速報(12月1日)~政党別支持率など
https://dawum.de/Bundestag/ ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)政党別支持率:FDP内部戦略文書(Dデイ文書)が問題となっているFDP(黄)の支持率は5%未満で低迷継続。BSW(紫)も9月東独州議会選での躍進後はモメンタム喪失。Greenがハーベック経済相を次期首相候補に盛り返し気味。ショルツ首相のSPD(赤)は前回CDU/CSU(黒)に対して奇跡的大逆転劇を演じたが、現在の19%差を過去にひっくり返せたことは一度もない。引き続き、メルツ新首相が率いる大連立政権(黒+赤)が成立する可能性が高い。 フォンデアライエンEU委員長の下で新欧州委員会が発足。早速EU外交担当者…
20241130 ドイツ最新ニュース速報(11月30日)~Dデイ文書問題など
①【本日の注目点】 (冒頭写真)信号機連立政権の終結に関するFDP内部戦略文書(Dデイ文書)が、党内外でのコミュニケーションの拙さや、下品で好戦的な言葉遣いなどで物議を醸し、FDPへの批判がかえって高まる中、文書作成者や幹事長などのFDP幹部が相次いで辞任。選挙の顔として余人を持って代えがたいリントナー党首(元財務相)も責任を問われて大ピンチ。 (小ネタ)ここまでオオゴトになってくると、「D-Day-Papier」は「Ampel-Aus」と並んで流行語大賞の有力候補に浮上している可能性が高い。 ja.wikipedia.org (豆知識)XMAS市でのホットワインのカップを持ち帰りたいときは、…
https://gfds.de/aktionen/wort-des-jahres/ <Japanese> MUFGを退職し、ブログを書いたりYouTube動画を作ったりするだけの気ままな生活を始めてからもうかれこれ2年になりますが、MUFGハンブルク拠点開設70周年を記念する講演会を今週ハンブルク日本人会館で開催するということで、僭越ながら講師を務めさせていただきました。在ハンブルクのMUFGのお客様や昔からの仲間たちと一緒に、この上なく楽しい時間を過ごさせていただきました。ストレスフルな会社勤めにはとても耐えられない体になっているのですが、久しぶりに「額に汗して働く喜び」を味わうことができま…
出張のため、ここ数日データのフォローがフルにできていなかったのでキャッチアップしておく。 ①賃金(7~9月期)~実質ベース(インフレ差し引き後)+2.9%、名目ベース+4.9%と景気低迷の割には異常なほどの高水準。労組が2022-23のマイナスの実質賃金分を必死で取り返しているため。しかし、大きく切り上がった物価水準への抵抗感や当面の景気(雇用)にする不安が根強く、より多くのお金が貯蓄に回ってしまっているため、個人消費の回復が予想以上に遅れている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/11/PD24_449_623…
20241129 ドイツ最新ニュース速報(11月29日)~インフレ下げ渋りなど
https://tradingeconomics.com/germany/inflation-cpi ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)11月インフレ速報は前年同月比+2.2%(国内基準)とベーシス効果による上昇が続き、下げ渋り鮮明。但し、前月比▲0.2%(③-a)は良好で市場予想(前年同月比+2.3%)よりは弱め。 国民からの理解を得るべく(選挙に向けて「連立政権を自分勝手に崩壊させた無責任な政党」と思われたくない)FDPが連立離脱作戦の文書を公開。SPDとGreen(連立与党)は猛反発。 (私見)今年の流行語大賞(Wort des Jahres)は本命「Ampel-Aus」/対抗「D-Da…
20241128 ドイツ最新ニュース速報(11月28日)~レバノン停戦など
①【本日の注目点】 中国新疆ウイグル自治区にあるVW工場の売却に対しては、今まで人権問題から目を背けすぎてきた/どのみち中国でも売れ行きが細っていて過剰設備/ドイツ自動車産業の恥ずべき世間知らずさ、などと批判的解説多い。 ブランデンブルク州でのSPDとBSW(極左ポピュリズム新党)の連立により、BSWは与党としての実績を問われ始めている(政権を担うには人材不足気味で、最近支持率を落としている)。 (冒頭写真)レバノン停戦は、ヒスボラが壊滅寸前まで追い込まれて、ガザ停戦を条件としないまま実現した。一部でまだイスラエルの攻撃がまだ続いているが、レバノン市民は停戦を喜び、避難先から退去して戻りつつあ…
ウクライナ戦争はEVバブル崩壊とドイツとロシアの分断が目的だったのか?
www.nikkei.com はじめに:ウクライナ戦争と欧州経済の相関関係 エネルギー危機と欧州産業の衰退 EVバブル崩壊:ウクライナ戦争との関連性 ドイツとロシアの分断がもたらす影響 まとめ はじめに:ウクライナ戦争と欧州経済の相関関係 ウクライナ戦争は、単なる地域紛争にとどまらず、欧州全体の経済基盤を揺るがす要因となりました。 その影響は、エネルギー供給の停止、製造コストの増大、そして欧州の基幹産業である自動車業界への打撃という形で表れています。 この状況は偶然なのか、それとも地政学的な意図が含まれているのかを考察します。 エネルギー危機と欧州産業の衰退 ウクライナ戦争によってロシアからの…
20241127 ドイツ最新ニュース速報(11月27日)~メルケル首相回顧録発売開始など
①【本日の注目点】 ブランデンブルク州でSPDとBSWが連立協定に合意。 (冒頭写真)メルケル回顧録(Freiheit/Freedom)「難民受け入れは間違っていない。」「ノルトストリーム2がなければロシアがウクライナを攻撃することはなかったなどとは言えない」などなど。750ページの大部ながら、政治的に特段センセーショナルな内容なし(でややがっかりされている)。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick ◆ドイツ経済直近断面note.com ◆サバイ…
20241126 ドイツ最新ニュース速報(11月26日)~弱いifo景況指数など
https://www.ifo.de/en/facts/2024-11-25/ifo-business-climate-index-down-november-2024 ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ifo景況指数、低迷継続。現況指数(黒)の悪化はQ4マイナス成長を示唆。トランプ関税への懸念も大(③-a)。 CDUは、来年2/3(選挙は2/23)に「ドイツのための緊急プログラム」を採択するため、1日だけ党大会を開催する予定。 SPD幹部会、ショルツ首相を次期首相候補とすることを正式に決定。現在のCDU/CSUに対する支持率の劣勢(19%pt程度)をSPDが3ヶ月で逆転したことはないが、17…
20241125 ドイツ最新ニュース速報(11月25日)~SENTIX市場センチメントなど
①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)SENTIX市場センチメント(EUR/USD):弱気材料が整っている(米欧金利差拡大、トランプの欧州いじめリスクなど)とはいえ、過去に例がないほど極端な弱気に傾いており、そろそろ反転の可能性あり(③-a,b) クーキース新財務相(ショルツ首相の長年の腹心)は、伊ウニクレディト銀行がコメルツ銀行の買収を断念すると予想(政府としての反対の立場を表明)。 ユーロ円相場分析コメント: www.oanda.jp ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/woc…
20241124 ドイツ最新ニュース速報(11月24日)~政党別支持率など
https://dawum.de/Bundestag/ ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)政党別支持率:SPDの次期首相(筆頭)候補は(国民に一番人気のピストリウス国防相ではなく)ショルツ首相のままでいい、ということで決着したものの、首相の不人気否めずSPD(赤)の支持率低下。SPD若手を中心にSPD幹部批判強まる。Greenが漁夫の利で支持率やや回復。FDP(黄)は5%条項クリアに苦戦。極左ポピュリズム新党BSW(紫)については一時の熱狂が沈静化。CDU/CSUとAfDが好調で、全体としての右傾化も進む。 産業界は、来年選挙後に経済に強いメルツ首相の下で大連立政権が成立し、「債務ブレーキ」の…
20241123 ドイツ最新ニュース速報(11月23日)~最近の人員削減一覧など
①【本日の注目点】 (冒頭表)自動車関連を中心に大型リストラ(人員削減、賃下げ、工場閉鎖など)の発表相次ぐ。 VWでは経営側が工場閉鎖に固執し、労組案を拒絶したため、労組が12/1からスト断行へ。 ドイツ治安機関が親イスラム・親パレスチナグループによるサイバー(DDoS)攻撃を受けている模様(シュピーゲル)。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick ③本日の注目データa) 総合PMI(11月)~引き続きマイナス成長圏で低迷。サービス業の50割れが不…
20241122 ドイツ最新ニュース速報(11月22日)~企業倒産件数急増など
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/11/PD24_437_52411.html ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)8月企業倒産件数(含む個人事業者)1,764件、前年同月比+13%。先行指数(赤線、申請ベースで10月の水準を示唆)は前年同月比+23%まで上昇(③-a)。 ピストリウス国防相「自分は次期首相候補になるつもりはない」と明言し、SPD内の人選問題決着。 10月の対米輸出と対中輸出、それぞれ前年同月比▲6.4%/▲10.1%と低調。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 ht…
20241121 ドイツ最新ニュース速報(11月21日)~競争力低下/自信喪失など
https://www.ifo.de/en/publications/2024/article-journal/wettbewerbsfahigkeit-der-deutschen-industrie-im-freien-fall ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ifo研の製造業約2,000社に対するアンケートの結果、競争力低下の危機感が過去最悪レベルであることが判明(灰:世界市場、青:EU市場、水:国内市場における自社競争力認識のDI)。 フォンデアライエン2.0におけるEU委員メンバーが事実上確定。主要会派の合意形成を受けて来週の欧州議会本会議で委員全員が選出される見込み。 経済に専門性…
Konjunktur in Deutschland Publikationen der Bundesbank ドイツQ3GDPは前期比+0.2%と予想外のプラスとなったが、Q2分の▲0.2%pt下方修正や製造業(下図左)・建設業(同右)の低迷継続などもあり、見通しは依然として弱い。 個人消費は実質賃金大幅上昇の恩恵を受けたが、その後の労働市場の雲行きはますます不透明になっており、個人消費の伸びを鈍化させている可能性が高い。 期にわたる景気低迷で労働市場は冷え込んできたが、賃金は依然として大幅に上昇(下図左)している。 失業者が増加する中(下図右)、製造業では操短の導入も進んでいるが、まだそ…
20241120 ドイツ最新ニュース速報(11月20日)~SPD内での「ショルツ降ろし」など
①【本日の注目点】 (冒頭写真)SPD次期首相候補がショルツ首相では前倒し選挙(来年2/23投開票)をとても戦えないとして、国民一番人気(③-b)のピストリウス国防相を推す声が党内で高まる。ヤマ場は来週月曜あたりか。 ピストリウス国防相、新たな兵役強化(軍人登録復活、若者に対する兵役意欲確認制度導入など)を画策。 ロシアでドイツ人拘束。ガス供給施設爆発事件への関与の疑い。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick <ドイツ留学体験記> www.bus…
20241119 ドイツ最新ニュース速報(11月19日)~海底ケーブル損傷など
①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ドイツとフィンランドなどを結ぶバルト海光ファイバー海底ケーブルが損傷。何らかの破壊活動によるものである可能性が高く、懸念されている。 ドイツ連銀ナーゲル総裁、東京の講演で、トランプ関税による貿易絵戦争激化、世界経済減速、インフレ圧力上昇に対して警鐘。 ショルツ首相、ウクライナに対する米国のミサイル使用制限緩和後も、トーラス巡航ミサイルのウクライナへの提供は拒絶継続。AI制御ドローン4千機を供与。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochen…
20241118 ドイツ最新ニュース速報(11月18日)~SENTIX市場センチメントなど
①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)次期首相候補人気度:メルツCDU党首が一番人気ながらも、SPDがショルツ首相ではなくピストリウス国防相を押し出せばかなりの接戦になる。 EUとしてはG20の場でメルコスール自由貿易協定(貿易量+10~30%、欧州支払い関税▲約40億ユーロのポテンシャルあり)を前進させたいところ。但し、森林伐採が障害。フランスは農民保護のため後ろ向き。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick ③本日の注目データ~以下、週次SENTI…
20241117 ドイツ最新ニュース速報(11月17日)~政党別支持率など
https://dawum.de/Bundestag/ ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)政党別支持率では、CDU/CSU(黒)とAfD(青)による右傾化が進行。連立崩壊を主導したFDP(黄)は5%割れ継続。選挙後はメルツ首相による大連立(黒+赤)政権となる可能性が高い。 FDP指導部は密かに連立離脱を9月末から用意周到に準備してきた、との報道に、現少数与党2党(SPD、Green)激怒。 ショルツ首相、G20(@リオデジャネイロ)に参加。飢餓・貧困対策、気候変動、ウクライナ/中東和平などが主要議題。習近平との会談も予定。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 h…
20241116 ドイツ最新ニュース速報(11月16日)~EU委経済予測など
economy-finance.ec.europa.eu ①【本日の注目点】 (冒頭写真)EU委経済予測、ユーロ圏経済成長今年+0.8%/来年+1.3%に対し、ドイツ▲0.1%/+0.7%の予想。ドイツ経済の低迷継続。 ショルツ首相からプーチン大統領への電話、トランプの暴走を未然に防ぐ国際的狙いと「和平実現に向けた外交努力はちゃんとしている」国内向けアピール(ゼレンスキー大統領は「勝手に単独行動するな」と不満)。 ドイツ史上最も人気のないショルツ首相に対し、足元政治家人気ダントツトップのピストリウス国防相を次期首相候補として推す声が高まっている。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になる…
20241115 ドイツ最新ニュース速報(11月15日)~官僚主義の経済損失など
①【本日の注目点】 (冒頭写真)1ヶ月公共交通機関全国乗り放題切符「Deutschalndticket」(来年から49⇒58EURに値上げ)関連法案成立は、ショルツ首相の信任投票(12/16)確認後にずれ込む見込み。その他多くの政府法案も野党の協力獲得が難航。 連立政権崩壊のきっかけとなった「Schuldembremse」(毎年の財政赤字をGDP比▲0.35%以内に抑えるルール:債務ブレーキ)の改革について、CDU/CSUは個人消費(年金・社会保障の類)にではなく真に必要な投資(国防・インフラ整備)、自然災害、緊急事態(コロナなど)に対して緩和可との見解でSPDと対立。 ifo研「ドイツでは過…
20241114 ドイツ最新ニュース速報(11月14日)~米欧金利差拡大期待でEUR/USD軟調など
https://tradingeconomics.com/euro-area/currency ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ上)トランプ再選確定後、米欧金利差拡大期待高まる。 (冒頭グラフ下)EUR/USDは軟調継続。次の下値目処は2023年10月安値の1.0448。欧州株も対米株アンダーパフォーム継続。 ドイツ5賢人委員会の年次報告書発表。政府に過小投資是正を提言。 dateno.hatenablog.com (ドイツニュースダイジェスト最新コラム) www.newsdigest.de ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deuts…
20241113 ドイツ最新ニュース速報(11月13日)~来年2/23に総選挙など
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/11/PD24_423_611.html ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ドイツHICP10月確報前月比+0.4%/前年同月比+2.4%と加速。来年初まではベーシス効果で前年同月比が上昇して見えやすいので注意(③-a)。 信任投票12/16、解散総選挙2/23で与野党合意。最終決定権を持つシュタインマイヤー大統領も「現実的」と評価。 IGメタルと金属・機械業界(の一部)、25ケ月2段階累計+5.1%の賃上げ(+600ユーロの一時金)で合意。このモデルが対象390万人に広がる可能…
20241112 ドイツ最新ニュース速報(11月12日)~不動産価格底打ちなど
①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)ドイツ不動産価格底打ち。回復は住宅用(青)が主導で、商業用(紫)はまだ弱い。もともとバブル的部分が少なく、資材価格や人件費は高騰しているので当然の結果か(③-a)。 解散総選挙実施時期として2/16と2/23(共に日曜日)が浮上。XMAS前に信任投票を実施し、2ケ月後に投開票とするイメージ。 ドイツ銀、来年より在宅勤務を週2日以内に限定。社員は反発。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick ③本日の注目データa) …
20241111 ドイツ最新ニュース速報(11月11日)~SENTIX市場センチメントなど
①【本日の注目点】 ショルツ首相、(児童手当、介護保険、ドイチュラントチケットなど急ぎの法案可決への協力を条件に)クリスマス前の信任投票実施の用意あり。 今年のクリスマス手当の平均2,987ユーロ(前年比+6.3%)。 (冒頭写真)本日11月11日午前11時11分よりカーニバル開始。 ②ドイツのニュース~こちら↓のなかから気になるものをWEB翻訳で。 https://www.deutschlandfunk.de/nachrichten/wochenueberblick www.nikkansports.com ③本日の注目データ~以下、週次SENTIX市場センチメントサーベイより:a) 市場別…
20241108 ドイツ最新ニュース速報(11月8日)~連立離脱後FDP支持率盛り返しなど
https://dawum.de/Bundestag/Infratest_dimap/#Umfrageverlauf ①【本日の注目点】 (冒頭グラフ)連立政権崩壊後初の政党別支持率世論調査(dimap):連立政権を離脱したFDPが5%ぎりぎりまで持ち直している可能性を示唆。59%が連立崩壊を歓迎、政権行き詰まりの原因は、40%がFDPに、26%がGreenに、19%がSPDにあると回答。 メルツCDU党首、必要な立法への協力は、首相の信任投票提出後と要求。来年3月ではなく、1月に前倒し解散総選挙実施の可能性高まる。 トランプ再登板で大幅下落していたDAXは、連立政権崩壊で急反発。現在の手詰ま…