メインカテゴリーを選択しなおす
日独経済日記ではYouTubeでもドイツ経済についての各種解説動画を発信しています。 スライドはお手元資料としてお使い頂けるよう工夫してあります。 ドイツ経済を短時間で理解したい方は、是非こちらの動画をご活用ください。 ●ドイツ経済関連 youtu.be youtu.be ●ドイツ銀行業界関連 youtu.be youtu.be ●ドイツ駐在者用情報収集関連 youtu.be youtu.be ●ドイツ生活関連 youtu.be youtu.be
毎月下旬に上図のような景気先行指標「ifo景況指数」が発表され、市場から注目を集めているのですが、そのブレークダウンは「ifo Konjunkturperspektive」という冊子で発表されています。 www.ifo.de 本稿ではその中から興味深い部分をピックアップしてご紹介します。 ●全体としては冒頭図のような回復基調にありますが、建設(左)と小売(右)は、インフレ(と建設は金利上昇)によりマイナス圏で低迷しています。 <赤:総合、灰:現況、青:期待> ●製造業は、昨年大きく落ち込んだ期待指数(青)がゼロまで回復。 内訳をみると、最近受注指数(下図左)が弱い(実際3月分統計で顕在化)もの…
Economic forecast for Germany 先ほどEU委員会から発表された春季経済見通しをざっとチェックしておきます。 ●EU/ユーロ圏の全体感 両エリアとも、インフレ率が高い割に、成長率は低く、失業は悪化しないという構図です。 ドイツ(ユーロ圏でのウェート3割)はかなり弱い方で、全体の足を引っ張っています。 ●ドイツ部分 内外主要機関との比較で、今年のインフレに最も悲観的である点が特徴的です(ベースがHICPということもありますが)。 <主要指標> 2022年 2023年 2024年 GDP成長率(前年比%) 1.8 0.2 1.4 ~かなり低水準 インフレ率 (前年比%) …
read.oecd-ilibrary.org 昨日OECDからドイツ経済報告書(2023年)が発表されましたので、そのエッセンスをまとめておきます(ヘッドラインについては上図緑枠部分をご参照下さい。独5賢人の予測とほぼ同じです)。 <OECDからドイツ政府に向けた提言>~日本にも同じことが言える部分あり。 輸出主導の成長、失業率の低下、財政黒字が約10年続いたが、その後のパンデミックとエネルギー危機により、ドイツ経済が構造的な弱点を抱えており、気候変動対応とデジタリゼーションの加速が切実に必要であることが判明した。 急速な高齢化が財政を圧迫し、熟練労働者不足が深刻。労働供給を増やすためには、低…
20230507 ECB利上げについてのドイツメディアの報道ぶり
先週5月4日(木)に、0.25%のギアダウン利上げを実施した上で、利上げ継続を示唆したECBについての、ドイツ一般市民(ビジネスパーソン)向けの報道ぶりは以下のような感じでした。 欧州経済が冴えない割に、インフレ率は驚くほど高い。 ユーロ圏のコアインフレ率は、3月5.7%、4月5.6%と執拗に高止まっている。 グローバル化逆流、労働力不足、気候変動対応によって引き起こされる長期的なインフレ圧力を過小評価すべきでない。 ECBは、あまりにも長い間インフレを静観してしまったため対応が遅れた。その結果インフレ率が跳ね上がってコントロールが難しくなってしまった。インフレはボタンを押せば消えるというもの…
●上図の通り、今年/来年のGDPはスモールプラス/+1%ちょい、インフレは6%前後/3%前後、というのがコンセンサス的目線です。なお、現時点で最も権威ある経済予測は緑枠/ドイツ政府のものになります。 ●足元のGDPの走り~ifo現況指数(青)、Buba週次経済活動指数(緑)ともほとんど横ばいで、年後半に向けて期待されている回復力の兆しはまだ見えていません。 ●物流~陸:トラック(青)、空:航空(赤)、海:コンテナ(緑)ともあまり力強さは感じられません。 ●消費者信頼感~最近戻し基調ながら、水準はまだまだ低く、インフレを理由とする個人消費の低迷継続を覚悟しておく必要があります。 ●雇用~就業者数…
https://tradingeconomics.com/germany/factory-orders 先ほどドイツ連邦統計局から3月製造業受注(実質ベース)の発表があり、前月比▲10.7%(市場予想▲2.2%)と過去にあまり例のない大幅減少を記録していました。 主因は、その他運輸機械受注(ウェート4%:船、鉄道、航空機、宇宙船、軍用車両など)の減少で、2月の+55%から▲47.4%と大きく反落しています。自動車関連受注(ウェート28%)も▲12.2%と低調です。 財別にみると、資本財▲14.1%、中間財▲7.5%、消費財+1.2%となっています。 国内(黒)は▲6.8%、海外(青)は▲13.…
この記事では、経済学者トマ・ピケティ氏が提唱する「r>g」理論をわかりやすく解説し、資本収益率が経済成長率よりも高い状況でどのように投資を活用して資産を増やすことができるかについて紹介します。投資戦略のポイントとして、分散投資、長期的な投資、再投資、定期的な見直し、節税対策を上手く活用し、資産を増やしてお金持ちに近づく方法を学びましょう。
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/05/PD23_171_45212.html 今朝ドイツ連邦統計局から発表された、3月小売売上高は ①名目:前年同月比▲0.1%、前月比▲1.3% ②実質(インフレ差し引き後):前年同月比▲8.6%、前月比▲2.4% 市場予想(下図:実質前月比+0.4~0.5%)比かなり弱い内容となっていました。 インフレが高いので実質マイナスはある程度やむを得ないのですが、今回名目ベースでしっかりと下落に転じているのが特徴です(上図薄赤線)。 https://tradingeconomics.…
<Japanese> ドイツの今年第1四半期(1-3月)の実質GDP成長率は、前期比プラスゼロ(+0.047%)と意外に低調な結果に終わりました。昨年は第2、第4四半期と2回前期比マイナスとなっており、頻繁に前期比マイナスとなってしまうところは日本そっくりになってきました。これはドイツの潜在成長率が最近年1%以下に低下しているためです。日本の「0%台前半」よりはまだ遥かにマシですが、前期比プラス0.2%強という低水準が潜在成長ペースとなると、ちょっとした在庫減少でも簡単に前期比マイナスに転じてしまいます。 植田新総裁就任後初の日銀金融政策決定会合(4月28日)では、金利正常化にかなり慎重なトー…
20230428 ドイツ第1四半期実質GDP、前期比プラスゼロ
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/04/PD23_169_811.html 先ほどドイツ連邦統計局からドイツ1-3月実質GDP速報が発表され、前期比フラット(細かく見ると+0.047%)と、2期連続マイナスのテクニカルリセッションは辛うじて回避されたものの、昨年10-12月期は▲0.4%⇒▲0.5%へと下方修正されるというやや弱い内容でした。 https://tradingeconomics.com/germany/gdp-growth 速報なのでヘッドラインのみの発表で、内訳については5月25日を待つ必要があり…
メタが決算好調で市場を引っ張る。楽観ムードが不安材料を吹き飛ばす。
指標 ・米 1-3月GDP 1.1%成長と予想の1.9%を大幅に下まわる。 個人消費が+3.7%と旺盛で全体を支えたが設備投資・在庫が低調。 ・米 個人消費支出コア価格指数(PCE) +4.9%と予想の+4.7%を上回る。 引き続きインフレが続いていることを示す。 ・米 前週失業保険申請件数 23万件と予想の24.8万件を下回る。 引き続き労働市場が強いことを示す。
20230427 ドイツ経済省GDPナウキャスト、Q1前期比+0.3%の予想
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Infografiken/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2023/04/11-konjunktur-BIP-nowcast-download.pdf?__blob=publicationFile&v=4 ドイツ経済省が毎月下旬に発表しているドイツ四半期実質GDPのNOWCASTが今ようやく出て、Q1は前期比+0.3%(上図)、Q2は前期比+0.5%となっていました。 実際にその通りで着地するようなら、市場予想や各種経済研究所の予測よりやや強めの軌道になります。 なお、Q1(4月28日ド…
ドイツ経済省が毎月下旬に主要経済指標のデータ/チャート集(Schlaglichter der Wirtschaftspolitik)を発表しています。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Publikationen/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/schlaglichter-der-wirtschaftspolitik-05-2023.html 今回はその中で見ておく価値のあるグラフを抽出してご紹介します。 ●グローバル景気先行指数(総合PMI)~年初から大きく改善 ●ドイツ製造業海外受注~予想以上に急回復/上記と整合的 …
20230426 ドイツ政府今年+0.4%成長予想へ上方修正
先ほどドイツ経済省から経済見通しのアップデートがありました。以下そのポイントを抽出しておきます。 ハーベック経済相が本日発表した政府春季予測によると、実質GDP成長率予想は今年+0.4%、来年+1.6%(前回1月:+0.2%/+1.8%)。~他機関比強め ドイツ経済は今冬、極めて高い適応力と回復力を示した。鉱工業生産、受注、景況感など直近の経済指標は底堅い経済成長を示唆。 企業のコスト増と一般家庭の購買力低下を緩和するために政府が講じた広範な支援策と安定化策が、深刻な景気減速を防いだ。 ガス不足は、企業や消費者の節約努力のおかげで防ぐことができた。 インフレ:既にピークアウト。今年+5.9%、…
https://www.bundesbank.de/de/publikationen/berichte/monatsberichte/monatsbericht-april-2023-764252 毎月20日前後にドイツ連銀月報が発表され、毎月必ず手短な経済分析(Kurzberichte / Konjunktur )が入っています。その部分のエッセンスを抽出しておきます。 今年第1四半期のドイツ経済は1か月前(マイナス成長の可能性が高いと言っていた)に思っていたより好調。恐らく前期比プラス。 インフレが個人消費に重くのしかかり、消費者関連サービスは引き続き厳しい。 EV購入補助金が昨年末で終了…
20230424 ドイツ第1四半期GDP(4/28速報)前期比スモールプラスの可能性高そう
今週金曜朝、今年の第一四半期のドイツ実質GDP成長率(速報)が発表になります。 ドイツ連銀が「マイナスかも」と言い続けているので、プラスかマイナスか微妙な情勢でしたが、直近の各種データを見ると、前期比小幅プラス(+0.1~0.2%あたり)となる可能性が高まっていると思います。 冒頭グラフは独4大研の春季合同経済予測(4/5発表)でも前期比+0.1%となっています。 プラスで着地できれば、昨年第4四半期の前期比▲0.4%に続く2期連続マイナスというテクニカルリセッションは回避できることになります。 ●市場予想は前期比+0.1~0.2%。 ●ドイツ連銀の週次景気活動指数:WAI(本日発表分)の直近…
<Japanese> 先週発表されたIMF世界経済見通しを見ると、日本の実質GDP成長率は2023年+1.3%/2024年+1.0%/2025年+0.6%(潜在成長率は0~0.5%)、インフレは同+2.7%/+2.2%/+1.6%(日銀ターゲットは2%)となかなか良いバランスになっています。世界の主要国ではインフレ上振れがまだ大きなリスクとして残っていますが、日本ではその心配がほとんどありません。今年の賃上げは3%強と、実質賃金をプラス圏に押上げつつも、賃金・インフレスパイラルは起こさない水準で着地する見込みです。 日本経済のこのような明るい見通しを反映して、今年のゴールデンウイーク(4/29…
先ほどドイツ経済省の経済月報が発表されました。 www.bmwk.de 前月(雇用、小売、物価)~前々月(生産、受注、貿易)の主要統計がひと通り出そろう月半ばのタイミングですぐ出てくるので、大変便利です(ドイツ連銀月報の経済分析はもう少し後から出ます)。 ポイントは以下の通りです。 足ともの経済指標は、2023年第1四半期ドイツ経済の堅調さを示唆。サプライチェーン障害の更なる緩和、エネルギー価格の大幅下落、温暖な天候がその背景。 第1四半期のGDPは前期比わずかながらもプラスとなる可能性が高く、テクニカルリセッションは回避できる見込み(Q4は▲0.4%だった)。 5賢人、4大研とも今年通年のド…
上の表は、内外主要機関のドイツGDP/インフレ予測一覧表です。今回のIMFは今年▲0.1%のマイナス成長を予想している点が特徴的です。他にマイナスを予想しているのはハンデルスブラット研(HRI)のみで、他の機関は概ね+0.2~+0.3%の予想となっています。 以下ドイツ関連のデータ(緑)を日本(紫)と対比したグラフです。 https://www.imf.org/external/datamapper/datasets/WEO ①実質GDP成長率~今年はドイツがマイナスなので日本が上 ②名目GDP規模(米ドル建)~日本は猛追されているがまだ当面抜かれない ③一人当たり名目GDP(米ドル建)~ドイ…
https://www.imf.org/external/datamapper/NGDP_RPCH@WEO/OEMDC/ADVEC/WEOWORLD たった今、IMF世界経済見通し(WEO)アップデート結果について発表があり、上図/表の通り、日本のドル建てGDPは、まだ当面ドイツに抜かれることはないという内容になっていました。 購買力平価(PPP)ベースでも同様で、まだ抜かれていません。 しかし、自国通貨建て(ドイツ:ユーロ、日本:円)で見たドイツの名目GDPは既に十分大きな規模となっており、日本の名目GDPがドイツに抜かれないためには、ユーロ円レートが下表太字以下の水準であることが必要な状況…
<Japanese> 4月5日にドイツ有力経済研究所4つ(ifo、キール、エッセン、ハレ)による春季合同経済予測が発表されました。米欧金融不安の影響を反映した分析でもあり、現時点でドイツの中で最も権威ある経済予測となっています。これによると、ドイツの実質GDP成長率は今年+0.3%とわずかなプラスを維持しますが、日本の+0.9%よりは見劣りするということになっています。ドイツの潜在成長率は足元の1%弱から、2027年には0.5%と、さすがのドイツでも成長率は鈍化傾向にあります。しかし、ドイツの「名目」GDPを見ると、今年+6.3%で4兆1092億ユーロ、来年+4.2%で4兆2801億ユーロに膨…
20230408 ハンデルスブラット紙はドイツのマイナス成長を予想
https://www.handelsblatt.com/downloads/29080846/4/2023-04-06-hri-konjunkturprognose-lang.pdf ドイツの今年の経済成長率については、他の多くの経済研究所が+0.2~0.3%の小幅プラス予想で収斂しているのですが、ドイツ経済専門紙ハンデルスブラットの付属機関である「ハンデルスブラット研究所」(HRI) は今年▲0.2%、来年+0.9%とかなり弱い予測を出してきました。 以下リュリュップ所長のコメント抜粋です。 2022年第4四半期のGDPが前期比▲0.4%と縮小した後、今年第1四半期も同程度のマイナスに陥っ…
https://www.ifo.de/fakten/2023-04-05/gemeinschaftsdiagnose-fruehjahr-2023-inflation-im-kern-hoch 先ほどドイツ4大研(DIWはマクロ経済予測機能を停止中)による春季合同経済予測が発表されたので、そのエッセンスをお届けします。 ●GDP/インフレ予測 他機関との比較~ほぼコンセンサス通り ●今年Q1のGDPは前期比+0.1%、Q2以降は+0.2%/+0.4%/+0.4%を予想。 ●寄与度~建設▲0.6%。在庫+0.6%ptと外需+0.4%pt頼み。 産業別では、製造業+1.6%pt(サプライ障害↓+エ…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/04/PD23_133_51.html 先ほどドイツ2月貿易統計(上図)の発表があり、以下の通り堅調な内容となっていました。ドイツのGDPの4~5割を占める輸出の回復は、ドイツ経済にとっても朗報です。 輸出:前月比+4.0% 前年比+7.6% 輸入:前月比+4.6% 前年比+3.8% 貿易黒字:160億ユーロ(約2.3兆円) 重要な貿易相手国別の状況は以下の通りです。 中国~輸出(赤)、輸入(青)とも年末年始の低調から(やや)反発しています。 米国~輸出(赤)、輸入(青)とも安定…
20230403 ドイツ連銀のGDPナウキャスト、Q1前期比▲0.4%に悪化
(緑:実質GDP水準、青:ドイツ連銀WAI水準) 先ほど発表されたドイツ連銀週次経済活動指数(WAI、GDPナウキャスト的指標)は今週急激かつ大幅に悪化し(下図右)、四半期GDP換算で前期比▲0.4%となっていました。もともとドイツ連銀は「今期もマイナスになる可能性が高い」と予告しています。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex 背景について特段説明はないのですが、こんなに急に悪くなる理由として思い当たるのは、銀行不安とストライキくらいです。リ…
つい先ほどドイツ連邦雇用庁から3月分のドイツ雇用統計が発表されました。 ●市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、+16千人と市場予想(微増)比やや弱めの内容でした。但し、本格的な悪化が始まるような気配は感じられません。 ●連邦統計局の評価は「底堅くはあるものの、景気軟化で弱目」となっています。 ●昨年6月からウクライナ難民を失業者カウント対象としたため0.4%程度押し上げられていた失業率はしばらく上昇が止まっていたのですが、今月は5.6%と前月比0.1%切り上がっています。 ●3月時点でウクライナ難民の労働力人口は49万人、うち19万人が失業者となっています。今月の失業率上昇はウク…
先ほどドイツ連邦統計局からドイツの2月小売売上の発表があり、 実質:前月比▲1.3%、前年同月比▲7.1% 名目:前月比▲0.5%、前年同月比+2.6% と3か月連続で市場予想を下回る弱い着地となっていました。 2月インフレ率が前年同月比+8.7%と高止まりしたため、名目はプラスでも実質は大きくマイナスになってしまっているという状況です。 名目(ピンク色)は結構な高水準を維持しているにもかかわらず、この1年くらいはインフレに大きく食われて、実質(赤色)がじりじり切り下がり続けています。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2…
半年毎に実施・発表されるドイツ銀行協会の経済予測が本日発表されました。 会員銀行の15人のチーフエコノミスト達によって作成されているので、公的機関のものより金融市場のコンセンサスに近いものになります。 ヘッドラインは上図の通りで、他機関と比べると、今年ゼロ成長、来年はGDPもインフレも弱めというのが特徴になっています。米欧金融不安台頭による引き締め効果を勘案した結果のようです。 エネルギー価格の一段の高騰やガス不足を免れたため、ドイツとユーロ圏は深刻な景気後退を回避することができた。 しかし、エネルギー価格の高止まりと依然として高すぎるインフレが、個人消費と企業投資の重荷となっている。 金融不…
https://www.ifo.de/fakten/2023-03-28/exporterwartungen-verbessert-maerz-2023 本日ifo研から3月輸出期待指数が発表され、上図青線の通り、若干の改善(先月の3.5から4.0に上昇)となっていました。 最近大幅に改善しているifo景況指数と比べると、かなり弱弱しく見えてしまいますが、世界的なリセッション懸念の高まりの中でもドイツの輸出(下図緑線)が下げ止まる可能性が高まっていることは朗報です。 (緑:輸出、赤:コンテナ物流量、青:ifo輸出期待指数~本件) 上図コンテナ物流量(赤線)とドイツ輸出全体(緑線)の落ち込みは、…
現時点で出揃っているGDPナウキャスト類を並べてみると、今年Q1のドイツGDP(4/28速報)は前期比プラスかマイナスで完全に割れています。 ①本日リリースされたドイツ連銀週次経済活動指数(WAI~週次GDPナウキャスト的なもの)は、2023年Q1のGDPが前期比▲0.2%となることを示唆していました。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②ドイツ経済省の直近GDPナウキャストは、前月から下がりはしたものの、Q1前期比+0.3%と予想していま…
先ほど発表された3月ifo景況指数は、市場予想を大きく上回る改善を示していました(上図)。https://tradingeconomics.com/germany/business-confidence 期待指数(下図青線)だけでなく、現況指数(黒線)も上昇しており、今年第1四半期のGDPが前期比プラスで着地する可能性を高めています。 景気サイクル的にはまだまだリセッション領域内ですが、今後3ヶ月以内には回復局面(第2象限)に入れそうな感じになってきました。 業種別にみると、製造業(左上)とサービス業(右上)が好調です。特に、自動車、電機、化学、機械といったドイツ製造業のエースたちの景況感が大…
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Release/PressReleases グローバルベースで景気先行指標として重宝されているPMI速報が本日発表されました。 ドイツ総合(製造業+サービス業)PMIは大きく回復し、今年第1四半期のドイツGDPがスモールプラスで着地する可能性を示唆しています(冒頭のグラフ)。 但し、この改善はほとんどサービス業によるもので、製造業の景況感は下図の通りまだ下向き(特に受注が軟調)が続いています。 なお、ドイツQ1GDP速報は4月28日に発表予定で(まだ市場予測は出そろっていませんが)前期比ゼロをはさんでプラスマイナスどちらに…
先ほどドイツ政府経済諮問委員会(通称5賢人委員会)よりドイツ経済予測の発表がありましたので、興味深いポイントを中心にご紹介します。●最近の内外他機関と比較すると、来年のGDPに弱気なのが最も目立つ。 ①インフレに伴う購買力低下、②資金調達状況の悪化、③外需の回復の鈍さ、 を懸念している模様。 今年のインフレ(6.6%)やや強めで、賃上げ(+5.9%)とPPIが強いと見ている。 ●第1四半期GDPは前期比▲0.4%を予想(左)。 当面アウトプットギャップマイナス(右) ●インフレ軌道~今年高めも、ほぼコンセンサス並み ●賃金は今年+5.9%、来年+4.5%を見込む(協約ベースでは+4.6%/+4…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/03/PD23_118_45213.html 先ほどドイツ連邦統計局から今年1月のホテル・レストラン業界の売上高速報値(上図は実質ベースの水準:2015年=100)が発表されました。 前年同月比実質+19.4%、名目+31.8%と大きく回復しているだけでなく、 10%強の値上げ(名目と実質の差)に成功している姿が確認できました。 ただし、2019年1月との対比では、宿泊▲12.7%(青)、飲食▲12.0%(赤)とまだコロナ前の水準を下回っています。 ちなみにドイツのGastgew…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/906392/cfee7ae26ec263ab2b8d2b99b4dfc2f7/mL/2023-03-monatsbericht-data.pdf 本日ドイツ連銀月報(3月号)が公表されたので、その経済分析部分のポイントをざっと抽出しておきます。 3 月のドイツのCPI(3/30発表)はベース効果により大きく低下する可能性高いが、コアは高止まる見込み。 HICPの年次改定で、パッケージ旅行(1.2⇒3.5%)、レストラン(2.8⇒4.9%)、宿泊(0.8⇒1.8%)などでウェート上昇、家賃(11.3⇒7.3%)、エ…
20230320 ドイツ連銀Q1GDPナウキャスト、前期比フラットまで低下
https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex 先週までは前期比+0.5%ペースだったので、ここ1週間で大幅に低下したことになります。 dateno.hatenablog.com この間、何かニュースがあったかというと、やはり金融システム不安(シリコンバレー銀行、クレディスイスなど)くらいしか見当たりませんので、金融システム不安でドイツ経済の手かいったん止まっている、ということかと思います。来週のWAIとまもなく出てくるはずの経済省ナウキャスト(現時点で…
20230320 ドイツ製造業受注残、月商の7.4か月分と高水準維持
今朝のドイツ連邦統計局発表によると、今年1月の製造業受注残(実質/インフレ勘案後)は 前月比▲0.5%、前年同月比+1.2%(赤:総合、黒:国内、青:海外) 月商(直近12ケ月平均)の7.4ヶ月分(投資財10.7、中間財3.8、消費財3.4ヶ月分) と引き続き高水準が維持されていました。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/03/PD23_111_421.html 製造業受注(青)は下図の通り最近非常に冴えない状況が続いているのですが、生産(赤)がほとんど落ちないのは、受注残がこのように積み上がっているためです。 …
GDP鈍化で軟調 南アフリカランドのスワップ成績(2月26日週)
南アフリカランドの推移 みなさんこんにちは。高金利通貨に分散投資してスワポを稼いでいます。南アフリカランドは今年の最弱通貨となっているうえ、スワポもメキシコペソと比較するとちょっと見劣りします。3月7日に南アフリカ統計局が発表した第4四半
「西洋が東洋に侵略する、それに対する抵抗がおこる、という関係で世界が均質化すると考えるのが、いま流行のトインビーなんかの考えですが、これにもやっぱり西洋的な限界がある。現代のアジア人が考えていることはそうではなくて、西欧的な優れた文化価値を、より大規模に実現するために、西洋をもう一度東洋によって包み直す、逆に西洋自身をこちらから変革する、この文化的な巻き返し、あるいは価値の上の巻き返しによって普遍...
www.oecd.org 本日OECDの世界経済予測が出たので、そのドイツ関連部分を中心にざっとチェックしておきました。 <グローバル全体感> ●エネルギー(左)もその他商品(右)も価格は落ち着いてきた ●企業も家計もセンチメントが少し上向いてきた ●中国依存~左:観光では韓国、ベトナム、日本、タイ、台湾への影響大 右:資源ではアルミ、銅、ニッケル、石炭の半分以上を中国が消費 ●GDP~ドイツの今年+0.3%/来年+1.7%はほぼコンセンサス並み予想 ●インフレ~今年のドイツインフレは高め予想/特にコア大幅上方修正 <ドイツ関連> ●ドイツの雇用の堅調さ(失業者一人当たり求人数:1.4)がピッ…
昨日ドイツ経済省から出た月次経済報告をざっとチェックしました。以下そのポイントを整理しておきます(特段新規悪材料なく、イメージ通りです)。 www.bmwk.de 昨年第4四半期のGDPは前期比▲0.4%と急速に縮小した(速報値から0.2%ポイントの下方修正)。 ①高インフレによる購買力低下と消費抑制、②金利上昇による設備投資・建設投減少、③まだ残っている供給ボトルネック(特に化学)がその主因。 今年第1四半期のGDPが前期比マイナスとなり「テクニカルリセッション」となる可能性は否定しきれないが、各種指標は結構好転しており、景気後退に陥ったとしても短期かつ浅いものとなる可能性が高い。 世界経済…
Our monetary policy statement at a glance - March 2023 こちらの一般市民向け説明で超シンプルにエッセンスを説明しているのでまずこちらからいきます(1分で済みますので、毎回スタッフプロジェクションより先にこちらに目を通すことをお勧めします)。 ①本日0.5%利上げしたが、今後はデータ次第(フォワードガイダンスなし)。 ②インフレはまだしばらく高すぎ。 ③景気は思ったほど悪くないが、まだ脆い。 ④雇用は強く、賃金は上がっている。 ⑤GDP予想~直近の金融不安による影響は不透明(SVB破綻前に作成されている) ⑥インフレ予想~同上、12月予測比大…
20230315 キール研は今年Q1前期比+0.2%予想(通年+0.5%)
https://www.ifw-kiel.de/de/publikationen/medieninformationen/2023/deutsche-konjunktur-stabilisiert-sich/ 先ほどキール研(IfW)から春季経済予測が発表され、ヘッドラインは以下の通りとなっていました。 実質GDP:今年+0.5%/来年+1.4% 四半期の走りは(冒頭グラフ)、今年Q1⇒Q4:+0.2%/+0.3%/+0.3%/+0.3% インフレ:今年+5.4%/来年+2.1%(他機関比低め) 失業率 :今年5.4%/来年+5.2%(他機関同様悪化は見ていない) 今年+5%、来年+6%の賃金…
20230315 ドイツ個人消費、昨年堅調も今年はマイナス見込み
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/03/PD23_106_811.html 今朝の連邦統計局発表によると、昨年の個人消費は、名目+10.7%、実質でも+3.4%となかなかの堅調ぶりでした。 +6.9%とインフレ率が大幅に上昇したにもかかわらず、コロナ制限の解除の好影響が大きかった。 旅行や外食などのサービス支出が実質ベースで+8.3%と大きく増加。 ただし、2019年(コロナ危機前)比ではまだ▲1.3%。 一般家庭における電気代は前年比+19.3%、ガス代は+13.9%と急騰したが、節約に徹したため、実質ベースで…
www.ifo.de たった今ifo研の春季経済予測が発表され、2023年実質GDPは▲0.1%のマイナス成長予想となっていました(2024年は+1.7%)。 以下のドイツ政府公式予測+0.2%や昨日発表のハレ研+0.4%よりやや弱気です。 インフレと高金利のせいで、個人消費と建設がかなり弱めになると考えている模様です。 インフレについては、来年かなり2%に近づくという楽観的予想になっています(他機関は3%超を予測)。 総合:今年+6.2%/来年+2.2% コア:今年+6.3%/来年+2.8%
20230314 ハレ研、ドイツQ1GDP前期比+0.1%予想
https://www.iwh-halle.de/themen/konjunktur/ 本日、ライプニッツ経済研究所 (IWH、@ハレ⇒通称「ハレ研」) が春期経済予測を発表しました。 私が注目している四半期毎のGDP予測(上表)は、2023年Q1前期比+0.1%、Q2+0.2%、Q3+0.5,Q4+0.6%となっていました。 暦年ベースでは今年+0.4%、来年+1.9%となっています。 本年第1四半期GDPについては、市場は前期比マイナス(▲0.1~▲0.5%)を予想していますが、ハレ研は、公共投資と純輸出(輸入↓)が強いおかげで前期比プラス0.1%の着地予想としています。但し在庫増減は(読…
20230313 ドイツ連銀、①GDPナウキャスト堅調、②理事担当割変更
①毎週月曜夕刻にアップデートされるドイツ連銀の週次経済活動指数(WAI~GDPナウキャスト的なもの)が先ほど更新され、3m/3mベースでのGDP成長モメンタム(厳密には昨年末比3月末ではない)が+0.5%(先週の+0.6%からは低下)となっていました。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex 月一回更新(毎月下旬)ドイツ経済省のGDPナウキャストがQ1前期比+0.4%となっていましたので、引き続き整合的内容です。 https://www.bmwk…
20230309 新ユーロ圏におけるGDPとHICPの各国シェア
ユーロ圏メンバーが変わる(今年からクロアチア加盟で20カ国に)度に必要になる基礎作業を片付けました。お手元ご参考用です。 日米英中などと違って、ユーロ圏は複数の国の集合体なので、ユーロ圏各国のインフレ関連ニュースはHICPのウエートで、経済関連ニュースはGDPウェートで消化する、というのが基本動作です。 ちなみに余談ですが、HICPは消費支出のウェートに基づいているので、GDPとは少しずれています(イタリアは消費支出のシェアが大きく、アイルランドは小さい)。 実務上、イタリアのインフレはユーロ圏全体へのインパクトが気持ち大きいということだけ覚えておきましょう。
20230309 クロアチアを加えた新ユーロ圏における各国GDPシェア
Eurostatから2022年のユーロ圏GDP統計がQ4まで一通り(ほぼ)出揃いましたので、ユーロ圏新メンバーであるクロアチアを加えた20カ国ベースでの名目GDPシェアを計算しておきました。 ドイツは28.8%、クロアチアは0.5%となっています。 世の中でまだあまり見かけないので、お手元ご参考用として。 https://ec.europa.eu/eurostat/documents/2995521/16249744/2-08032023-AP-EN.pdf/30b3811c-f085-b7aa-c533-4733b1457ab9